【2020/04/27→→→2020/04/30】 「宮崎正弘の国際情勢解題」 _φ(・_・ 宮崎正弘氏のブログには掲載されていないし、だからと言って、ゴミ箱🗑に入れてしまうのも…忍びないので、残っているのを少しずつnoteに引っ越し中です…。 🐧💦
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和2年(2020)4月27日(月曜日)弐
通巻6471号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~3160万枚のマスクと509000着の保護服を不合格品で没収
なにしろマスク参入の素人企業が中国でいきなり、8950社
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中国のマスク生産能力は4月下旬に日産1億1600万枚。新たに参入してきた素人マスク製造業者8950社を含めて、フル稼働で生産し、多くは「いまがチャンス」とばかりに輸出に廻しドルを稼いでいる。
不良品とのクレームがついた。
オランダが50万枚、カナダが100枚、医療用の基準を満たしていないとして突き返した。じっさいに病院で使い始めると、不良品が発見されたのだが、支払いをすませた後だった。
こうした不良品の返品はチェコやトルコでも発生、慌てた当局は輸出検査を強化したが、四月中旬までの合計で「3160万枚のマスクと509000着の保護服が不合格品であったため輸出直前に税関で没収した」と、中国国家市場規制委員会の副局長ガン・リン(女性。音訳不明)が認めた(アジアタイムズ、4月26日)。
即席ラーメンを食べた中学生四人が中国の山奥で死んだ事故があった。河北省では毒入り餃子、北京では肉の代わりに段ボールをつめた餃子が発見されたときは、日本が輸入元だったため日本のメディアも騒いだ。粉ミルクでも死亡した乳児が大きく報じられた。だから中国人ツアーは日本にくると明治乳業か森永の粉ミルクを大量に買って帰る。
米国向けの中国産ペットフードで、アメリカ人家庭で飼われていた犬、猫およそ10000匹が死んで、訴訟に発展したこともあった。
不良品、偽物を作るのは、なにしろ中国伝統のお家芸なのだ。
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
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「もののあはれ」、「わび、さび」を理解したいと呉教授は必死で日本を学んだ
豪留学から日本に切り替え、韓国の出鱈目な日本認識批判に立った若者との対話
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WWUK & 呉善花『親日韓国人ですが、何か?』(悟空出版)
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呉善花(拓殖大学教授)が日本でデビューしてから久しい。出世作『スカートの風』はいまもロングセラーだ。
以後、呉さんのように韓国から来て、日本の良さに目覚めて言論活動をする人が輩出するかとおもいきや、ユーチューバーのWWUK氏が登場するまで、ながい空白が日本の言論界にあった。
ふたりは意気投合、のびのびと(日本でだからこそ、出来るのだろうが)、韓国人と日本人と差違、その文化のあまりの違いに関して実体験に基づきながら、意見を開陳してゆくので、説得力がある。
韓国の反日、侮日、憎悪、嫌悪。そのくせ、日本が好きで、日本にせっせと旅行に来るのだから、二重人格であることは多くの日本も気がついていた。
二人の議論は多岐に及ぶトピックスを取り上げるが、「反日」と「日本好き」という二律背反の心情分析の箇所を読むと、韓国人の基本的な発想、そのユニークさが理解できる。
圧巻は「恨」の韓国と「もののあはれ」の日本という、文化の基底に関しての考察である。
呉善花さんは伝統と感性が、たとえば花火でも、生け花でも茶道でも、日本人の感性にいきているとして、こう言われる。
「『もののあわれ』は日本人ならば誰にでもある、衰えゆく生命、か弱く小さな生命への感動です。そこから、自分自身をも含めて、弱きもの、小さきもの、不完全
なものを肯定し、慈しみ大切にしていく考えへとつながっていきます。『恨』は『もののあはれ』とは逆に、感動は『溌溂たる生命の躍動』ばかりに集中します。したがって、自分の『弱さ、小ささ、不完全さ』を『そうであってはならない』と否定し、そのためにありのままの自分を愛することが出来ず、自分は優れていて素晴らしく特別で偉大な存在でなければならないと思いこんでいきます。そのように、『もののあはれ』と『恨』は正反対の心の作用を持つと言えるでしょう」(131p)
