いまじゅん

16年間ベトナム(ハノイ)、6年間中国(北京、広州、香港)で働いたり、勉強したり。no…

いまじゅん

16年間ベトナム(ハノイ)、6年間中国(北京、広州、香港)で働いたり、勉強したり。noteではベトナム情報や中国とベトナムの関係を中心に、語学好き高じて勉強してきた英語、中国語(普通話、広東話)、ベトナム語を鍛えながら、現地を見て回って感じたことを色々発信していきたいです。

マガジン

  • ベトナムの華人

    今、自分が一番関心を持っているベトナムにおける中国系住民、在越華人について見聞きしたこと、学んだことを書いていきます。ゆくゆくは研究して、一冊の本にしたいなあと思っています。

  • ハノイで考えたこと・再び

    変化し続けるベトナム、そしてハノイ。日々の暮らしやベトナム人との語らい、そしてベトナムメディアの報道から、ベトナムの今を伝えます。ベトナム語で直接得られる情報ならではの内容をお伝えしていきたいです。10年以上の付き合いとなったベトナム・ハノイ、改めてここから考えたことを伝えていきたいと思います。

  • ハノイから旅行して考えたこと

    ハノイを少し離れて、時にだいぶ離れて、違った視点で考えたこと、或いは旅行記をお届けします。

  • カントーで考えたこと

    カントーで働き始めた2024年から、この街、メコンデルタなどについて考えたことを、ここにまとめていこうと思います。

  • ハノイで思ったこと(エッセイ)

    「考えたこと」とは一味違う、ベトナム文化や人々の考えの違いなどを、徒然なるままに思ったことを書く、エッセイーシリーズです。

最近の記事

  • 固定された記事

Sóc Trang省の華人ーメコンデルタ最大の文化の混沌

ベトナムで最も華人人口率が高いSóc Trang省 メコンデルタの華人シリーズ、第二弾はSóc Trang(以下「ソクチャン」)省の華人についてです。ソクチャン省はメコンデルタの南沿岸地域に位置する省で、ソクチャン省人口は約120万人、内華人62,389人(2019年人口センサス)と、人口に占める華人率は5%強、これは絶対数ではベトナム最大の華人集住地であるホーチミン市よりも「比率」としては大きい、ある意味「ベトナムで最も華人人口が多い省」なのです。また、メコンデルタ全体の

    • 潮州語の聞こえるベトナム-Vĩnh Châuの華人と混然一体

      カントーに住みだしてから半年が過ぎ、潮州系の華人に会うたびに「潮州語は話せますか?」と聞いて、「話せるよ」という人に会うことはほとんどありません。特に若い世代は「ムリムリ、まあおじいさん、おばあさんなら話せるかなあ」という感じで、街中で潮州語を聞くということは、まずありません。 そんな中「ヴィンチャウなら結構皆が話すよ」と聞いて久しいこの「Vĩnh Châu」、ソクチャン省南部沿岸の街です。これまでソクチャン市には何度も訪れ、既にnoteでも上記のように記事を書かせて頂いた

      • ハノイの南を護る金蓮祠ーベトナム人の民間信仰(聖母道)と道教の影響

        今回はハノイに戻ってきた時にたまたま訪れたこちらの祠、金蓮祠Đền Kim Liênを紹介しようと思います。またこれを機会に、自分自身もベトナムの民間信仰(聖母道)と道教の関係について頭を整理できればなと思っています。 金蓮祠:タンロン四鎮の一つ ハノイのホアンキエム湖など中心からやや南にあるこの祠は、ハノイにある四鎮(Thăng Long tứ trấn)と呼ばれる東西南北を守ると言われる祠の一つです。ちなみに他の三つは以下の通りです。 東:白馬祠 Đền Bạch

        • 南部ベトナム語で悩んだことー「洗う」のか、いや「氷なのか」?

