見出し画像

【蟄虫啓戸】すごもりむしとをひらく『高校生とミニクーパー』啓蟄/初候☘️


私は、まったく車に興味がない。
なのに高校を卒業して就職した先は自動車ディーラーだった。
まぁ、そこに就職したから夫ヨッシーさんと出会えた。


夫の方も、関西方面の大学に行っていたので、地元へ帰る交通費を浮かす目的で試験を受けたというから、人生の出会いってそんなものなのだろう。


現在乗っているのは、2台続けてPorte、これは義母や父の介護に大活躍。
大きく開くスライドドアで、足元がフラット、手すり?まで付いている。
車椅子だって折りたたんで乗せることができる。
義母は私より体重が重かったし、父にいたってはさらに背も高い。
でも、助手席への乗り降りは素人の私の介助で十分いけた。


父の好きな海まで何度もドライブしたし、義母に至っては、息子たち家族が住む山梨まで行った。
車椅子の旅は、意外と便利。
道の駅ごとに休憩すれば、日本中どこだって行ける気がした。
大活躍のPorte君♡

こんな私が若い頃、3台に渡って乗り続けた車がある。
タイトルにあるミニクーパー♡
めっちゃ可愛いかったけど、まぁ故障のオンパレード!!


まず1台目は渋いグリーン!
夫が知り合いの販売店さんにあったのを見つけてきてくれて、即決断!

まだ末っ子が小学生でサッカーの試合で金沢まで行く道のり、クーラーが壊れた。
行きは珍しがって「乗りたい!」と言っていたママ友たちも帰路は「遠慮しとく」と拒否られ、試合後の汗だく少年たちを乗せて帰ることとなった。
車の中の汗臭さが、ハンパなかった!


2台目は、更に渋いチャコールグレー♡


これも、よく故障した。
家までもうチョイのところでパタッと動かなくなった時は、ヨッシーさんに後ろを押してもらったし、大雪でハマって動けなくなった時もSOSですぐに駆けつけてくれた。


さらに3台目は赤♡
この赤いミニが一番好きだった。
今風にいうと映える?バエル?


友人を、赤いミニで迎えに行った時、彼女が言った。
「高校生の時の夢、叶えたね」
あの頃、彼女の家の近く犀川のほとりに停まっていたミニクーパー見つけて騒いでいたとか。
「何これめっちゃ可愛い♡乗ってみたい!!」と。


3台目にもなると、故障する前兆の不思議な音なんかで事前に察知し、以前ほどヨッシーさん迷惑をかけずに済んだ。
でも、悲しいことに事故ってしまい、修理後も、オイル漏れやラジエーターから水漏れが続き手放すこととなった。


金沢の販売店さんまでの最後のドライブは、夫ヨッシーさんと喧嘩中だったので、一人ぼっちだった。
でも、この最後のドライブで私は「ひとって優しいんだなぁ」と、つくづく実感できた。

まずは、ガソリンスタンドのお兄さん。
湯気が吹き出るキャップをタオルでつかみ開けて給水してくれた。
「キャップ閉めないで走った方がいいかも」
って。マジ?


次は楽器屋さんの駐車場。
見ず知らずの店員のお姉さんが「おかわり要りますか?」と空のペットボトルを満杯にして持たせて見送ってくれた。


その後も、道の脇に停めてはエンジンルームを開け、水を足し、ラジエーターの目盛りとにらめっこしながらのドライブが続く。


やっとたどり着いた時には、緊張で身体中ガチガチだった。
そんな旧型ミニクーパーも生産終了。
あの新型ミニクーパーも発売されてすぐにヨッシーさん見に行った。
でも、あのビュンビュン走れるカッコいい新型ミニは、私の憧れのミニクーパーとは全く別物だった。


3代に渡って、私の夢を叶えてくれた可愛いミニたちと、後ろからエンヤコラと押してくれたヨッシーさんには、本当に感謝している。
「ありがとう♡」


冬から春へバトンを♡

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?