半世紀から四半世紀前まで、評者(宮崎)はよく韓国へ行った。仕事の関係で一泊という旅も屡々あった。観光をしたことは殆どなかった。
70年代後半、まだ朴正煕政権の頃だが、韓国の閣僚の殆どが流暢な日本語を喋り、じつによく日本のことを知っていた。首相は金鐘泌で、藤島泰輔氏と一緒だった時は歓待を受けた。
1987年、いわゆるパルパル五輪前後には取材やら国際会議やらで、ソウルに数度行く機会があった。
まるで親日的な雰囲気があった。そうだ、あの頃の韓国は日本に憧れをもつ人が多かったのだ。
先月亡くなったイドヒュン氏は知日派の紳士で、韓国版『諸君』のような保守の雑誌を主宰され、氏が呼びかけたシンポジウムでは高坂正堯氏と評者が講師だった。つづく祝賀パーティには金大中、金泳三、「現代」の創業者の鄭周永の三人が揃ったほどの盛況だった。当時、この三人が大統領選挙を競っていたのだから、一雑誌のパーティに三人が顔を揃えるというのは、どれほどの影響力を保守系のメディアが持っていたか、おわかり頂けるかも知れない。
やはり1980年代後半だった。ソウルで世界ジャーナリスト会議が開催され、日本からは竹村健一、日高義樹、評者らが招かれた。米国からはレーガン政権のブレーンが目立ったから、反米ではなく親米ムードだった。もちろん韓国からは学者、ジャーナリストが多数参加していたが、会場では和気藹々としていた。
いったい、あの時代の雰囲気はどこへ消えてしまったのか
そうだ、あのころの韓国の言論人において、『愛国』とは『反共』だったのだ。それがいまは『愛国』は『反日』、北朝鮮という全体主義の悪口を言わなくなった。これが驚くべき韓国人の意識の変化ではないか。
本書を読みながら、そんな回想をしていた。
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『新型肺炎、経済崩壊、軍事クーデターで、さよなら習近平』
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宮崎正弘『新型肺炎、経済崩壊、軍事クーデターで、さよなら習近平』(ビジネス社)
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「イカロスの翼」は、太陽に近付いたため翼が焼けてバラバラになり、墜落した。
──習近平ひきいる中国経済は「イカロスの翼」だ。
銀行倒産、社債デフォルト、大量失業は、コロナ発生前から中国で進行していた。
──世界中で「一帯一路」が挫折して、工事現場では反中国運動、そして国際金融界では中国への不信が増大していた。
──国賓訪日延期、全人代延期、五中全会も開催できない。「さようなら、習近平」!
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5月1日発売予定
宮崎正弘『「コロナ以後」中国は世界最終戦争を仕掛けて自滅する』(徳間書店)
(予約受付を開始しております。定価1650円。アマゾンから予約の方は後日、最新情報にアクセスできる特典があります)。
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(読者の声1)ことしの改憲集会はYOUTUBEのライブです。5月3日、午後二時から90分、ライブでお届けします。
出演は櫻井よしこ、ケントギルバード、田久保忠衛、百地章氏ら。
アクセス方法は「美しい日本の遣欧をつくる国民の会」のHPからできます。
https://www.youtube.com/channel/UCDqbnOakcw0U8uGwUm2G6hw
ライブの主旨、「新型肺炎と中東危機」。
我が国の憲法には緊急事態条項がありません。国民の声明が危機に直面したときに、国民のいのちを守るための政府の行動をただめたもので、こんかいのコロナ災禍では「外出禁止」「大規模イベント終始」「休校」などの措置を強制でき、違反には罰金あるいは実刑を加える。イタリア、スペイン、仏蘭西、ドイツでは憲法に明記され、憲法のない英国でも成文法によらぬ常識で同様な措置をとれるのに、日本には憲法に基底がないために、すべてが「自粛要請」となり、違反者を罰することは出来ません。
さぁ当日ライブを見ましょう
共催 民間憲法臨調、美しい日本の憲法をつくる国民の会
電話(03)5213-4323
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(読者の声2)憲法学者の小林直樹教授が、今年の2月に亡くなられていたようですね。朝日新聞、毎日新聞は、記事で報道したようですが、私はつい最近まで気がつきませんでした。日経新聞は「小林直樹氏(こばやし・なおき=東京大名誉教授)2月8日、くも膜下出血のため死去、98歳。告別式は近親者で行った 専門は憲法や法哲学。憲法の実証的な研究で学界をリード。平和憲法擁護の運動に主導的役割を果たした。著書に『法の人間学的考察』などと報じているのみです。
