ある莫迦の憧れに憧れた今まで2
生い立ちの記というからには残っている記憶の最初まで帰らないといけないわけで、実はこれが非常に苦手なのだ。私はてんかん持ちで市販薬物依存なのでどうも記憶が蘇らない。
一番古いのはなんだろう?母の足の親指の爪を剥がすように迫らせたことかな。
たぶん4歳か5歳くらいの初夏だったと思う。窓は開けてありござが敷いてあった。
このござに母が爪を引っ掛けて自分で剥がせないからと、僕に剥がすように迫ったのだ。
ほんとに怖かった。ペディキュアじゃなくて血で真っ赤に染まった爪を剥がすのは子供には無理です。なんとか逃げ出して事なきを得たけど、たぶん剥がしてたらもうコンプレックスになってるもの。注射の度に気失ってたかもしれない。