【鴻雁北】こうがんかえる『学校の池に落ちたよね、2回も』清明/次候☘️
仕事がら、人生の先輩方にお会いする機会が多い。
皆さん健康に気をつけ、毎日散歩したり体操教室に通われたり、中には本格的にジムに通われたりして足腰を鍛えていらっしゃる方も。
いろんなお話をして楽しい時間が過ぎ(お仕事なのに楽しいとは如何なものかと思ったりするが、人生の達人たちのお話は面白い、いやためになる)
帰り際に玄関で
「そこ段差あるから気をつけてね」
とか
「運転気をつけて帰ってね」
とか、必ず言われる。
それは、うちのお客様は皆様、私が並外れて運動音痴で、そそっかしい輩だと、よくご存知だからだ。
昨年、お客様の玄関先の段差でドテッ!と転んだ私は、膝や手のひら頬に血をにじませながら、何とかヨロヨロ運転して帰った。
そんな情けない話を、自ら皆様にお伝えして回っている。
「皆さま、足もと気をつけて下さいね。お怪我から介護生活になることもありますからね」
先日、眼鏡を新しく作り直しに行った。
今年は花粉症がひどくコンタクトを諦め、遠近両用眼鏡を作ることにした。
いろいろ迷いながらも選び終え
「出来上がりが楽しみね」
と、夫ヨッシーさんとお店を後にした。
ちょうど雨が降っていて車まで走ったのがまずかった。
また、やってしまった!
車止めに蹴躓いてまたまたドテッ!
私の車で出かけていたので、私が運転席側、ヨッシーさんが助手席側。
雨降る中、しばらく立ち上がれず
「早く助けに来てぇ~」
と念じていたのに全然助けに来ない夫。
後で聞いたら「アレ?消えた?」と不思議に思っていたらしい。
ヨッシーさんより先にお店の店員さんが
「大丈夫ですか!」
と、助けに来てくれた。
お店はガラス張り、助手席側のヨッシーさんから見えないが、お店の中からは、私のドテッ!がまる見えだったみたいだ。
転倒でねじれ曲がった古い眼鏡も親切に直して頂いて
「お気をつけて」
と、優しい店員さんに見送られ帰ってきた。
自宅に帰り
「歳のせいかなぁ」
と落ち込みながら、頬や手のひらに絆創膏をはり、一番ひどい両膝の消毒をしている時、ふと仲良しのKちゃんの言葉を思い出した。
「学校の中庭の池に落ちたよね」
彼女は3人姉妹の真ん中でしっかり者、幼稚園に入る前から、小学校卒業まで、まるで保護者のように私を見守ってくれた仲良しだ。
「うん、落ちたよぉ。5年生の時やろ?恥ずかしかったぁ。中庭走り回ってた低学年の子がぶつかって来てドボン!って。ずぶ濡れになって・・・」
「2回も落ちたよね」
「エッ?」
彼女の言葉で長年の謎が解けた。
そのシーンを思い出す時、映像が2パターン甦るからだ。
中庭の真ん中の丸い大きな池と、回りにある金魚とかが泳いでいる小さな四角い池だ。
「そうだったんだぁ」
「そうだよ。2回も落ちた人、ナツメちゃん以外、いないだろうね」
Kちゃんが思い出してフフフと笑う。
膝にも絆創膏をはり終え、そう言えばと思い出した。
小学生の頃の私は、外遊びが苦手で家でボーッとしている事が多かった。
なのに私の膝小僧には、痛々しい傷が絶えなかった。
まあ、転倒は歳のせいではなく、単なる運動能力の無さだと確認出来て良かったのか?はたまた悪かったのか・・・
でも実際、年配の方が寝込む原因の第一位は、病気ではなく転倒らしい。
学校の池に2回も落ちた私が言うのも何ですけど
「皆さま、お気をつけあそばせ☘️」