レインウェアをきちんとお手入れして、雨の日の登山を安全に
登山をする上での3大重要アイテムの1つが「レインウェア」。「レインウェアは必ず登山用のしっかりしたものを買った方がいいよ」とアドバイスされた方も多いと思います。そして、ビギナーの方が登山用品店に行ってその値段に驚かされるのがレインウェア。そう、レインウェアは高いんです。だからこそ、正しく使わないと!
使えば汚れるレインウェア
レインウェアは雨の日に使います。そして汚れます。どのような汚れがあるでしょう。
外側は
・雨水(酸性です)
・大気中の不純物
・ドロ(土、泥水)や埃
が付きますし、内側は
・汗(塩分)
・皮脂(脂)
汚れが付きます。きれいにしてあげないとエライことになるのはおわかりいただけるでしょう。
洗う
お手入れの基本は「洗濯」です。特に年配の方に多いのが「カッパを洗うと防水力が落ちる」と思っている方です。これは逆です。汚れていると撥水性能が低下したり、生地が傷んだりする原因になり、寿命が短くなります。取り扱い説明書にも必ず書いてあると思いますので、確認してみてください。
洗濯の方法はお手持ちの製品の洗濯表示をご確認ください。実は洗濯機で洗えるものが多いです。「洗濯ネットに入れ」「ソフトコースで」「脱水しない」といったのが一般的です。私は手洗いすることが多いです。洗剤は一般的な衣料用洗剤より専用洗剤の方がお勧めです。
脱水にかける場合は、必ず洗濯ネットに入れてください。ネットに入れないと洗濯機が暴れだして、事故の元になります。詳しくは洗濯機の取り扱い説明書をご確認ください。
干す
風通しの良い場所で陰干しします。シューズでもザックでも、だいたい陰干しです。
撥水処理
「ちょっと水弾きが悪くなってきたな」と思ったら撥水処理をしましょう。よくある撥水スプレーを吹き付けてもいいですが、私はスプレーは肩口や袖口など部分的に補強する時に使います。
「全体的にしっかりやりたいな」という時には撥水剤を使います。洗濯した後、「撥水剤を入れた水にウェアを浸す」というものです。スプレーだとムラになるけど、これなら全体にムラなく撥水処理を施すことができるからです。
熱を加える
撥水性能をより高めるためには熱を加えるのが効果的です。説明書や洗濯表示にアイロンがけの方法が書いてあると思います。意外と「レインウェアってアイロンがけできるの?」と驚かれる方が多いです。
ドライヤーで熱を加えてもいいですが、手間がかかって大変です。私は乾燥機を使います。コインランドリーの大型の乾燥機にかけています。乾燥機の使用についても、洗濯表示で確認してください。
保管方法
実は間違えている方が多いのが保管方法です。付属のスタッフバッグにぎゅっと小さく詰め込んだままにしていませんか?「去年の秋に入れたまま、春まで半年間入れっぱなしだったけど・・・。」という方に何人お会いしたことか!(汗)
説明書には「ハンガーにかけて」「高温多湿をさけ、風通しのいいところで」保管と書いてあるでしょう。そう、“スタッフバッグにぎゅっ”は正反対の保管方法です。これをやっていると湿気で生地が劣化したり、カビが生えたりすることがあるのでご注意ください。
水弾きのいいレインウェアで気持ちよく
「しっかりと撥水効果が効いていると汚れにくい」というメリットがあります。なによりコロコロと水を弾くレインウェアは気持ちがいい!せっかく買った高い買い物なので、正しく使って、長く愛用しましょう。
話を最初に戻しましょう。なぜレインウェアは「登山の3大重要アイテムの1つ」と言われるのでしょうか?それは登山では「濡れ」が大敵だからです。時には命にも関わることだからです。そのことも頭に入れて、正しくお手入れ、保管をしてくださいね。
梅雨時の今、そして突然の夕立に見舞われることが多い夏山シーズンを迎える前に、しっかりとメンテナンスしておきましょう。