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連載(98):人類の夜明|まどろみの中で「頭上の刃物」
この記事は『かとうはかる(著)「人類の夜明」』を連載しています。
頭上の刃物
資本主義経済は成長なしには成り立たない。
したがって、国家挙げての景気振興策が取られる。
経済が成長すればそれに見合うエネルギーも必要になってくるから、電気はますます入用になる。
つまり、原子力発電所の必要性が増すのである。
我々は今日物質文明に酔いしれているが、その姿は、鋭い刃物の下でワインに酔いしれダンスを踊っているようなものである。
原発推進派の人たちは、刃物そのものは危険だが、その刃物をつりさげている紐は頑丈で決して切れないから安心である、ともっともらしい言い訳をしているが、たとえその紐が切れないにしても、我々は果たして楽しくダンスを踊っていられるだろうか?。
今や頭上にぶら下がっている刃物は、四十個以上にもなっているのである。
人間のやることである。
間違って落ちてこないとも限らないだろう・・・?。