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トンネルを抜けたら

トンネルを抜けたら
あの雲が晴れたら
何もかもが眩しくて
何もかもが穏やかな
そんな世界が広がっていると
思っていたんだ

飛び跳ねたくなるような
踊り出したくなるような
どこにだって行けるような
そんな世界が広がっていると
思っていたんだ

トンネルを抜けたよ
雲ひとつない空だよ
そうやって喜んでいたのも束の間
道は無数に伸びているばかりで
空はどこまでも青いばかりで
わたしは立ち止まった

世界はこんなにも光に満ちているのに
時おり雨に降られても
しのげる傘を持っているのに

何を遠ざけ何を信じ
どこへ向かうべきか
あの種は風に吹かれて
どこで花を咲かせるのだろうか

電信柱は繰り返す

ひとつふたつとポケットに
しのばせている種を蒔き
道なき道を歩いてゆけ

長い時を経て振り返った時
初めてあなたは
後ろに続く花の道を
目にすることができるだろう

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