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解約率(Churn%)と アップセル率

SaaS系の企業では一般的に解約率(Churn%)をKPIとして設定していると思います。
このようなグラフは見たことがあると思います。

解約率

初年度に1,000万円の新規顧客を獲得した場合、5%の解約率の場合は10年後には約630万円の売上が残ります。
一方15%の解約率の場合は約230万円しか残りません。
解約率5%と15%を1~10年の期間で比べてみると約2,700万円の差が生まれます。
 
この数字を見ると解約率を下げる事がいかに重要か。が理解できます。

しかしもっと重要な事は・・・
これは既存のお客様が解約した場合のみを計算しているので、実はもっと数字の開き大きくなることは意外と説明されていません。
 
それはアップセル率です。

既存のお客様が製品に満足し利用していただけているのであれば、アップセル(ユーザー数追加、機能追加など)が必ず発生します。
例えばアップセル率5%の場合はより差が大きくなります。

Upsell率

解約率 5% + Upsell率 5% の場合はほぼ初年度の売上を保つことが可能です。
一方解約率 15% + Upsell率 5%の場合ですと10年後約360万円の売上です。

解約率5%と15%を1~10年の期間で比べてみると約3,700万円の差が生まれ解約率だけで比較した場合と比べて1,000万円の差が生まれます。
 
解約率が低い場合はお客様の満足度が高い = Upsell 率も高くなる。逆に解約率が高い場合はお客様の満足度が低い。と想定できるので、アップセル率にも差が生まれてくるはずです。
例えば解約率5% + Upsell率15% と解約率 15% + Upsell率 5% で比較してみると
以下の図になります。

解約率 x Upsell 率

ここまで来ると差は10年後の売上の差は2.5倍になります。

このように解約率を下げるだけではなく、同時にUpsell率を上げる事がSaaSビジネスにとって重要です。
次回以降はどのように解約率を下げ、Upsell率を上げるのか?について数回に分けて解説します。


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