          語彙が違う北と南のベトナム語 カントーに住みだして4カ月半、ハノイと行ったり来たりも良くしているので実質は4カ月弱でしょうか。ハノイである程度ベトナムに対する自信を蓄えてやって来たメコンデルタでは、だいぶ異なるこの地のベトナム語にかなりの勢いで打ちのめされつつ(苦笑)、しかし同時に南部・メコンデルタのベトナム語を非常に楽しんでいるところです。 「新しく洗ったコップ」に出会う そんなある日、あるカフェでこちらの光景に出会いました。左には「Ly tẩy mới」右には「Ly

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        Sóc Trang省の華人ーメコンデルタ最大の文化の混沌

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        • ベトナムの華人
          9本
        • ハノイから旅行して考えたこと
          14本
        • ハノイで考えたこと・再び
          69本
        • カントーで考えたこと
          7本
        • ハノイで思ったこと(エッセイ)
          4本
        • ハノイで読んで考えたこと
          16本

        記事

          Bạc Liêu省の華人ー「華人の街」と呼ばれた街で

          「華人の街」だったバクリュウの過去と現在 メコンデルタの華人シリーズ、第3弾はBạc Liêu(以下「バクリュウ」)省の華人についてです。バクリュウ省はメコンデルタの南沿岸地域で、ソクチャン省の東側に位置する省です。バクリュウ省人口は約90万人、内華人15,865人(2019年人口センサス)と、人口に占める華人率は約1.75%、メコンデルタの華人「比率」としてはソクチャン省に次いで多い省です。ただ1.75%と言われると「沢山いるなあ」という風には聞こえないかもしれません。し

          Bạc Liêu省の華人ー「華人の街」と呼ばれた街で

          Vĩnh Long省の華人ー「明郷」会館の残る街

          Vĩnh Long省、同省華人の基礎情報 Vĩnh Long省は、以下の地図のようにメコンデルタの中心部分に位置し、人口規模は約100万人です。南部出身首相としてドイモイ政策を推進し、ベトナム経済成長に貢献したとの高い評価を得て、国民(特に南部)からの信頼が厚かったVõ Văn Kiệt元首相の出身地でもあります。 同省にいる華人人口は2019年人口センサスでは3,627人、同省の同年総人口の0.35%と、メコンデルタの中では少ない方であると言えます。地元の人に聞いても「

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          ベトナム人は、段取り悪いもの勝ち?

          なんで先にやっておかないの? ベトナムにいると「ベトナム人は何でもっと段取りよくやらないんだ!」「もっとさっきのことを考えてやれば、こんなに締め切り前にバタバタしなくても良いのに!」と文句を言いたくなるケース、そう感じる方は日本人には多いのではないでしょうか。計画を立てて、それに忠実にやり、事前にやれることは先回りして早めにやっておき、最終的に期日通りに成果を出す。これが多くの日本人がビジネスや仕事の中で求められたり、求めたりしていることでしょう。でもベトナム人は、そういう

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          【語彙編】南部・メコンデルタ弁ベトナム語の特徴を解説…してみる?

          大いに違う南部・メコンデルタの語彙 前回解説に挑戦してみました南部・メコンデルタのベトナム語。まだまだ網羅しきれていないとは思いますが、自分でも書くことで北部ベトナム語との違いにかなり納得感が出ました。さあ、今回はそれに続いて語彙の違い編です。 日常で使う言葉ほど違う まず感じるのは、日常身の回りで使う言葉からしてかなり違うということ。しかも、その違い方は、発音が多少違うというわけではなく、完全に別の単語に置き換わっているということです。例えば「スプーン」。 雨の日に

          【語彙編】南部・メコンデルタ弁ベトナム語の特徴を解説…してみる?

          【発音編】南部&メコンデルタのベトナム語特徴を解説してみる

          ベトナム南北バイリンガルを目指して♬ 今回カントー滞在での大きなチャレンジと楽しみである、南部・メコンデルタのベトナム語。ベトナム語はほぼ独学なのですが、これまで足掛け20年くらい勉強しています。おかげさまでハノイでは基本的には苦労しないレベルにまでなりました。基本的な通訳・翻訳もできます。でも南北に長ーいベトナム、言葉の違いはかなりのものです。外国語好きの自分の好奇心にがかなり火が付いている今日この頃、Xでもこんな「ベトナム語・バイリンガル宣言」をしていました。 そこで

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          カントーCần Thơってどんなところ?(概況編)

          カントーで働くことになりました XなどSNSでもお伝えしました通り、実は4月半ばから、ベトナム・メコンデルタ、カントーで働いております。JICA(国際協力機構)とカントー大学との協力プロジェクトでのプロジェクトコーディネーター業務です。家族はハノイに残るのでハノイにも頻繁に戻ってきますが、ベトナム在住17年にして初のハノイ以外、南部での仕事・滞在となります。緊張もありますが、新たなチャレンジにワクワクもしております。メコンデルタ、ベトナム南部在住の皆様、そしてハノイ・北部の