私は、この方の憲法の講義を受講しました。当時、何冊か岩波書店から出されていた書籍も読みましたが、熱心に説かれていた非武装中立論など、読んでいて空しく、愚論、愚著としか考えられなかった。読んだのは時間と金の無駄でした。
その頃、永井陽之助氏が「もう二度と米国と戦闘してはならないというのが、戦争で得た教訓であろう」と述べられたことについて、小林氏が「永井氏は、なぜ、もう二度と中国と戦争をしてはならない、と言わないのだろうか」と述べて、永井氏から「国際政治は、幼稚園児のようにみんな仲良く手をつないで、というわけにはいかない」と反論されていたと思います。
手元にある永井著『平和の代償』の奥付を見ると、昭和42年1月初版となっています。私は、この書を大学3年生になった昭和42年8月の夏休み中に読んだのですが、小林著作とはまったく対照的に、強烈な衝撃を受けたことを、生々しく思い起こします。
Wiki で見ると、小林氏は「長野県小諸市出身。旧制上田中学校(現・長野県上田高等学校)、旧制水戸高等学校(現・茨城大学文理学部)を経て、1942年東京帝国大学文学部哲学科入学も法学部政治学科に転じる。東京帝大在学中に学徒出陣。二等兵、少尉等を経て、1947年高等文官試験合格」
とあります。
小林氏は1921年10月生まれですから、三島由紀夫氏より3年ぐらい年長ですが、「1947年高等文官試験合格」というのは、三島由紀夫氏と同期のはずです。これは、最後の「高等文官試験」でした。
三島氏と異なるのは「東京帝大在学中に学徒出陣。二等兵、少尉等を経て」という「軍歴」でしょうか。陸軍で二等兵も体験されたということが、三島さんの戦後意識と決定的差異をもたらしたのかもしれません。なお、永井陽之助氏は1924年生まれですから、三島氏とほぼ同年、小林氏ともほぼ同世代です。
今年は、三島由紀夫没後50年になります。
私もあらためて、全集(旧版)や関連書籍を読み返しているところです。宮崎三部作も読み返しました。私は昭和40年大学入学で、宮崎さんや森田必勝氏とは同世代ですが、当時は、まだ敗戦後20年、独立回復後13年程度に過ぎなかった。
1956年度経済白書に「もはや戦後ではない」と書かれてから、10年を経過していたとは言え、まだまだ「戦後」的状況が色濃く残っていたように思います。
三島氏が自裁された昭和45年にしても、せいぜいが敗戦後25年、もうそれを倍する歳月が流れている・・・・・
(椿本祐弘)
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(読者の声3)ウイルス騒ぎで、戦争の時より暗い気持ちだと高齢の知人、鬱になりそう、コロナ離婚になるかも?と言ってくる友人、毎日、医療現場働きずくめの友人は、ぐったり、と。
毎日が日曜日の私は、本棚に宮崎さんの『中国が世界経済を破綻させる』(2012年刊行)。その隣りに三島由紀夫の『英霊の聲』『三島由紀夫研究<8>
』。このなかに宮崎さんの論文「『英霊の声』は現代日本に甦るか」があり、読み返しました。
「近松も芭蕉もいない昭和元禄」とあれば、「三島のいない平成元禄」
外国のカネに人が走り、そして「卑怯をも愛し」大不況がやってきて、日本の屋台骨はガタガタになった。
三島さんがお書きになった通りの今の我が国は、老齢化、晩婚化、団塊世代の生活保守、目を覆うばかりの現実は死からの逃避であり、刹那的享楽的であり、国家百年の大計など誰も顧みないと宮崎さんは、11年前に書いておられます。
中国が世界経済のみならず、人命を奪うコロナウイルス騒動の昨今、日本人として本来持っていた、ムラ社会、大家族制度、人間性を重んじる社会環境に慨嘆しつつ、宮崎さんは同論文で、今こそ三島由紀夫の「英霊の声」は読み返されるべきである、と結んでおられます。
(深井貴子)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和2年(2020)4月28日(火曜日)
通巻6472号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~原油価格を元に戻すには「戦争しかあるまい」とロシアの『プラウダ』
OPECプラスの原油生産削減でも価格は上がらなかったではないか
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4月21日付けの英文プラウダが書いている。「OPEC プラス」の原油生産削減でも価格は上がらなかった。原油価格を元に戻すには戦争しかあるまい」。ロシアはOPECのメンバーではないが、世界一をサウジと競っている大産油国ゆえに、OPECのオブザーバー的なポジションをえている。
