あなたの涙、はじめて私とあなたの間に生まれたもの
びっくりした。
あなたが、はじめて、
わたしとの間のことで、
目を赤くして、涙した。
どうして、このとき、
あなたがみるみる眼を赤くしていったのか、
わたしには、
あなたの心の内側でどんな出来事が起きているのか、わからなかった。
だって、何度も、わたしは、
繰り返し、あなたが誰よりも大切で、
必要だって言い続けてきたんだから。
あのとき、今日のタスクの確認のことで、
わたしはジャスミンに対しての態度にごめんねって、謝って、
そんなことをずーっとひっかかって気にしていたなんて、
わたしはあなたがそんな気持ちを持っていたことにもびっくりした。
イスに座って、角っこのテーブルで、
2人で向き合って、
膝を突き合わせて、
目を合わせて、
じーっと見つめ合いながら、
睨み合いながら?笑
話していて、
真っ直ぐで、鋭いあなたの眼は、
いつもわたしを惹きつける。
仕事のやりとりのことで、
今日はいつもよりお互いにぶつかり合って、
イライラして、
悶々としていたわたしたち。
Imaには、Imaにしかできないことをしてほしい。
だから、わたしが1人であなたに振らずに何か進めているとき、イライラしてる、
そうあなたは言う。
チームでやっている感じがしないって、
もしかしたら、
ずっと寂しかったのかなって、
はじめすこし、ためらいそうになったけれども、口から言葉になって出てきたら、
まっすぐに出てきたことば。
「わたしには、あなたが必要なの」
あなた以外に何も見えなかった。
まっすぐに見つめた先に写るあなたの
赤くなった目。
そして涙目になって、何かに感動していたようだった。
それはわたしにも伝染して、
わたしの目も熱くなっていた。
でも、同時に、
どうして?
わたしは、わたしのそんな言葉で、
あなたが涙がする理由がわからなかった。
わたしは、あなたがすべてと言っても言い過ぎじゃないけれども、
そんなことを言うわたしをあなたは望んでいないことを知っているから、
言わなかったけれども、
本当は、あなたはわたしの全てなのよ。
何度もあなたに、わたしがどれほどあなたを想ってきたか、大切か必要かを伝えてきたのに、
なぜいま泣いてるの?って、
わたしはあなたに聞いた。
「わたしは言葉じゃ、伝わらないときがあるから」
あなたは、そう言った。
いまこの瞬間、何か、言葉ではないものが、
わたしからあなたに伝わったようだ。
わたしが、決めていることは、
1番大切なことは、
美しい循環を創ってゆくこと、
そして、
あなたと一緒にやっていくこと。
そう伝えると、
あなたの表情はより晴れやかになっていった。
そういうふうに見えた。
あなたとのこれからの歩み、
創っていく未来にわくわくしているの。
あなたが1人分のチャーハンを食べ終わったころ、
重たく緊張感のあった濁り曇った空気は、
不思議と、透明感のあるものに変わっていた。
お皿を洗ってあげるころには、
いつものおふざけ調子のあなたに戻っていて、
障子に貼るチョコレートのパッケージ紙の話に移った。
ふざけて障子を破ろうとするあなたは、
本当に子供みたいになる。
さっきまでの真剣だった表情から一変、
いたずら顔の少年になって動き出す。
あなたは、大きく手を広げ、
胸を開いた。
そして、私たちはすこし長いハグをした。
長い段ボールの筒でふざけあってから、
私たちはまた手を取り合って目をつぶって、
静かな空間に身を置いた。
大切なあなたが、
ここにいてくれることに、
ずっと感謝していた。
そして私たちはまたいつものように、
帰路についた。
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