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ただ、伝え続けること。

わたしがイメージコンサルティングを通して
サポートして行きたいと思うのは
精神的にも、経済的にも自立した女性達。

その中には
今、既にそうである人はもちろん
そうありたい、と思っている人も含まれる。

この想いを決定づけたのが
5年前の、ある出来事だった。


まだコロナなんて誰も知らなかったある日。
会社のパソコンに、1通のメールが届いた。

○月○日までに、下記リンクより
好きなボランティアを選んで
必ず参加してください。

わたしの会社では、年に一度
社員は何かしらのボランティアに
参加することになっていた。

ボランティアか...
確か去年は、川辺のゴミ拾いだったっけ。
今年は違うものにしてみようかな。

そんな単純な動機でわたしが選んだのは
パートナーからDVを受けた
シングルマザーが暮らす
いわゆる『シェルター』と呼ばれる施設での
ハンドマッサージだった。


いつも販売店のスタッフにエステの技術や
化粧品の知識を教えていたわたしにとって
ハンドマッサージなんてお手のもの。

マッサージで心地よくなってもらうのは
単純に嬉しいし、拘束時間も長くない。
この日は早めに仕事に戻れるかな、なんて
その時は随分と気軽に考えていたのだった。


ボランティア当日。

駅から少し距離のあるシェルターは
わたしの想像とはまるで違っていた。

日差しの差し込む、暖かなお部屋
優しく、親切なスタッフさんたち。

そしてそれとは対称的に、
なんだか宙を見つめたような表情で
そっと静かにたたずむ、入居者さんたち。

いつものお客様だったら

『あら、意外と手は凝ってるのね』
『スベスベになったわ、ありがとう』

そんなお喋りが弾むハンドマッサージ。
でも、その日は違った。
ただただ静かに、時が流れていく。

何事もなかったかのように施設を出て
仕事を終え
自分の家に戻り

今日あった出来事をパートナーに話すうちに
気づけば、自分の意識とは裏腹に
涙が止まらなくなっていた。

今まで何も知らなかった、
世間知らずな自分への恥ずかしさ。

女性が自分の足で生きていく、ということ。

女性の自立を阻む様々な環境が
未だにあり続けるという事実。

家に帰ってホッとした途端
色々な感情がどっと押し寄せてきたのだ。



そう希望していたわけではないのに
専業主婦にならざるを得なかった人がいる。

家庭に入り、家族を支える事こそが
女性に求められていた唯一の役割だった
そんな時代に今も
縛られ続けている人がいる。

これだけ女性の社会進出が進み
男女共に『人不足』が問題になる今でも
社会に出ることを
様々な事情で許されない人がいる。


そんな女性たちに
わたしは何が、できるかな。

あれからもう5年が経つのに
正直まだ、その答えはでていない。

今のわたしにできるのは
想いを日々伝え続けること。
1人でも、悩める女性たちに
わたしの声がとどきますように。



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