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山羊座26度「水の妖精」
山羊座26度のマーク・エドモンド・ジョーンズのサビアンシンボルは、A water sprite.「水の妖精」。
ディーン・ルディアは、この山羊座26度のサビアンシンボルを、A nature spirit dancing in the iridescent mist of a waterfall.「滝の虹色の輝く霧の中で踊る自然霊」と言い換えました。
この二つを比べてみると、やはりルディアの言い換えは、とても動画的ということがわかります。もともとのジョーンズのサビアンシンボルは、シンプルで抽象的ですが、ルディアのほうは、まるで映画のワンシーンを見ているような臨場感にあふれています。
どうしてここに、「水」が出てきているのかは、この度数のドデカテモリーが蠍座であることが、その理由です。蠍座は水のエレメントに属するサインなのです。水というエレメントは、心情的なものを表わし、優しさなどの心の交流を大切にします。そして、融合する力を持っていて、相手と一体化することを好みます。
そして、また、ルディアはその「水」を「滝」に置きかえましたが、滝以外でも、蠍座的な水とは、地下の奥深くを流れる水脈や、井戸などをあげることができます。
滝というのは落差があって、そこには霧状の水しぶきが上がります。落差は大きければ大きいほど、滝はダイナミックな姿を現します。ドデカテモリーが蠍座であることを考えると、これは、巨大な滝であることが考えられそうです。蠍座のルーラー(支配星)は冥王星で、極端であることをその象意の一つに持っています。
また、このサビアンシンボルの度数である26度には、完成したものを味わったり、堪能するという意味があります。この、完成したものとは、一つ前の25度で成熟に達した、そのサインの性質のことを指しています。
つまり、ここでは、一つ前の山羊座25度「東洋の敷物を扱う商人」で、山羊座のサインとしての成熟が完成していることになります。26度は、それらの完成したものを自分のところに引き寄せ、味わったり堪能したりして、そこから恩恵を受けとることになります。
山羊座サインの中にあるこの26度では、社会の伝統文化の中に脈々と受け継がれている、芸術性や情緒性を考えることができそうです。
日本でいったときには、それらに当てはまるものとしては、歌舞伎や能などの古典芸能や、国技となっている相撲、そして古来からの雅楽などの音楽や、茶道や華道、そして書道や文学など、さまざまなことをピックアップすることができるでしょう。
これらのことから、このサビアンシンボルを活用して行くには、伝統文化が持っている、上質な芸術性や情緒性にフォーカスすると良い、ということがわかります。
この上質な芸術性や情緒性は、よく「妖精」というシンボルにたとえられたりしています。これは、「絵にも描けない美しさ」のことで、言葉や絵画などでそれを表現しようとしてもなかなか難しい、感覚でキャッチすることしかできないような、霊妙な美的領域のことを指しています。
これらの、社会が持っている伝統文化に触れることで、そこから、その国やその地方ならではの山羊座体験ができるということができます。
社会の伝統文化の中には、このような、その土地ならではのローカルな個性のようなものが、色濃く出ている芸術性や情緒性があって、それは、社会の伝統文化の中に染み込んでいる「蜜」のようなもの、ということができるでしょう。
それらの伝統文化に触れることは楽しいことですし、またそこから受け取ることができる潤いには、私たちの感性や心を豊かにしてくれる作用もあるのです。
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