投稿企画に送ったキャラクターを振り返ろう!
お久しぶりです、渡葉です。普段はゲーム会社でシナリオを書いております。最近は本業のほうで少々大きめのものを書いてまして、しばらく更新できませんでした。休日にまで日本語が書けない。
今日は「過去の自分と向き合おう」シリーズの第4弾をお届けします。今までのはこちら。
今回は、とある投稿企画に送りつけていたキャラクターたちを、一部抜粋して振り返っていきます。自分のネット歴では比較的最近にあたるのですが、参加していたのが2010年~なので、最古のものだともう12年前になるわけですね。えっマジ?
今思うと無茶苦茶なキャラクターばかりで、とても今使えるものではないかもしれないんですが、コミュニティの性質上、尖ったアイデアがウケやすく、そういうのばかり書いていたので今では出せない味のようなものがあると思い、ここに残しておきたい次第です。
間違いなく自分の青春のひとつではあったワケですしね(社会人になってからだけど)。ではどうぞ。
1.恋愛対象が「酸素」の少女
1キャラ目から何言ってんだって感じですね。しばらくこういうのが続きますので覚悟してください。尖ってるアイデアがウケるって言ったでしょ。
いや、実際こいつはかなりウケた。これでしばらく味をしめて「無機物に欲情する少女シリーズ」を投稿し続けたくらいだ。結局一番ウケたのがこいつだった気はしますが。
2.純愛派の触手
どういうことなのか、こっちが聞きたいよ。教えてくれよ。
しかし性格だけはマジで善良なキャラだったので、結構な人気が出る結果となり、一族の他の触手を大量に作ることになった。しばらく「渡葉=触手」のイメージになり、ツイッターのアイコンも長らくポップな触手のイラストだったほどである。
最終的には他の人が作った女の子と純愛の末に結婚、妻子持ちとなる。投稿企画はこういうのが醍醐味だよね。
漫画版にも登場し、そこでは警察のエリートとして指揮官的な立場にまで出世していたが、壮絶な死を遂げた。
3.お腹の我が子と相思相愛の女の子
大丈夫ですかね。ついてこれてますかね。書いてある通りあくまでコメディキャラであり、私自身もギャグのつもりで書いていたのだが、周囲の人々に「理解を脳が拒む」「コズミックホラー」とまで言わしめた。
TRPGみたいな企画でロールした事もあるんだけど、本当に空気をほのぼのさせる良い子だったんだって。信じてくれよ。重い設定は、アホで中和できる。これは発見だね。
4.ビッチの勇者
カオスが過ぎる。情報が過積載なんだよな。ちょっとうまいこと理解してもらえる事を願っています。
このキャラで一番大事なのは「勇者」でも「ビッチ」でもなく「頭脳派」の部分であり、なぜかって、このキャラはトーナメントでキャラを戦わせる企画に送ったんですね。「相手のキャラを倒すSSを書いて、読者投票で上回ったら勝ち上がる」という企画。
そこで私はこのキャラで、「非力で直接戦闘能力は皆無ながら、策謀のみで勝利する」SSを書き続け、なんか優勝してしまったんですね。
やっぱ燃えるんですよね、非力な策謀キャラ。頑張ってくれたキャラだと思います。それはそれとして力士はずっと両国で相撲を取っていたけど。何気に「渡葉」の名前の由来になった、思い出深いキャラでもあります。
5.護身術道場の格闘JK
キャラというより流派の設定が好き。完全に理屈を通した上で「ハイキックでパンチラするセーラー服格闘家」を作り上げた。ちなみに示現流の話は本当。歴史をズルく使っていけ。
6.触手に育てられた少女
かわいい女の子。俺は本気でかわいいと思っているからな。
7.怪鳥"ホールインワン"
ゴルフで、バーディとかイーグルとかアルバトロスとか言ったらすごいスコアなんで、ホールインワンってのはさらに上の鳥なんでしょ? という話。
8.ネコミミキリン
動物で一番好きなのがキリンなので作った。現在のnoteのアイコン、実はこれです。
9.メタ時空の認識者
中二っぽいものが出てきましたね。メタネタは中二の華よ。ただ、こいつのタチが悪いのは、これが上述の「相手のキャラを倒すSSを書いて、読者投票で上回ったら勝ち上がる」企画に送られたキャラだという事です。相手の書き手にもメタネタを強要するという。
キャラ自体はかなりお気に入りで、そもそも言動が面白い女だった。狂人のセリフを考えるのは楽しい。「ブリは出世魚ってよ……じゃあ定年になったらどうすんだよ……魚やめんのか? 家族どーすんだよ。ヒヒヒ、わけわかんねえ。ヒヒヒヒヒ」
