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蠍座24度「一人の人の話を聴くために山から降りてきた群集」

マーク・エドモンド・ジョーンズの蠍座24度のサビアンシンボルは、Crowds coming down the mountain to listen to one man. 「一人の人の話を聴くために山から降りてきた群集」。

ディーン・ルディアはこの蠍座24度のサビアンシンボルを、After having heard an inspired individual deliver his “sermon on the mount” , crowds are returning home. 「 霊感を受けた人の『山上の垂訓』を聞いたあと、人々は家路につく」と言い換えました。

ここでルディアが書いている “sermon on the mount”「山上の垂訓」とは、新約聖書に出てくるお話しで、このお話は、マタイ伝とルカ伝の二ヵ所に書かれています。

そこには、キリストが弟子や民衆に向かって、いくつかの言葉を発しているシーンが描かれているのですが、「山上の」と呼ばれているくらいなので、その説法をしている場所は山の上なのかと思いきや、マタイ伝とルカ伝とではその場所は違っていて、マタイ伝ではキリストは山の上で述べていますが、ルカ伝では山を下って平地に立ってから、その言葉は語られています。

この場合の「山上」というのは、精神性の高みを指しています。そして「平地」とは、日常生活を送る場所になります。「山上」というのは、つまり異界ということになりますので、そこでは霊感を受けたり超常現象を体験したりということも、起きてくることになるわけです。

ルディアも、自身の著書の中で、このサビアンシンボルの要旨を「感動的な体験や教えを日常生活に取り入れる必要性」としたうえで、次のように書いています。

「今日、私たちは『絶頂体験』(マズロー)についてよく耳にします。そのような体験をしたすべての人が直面する大きな問題は、感じたこと、見たこと、聞いたことをどのように吸収し、それを日常の意識や行動にどのように変えるかということです。 これを行わないと、その経験は混乱を招いたり、有害なものになったり、場合によってはその人の誠実さを破壊するものになる可能性があります。」

このサビアンシンボルの度数である24度とは、2 + 4 = 6 で、「6」の系列に属する数字となりますが、「6」の数字は、占星術の乙女座サインや、タロットの大アルカナの「6.恋人たち」のカードにあらわれているように、環境と人などの組み合わせという意味を持っています。

つまり、「6」の数字とは、△と▽が組み合わさってできる六芒星の図形に表されるエネルギーで出来ていることになるのですが、ここでは、精神的な極みにおいての絶頂体験を△に、そして日常生活を▽に、あてはめることができることになります。

また、この度数のドデカテモリーは獅子座で、ここにおける獅子座の意味は、中心となる光や輝きということになるでしょう。また、「山上の垂訓」における individual「個人」を、中心にあるもの、そして光り輝くものとして、獅子座のルーラー(支配星)である太陽に当てはめて考えることも可能となります。

そして、このサビアンシンボルのもともとのサインである蠍座とともに、獅子座も固定宮となりますので、変わらないもの、不動な教えということがここにはあることになります。

ルディアは、著書の中で、さらに次のように書いています。

「高い山から、あるいは意識の『上層部』から『家に戻る』ことは、存在の通常の現実による抑圧感につながる可能性があります。あるいは、照らされた魂は、その光を十分に保持して、あらゆる日常の状況を変容させる可能性があります。これが、変容への大きな挑戦です。」

これらのことから、このサビアンシンボルを活用して行くには、自身の精神性と日常生活とを、調和させて融合して行くと良いということがわかります。

つまり、ここでは、霊感を受けた人が、みんなのスピリチュアルを促す△ことと、みんなのより良きグラウンディングを促す▽ことは、同時に行われていることがわかるのです。


蠍座24度 今季洋