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【読書】成人発達理論による能力の成長

人の成長に興味があり、加藤洋平著「成人発達理論による能力の成長」ダイナミックスキル理論の実践的活用法を手にとってみました。

学び(所々に要点メモがあり読みやすい本でした!)

  1. 環境や課題を理解した上での能力開発が重要である

  2. 開発する能力には段階があり、どの段階にあるか自他ともに理解することが重要である

  3. 理解した上で、能力の抽象度を上げることが重要である

自分が大切にしている「点」を理解し、「線」に育て、持論をたて「面」、組み合わせて「立体」、抽象度を高めていく。そのためには他者の協力も必要だよ


以下、要約

1.環境依存性と課題依存性

環境依存性

素晴らしい経営者が家庭での課題を解決できるとは限らない。能力を開発するためには取り巻く環境や特性を見極める

課題依存性

取り組む課題が変わると能力のレベルが変わる。この能力は具体的な課題を通じてしか育まれない

これらを無視したトレーニング※には変動性※がなく、いわゆる根性論に陥る。実践的でない。

※変動性
能力の種類やレベルのばらつきだけでなく、課題の種類やレベル、環境のばらつき。

※トレーニング

  • ピンクノイズ 熟練者。

  • ホワイトノイズ 
    一般。
    不安感を発しているので、課題や環境の変動性への対応策を考え

  • ブラウンノイズ 
    初心者。
    飽きている状態なので、課題や環境の変動性を上げる


2.能力階層

5つの能力階層

  • 反射階層
    幼児が積み木を口に入れてしまう無意識な反応

  • 感覚運動階層
    意識的に物理的な環境へ働きかける反応。物体を他と認識している状態(ドアの開け閉め)

  • 表象階層
    事物のイメージを作ることができる状態(ドアのイメージができる。ただ愛とか抽象的な概念はイメージできない)

  • 抽象階層
    形のない抽象的な概念を操作することができる状態(友達というモノを、具体的なヒトをイメージするのではなく、信頼関係という抽象的な言葉で捉える)

  • 原理階層
    抽象的な様々な概念をさらに高度な概念や理論にまとめて発揮できる状態、つまり解釈を持論に展開できる状態(アインシュタインの相対性理論、イチローのバッティング理論)

13の能力レベル

  • レベル6(単一表象レベル)
    事物の具体的な特徴を言葉で捉える
    お母さんはヒトです

  • レベル10(抽象配置レベル)
    事物の抽象的な特徴を1つ取り上げ、さらにもう1つ抽象的な特徴を説明できる
    ヒトは理性で物事が判断でき、その判断はヒトによって様々である

  • レベル11(抽象システムレベル)
    複数の抽象を捉えながら、関連づけることができる
    ヒトは〇〇である。AやBの特徴がある。つまり、〇〇がヒトを生み出している。

  • レベル12(単一原理レベル)
    面で捉えたレベル11を複数個作り出し、構造として一段高次元の概念で捉える


3.能力成長

5原則

  1. 統合化
    能力を結びつけた質的、垂直的成長

  2. 複合化
    組み合わせた量的、水平的成長

  3. 焦点化
    課題をこなすための能力の選択

  4. 代用化
    他の課題への応用

  5. 差異化
    能力の分割

サイクル

  • 質的
    点→線→面→立体
    例えば、
    過去の経験から得られた学びは何かという点をつくる。そして、二つ以上の経験から共通点や相違を見つけ線にする。次にそれらを包括する持論に持っていく(面)。最後に複数の持論を組み合わせ、さらに高次元の持論をつくる(立体)

  • 量的
    縦と横にネットワークが拡大

経験学習モデル

  • 具体的経験→内省的観察→抽象的概念→能動的実践
    過去の経験を思い出すだけでなく、持論に落とし込む

4.他者を通じた成長の大切さ(最近接発達領域)

  • 独力だけでは機能レベルに留まる。他者の支援を得て、最適レベルを発揮し、最適レベルを後追いする機能レベルを高めることが大切

  • 指導者として注意すべき点は、人の成長は思っているよりもゆっくりであり、過度な指導は成長を阻害する。

  • 間接的スキャフォールディング(つまり〜)を意識

  • 支援を求める勇気と支援を与える勇気が必要

支援がなくても達成可能(退屈)↔︎支援があっても達成不可能(不安)

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