![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61748637/rectangle_large_type_2_f256d56b136cc7f2bd9434d9f12154d1.jpg?width=1200)
『ツイクストをめぐる冒険』#6 ツイクストの様々なバージョン
■はじめに
本記事の途中まではお試し無料でお読みいただけます。途中から100円の有料記事となりますので、続きに興味ありましたら購入を検討してください。残りの文字数も表記されますので参考にしてください。
また、この記事は『アナログゲームマガジン』の連載の一つとなります。月額500円(初月無料)の『アナログゲームマガジン』を定期購読いただくと、わたし以外のライターの記事も、購読期間中は読み放題です。あわせてご検討ください。
さて今回の記事ですが、以前にツイッターのまとめサイト togetter を利用して、これまでに出たツイクストのバージョンの紹介を個人的にしました。今回は、そのリメイクとして記事を書こうかなと思います。
ちなみに、僕自身は英語がそれほど得意でないので細かい事実関係について詳しく知りません。殆どの場合が大体こうだろうという不確かな情報が多いです。
■3M版
元々、ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング社という名前の会社だったらしいですが頭文字が3つのMになるので3M社。現在は世界的な会社になっていますね。個人的にはポストイットの印象が強いですが世界的化学・電気素材メーカーとのことなので色んな部材を扱うのが得意なんだろうと思います。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58230458/picture_pc_e146fa3121039bde43dbea9f363c8e29.jpg?width=1200)
ツイクストが発売されたのが1962年(1961年説も聞いたことがあります)のことで一説には色々と余力のあった3M社が、その余力の持って行き先としてツイクストひいてはブックシェルフシリーズを作ったらしいです。
因みに、そのあたりの様子や時代背景はゲムマライブの動画内の「暮しとボードゲーム」の沢田大樹さんによる講義「ユーロゲームとは何か」が詳しいのでリンクを張っておきます。講義は8:10:00あたりから。
ブックシェルフというのは3Mのボードゲームのシリーズであり、本棚に入るような本を模したボックス形状を成しているシリーズです。ブックシェルフはいくつか作品が出ていますが、一番有名なのがシド・サクソンのアクワイアではないでしょうか。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58230470/picture_pc_78ccc11a1f8e6d4ca60faa4cffbd9f87.jpg?width=1200)
3M版のなかみ
3M版の盤はセロハンテープでとめられていて、それをパタパタと広げる形でプレイする盤として展開する物となっています。日本ツイクスト協会で多くの中古ツイクストを扱いましたが、前所有者が弄り回して居ない限りは強い粘着力を維持しているセロハンテープが殆どで3M社の凄さが垣間見えます。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58230486/picture_pc_840331acf15e7b12664f3279ad62cbab.jpg?width=1200)
ペグとリンクとルール兼カバー
何故か、ツイクストのルールにはペグとリンクの数がどれだけ封入されているか記載がずっとありません。記載があるのはGP版の登場まで待たなければいけません(自分が未見のツイクストはその限りではないですが)。
ただ、3M社版は多分ペグが50でリンクが50入っていたものと推察できます。以降のツイクストはこの数からどんどん減っていっているようです。
ツイクストの対戦は長くとも60手(先手後手合わせて)くらいで決着がつくものと捉えて居ますが、1プレイヤー30手分のパーツが有れば大体プレイ出来るはずなので、それぞれ50づつ用意されているのはかなり多めに入っていると思います。
コンポーネント内には補充用のパーツの通販チラシが入っていて、パーツに関して言えばそういった紛失等に対応するサービスも充実していたようです。
![画像31](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58230779/picture_pc_c52918df5b9bc06ece819d1a02a2a5de.jpg?width=1200)
ブックシェルフの黒バージョン
3M社のバージョンには何故か3つのカラーがあります。赤と茶色と黒です。黒バージョンは他の2つのカラーよりも数が少ないらしく、レアなバージョンだと言われることがあります。確かに、黒は3M社のツイクストの中では希少な方です。
ですが、多くのツイクストを見てきた中でツイクストのコンポーネントを構成する部材というのは、その時々で場当たり的に選ばれている印象があります。ケースの表面の処理の仕方や、ペグやリンクの素材、ペグとリンクを入れておく器も白バージョンと黒バージョンがあります。
