独立準備のお金、どれくらいが理想なの?
フリーランスになる事自体は簡単ですが、【フリーランスに転身した途端、いきなり生活費分だけ稼げるようになる】訳ではありません。この話題は多くの記事で言及されていますので、クリエイター視点よりからみた資金準備について書いてみます。
やっておいた事
1. 半年以上無収入でも死なない貯金をしておく
2. 自己投資のための出費分(資料の購入/追加機材の購入など)も、貯金の中から捻出される事を理解しておく
1. 半年以上無収入でも死なない貯金をしておく
目標とする収入に達するまでは時間がかかるものと考えておいた方が良いです。(※その方が「安全だから」良いですよ、という事ではなく、「ある程度は無収入状態で試行錯誤する事が求められるとイメージした方が、現実的展開に近い部分があるので、そう考えておいて損はないですよ」という意味です。独立する前から副収入が見込めるような施策(ブログなど)を整えていれば話が変わってきますが…)
2. 自己投資のための出費分(資料の購入/追加機材の購入など)も、貯金の中から捻出される事を理解しておく
実際独立して気が付いたのですが、会社員の頃と比べ、お金が必要になる場面が増えました。
資料の購入=「勉強資料の購入」がより正確な表現です。フリーランスは自由で誰からも強制的制約を受けない環境におかれます。その分、自分で最新の知識を蓄積したり、良いデザインに磨きをかけるための知識を吸収したりする努力が求められます。
最近SNSでデザインメソッドを見かけたり、メディアブログなどでデザインに関する時事ネタを見つけられるようになってきてはいますが、無料で出回っている情報ですのでメインの勉強材料にするには限界があります。個人的な感想ですが、一番学べるのは【他デザイナーさんの実際の仕事事例を見る事】だと感じています。そして、そういう情報は大抵2000円ほどの金額がついた書籍の中に納められていることが多いです。
クリエイター個人で仕事をする=データ管理にもある程度の費用をかける必要が出てきます。具体的に説明しますと、お客様とやり取りするデータを安全な場所に保管管理する必要があるため、データ管理用のデバイスを買い足したりする必要がある。という事です。外付けHDの購入とか、ファイルサーバーの導入がこれにあたります。
・独立前に半年程の貯蓄があると、こうなる
・独立後必要になった資材や資料を購入/自己投資に資金をまわしつつ、心理的にもそこそこ落ち着いて取り組むことができる
・準備のお金が少ないと、多分こうなる
・心理的に余裕のない状態下で、資材や資料を購入/自己投資にも資金をまわしつつ、短い期間で成果をあげる事が求められる
お金がなくなった途端寿命が尽きて死んでしまう訳ではありませんが、その分どこかで資金調達をしなければいけなくなります。生活費を賄うため、一時的にアルバイトをしてみる手もあるでしょう。そうすると生命維持ためのお金は手に入りますが、作業に避ける筈だった時間が減ります。
【時間(=作業できる時間)が減り、本来の目的から少し逸れた意図しない時間の使い方(アルバイトなど)をする中でも、強いモチベーションを保ち続ける必要がある】という事になります。稼ぐ動機を履き違えないための努力が重要になりそうですね。
ちょっと堅苦しい文章になってしまったので、この状況を喩え話で説明してみます。例えば寒い冬の日、空腹状態で道を歩いていて、「昼食は、あのお店のラーメンが食べたい!」と思っているとします。
実はラーメン屋まで結構な距離があって、1㎞くらい歩かなければいけない。しかもタクシーは走っていないので、ラーメン屋には徒歩で行くしかない。そしてラーメン屋と比べるとすぐ手前の距離、100mくらい歩いた場所には、うどん屋や蕎麦屋が乱立している地帯が広がっている…。
そうなったとき、私は高確率で手前のうどん屋さんか蕎麦屋さんに入るタイプです。危機的状況(寒さと空腹)を素早く回避できる手段(手前の店に駆け込む)があるのなら、本来の目的(あのラーメンを食べたい!という気持ち)を曲げてしまいやすい自覚があります。
お腹が空いている上に寒い…そういう心理的余裕のない状況に晒されても、安易に意思決定を変えない「強さ」は重要です。短期的に成果をあげる必要がある場合は、この強さを常時発揮できるか否かがとても重要になってくるでしょう。
このたとえ話が、まるまるそのまま当てはまる訳ではないですけど、【準備資金が少ない状態でフリーランスになる事】=このような状況下に常に置かれる事と同じだと思います。お腹をすかせているのがあなたご自身だったら、どんな行動をとりますか?1㎞先のラーメン屋まで歩けるタイプでしょうか?脇見せず一目散に走ってラーメン屋を目指せる人もいると思います。私と同じように手前のお店に駆け込む人もいると思います。食べずに我慢して家に帰る人もいると思います。自分がどんな行動をとるタイプなのか知っておく事をオススメします。
お金がなくても独立できるけど、やっぱり準備はしておくにこしたことないです。(※貯金がいっぱいあればのんびりしてても大丈夫だよ、とい意味合いではないです。あしからず)どれ位の金額がベストかは、人によって変わってくると思います。ご自身がフリーランスになる目的や、自分の特徴と照らし合わせ、どの位の準備金が必要なのかざっくり算出してみてください。
金額の数字を考えるより、自分自身の事(お金の使い方/金銭的危機に陥ったとき、どういう行動をとるタイプなのか…等)をよく知る事が大切だと思います。そうすれば、どれくらいの金額が実際必要なのかイメージできるはずです。
ここまで読んでいただきありがとうございます。