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一般参賀初参加【行こ行こ#1】
1月2日の朝。
「あけおめことよろ」の舌の根も乾かぬ内に、今年の行こ行こ(いつか行こうに今日行こう)の行き先を考えていました。
正月に相応しい厳粛な雰囲気か、それとも晴れがましい気持ちになれる華やかなる場所か。どっちかに行こう。
実家と妹家族が生憎風邪のようだったので、早々に東京へ引き上げてきた私は、正月の朝をぼんやり迎えていました。
一般参賀…。
ふとそんな単語が脳裏に過ぎりました。
天皇陛下に会いに行って、今年頑張る事を誓ったらどうだろう。流石のチャランポランな私でも、天皇陛下との約束は破るまいと。
そうと決まればウダウダしては居られません。
ガバッと寝床から飛び起きると、髭をあたり、襟付きの服に着替えました。
行列や混雑で待機時間が長い場合も仕事ができるよう、iPadを掴んで鞄に押し込むと、家を飛び出しました。
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バスと鉄道を乗り継ぐと東京駅はそう遠くありません。
あっさり丸の内口に到着。
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ここから皇居の二重橋方面へと歩いて向かいます。
交差点から皇居側は交通規制されており、警察官の方達が交通整理を行っていました。
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特に何も調べずにきてしまったのですが、予約は必要なのでしょうか?
どういうルールがあるのか分からりません。
今更ながら、少し不安になってきました。
日頃から神信心に熱心なわけではなく。
皇室の方に詳しいわけではなく。
天皇陛下をとても尊敬しているものの、失礼にあたったらどうしよう…。
しかし、ここまで来ては、もう引き返せません。
無礼がないように祈るばかりです。
新年一発目の祈りが「失礼がないように」とはね…。
それから、ひとつ気になっていた事がありました。
「国旗持ってきたかったな」
結構ミーハーなところがある私は、国民が振る小さな日の丸が欲しいなと思っていました。
「みんなどこで買っているんだろう?」と考えながら進んでいると。
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もらえました。
考えてみれば、あんなにたくさんの国旗を、めいめいが持参してくるとは考えにくいですね。
無料配布とはありがたい。
これで準備万端。
いよいよ皇居の中へ入ります。
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手荷物検査と金属探知機を潜り抜けると、徐々に宮殿へ近づいていきます。
令和元年の正月はまだ平成。
令和2年以降はコロナ禍で中止。
そして昨年は、元旦に起こった能登の震災を受けて中止。
やっと5年ぶりに制限の無い一般参賀なのだそうです。
不思議とワクワクしてきました。
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すごい人数。
これを警備にあたる皇宮警察のご苦労が偲ばれます。5回行われるお目見えの、1回あたりの参加者はおよそ2万人だそうです。
驚いたのは、海外からのお客人の多さです。
考えてみれば、【もし英国へ行って、チャールズ国王陛下に謁見できる機会】があったら、私だって確実に行くでしょうから。
外国の方が多いのも頷けます。
「パレスでエンペラーに会える」イベントあるよー。
となっている訳ですから。
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皇居を時計回りに進んでいきます。
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道すがら、外国語の案内や、耳が不自由な方のために陛下のお言葉を手話通訳するサービスの案内などありました。
細やかな心遣いを感じます。
大きな門を潜って。
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さっき遠くに見えていた橋を渡ります。
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すると…。
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おおおお!テレビでみたことある場所だ!
老若男女、日本人も外国人も、皆が国旗を手に持っています。
皆、記念写真を撮ったり、宮殿を観察したりして、天皇皇后両陛下、上皇上皇后両陛下、秋篠宮皇嗣殿下御一家のお出ましを待ちます。
会場は不思議は熱気と、厳粛な雰囲気が同居しています。。
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そして定刻通り、いよいよ皇族の方々がお出ましになります。
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一斉に振られる2万もの日の丸。
雲ひとつない日本晴れ。
笑顔で手を振る陛下。
(陛下の御真影を使っていいか悩んだので、イラストにて再現します)
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天皇陛下御一家が手を振って、我々の歓声に応えてくださいます。
そして、陛下から新年のお言葉がありました。
新年おめでとうございます。
皆さんとこうして新年を一緒に祝うことをうれしく思います。
その一方で、昨年の元日に発生した能登半島地震や、各地で起こった大雨の災害などにより、いまだにご苦労の多い生活をされている多くの方々の身を案じています。
いろいろと大変なこともあるかと思いますが、本年が皆さんにとって、安らかで良い年となるよう願っております。
年の始めに当たり、我が国と世界の人々の幸せを祈ります。
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思えば今朝。寝ぼけ眼で、
「正月に相応しい厳粛な雰囲気か、それとも晴れがましい気持ちになれる華やかなる場所に行きたいー」と軽い気持ちで、突発的に参加した一般参賀。
陛下のお言葉を聞いて背筋の伸びる思いでした。
今年も色々な場所に行くつもりです。
その新春第一号がこの場所で、本当に良かったなと思いました。
今、喫茶店でこの記事を書いたら、新しい企画書を書く予定です。正月から早速です。
そりゃそうです。書くに決まっています。
陛下に約束したのですから。
記事:まるのすけ