蒐集家、久遠に出会う 第二章 七、居候新たに
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昼を回ったころ、椛は重くなった買い物袋を抱えて家路を進んでいた。やはり刑部姫が急にいなくなったのは寂しい。少し前なら、こんな荷物運びなど任せておけたのに。また誰かが家の手伝いをしてくれないか思って息をつき、通りすがりの公園にあった時計が目に入る。
今ごろは昨夜の約束通り、姫路と彦根が会ってちゃんと仲直りを果たしているだろうか。そういえば久遠の二条を渡すなど言っていた気もする。結局何も良い案を出せなかった無念が顔を覗かせて打ち払い