IMA ニュース 2002年3月号
モットー:果敢にリスクに挑戦し,素早く結論を出し,新しいビジネスを創出し,日本経済再生に寄与する。
IMA (Institute of Mathematical Analysis:数理解析研究所)ニュースをお届け
いたします。
弊研究所における研究開発
先日ある人から電話が掛かってきた。あいにく外出中であったため,家人が
応答したが,幣研究所のパンフレットがないかとのことであった。商品を販売したり不特定多数の人と会うことがないので,パンフレットの代わりにホームページを見てもらえればと考えて来たが,幣研究所の研究開発などを整理して述べているものがなかったので,この際まとめてみることにして作成したのが,下記の上図である。何かのお役に立てれば幸いである。
2月の仕事
(1)地下 GPS 実用化提案(信号源に関する提案)
(2)高感度 GPS のデモ実用化提案
(3)高精度 GPS の開発提案(米国で情報収集)
(4)通信変復調基礎理論(Wavelet)の調査
(5)UT2002 シンポジウムの論文作成(4 月/東京)
3月以降の予定
(1)地下 GPS の実用化提案
(2)高感度 GPS の実用化提案
(3)高精度 GPS のデータ解析(長基線キネマチック)
(4)通信変復調基礎理論(Wavelet)の調査
(5)ION GPS 2002 シンポジウムへのアブストラクト応募
(9月/アルバカーキー)
http://www.ion.org/meetings/meetings.cfm#gps
(6)UT2002 シンポジウムで論文講演(4 月/東京)
http://underwater.iis.u-tokyo.ac.jp/ut02/Welcome.html
(7)日本造船学会春季講演会(2002/05/東京)で講演
http://www.snaj.or.jp/
雑感:あっといわせるアイデア
前報で,米国カリフォルニア州のサンディエゴで,1 月末に開催された今年のION (Institute Of Navigation) の NTM (National Technical Meeting) に参加
して,筆者も地下 GPS に関する発表を行ったが,火星上で無人車のポジショニングを GPS の技術を使って行う発表に驚いたことを書いた。
筆者はここ数年 GPS の研究を続けているが,残念ながらいつも一歩遅れてし
まい,悔しい思いをしているので,せめてアイデアの世界ででも,斬新な提案をして,アメリカの連中をあっと驚かせて見たい,そんなことができたら,痛快至極であろうとも書いた。
そこで考えたのであるが,宇宙地震学あるいは惑星地震学というのはどうで
あろうか。例えば、月とか火星に地震計を置いて、人工地震を使って月や火星の内部構造を調べるのである。地震計や震源の位置は、pseudolite を使って計れるから,原理的には可能なはずである。貴重なデータが得られるのではないか。
もう一つは,火星の大気を利用した飛行機である。火星の重力は地球の 0.38
倍,大気の地表圧力は 1/200 である。大気が極めて薄いが,機体重量を軽くして,翼面積を大幅に増やして,蝶のようなものを考えたらどうであろうか? 飛行機ならば,火星表面を高速に動き回れるから,移動車に比べて広い範囲の大量のデータを得られるであろう。なかなか斬新なアイデアだと思ったのだが,前者については,アポロ計画のときにすでに月の上で実測されたそうである。
また,後者については,最近オーストラリアの人たちが火星上を飛ぶ飛行体を開発したそうである。世の中には,いろんなことをやる人がいるものである。