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【英語のレシピ 5】英単語の下ごしえ

レシピカード5

 皆さんには、英単語学習について、「しっかり取り組んでいるつもりなのに結果が伴わない」と感じた経験はないでしょうか。語彙は語学の要ですから、無駄なく効果的に学習したいと思うのは当然のことです。

 そこで、今回の英語のレシピでは、英単語学習について見ていきたいと思います。英単語学習のコツを身につけて、今後の学習に役立てていきましょう。

 それでは、Let's cook!(調理しちゃいましょう!)

英単語の大切な性質

 英単語学習には、あらかじめ身につけておくことで、とても役に立つことがあります。それが、英単語の意味は、文中で使用されてはじめて決まる、という認識です。

 ここで早速、身近な英単語である book を用いて、これがどういうことなのかを確認してみたいと思います。次の例文を、book の意味に注目しながら読んでみましょう。

  1. She read a book on American history.

  2. She booked a table for four at the restaurant.

 例文1の book は「本」を意味する、とても馴染みのある book です。また、英文全体としても、「彼女はアメリカの歴史に関する本を読みました」という、意味の通じる内容となっています。

 ところが、例文2の book はどこか様子が異なります。この book は、She(=主語)に続く動詞の位置にあることに加えて、動詞の過去形であることを示す -ed の形を確認することができます。

 ここで大切になるのが、単語の文中における位置や形から、この book が「動詞」であると判断することです。

 その判断に基づいて book の役割を辞書で調べることで、book には動詞として「~を予約する」を意味する機能があることを知ることができます。

(例文2の意味は、「彼女は4人用のテーブルを1席、そのレストランで予約した」となります)

 この、単語にはあらかじめ固定された意味があるのではなく、単語が文中で使用されてはじめて意味が決まる、という、すべての英単語に当てはまる性質を知っておくことは、英単語学習を進めるうえでとても大切になります。

効果的な英単語の学習法

 英単語について、例えば、「Aという単語は、Bという意味も、Cという意味も、場合によってはDという意味も表すことがある」という学び方で挑むのはとても骨の折れる作業です。

 しかしながら、先の項でご紹介したとおり、英単語の意味は、文中で使用されてはじめて決まります。そのため、ある単語を学習する際には、その単語が実際に英文の中で使われている様子と意味を併せて身につけることが、最も自然な英単語の学習方法といえるのです。

 英単語学習において、「単語は例文とセットで」と指導されることが多いのはこのためです。

 この点について、英語のレシピでは、AIを利用した英単語学習をおすすめしています。それは、学習対象となる英単語を使用した例文をAIに作成してもらい、それを使って英語の語彙を増やすというものです。

 具体的には、例えば「accept, add, consider を用いた、20語程度の平易な英文を作成してください」とAIに指示します。すると今回の場合では、以下の英文が作成されました。

When making a decision, we must accept the facts, add relevant information, and carefully consider the choices.
訳例:意思決定をする際には、私たちは事実を受け容れ、関連情報を加味し、選択肢を慎重に検討しなければなりません。

Claude 3

  今回は、AIとしてAntropic 社の Claude を利用しましたが、使用するAIは、ChatGPT でも Copilot でも何でもかまいません。

 言葉と言葉の関係性の取り扱いこそ、AIが最も得意とする分野です。学習状況に応じて、含める単語の数や、英文の語数を調整することで、見事な例文集があっという間に完成してしまいます。

日本語に縛られない

 英単語の学習を効果的に行うコツ。それは、日本語に縛られないことです。例えば、「本」のことを日本語で「書籍」や「書物」と呼ぶことがありますが、これらは全て book という英単語で表されます。

 つまり、「本」という日本語訳は、book という英単語を日本語に翻訳した場合のひとつの例に過ぎないということです。

 では、実際にどのように英単語を学べば、日本語に縛られない理解をつくることができるのでしょうか。その具体的な方法を見てみましょう。

 例えば、「本」の意味で用いられている book という英単語を学ぶ場合には、発音と綴りと一緒に、具体的な「本」のイメージを頭に焼き付けるようにします(下のイメージ図を参考にしてください。)

 そして、英文の中で同じ役割で使われている book を次に見かけた時には、覚えた時に描いたイメージを頭の中に再現するようにします。こうすることで、日本語に縛られない英文解釈を行うことができるようになります。

日本語ではなく具体的なイメージをインプット!

 これは、「本」のような名詞に限った話ではありません。run とか speak といった動詞についても、日本語ではなく実際の動作の様子を頭に浮かべ、それを覚えるようにしましょう。

 もしも具体的なイメージが浮かんでこないというのであれば、それは、言葉が表す内容そのものを知らないということになるので、辞書やインターネットを利用して確認する必要があります。

 このような英単語学習の最大の利点は、英文を速く正確に読んだり聞いたりできるようになることです。

 英文を逐一、日本語に訳していたのでは時間がいくらあっても足りません。目や耳から入って来る英語の情報を、いかに具体的なイメージとして頭に浮かべることができるかが、英文解釈にとって最も重要になります。

 また、豊かな語彙は豊かな表現に直結します。それは英語であっても日本語であっても何ら変わるものではありません。ぜひ、効果的な英単語学習で語彙力を強化してみてください。

※その他のレシピについては、編集作業が完了次第、公開予定です

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