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本屋を3ヶ月やってみてわかったこと、これからやっていくこと
わかったこと
どんな本でも売れる。お客さんに適切に出会いさえすれば。
本店の他の棚主の棚を見ていると、「自分が無人島に漂着したときに、この本を持っていたとしても読まないかもしれない」という本があったりします。価格も高かったりして、敷居よりも壁がそびえ立ってる感じに見える。なので、「この本が売れることがあるのだろうか?」とけっこう疑っていたのですが、ある日売れていて、正直めちゃくちゃびっくりしました。
「どんな本でも売れる」、言い換えると「売れない本はない」、そういうことなんだってことがよくわかりました。
どんな本も「いい本」で、売れる可能性がある。その可能性を最大化すること、つまり、本とお客さんがいい形で出会えるようにすることが、自分の役割なんだなということが認識できたのがよかったです。
どう本を仕入れるかとか、棚に並べるかとか、そういうことに目がいってしまいがちだけど、今棚に並んでる本に良し悪しはなくて、それらの本をいいと思うお客さんに来てもらうことの方が遥かに大事だなと。そういうことに気づけてよかったです。前よりもずっと本のことを信じられるようになりました(信じきれてなくてすみませんでした)。
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本が売れないのではなく、本屋にお客さんが来ないのが問題(たぶん)。
本屋を始めた8月、「暑いと本は売れない」という話を耳にしました。その後、雨が増えてきた初秋には「雨の日には本は売れない」、肌寒い日が増えた最近は「夕方冷え込むと本は売れない」という話も聴きました。
実際、その通りでした。本が売れない日は想像以上に多くて。1日に3冊しか売れない日もありました。本が売れない。本屋が減っているのがよくわかります。これは厳しいなと。
でも、いろいろ考えているうちに、問題は本が売れないことではなくて、本屋にお客さんが来ないことなんじゃないかなと思うようになりました。
「火星がでている」が棚を借りている「本店・本屋の実験室」に来てくれるお客さんの購入率は25%くらい(正確な数字ではないが)。店番をしている感覚としては、「本ってけっこう買ってもらえるんだ」という感じです。来てくれた人、お客さんは本を買ってくれます。だから、問題はお客さんが少ないことだなと。
平日だと、1日の来店者が10人を切る日もあります。土日でも、天気が悪かったり、冷え込んだりすると来店者が少ないこともあります。
本をよく読むような知り合いに聴いてみても、「Amazonやメルカリで本を買っている」、「電子書籍で読んでいる」と答える人は多いです。本は読むけど、本屋に行かないという人は一定数いるし、これからも増えていくのだろうとも思います(僕自身もその一人だという自覚もあります)。
本が売れないのではなく本屋に人が来ない。いろんな要因はあると思うのですが、本質的には、本屋という空間の魅力が相対的に弱いということなんだろうなと今は思っています。あえて強い言葉を使うと、行く価値がない、タイパが低いと思われているんだろうなと。もちろん、本屋を魅力的に感じてくれている人がいるのはわかっています。本屋の魅力が語りきれないほどあることも。でも、そういう魅力を感じる人、語れる人が減ってきているということなんじゃないかと。
なので、「本屋に来てくれる人が少ない」という事実を真摯に受け止めて、今後いろいろな施策をやっていかないといけないなと思っています。
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本が売れるとうれしい。
小難しいことをつらつら書きましたが、本が売れるのがうれしいのは当初と変わらないです。自分の棚の本が売れるのはうれしいし、他の棚の本が売れるのもうれしい。何がうれしいのかよくわからないけど、とにかくうれしい。だから、もっと本が売れるようにしたいと思うし、そのためにできることはやっていきたいなと思います。
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これからやっていくこと
いい本を安く仕入れて、適切な値段で売る(継続)
商売の基本だと思っているので、愚直に真摯に続けていきます。前よりも、いい本を仕入れられるようになった気がするし、棚もいい感じに作れるようになってきているように感じています(めちゃくちゃ主観的な感覚ですけども)。引き続き、試行錯誤を重ねていきます。
お客さんがお店に来たくなるような機会を増やす(新規)
「本屋に行きたい」と思っていない人(つまり、ほとんどの人)でも、本屋に行ってみてもいいかなと思えるような機会を作っていきたいを思ってます。
11月18日に開催したサイレント・ブック・クラブ形式の読書会「小さく逃げる日」ですが、7名の方に参加して頂きました。来ていただいた方、本当にありがとうございました。マジでうれしかったです。
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イベントレポートはこちら。
誰か一人でも来てくれたら続けようと思っていたので、続けることにしました。毎月1回、定期的に開催する予定です(次回は12月末に実施予定)
また、誰にも言いたくないけど、誰かに聴いてほしいことを手紙で受け取る「受けとるよ」というアクティビティを新たに開始しました。
本棚にポストが置いてあって、同じく棚に置いてある便箋と封筒と筆記用具を使って、その場で手紙が書けます。専用の住所も用意したので、そこに郵送することも可能です。
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企画の詳細はこちらです。ずっとやりたかった企画で、張り切ってステートメントも書いたのでぜひ読んでみてください。
「本っていいよね」と思う人の声を大事にしたいなと思いつつ、エコー・チェンバーの中にいるのもよくないので、とにかくいろんな人に来てもらうための創意工夫をしていきたいです。最終的には、本や本屋に興味がない人が来ても楽しめる場所にできるといいなと思ってます。これから好きになる人にこそ、ぜひ来てほしい。
よくある質問
将来的に独立することは考えているんですか?
独立の定義によるかと思いますが、僕としてはすでに独立してやってると思ってます。場所はシェア型書店の一部というだけで、本を仕入れて、値付けして、棚のメンテナンスして、イベントを企画して、チラシを作って、インスタで広告出して、というのを全部一人でやっているので…。
もちろん、本屋としては規模が小さくて、家族を養えるくらいのお金を稼げているわけではないですけど、でも、独立した商売としてやってると言ってよいのでは?と思ってます(なので、趣味ではないです)。
店番の回数が少ないみたいで、なかなかお店に行くタイミングが合わなくて…
すみません…今は月に2回、水曜日の午後に店番に入っているのですが、タイミング合わないですよね…もしお店に来て頂ける日が決まっていたら、instagram、X、メールで事前に連絡頂ければと。可能な限り予定を調整して、ご案内できるようにしたいなと思っています。来て頂けるのは本当にありがたいので、ぜひ遠慮なく、ご連絡ください。
イベント、何か一緒にできればと思ってるんですが…
ぜひお声がけください。何か一緒にやれたらいいなと思ってます。
X
11月に本屋で読書会をやることにしました。
— 火星が出ている (@kaseigadeteiru) October 7, 2024
「対話」や「寄り添う」ことが大事、とされてる現代社会ですが、そういうのは一切やらずに、参加者がそれぞれに静かに本を読む会をやります。
拡散力がなさすぎるので、もしよければシェアをお願いします。 pic.twitter.com/MBXWpUyqmv
メール
そんな感じで、今後も精進して、素敵なお店にしていきたいと思います。みなさま、引き続きよろしくお願いします。
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