襲来
とうとう来た。奴らがやってきた。
ねぇ来たよ。
神妙な面持ちで長女がハエ叩きを抱えて呟く。
パタパタパタ。飛んだ!飛んだよ!
飛んでますねぇ。
飛んでなんちゃら虫の息だね、ママ。
うん惜しい。50点。
飛んで火に入る夏の虫って言いたかったんだね。
きっと。
今何月だ?あぁ6月か。
6月ですよ。早いものですね。
ママ、でんき!でんきけさないと!
はりがねがきたよ。
羽アリね。
隙間という隙間を塞ぎそろりそろりと寝室へ。
今日は本一冊だけ読もうね。
えー。
楽しみは明日にとっておこう。
じゃあきょうはママのすきなヨシタケさんの!
としょかんでかりてきたんだ。
あしたおはなのほんもよんでね!
はいはい。
ほら電気消すよ。
おほしさまのやつつけてー。
はいはい。
もはや恒例の羽アリ襲来。
ごめんね。バシン。
ごめんね。バシン。
台所でひとり格闘中。
もう入ってきたらだめだよ。
羽アリさんがやってきたって
今夜はしやわせだよ。
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