『ツイクストをめぐる冒険』#6 ツイクストの様々なバージョン
■はじめに
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さて今回の記事ですが、以前にツイッターのまとめサイト togetter を利用して、これまでに出たツイクストのバージョンの紹介を個人的にしました。今回は、そのリメイクとして記事を書こうかなと思います。
ちなみに、僕自身は英語がそれほど得意でないので細かい事実関係について詳しく知りません。殆どの場合が大体こうだろうという不確かな情報が多いです。
■3M版
元々、ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング社という名前の会社だったらしいですが頭文字が3つのMになるので3M社。現在は世界的な会社になっていますね。個人的にはポストイットの印象が強いですが世界的化学・電気素材メーカーとのことなので色んな部材を扱うのが得意なんだろうと思います。
ツイクストが発売されたのが1962年(1961年説も聞いたことがあります)のことで一説には色々と余力のあった3M社が、その余力の持って行き先としてツイクストひいてはブックシェルフシリーズを作ったらしいです。
因みに、そのあたりの様子や時代背景はゲムマライブの動画内の「暮しとボードゲーム」の沢田大樹さんによる講義「ユーロゲームとは何か」が詳しいのでリンクを張っておきます。講義は8:10:00あたりから。
ブックシェルフというのは3Mのボードゲームのシリーズであり、本棚に入るような本を模したボックス形状を成しているシリーズです。ブックシェルフはいくつか作品が出ていますが、一番有名なのがシド・サクソンのアクワイアではないでしょうか。
3M版のなかみ
3M版の盤はセロハンテープでとめられていて、それをパタパタと広げる形でプレイする盤として展開する物となっています。日本ツイクスト協会で多くの中古ツイクストを扱いましたが、前所有者が弄り回して居ない限りは強い粘着力を維持しているセロハンテープが殆どで3M社の凄さが垣間見えます。
ペグとリンクとルール兼カバー
何故か、ツイクストのルールにはペグとリンクの数がどれだけ封入されているか記載がずっとありません。記載があるのはGP版の登場まで待たなければいけません(自分が未見のツイクストはその限りではないですが)。
ただ、3M社版は多分ペグが50でリンクが50入っていたものと推察できます。以降のツイクストはこの数からどんどん減っていっているようです。
ツイクストの対戦は長くとも60手(先手後手合わせて)くらいで決着がつくものと捉えて居ますが、1プレイヤー30手分のパーツが有れば大体プレイ出来るはずなので、それぞれ50づつ用意されているのはかなり多めに入っていると思います。
コンポーネント内には補充用のパーツの通販チラシが入っていて、パーツに関して言えばそういった紛失等に対応するサービスも充実していたようです。
ブックシェルフの黒バージョン
3M社のバージョンには何故か3つのカラーがあります。赤と茶色と黒です。黒バージョンは他の2つのカラーよりも数が少ないらしく、レアなバージョンだと言われることがあります。確かに、黒は3M社のツイクストの中では希少な方です。
ですが、多くのツイクストを見てきた中でツイクストのコンポーネントを構成する部材というのは、その時々で場当たり的に選ばれている印象があります。ケースの表面の処理の仕方や、ペグやリンクの素材、ペグとリンクを入れておく器も白バージョンと黒バージョンがあります。
つまりは、黒のケースもそういった場当たり的な部材の選択の一つだったんじゃないかなぁと僕は推察しています。他の差異は評価されないのにケースの黒さだけがレアリティを上げるというのは少し微妙な気持ちになります。ですが、そういう偶然性が人の心に作用するのだなぁという面白さも感じます。
背のデザイン
背のデザインもいくつかバージョンがあります。これは米国版ですが、ドイツ語版も見たことがあります。ドイツ語版はこれらと似通っていましたが、当たり前ですがドイツ語で文字が書かれて素材の感覚は米国版とは違っていました。
また、住友が販売した3M社バージョンを草場純さんからお見せいただいたことがあります。多分、米国の3M社バージョンを輸入したものを住友が作成した日本語ルールをつけて販売したのだと思われます。
■3Mファットボックスバージョン
3Mファットボックスバージョン
3Mファットボックスバージョン裏
3Mのファットボックスバージョンはその名の通りファット―太い―です。ファットボックスという名前は通称で正式な名称ではありません。他の3Mのバージョンがセロテープで留めただけなのに対して、盤自体にカバーが貼られていて盤面の大きさも従来のものよりも広く、ペグやリンクの形も違ってリンクはとても長いです。
このバージョンは日本ではあまり知られていないですが、3Mの従来のバージョンに先行して作られたものだと推察します。ペグやリンクや盤などの殆どが従来のものと違っているので、金型を作り直して後継バージョンに変更したのでしょう。黒バージョンよりも希少です。
アメリカでのプレミアム価格での相場としては$100~$500くらいがよく見る価格ですね。プレイアビリティは他のバージョンには劣るのでコレクション目的以外では必要ないと思います。
ファットボックス版コンポーネント
■アバロンヒル社
アバロンヒル版表面
アバロンヒル版コンポーネント
アバロンヒル社のバージョンはぱっと見は3Mと同じに見えます。ですが、箱がフタとソコの一般的なボックスになっています。このバージョンのものもブックシェルフと呼ぶ人が居ますが「果たしてこれってブックシェルフ?」と思う気持ちが強いです。
アバロンヒル版裏側の留め具
盤自体やペグとリンクは3M社の金型を流用しているようで同じものですが、アバロンヒル社はテープを作っていなかったようで盤を留めておく部材が付けられています。とても無くしそうな部材ですよね。中古のアバロンヒルのツイクストを買ってこの部材がちゃんと入っていたらラッキーですね。
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