メタ的な動きができるので、ツイッターで他の参加者と直接リプを飛ばし合ったこともある。言わばなりきり垢なんだけど、こういう、キャラの実在性を高める遊びは楽しい。
10.自慰探偵
最低すぎて最高。
11.桶屋の社長
風属性の桶屋、最強じゃん。
12.余命1か月の決死隊
急にシリアス。おそらく人生で初めて書いた、純度100%のシリアスキャラ。本人の性格はあまり良くないが、彼女を心から想っている姉がおり、姉妹愛でエモさを盛りまくり、当時の企画で優勝した。
言ってしまえばベタな設定だとは思うんだけど、やはりこういうのは「最後の1秒」をどう使うかで劇的な効果を出せるので、ベタをしっかり書くのは結局最強なんだよなという感じはある。
13.「最低の竜人」
強烈な劣等感と憎悪が込められた、ある意味でとても自分らしいキャラクター。復讐ものを書いたのはこれが最初かな? なんだか興が乗ってしまい、この年の夏休みを全部使って彼女の復讐譚を最後まで書ききったのを覚えている。
最終的にどうなったかというと、彼女は竜人のためのソシャゲを開発し、里に持ち込んでブームを起こした。若者は初めて見るゲームに夢中になり、慣習を重んじる大人たちはそれを咎め、そのまま世代間対立に発展し、内乱が起き、竜人の里は滅んだ。
……と書くとまるでギャグみたいだが、全編シリアスっぽく書かれており、さっき読み返したら良く出来ていて驚いた。エンドクレジットで誰の復讐か明らかになる演出などたいしたもんだ。「逆鱗に触れる」という表現も所々で効果的に使われている。なんだこいつ、文章上手ぇな。プロになれよ。
14.メテオ姉妹
一発ネタ。この頃「会社に隕石落ちねーかなー」と本気で考えていた。
15.ギャグマンガ少女
題材はギャグマンガだが、キャラとしてはシリアス寄り。「シンプルなテキストの能力は強い」を地で行く存在。
ギャグマンガをセリフだけで表現するSSを書くのは楽しかった。4コマみたいな内容が延々と続くが、徐々にツッコミ役の相棒が体調を崩していき、最終的には死別してしまうというテクニカルな内容。よく書いたな。
16."神絵師の腕を食う"通り魔
「嫉妬」をテーマに書きたいことを全部つめこんだ女。プロになれなかった頃、先にデビューした連中に対して思っていたことを書き殴ったところ、ごく一部の層には刺さったものの、全体的にはそこまで票を得られずに「予選落ち」した珍しいキャラ。
気に入ってはいたんだけどねえ。読んでて気持ちいいもんじゃないからねえ。ちなみに当時すでに自分はプロになっており、ゲーム会社で働き始めていたので完全に「思い出」で書いている。
込められた怨念とは別に、「女オタク」の表現へのディティールは凝っており、これを読んだ先輩ライターは「嫉妬の描写はクドかったけど、秋葉原でのオフ会シーンはとても良かった」とコメントしている。
17.語尾が「ヤンス」のお嬢様
共作ではあるものの、自分の最高傑作と言っていい気がする。作ったのは2015年だが、昨今のお嬢様バブルでもこの類型はいないんじゃないか?(まあ万人受けするタイプじゃないだろうけど)
当然、下っ端なので「オヤブン」となるキャラとセットなのだが、この親分側のキャラ(華奢で非力なヤンキー少女。相手が令嬢でも構わず殴る)にも自分は鬼気迫る情熱を注いでおり、とっても思い出深いキャラ。
親分は「下っ端が全てにおいて自分を上回る令嬢である」という、ある意味でおいしい現状を良しとせず、一度はお嬢様を捨てようとするも、最終的に絆がなんとかなって感動的になった。
割と「設定だけで勝ちにいけるキャラクター」で、実はラノベの担当編集にもネタとして提案したことがあるんだけど、まあ普通にボツになりました。
……はい、とりあえず以上です! これでもかなり絞ったんですが、さすがに10年近くやってただけあって色々ありますね。
今から生かそうとしても、現在いるゲーム業界では使えなさそうなアイデアだったりして惜しかったりしますが、いつか、どこかでまたオリジナル創作をする時に(今は忙しくてできないけど諦めてないですよ)、有効に使えたらなあと思っています。
あと、普通にまたこういう遊びもしたいので、誰かやってたら誘ってください!! ビジネスじゃない、くだらねー創作遊びしようぜ!! またな!!
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