つまりは、黒のケースもそういった場当たり的な部材の選択の一つだったんじゃないかなぁと僕は推察しています。他の差異は評価されないのにケースの黒さだけがレアリティを上げるというのは少し微妙な気持ちになります。ですが、そういう偶然性が人の心に作用するのだなぁという面白さも感じます。
![画像32](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58230783/picture_pc_76703af089b0fd9b240919416f3e6954.jpg?width=1200)
背のデザイン
背のデザインもいくつかバージョンがあります。これは米国版ですが、ドイツ語版も見たことがあります。ドイツ語版はこれらと似通っていましたが、当たり前ですがドイツ語で文字が書かれて素材の感覚は米国版とは違っていました。
また、住友が販売した3M社バージョンを草場純さんからお見せいただいたことがあります。多分、米国の3M社バージョンを輸入したものを住友が作成した日本語ルールをつけて販売したのだと思われます。
■3Mファットボックスバージョン
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58230524/picture_pc_d4ce40a28ea9dbc26ec8a63c90b38a95.jpg?width=1200)
3Mファットボックスバージョン
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58230529/picture_pc_870f935ebae6b8567fb84531e4f45672.jpg?width=1200)
3Mファットボックスバージョン裏
3Mのファットボックスバージョンはその名の通りファット―太い―です。ファットボックスという名前は通称で正式な名称ではありません。他の3Mのバージョンがセロテープで留めただけなのに対して、盤自体にカバーが貼られていて盤面の大きさも従来のものよりも広く、ペグやリンクの形も違ってリンクはとても長いです。
このバージョンは日本ではあまり知られていないですが、3Mの従来のバージョンに先行して作られたものだと推察します。ペグやリンクや盤などの殆どが従来のものと違っているので、金型を作り直して後継バージョンに変更したのでしょう。黒バージョンよりも希少です。
アメリカでのプレミアム価格での相場としては$100~$500くらいがよく見る価格ですね。プレイアビリティは他のバージョンには劣るのでコレクション目的以外では必要ないと思います。
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58230557/picture_pc_60de52aadeb5cdf2afeea1412b86eb76.jpg?width=1200)
ファットボックス版コンポーネント
■アバロンヒル社
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58230624/picture_pc_efae6a275b6f6727a9c387c22a881553.jpg?width=1200)
アバロンヒル版表面
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58230631/picture_pc_60d19064090cf33ba8ebbf9aaa1c7b6a.jpg?width=1200)
アバロンヒル版コンポーネント
アバロンヒル社のバージョンはぱっと見は3Mと同じに見えます。ですが、箱がフタとソコの一般的なボックスになっています。このバージョンのものもブックシェルフと呼ぶ人が居ますが「果たしてこれってブックシェルフ?」と思う気持ちが強いです。
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58230640/picture_pc_931be526bc5ee542d393ec215fe08627.jpg?width=1200)
アバロンヒル版裏側の留め具
盤自体やペグとリンクは3M社の金型を流用しているようで同じものですが、アバロンヒル社はテープを作っていなかったようで盤を留めておく部材が付けられています。とても無くしそうな部材ですよね。中古のアバロンヒルのツイクストを買ってこの部材がちゃんと入っていたらラッキーですね。
ここから先は
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/28606119/profile_7a25598963684c92b378a5477c477955.png?fit=bounds&format=jpeg&quality=85&width=330)
アナログゲームマガジン
あなたの世界を広げる『アナログゲームマガジン』は月額500円(初月無料)のサブスクリプション型ウェブマガジンです。 ボードゲーム、マーダー…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?