「ぱくぱく食べられる麻婆豆腐」「中華風 刺身」レシピ あの調味料が本格中華の秘密だった
ああ、この調味料が無いとダメなのよ!と、お料理の途中でもお店に買いに行く経験ってないですか?お醤油、お塩…そんな基本調味料だとよくある話かもしれません。
私の場合は「オイスターソース」と「紹興酒」。意外に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
何か違うもので代用しようかしらとパントリーを眺め一瞬逡巡するけれど、やっぱり全然違うものね…と思い直します。
オイスターソースはオイスターソース。
紹興酒は紹興酒でしか表現できない味があるのです。
子供の頃、家族でよく中華料理を食べに行きました。その時に必ず注文したのは前菜の盛り合わせです。牛スネ肉の煮凝りや貝の冷製。それらに共通するビターで甘い香りになんだろうといつも不思議に思っていました。
そんな席では、父は紹興酒をよく好んで飲みました。私はいつもそれが楽しみでした。紹興酒と一緒に出される氷砂糖は子供達のものだったからです。
食事中に甘いものを口にするほのかな不謹慎さ。ガラスの小皿からそっとつまんで兄と口に含んだものです。
家で作る中華料理と違う香りと味。
あれは紹興酒をふんだんに使ったからだったと気づいたのは、自分が紹興酒を飲める年齢になってからのことでした。
そんな私も親になり、立ちはだかったのは「自分が食べたい味」と「子供が食べたい味」の違いです。我が家も中華料理が大好き。麻婆豆腐は必ず注文する1つでした。
しかし、当たり前のことですが、子供に辛いものを食べさせるわけにはいきません。
麻婆豆腐を頼むのは外ではあきらめ、家で作る場合も試行錯誤。
そうだ、辛くなく旨みたっぷりに仕上げよう!そうして出来上がったのがこのレシピです。我が家の麻婆豆腐は辛くありませんが、その代わり、大人も満足できる秘密があるのです。
「パクパク食べられる麻婆豆腐」
1、豆腐の厚みを半分に切り、2cm角に切ります。
(なのですが、意外とこれ、難しいんです。バラバラの大きさで大丈夫です。)
切り分けたら、キッチンペーパーを乗せたお皿に重ならないように並べます。麻婆豆腐が水っぽくならないようにするためです。
2、次に長ネギ、皮を剥いたにんにく、生姜をみじん切りにします。生姜は辛味もあるので苦手な方は省略しても大丈夫です。冷たいフライパンに入れ、サラダ油を大さじ1入れ、弱めの中火にかけます。
3、おネギとにんにくが透明になりじゅくじゅくしたら、フライパンの端に広げ、
ひき肉を中央に、へらで切るように広げポロポロになるまでしっかり焼き付けながらほぐし炒めます。きっちりここでひき肉を炒めることにより、旨みを生み出しお肉のいやな匂いが抜けます。
4、紹興酒 大さじ1、味噌 小さじ1〜2、醤油 大さじ1(小さじ3)オイスターソース 大さじ1(小さじ3)を入れて、よく炒め広げます。その上に、お豆腐を乗せ、味を染み込ませるように2分煮ましょう。
5、水を1カップ入れて、中火で5分煮ます。火を止めて、水溶き片栗粉を入れて、フライパンを揺らしながら、ヘラで優しく混ぜます。中火にかけ、とろみがついたら完成です。
写真くらいの水分量を目指してくださいね。
最後に、煮詰めたり、お水を足したり、味の調整をしてください。
器に盛り付けて、召し上がれ。
湯気からは紹興酒の豊かな香りが引き立ちます。そうなんです、これこそが大人も満足する理由。
一口食べるとオイスターソースの奥深い旨み、合い挽き肉を使うことで牛肉の味が引き立ちます。
濃厚で贅沢な味の重なりが、辛くなくても大満足の麻婆豆腐の秘密なんです。
全てが混ざり合ったソースから、おいしさが襲ってきます。そして主役のお豆腐。とろみをまとったつるんとしたお豆腐が優しく、刺激的でないからこそ大豆の甘さまでわかります。
パクパク食べられて止まりません。ご飯も進みます。
しかし、麻婆豆腐と名前がついたら、辛い味を期待してしまいますよね。そんな時は取り分けて、ラー油、花椒、山椒、一味をたっぷりかけます。
花椒はホールがおすすめです。包丁で刻んで豪快にかけるとビリビリ辛く、麻と辣が効いた麻婆豆腐に変身です。
かっと体が熱くなり、かきこむレンゲが止まりません。ああ!これは快感です!一口目は旨みを味わい、二口目で辛味で痺れる。家族仲良く食べられるだけでなく、一粒で2度美味しい麻婆豆腐です。
紹興酒、オイスターソース、お味噌、お醤油。この調味料でここまで本格的な味ができるなんて!嬉しい大発見なのです。
「中華風 鯛のお刺身」
件の、中華料理屋さんで食べた「中華風 刺身」。
それはそれは大きなお皿に、お刺身といろんなお野菜の千切りが色とりどりに盛り付けられ、食べる直前に混ぜ合わせてよそってくれました。
しゃきしゃき、かりかりが絡むお刺身。揚げたワンタンの皮と砕いたピーナッツを和えるなんてと驚いたものです。これをお家で再現するには、無糖のコーンフレークを使えば簡単!
本来ご馳走の「中華風お刺身」ですが、我が家ではその時にある葉野菜を使いサラダ感覚で食べています。
「中華風 鯛のお刺身」
1、紹興酒を耐熱ボウルに入れ600w1分加熱し、よく混ぜアルコール分を飛ばします。
ソースの残りの材料をれよく混ぜ合わせます。
2、レタス、貝割れ大根、パクチーの葉を洗い、よく水気を切ります。レタスは一口大にちぎり、パクチーと貝割れ大根も皿に盛り付けます。
ピーナッツを袋に入れ、袋の上から綿棒などで砕きます。
3、鯛をそぎ切りにします。
2の野菜の上に盛り付け、ソースをかけ、砕いたピーナッツ、コーンフレークをトッピングしたら出来上がりです。
よく混ぜて召し上がれ。
少しリーズナブルなお刺身や、お刺身のかさましにもおすすめのレシピです。それでいて豪華な見た目も嬉しいところ。
あっという間に出来上がります。
そしてなんといっても、お野菜たっぷりなのに、特製のソースのコクがすごくやみつき感があります。食感も楽しくお箸が止まりません。
オイスターソースと紹興酒、ごま油で作ったソースは美味しいに決まってますよね。紹興酒をレンジで沸騰させることにより、アルコールを飛ばし穏やかな味わいに変えます。芳ばしく香り高い本格中華風の味付けができますよ。
このソースは、魚介との相性がいいので、さっとゆでたイカやホタテにもぴったりです。
私のレシピの中でも人気なのが「焼き豚」です。これも実は紹興酒に漬け込むレシピ。紹興酒のおかげで本格中華の香りや味わいが生まれるのです。
オイスターソースや紹興酒を買ったけれど、使い道がわからないという方は、今回ご紹介したメニューの他、中華風の鍋物や、餃子、焼売、チャーハンや炒め物、お肉の下拵えにもぜひ入れてみてください。
コツは少量から。慣れたら、少しずつ増やしてみるといいでしょう。
あれ?今日のお料理、なんかおいしい!ときっと思うはずです。
そうするとレパートリーも増えてお台所に立つのもぐっと楽しくなるはずですよ。