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介護脱毛と恋愛脱毛

前回、私が十数年前に全身脱毛したことを書いた。
その後の経過としては、全体的に毛も細く薄くなったが、私が求める完璧な状態ではなかったので、今から三年ほど前、全身脱毛格安サロンに数回通った。
現在どうなっているか?というと、やはり生えくる。特定の場所に必ず生えてくる《許せない毛》が…。
VI、両脇、スネなど、いつもの場所に数本ピョロン…。 
こんくらいしゃあ〜ねぇ〜か…とは思っているが、今までこんなとこに生えたことねぇ〜よ!という部分に、いつの間にか出現する毛も加わってきている。例えばVIOラインから数㎝離れた更地や、脇の下ではなく、脇の上の空き地に一本ポツンと生えているのだ!もともと太い毛が育つ敷地外に、いつの間にか無許可で!
普段ノーマークの場所なので、まあまあ伸びてから気づき《なぜここに?》と驚き若干引く。

結局、定期点検と自己処理は必要なのか…と諦めたが、近年脱毛業界では【介護脱毛】も勧めてきやがり、後期高齢者になっても毛に悩まされるのかよ!と憤っていた。
しかし、私はこの宣伝文句に疑問を抱くようになった。
脱毛サロンは全国の至る所にあり、コースが終わればリピート率は低い。自宅用脱毛器の性能が良くなったことから客離れも進み、脱毛サロンの倒産も珍しくない。【介護脱毛】とは、誰にでも起こり得る状況をイメージさせた【脱毛業界が仕組んだ不安商法】なのでは?

そこで介護老人施設に勤める友人に【介護脱毛】をした方が良いか聞いてみた。
すると『歳取ると、みんな陰毛なんて無くなるよ』と、あっさり答えてくれた。根っからの剛毛の人もいるにはいるが、ほとんどの人は生えていても、チョロチョロだったりスカスカで邪魔にならないという。それに生えていても邪魔だと思ったことはないと!

あぶねぇ…脱毛業界の罠に引っかかるところだったぜ!聞いて良かった♡と思ったのも束の間!友人はこう続けた。
『でもホルモンバランスのせいなのか?老人は逆に髭や眉毛が濃くて、伸びるの早く感じるよ』だと!さらに私をビビらす《敷地外の無許可な毛》が、顔面から伸びっぱなしの老人もいるというのだ!

顔面から伸びっぱて!

お前、お世話するのが仕事のくせに伸びっぱで放置すなよ!と咄嗟に言いたくなったが、もしかして介護業界の闇?と思い、恐る恐る「何でアンタが剃ってあげないの?」と聞いてみた。

答えは《介護の闇》ではなかった。
友人の勤める施設は剃毛できない規則なので、自己処理できない方は、そのまま伸びっぱなしだという。
(職員による剃毛の有無は施設や自治体にもよるらしい)
なので家族に『お手入れお願いします』と、やんわり伝えるが、実際処理してくれる家族は少なく、逆に《家族の闇》の方が深いように思えた。

それを聞いて《独身・子なしで髭の手入れをしてくれる人》がいない私は、甚大な衝撃を受けた。下の毛はオムツ脱がなきゃわからんけども、自分の毛の傾向から想像すると【霊長類最強の剛毛な強面】に仕上がってしまう気がする!挙げ句、性別も間違えられそうだ!
…こりゃVIOより顔面やな!と考え直し、定期的にフェイス脱毛をすることにした。元来毛深い者にとって《永久脱毛》なんて宣伝は、誇大広告だと感じてはいるが…。

話は変わり、最近全身脱毛にチャレンジした友人・N(50代女性・主婦)の話をする。
50を過ぎ全身脱毛に通い始めたNは、介護を視野に入れて脱毛したワケではない。

若い男ができたからだ。

Nは旦那にも『ボーボーだね』と言われていたが、子育てに追われ脱毛する余力も無く生きてきた。しかし子育ても終わり久々の恋愛に浮かれ、世間も羨む若い男子と結ばれた♡と思ったら、そいつに『脱毛しないの?』と真顔で言われたという…。
その男子は既に脱毛済みで、ジムにも通っている美意識高い系だ。もともと体毛を気にしている者が、好きな相手に毛量を指摘されたら、そりゃ脱毛したくなるわ…。しかしデリカシーのない男だ!

Nがサロンに通い始めた頃、いくつか脱毛の今後について相談された。
Vをどんな形にしたら良いか?本当に生えてこなくなるのか?と。
《形》に関しては、私はもともとトライアングル▼だったので、そのまま陸上トラック2レーン分くらい削ってもらったような感覚で答えた。
《生え》に関しては生えてはくるが、許せる範囲で▼はキープしていると答えた。
ちょうどビデオ通話で喋っていたので『どんなんなってるか見る?』と聞いたら『見たい』と言うので、パンツを下ろして▼を見せた。
脱毛のリアルを知ってもらおうと、色んな角度から見せたら『ビラビラまで映ってる!』と大笑いして『こんな友達いない!』と喜んでくれた。
エヘヘッ♡
現在Nはパイパンの方向で脱毛を進めているが、毛が無くなったせいでオシッコが真っ直ぐ飛ばなくなり、内腿まで飛び跳ねるようになったという。

お前もか…。
実は私もだ。

尿が《壊れたスプリンクラー》のように、内腿をビシャビシャにする時があるのだ!
毎回何処に飛ぶのか予測不能なので、ボケ〜ッと座って用を足してる場合じゃないのだ!
私は長年オシッコが真っ直ぐ飛ばない原因を探り、いくつかの答えを導き出していた。
①加齢による尿道の劣化で尿の勢いが弱く、綺麗なアーチを描けない。
②加齢による下半身のたるみで便座で圧迫された太腿が、尿のルートを遮断している。
③加齢によるビラビラのたるみでポジション(ビラポジ)が悪く、尿のルートを遮断している。

誰か、本当の原因を解明してくれる人はいないだろうか?

話を戻し、尿を跳ね散らかしてるNは「マン毛が無いって本当にいいね!やって良かった♡」と大満足だっだか、間もなく例の男は、無くなった毛と共に去っていった…。
大枚はたいて毛まで無くしたのに、一体何だったんだ⁉︎
とても短い恋だったが、このように脱毛は、恋愛の原動力にも繋がる。

もう一つ、毛と恋愛の話。
過去に、私の剛毛を愛してくれる男がいた。
私が勝手に脇や▼の処理をすると『何で剃ったの⁉︎⁉︎⁉︎』と驚き、怒って不貞腐れるくらい毛フェチな男だった。私も男の髭や胸毛は大好きなので毛を愛でる気持ちは解るが、私が彼を愛でれなかったので普通に別れた。
私は、自分の剛毛を愛でてくれる人と結ばれても、毛の悩みは吹き飛ばなかった。しぶとい毛根のように、私の毛の悩みは、思ったより根深いものだったのだ。

毛は、良くも悪くも恋愛のスパイスになる。
人と人とが別れても、自分の毛とは長〜いお付き合いだ。現在、毛に悩んでいるなら、未来の自分に投資すると思って脱毛したらいい。
人目を気にするストレス!
剃るストレス!
抜くストレス!
ハミ毛のストレス!
あちこちに落ちてる陰毛のストレス!
有限な時間を、様々な毛の悩みやストレスに費やす時間はムダだ。
だから《ムダ毛》と呼ぶのだろう。

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