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SDGs領域でのビジネス立ち上げと仲間集め(後編)

今回のテーマは「SDGs領域でのビジネス立ち上げと仲間集め」です。昨今、SDGsに対する社会の関心が高まり、社内で取り組みを始める企業やSDGs領域でのビジネスを立ち上げる起業家が増えています。しかし、これまでにない領域だけに、事業の立ち上げ方や仲間の集め方について頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?
そこで実践的ビジネスコミュニティ GDA(Good Days Association)では、事例をまじえながら、SDGs領域のビジネスの取り組み方について紹介するウェビナーを開催。前半に引き続き、後半はSDGsに対する理解をどのように得てきたのか、また仲間集めや広報活動などについてもお届けします。

GDA(Good Days Association)
約 30 名の経営者、ビジネスマン、事業推進責任者が集まり、専門知識の共有によるオープンディスカッション、他社・団体との協業、社会投資や支援を活動の主軸とする実践的ビジネスコミュニティ。

登壇者紹介

伊藤

はぶきさん

お手伝い

認知・理解の壁について

辻原 ある調査によると、SDGsの認知度は2020年の時点で32.8%。今でこそ、50%を超えるまで認知度が上がっていますが、お二人がビジネスを立ち上げたばかりの頃は、まだ一般的とは言えない状況でした。このような中で、どのように周囲の理解を得ていったのでしょうか?

価値

伊達 『itobanashi』立ち上げの時点では「エシカルファッション」や「フェアトレード」というテーマはあまり推しすぎない形で、売り出していました。私たちが提供する価値は「自分らしさ、人とは違う個性」であり「刺繍に込められた歴史やメッセージ」。ですから当初のメインターゲットは、こうしたことに感度の高い40〜60代の女性でした。『エシカルファッション』というテーマはSDGsの認知の広がりに応じ、支持してくれる若い世代が増えたことで、改めてアピールするようになったというのが正直なところです。

──時代が『itobanashi』に追いついてきた、という感じですね。『Lookat』はITサービス×SDGsというこれまでにない事業ですが、周囲の理解の壁はありましたか?

価値①

葉葺 初めは社内で反対されるかもと危惧をしていたのですが、そういったことはありませんでした。元々人を巻き込んで新規事業を立ち上げていくのは得意でしたし、事業部の部長を任されてからは増収増益を維持していたので、周囲から信頼を得られていたのかもしれません。
また、SDGsに対する理解を得るために社内勉強会を行う、といったことも特にしていません。新規事業をする場合、社内でいくら認知度を高めても、井の中の蛙になりかねない。だったら、外部の人とやって新しい知識を得たり、深堀りをした方がいい。
周囲の理解を得るより、まずは自分自身の理解を深める必要があると思います。立ち上げの軸となる僕ですら、当初SDGsに対しては「うさんくささ」みたいなものを持ってましたから。経済学、金融、税制、文化人類学などさまざまな分野の勉強をして、徐々に理解を深めていきました。その後、伝える内容が自分の中に蓄積されてからは、積極的にYoutubeで発信したりしています。

仲間集めのプロセスや広報活動

辻原 一緒にプロジェクトを遂行してくれる仲間集めや取りまとめはどうしていましたか?

仲間

伊達 初めの2年くらいはフェアトレードや社会貢献といったことに興味のある人たちが、ボランティアのような形で手伝ってくれていました。ただ、そういう人たちが実際に仕事をし始めると、やっていることの地味さに落胆してしまうんですね。ひたすらエクセルに数字を打ち込むとか、在庫管理をするとか。もちろん、そういう一連の作業の延長線上に途上国の女性支援があるのですが「社会貢献した手応えをすぐに感じたい」という人は、辞めていきました。今残っているメンバーはどちらかというと刺繍やスローファッションに興味がある人たちです。ですから、崇高な理念だけではだめで、事業の中身を充実させることが大事な気がします。

葉葺 僕の場合は社内に人員がいるので、声を掛けてメンバーに引き入れました。また、プロジェクトを進行していくと、反対意見や自分と異なる意見が出てぶつかることもありますが、そこで相手を遠ざけることはしません。自分のやり方が100%合ってるなんて思っていないし、違う意見が出てきた方が盛り上がる。僕はマーケターであり、営業エキスパートですが、ワークショップデザイナーとしての肩書きも持っています。ですから、「対話を通して議論を深める」ことを意識してきました。

辻原 広報活動はどのようにしていましたか?また、社内向けのメッセージで意識していた点はありましたか?

価値②

伊達 40代〜60代がメインターゲットだと、SNSではお客様に出会うのは難しい。そこで、初めは地元の有力新聞やラジオなどオールドメディアを活用しました。また、小さな展示会を開催するなど、小さなPDCAを回しながらお客様の特性を把握していきました。現在は若い世代のファンも増えたので、SNSを使った広報活動を積極的に行っています。
また、社内向けのメッセージに関して、私は伝えるのが苦手なので高い目標を掲げたり、社員鼓舞するような気のきいたことは言えないんです。でも、飲み会やミーティングで私が語っていることなどを周囲がきちんと拾って、構造化した上で、皆に共有してくれるんです。それは本当にありがたいですね。

葉葺 『Looat』はITサービスなのでさまざまなメディアを通して宣伝させていただいてますが、僕が社内外で伝えていることは『Lookatを囲んで対話しよう』ということなんです。僕は斎藤幸平さんの『人新生の資本論』を読んで衝撃を受けたのですが、今こそ経済優先の資本主義から抜け出し、平等で持続可能な社会を目指す時。競争だけの社会は、人を疲弊させます。僕は『Lookat』を社会がより良くなるための対話の中心になる、『焚き火』のような存在にしたいと思っています。
『Lookat』は企業や団体のみなさんはもちろん、X世代のサラリーマンやZ世代の学生個人も利用できるサービスです。ぜひ、使ってみてください!

まとめ

SDGs領域でビジネスを展開するためには、理念だけでなく事業の中身までしっかりと精査する必要がある、と話す伊達さん。また、周囲の理解を得るために自分自身の学びを大切にしてきた、という葉葺さんの言葉もとても印象的でした。お二人の事例を参考に、今後SDGs領域でのビジネスがますます広がっていくといいですね!

Thank you, we love you!

(前半)の記事はコチラ

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