【F】father/friends/feeling 父、友人たち、感覚
まず【father】父のこと。
父は、釣りが好きで山菜採りが好きで、そして日本酒が好きな人だった。
だから雨さえ降っていなければ、日曜に家にいたためしがなかった。
今の若いパパさんたちからは想像もつかないだろうが、私は嫁ぐまで父と家族旅行へ行ったことがない。
父は限りなく優しいひとで、いつも叱るのは母の役目で、父に怒鳴られた記憶はない。
でも記憶とは不確かな物で、特に幼い頃の記憶はいい加減なものだ。
父の葬儀の時、母がふと思いだしたようにつぶやいた。
「あんた、お父さんに一度叩かれたことがあったね」
小学校へ上がったばかりの頃のことで、カーテンに包まってずっと泣いていたのは何となく覚えている。
あんなに優しい父に打たれたのだから、私はそうとう憎たらしい事を言ってしまったに違いない。
私が嫁いだあと47歳で脳梗塞になり、その後も80歳過ぎて大腸がんや二度目の脳梗塞や脳出血、病院の先生にたくさん病気を経験されましたねと言われた。
でも89歳まで頑張ってくれた父、家族葬には満面の笑みの写真を探して飾ってもらった。
父が亡くなった後、あちこち回って取り寄せた戸籍謄本で父の人生を一緒に辿ることが出来た。
この戸籍の中の誰か一人でも欠けていたら、私は今この世界に存在していない。
そんな大切な人生を無駄にしてはいけないと改めて感じた。
【friends】
友人ではなく、友人たちとしたのは、ここ数年で何人もの大切な友人たちを亡くしたからだ。
先に天国へ旅立った友人たちは、笑顔が素敵で優しい人ばかりだ。
神様はいったい何を考えてるんだ!って文句を言いたくなる。
毎日を大切に生きなければと、常々思っている私。
でも夜日記をつける時「今日何したんだっけ?」と思うことが度々ある。
こんな私を天国へ旅立った友人たちは、「しっかりしてよ〜ホントにもう!
まぁ、いつもの事か」
って、優しく見守ってくれていると勝手に思っている。
私の人生が終わる時には、また皆に会うことが出来るはずだと信じている。
【feeling】
日本語だと、感覚というより波長かなって思う。
私にとって友人になるのは、やはり波長の合うひと。
だから長年お付き合いをしている人が多い。
波長の合うひとと結婚していれば幸せだが、なかなか難しい。
恋愛で結婚すれば、自分にない物を持っている人がキラキラ輝いてみえる。
でも結婚生活も長くなると、休日の過ごし方や子どもの育て方など、ありとあらゆる場面で意見の相違が起きぶつかることになる。
両親との同居なら、更に戦う相手が増えてしまう。
今思い返せば、あんなに戦うこともなかったし、こだわり過ぎず自分から折れて「それもそうだね」と言っておけば良かったのかも。
喧嘩してまで子育て論を通すより、子供に対して
「愛してるよ」ってぎゅ~って抱きしめてあげてれば真っ直ぐ優しい子に育つはず。
私はとっくの昔に終わっちゃたけど、まだ間に合う方はお試しあれ。