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          テト映画キング活躍と国営ダークホース!テト正月ベトナム映画事情あれこれ

          テト正月の大ヒット映画! 明けたばっかりの2024年(旧暦、テト正月)年始早々の私のX(Twitter)投稿は、意図せずして映画の話題が多くなりました。実際にベトナムメディアでも、この大ヒット映画「Mai」の話題は相当盛り上がっています。 実際に観てきました映画「Mai」、純粋にエンタメ映画としてとっても楽しめました。まだまだ絶賛上映中なのでネタバレは避けますが、Xポストの通り、笑いも涙も全部あり、喜怒哀楽てんこ盛りで入っている感じでした。ちなみにちょっと大人のシーンもあ

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          新春!ハノイの村のお祭りを解説してみる

          西暦ではもう2月の半ばになりますが、旧暦のお正月、テトを迎えたばかりのベトナム。こちらでは、これからがようやく2024年、辰年の始まりです。 今日はこの旧暦テト正月に、うちの妻の実家の村で参加したお祭りについて、「解説」にチャレンジしたいと思います。祭りの概要についてはX(Twitter)で既に発信させて頂いたので、昨年のものなど中心にそれを引用しつつ、それぞれの意味合いや一口メモ(うんちく!?)を文章で添えて、自分でもより深く理解できればと思います。 ビジュアル的にはこ

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          今年は南部弁ベトナム語を勉強してみようと思う

          ベトナム語に触れて早20年、でも… 今日はベトナム語の話題です。noteやXのプロフィールにも書いていますが、私はベトナム在住が大分長くなり、本格的にベトナム語に触れてからはそろそろ20年近くになります。時にこのnoteでもベトナム語についての文章を書いたりなんかもしてきました。 ずーっと独学ではありますが、長年の努力もあってベトナム語はある程度できる、と思っています。そう、ハノイにいる限りにおいては…。 でも南部弁になるとかなりの苦戦 そんなベトナム在住歴が長い自分

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          世界を席巻するベトナムのお米!ーベトナム産米生産・輸出事情

          今回のテーマは突然ですがベトナムのお米の話題。お米の国ベトナム、っていうのは皆さんご存知のところかと思います。ただ昨年から今年初にかけて、ベトナムメディアでも景気の良い経済・貿易の話題として、ベトナムのお米が取り上げられることが数多くありました。それらをまとめて、実は世界を席巻しているベトナムのお米についても考えてみたいと思います。 世界第三位のコメ輸出国、ベトナム! 2023年のベトナム米輸出は絶好調でした。というのも、ウクライナ戦争に端を発した世界的な食糧需給が逼迫す

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          2023年ベトナムをニュースで振り返る

          2023年ベトナムで話題になったニュースとは? こんばんは、気が続けば2023年もあと2日を残すのみとなりました。そんな中、Youtube動画で急上昇ランキングの上の方(と言っても報道系なのでエンタメ系動画程ではありませんが)に、2023年のベトナム社会・経済・政治・外交を振り返る動画が上がっていました。 自分のX(ツイッター)発信はどの程度これら事件を反映していたかなあ、答え合わせじゃないけど比較してみようかなあと思い、動画内で紹介されていた国内社会事件と、自分がXで発

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          メコンデルタは誰のものか?ー映画「ĐẤT RỪNG PHƯƠNG NAM」から見た中華文化とベトナム文化

          久々の投稿、かつ久々になかなかマニアック、かつ長文です(笑)。今回は先日観たベトナム映画「Song of the South (Đất rừng phương Nam)」、そして同映画が巻き起こした議論から感じた、ベトナム南部、特にメコンデルタ地方における文化・社会の現在について書いてみようと思います。 ちなみに上記ツイートでは「まだ観られます」と書いていますが、この記事を書いている11月末段階では上映館はかなり縮小、主に南部でのみの上映となっています。ただ、逆に言うと10

          メコンデルタは誰のものか?ー映画「ĐẤT RỪNG PHƯƠNG NAM」から見た中華文化とベトナム文化