射手座23度「移民が入国する」
マーク・エドモンド・ジョーンズの射手座23度のサビアンシンボルは、Immigrants entering.「移民が入国する」。
ここには、ふるさとから飛び出して移民として新しい国に入国し、そしてそこに根を生やして生きて行くことが描かれています。射手座には「はるか遠くを目指す」性質がありますので、この「移民」というのも、とても射手座らしい象意のひとつということができるでしょう。
この度数のドデカテモリーは、度数の前半が獅子座、度数の後半が乙女座となります。
前半の獅子座のルーラー(支配星)は「太陽」で、これは「~したい」という能動の意志をあらわします。これと射手座との組み合わせは、同じ火のエレメントどうしとして、「意欲」や「活力」が満ちている状態ということができます。
またドデカテモリー後半の乙女座のルーラー(支配星)は「水星」で、細やかで具体的な作業や思考を意味します。
そして、もともとのサインの射手座とこの乙女座は、アスペクト的には「スクエアー」の関係になります。「スクエアー」は、そのままでは両立が難しいサインともいわれていますので、ちょっとこのことについて考えてみましょう。
たとえばここで、射手座というサインを「冒険の船旅」に例えてみるとします。そうすると確かに冒険の旅には、射手座がもっている「未知の世界にときめきを感じる」性質や、太っ腹で豪快な気質が生かされるのはとても良くわかると思います。
度数前半のドデカテモリー獅子座と射手座の組み合わせは、同じ「火」のエレメントの掛け合わせとして、これらの気質をより肯定することで倍増し合うことになります。
しかしながら、それだけでは冒険の船旅は成功しません。たとえば、次の港までに十分な人数分の食糧はどのくらいかを計算したり、そしてそれを実際に調達したりという、乙女座的な細かい作業の積み重ねも、船旅が成功するためには欠かせない作業となります。
そして、また、冒険には無謀なくらいのチャレンジ(射手座)は必要ですが、そのぶん身体へのいたわりや健康管理(乙女座)も欠かせないことであることがわかります。
このように、スクエアーのアスペクトの中には両立か難しい価値観が存在しているのですが、その異なる価値観が対立することなく補い合うことができると、お互いの欠点が補強され合って、よりパーフェクトなありようになったりもするのですね。
ディーン・ルディアはこの射手座23度のサビアンシンボルを、 A group of immigrants as they fulfill the requirements of entrance into the new country.「新しい国への入国に必要な条件を満たす、移民の集団」と言い換えました。
もともとのジョーンズのサビアンシンボル、Immigrants entering.「移民が入国する」と比べると、they fulfill the requirements of entrance 「入国に必要な条件を満たしている」という要素が書き加えられていることになります。
そこで思い浮かぶのは、乙女座サインを表わす神聖幾何学である六芒星の形です。六芒星は△と▽の組み合わせで出来ていますが、「入国に必要な条件」を△であるとすると、「それを満たしている」ということは▽となり、この二つがここでは、ピッタリと合致していることになります。この二つの合致そしてそのための微調整こそが、乙女座サインの根本にある象意となります。
また、「入国に必要な条件」から具体的に連想されるものとして、パスポートやビザなどの細かい書類申請や手続きがあるわけですが、そのあたりもドデカテモリー乙女座にピッタリな状況の説明ということができるでしょう。
これらのことから、このサビアンシンボルを活用して行くためには、このサビアンシンボルの度数である23度の特質である、「跳躍と着地を自由に遊ぶ」ということに目を向けてみると良いでしょう。
「跳躍」のほうは、度数前半のドデカテモリー獅子座のように、思い切った大きいことをすることを指しています。そして「着地」のほうは、度数後半のドデカテモリー乙女座のように、新たな場所に合わせて柔軟に変化して行くことを指しています。
23度というのは2+3で5の数霊の系列に属しますので、どんなときにも「遊び心」があると解釈します。未知の体験に向かうときにも、深刻になって固まったりせずに「何事もわくわくと楽しんでしまう」姿勢が、ここでは、適応力を発揮して行くポイントとなることでしょう。