みんなそれぞれ孤独という世界があるかもしれない:漫画『異国日記』ヤマシタトモコ
ヤマシタトモコさんの漫画『異国日記』を
ちょっと前に読んだけれども
そのなかで印象的だったのが
孤独のイメージの話だった。
登場人物それぞれに、考える孤独のイメージの世界が違っていて、あたりまえなんだけど、そのことに気づいて少し驚いた。
孤独なとき、私はいつも
暗く深く冷たい海に
ひとりで静かに沈んでゆくイメージで
そこで流れと暗闇に身を任せ
ここがどこだかわからないと思ってしまう。
でも、別の誰かにとっては
深海は夢とロマンにあふれる場所なのかもしれない。
静岡の駿河湾の近くに深海水族館があって、
行ったことがあるけれど
たくさんの種類の深海魚がそこにいた。
暗闇を泳ぐヒカリキンメダイの目がてらてらと暗闇で光る様子をみて、
案外深海は暗いばかりではないのかもと思った。
意外と深海の暗闇の中にはたくさんの豊かなものがあって
こわい顔をしたラブカもほんとは怖くなく、
シーラカンスはなにかを教えてくれて、
リュウグウノツカイはもしかしたらどこかに導いてくれる存在なのかもしれなかった。
みんなの孤独はどこだろう。
きっと思いもよらないものなのかもしれない。
余談だけれども、そのことを友人に話したら
じゃあ深海から浮上したときに
どこの海にたどり着いてるのか楽しみじゃんね
と返ってきて
こういう返しができる人間になりたいと思った。
深海に潜ることは悪いことじゃない。