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「石の上にも20年のブドウ樹」丹波ワイン(京都府船井郡 京丹波町)訪問記

2023年3月半ばに京都、丹波ワインさんをIMADEYAメンバーで訪問してきました。その体験をIMADEYAの鈴木がレポートさせていただきます!

はじめに

今回は私を含めて、入社して初めてワイナリーを若手メンバーも含めての訪問。実際に造り手の方々とお会いし、その地で育つブドウの木を目で見て触れてみて、日本ワインに対する想いを現地の熱量のままお客様に伝えなければと強く思う経験となりました。20年の歳月をかけて土地に適応し育ったブドウ樹は圧巻の一言です。
今回は坂本 泰隆さんにワイナリーをご案内いただきました。

丹波ワイン/京都府 船井郡 京丹波町

丹波ワイン 坂本泰隆さん



「京都の食文化に合うワインを創る」という想いのもと、1979年にワイン造りをスタート。
1980年に建屋が完成したのですが、それ以前は近くにあった日本酒の酒蔵で設備を借りて醸造していたそう。
酒蔵の廃業時に譲ってもらったホーロータンクは今でも現役で活躍しています。

グリーンのタンクはすべて酒蔵で使用されていたホーロータンク

石の上にも20年のブドウ樹

創業から40品種以上のブドウを試験栽培してきましたが、現在は特にソーヴィニヨンブラン、セミヨン、タナ、ピノ・ノワールに期待を持ってワイン造りを行っています。

手前:ピノ・ノワール(シュペートブルグンダー) 奥:ピノ・ノワールのブルゴーニュクローン

今回直接見てきたのはセミヨンとピノ・ノワールです。
セミヨンは遅摘みで甘口に仕上がることの多い品種ですが、リリース中の2021年は雨が多く辛口に仕上がっています。

写真手前のピノ・ノワールは樹齢34~35年と日本で育つブドウ樹の中でも高齢です。奥のピノ・ノワールと比べて太く、長い歳月をたくましく生きてきた樹であることがわかります。
手前のピノ・ノワールはドイツからの苗木で、シュペートブルグンダー(ドイツのピノ・ノワールのこと)の系譜です。

一方、奥のまだ細いピノ・ノワールはフランス ブルゴーニュのピノ・ノワールのクローンです。

丹波は温暖でピノ・ノワールとの相性が良くないということから、周囲からはやめた方がいいのではと言われ続けました。

しかし、ピノ・ノワールをどうしてもやりたいという強い想いから諦めずに20年育てた結果、高品質なブドウの収穫ができるように。
今では樹齢35年ほどとなり、一般的にブドウの樹は樹齢30年を超えると収量が落ちると言われていますが丹波ワインのピノ・ノワールは収量が落ちていないそうです。
丹波のテロワールに頑張って適応したこのブドウ樹の幹の太さから力強さと辛抱強さを感じました。

圧巻のバレルたち

天井まで届きそうなバレルたち

熟成をする樽は225Lのサイズで統一しています。
12ヶ月から15ヶ月で熟成させることが多いですが一部タナだけは24ヶ月。
長い時で30ヶ月の熟成を行います。
樽は毎年10樽ほど新しく入れ替えていて、樽の香りがつく効果は3、4年で終わってしまいます。そのあとは樽香がつかない保存容器としての役割を担い、それ以上使用すると樽の木目に澱が入り酸化もしなくなるので新樽と交換となります。
樽には寿命があるのですね。

テイスティング

6種類のテイスティング


併設されているショップ&レストランで6種類をテイスティングさせていただきました。(昼食も頂いたのですがとてもおいしかったです!)
特に印象に残った2種類をご紹介します。

●てぐみ 甲州 2023
澱があり少しにごりのあるスパークリング。
甲州らしい爽やかな酸味と果実味が1杯目にぴったり。
フルーツを使ったサラダや白身魚にも合いそうです。
IMADEYAではデラウェアのてぐみを定番アイテムとしてお取り扱いしていますが、今回テイスティングした甲州のおいしさにみんな虜に。
全店で陳列をスタートしました!

●京都丹波カベルネソーヴィニヨン&メルロー 2020
淡く紫がった赤色。
トップノーズからはカシス・ブルーベリーなどの黒系果実の香りがします。
舌に乗る丸まった酸が心地よくさっぱりしてます。
タンニンは少なめで丹波ワインさんが掲げているまさしく京都料理に合うワイン。
めんつゆを使用した肉料理などによく合う赤ワインです。


シチュー。おいしかったです!


反対側には大きな窓がありピノ・ノワールの畑を眺めながら食事ができます。

おわりに

私が人生で初めて飲んだ赤ワインが丹波ワインさんのタナでした。
初めてタナと出会ってから3年越しに現地に行けたことをとても嬉しく思います。
坂本さんのお話を聞く中で「このピノ・ノワールは20年の歳月を耐えてここまで立派になった。」というこの言葉の重みと幹の太さが比例していることに尊敬の念を抱きました。
生産者の熱量、想いを皆さまにお届けすることがIMADEYAの役割なのだということを強く実感しました。
ピノ・ノワールの長い歳月をかけて適応したお話から、石の上にも3年ではなく、「石の上にも20年」が私の中の辞書に刻まれました。長い時間をかけても多くの方にこの丹波ワインさんの良さを知ってもらいたいです。

実際にワインを飲みたくなったらこちらから!



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