生産削減発表のあと、むしろ原油価格は低迷しつづけ、WTIは一時マイナスとなった。四月下旬になっても1バーレル20~30ドル台で取引され、九月先物でも1バーレル=30~35ドルである。
ロシアの石油関係者は、この値動きを情緒的な心理相場と捉えている。市場は需給関係で決まるのであり、世界的にコロナ災禍で自動車が走っておらず、航空機は世界中の空港で駐機している。
需要が激減していれば、価格は下がるのが当然、都市封鎖がとけない限り、原油価格が上昇に転じる可能性は少ないだろう。
そればかりか、在庫がたまりすぎて備蓄タンクは満杯に近く、洋上で待機するタンカーに積み込まれた原油だけでも1ヶ月以上の量である。20万トン級のタンカーが洋上で、備蓄タンクが空くのを待っている。すなわち、洋上備蓄である。
米国ではシェールガスの生産が事実上停止しており、労働者がレイオフされ、トランプは給付金、補助金などありとあらゆる手だてを講じて、この輸出のドル箱産業を守ろうとしている。
ロシアが想定する戦争は中東地域で勃発する地域騒乱、局地戦のことで、中東で揉め事が起きれば、必ず原油価格は上昇した。
ロシアはそのことを期待しているのか。
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 2068回】
──「ポケット論語をストーブに焼べて・・・」(橘29)
橘樸「中國人の國家觀念」(昭和2年/『橘樸著作集 第一巻』勁草書房 昭和41年)
▽
周恩来の一生を振り返ってみれば、「芝居的要素を持っていることを忘れ、見当違いの領域に迷い込んでしまう」というアーサー・・H・スミスの面子に対する考えの方が、橘より余ほど実態に近いと思われる。
周恩来は、「全国各族人民のよき総理」を演ずるという「自らの演劇の世界に入り込んでしま」うことで面子を保った。だが、「演技は全て現実とは何の関係も無」かった。彼にとって重要なのは毛沢東の筆頭執事という現実ではなく、とどのつまり「中国人民の偉大なプロレタリア革命家、傑出した共産主義戦士周恩来」という形式だったのだ。
やや面子に拘り過ぎたようだから、この辺で「中國の民族道?」を切り上げ、昭和2(1927)年に発表された「中國人の國家觀念」に移りたい。
橘は冒頭の「一、序説」で「近頃中國の青年又は政黨中、盛に國家思想を鼓吹する者があつて、其の氣勢が全國を風靡する樣に一部の批評家からは見られて居る」と、当時の中国の政治状況を説く。
このような中国の動きに対し、「一部の日本人」は「徹底的利己主義者なる支那人」「道?の行はれない支那社會」には「國家の發生」は期待できないとする。そこで「一部の日本人」の考えが「理論上可能であるかどうか」を確かめようと、「中國人の國家觀念」を考察してみた、というのだ。
小泉信三をして「志士的な特異な学者」と言わしめ、鶴見俊輔から「右翼思想家で、日本の翼賛運動を設計した政治技師の一人」と評せられ、吉本隆明からは「西欧のデモクラシーの概念と全く同位的な意味を持つものとして創造された国体概念も持主」と記される橘の実践活動を考えるうえでも重要と思われるので、「中國人の國家觀念」を読み進めてみたい。
それはまた満州事変、上海事変、満洲国建国、日華事変(盧溝橋事件)を経て「昭和20年8月15日」に続く昭和前期の激動の日中関係を探るための作業──当時の日本人が揺れ動く中国をどう捉えていたのか──にも通じるように思う。
そこで先ず橘の説く「近頃中國」の政治状況を簡単に振り返っておきたい。
1921年にコミンテルンの指導の下で陳独秀を指導者に中国共産党が誕生する。因みに、来年は共産党建党100周年であり、翌2022年に冬季北京オリンピックが予定される。おそらく習近平政権は来年と再来年と続く2つのビッグ・イベントを挙国一致で盛り上げ、その勢いのままに2期10年の任期(2012年~22年)を超え、異例な形で3期目に突入することを目論んでいるに違いない。
さて当時の中国で唯一の政党らしい政党であった国民党では、指導者の孫文がソ連との援助を受け入れることで党の近代化を企図した。1924年に国民党を改組し、共産党員の個人資格での入党を認める(第1次国共合作)。
さらに孫文は軍閥・帝国主義打倒の路線を掲げ「連ソ・容共・扶助工農」の路線に踏み出す。この段階で、孫文は頭山満や犬養毅ら日本側支援者との連携を断った。いわば頭山や犬養らの年来の主張であるアジア主義とは一線を画し、コミンテルンの側に一歩も二歩も歩み寄ったことになる。
孫文の北京での客死直後の1925年5月、上海の日本人経営紡績工場での労働争議をキッカケに「五・三〇運動」が全国主要都市から香港にも広がり、反帝国主義の風潮が広がる。
1925年7月、国民党は広州に国民政府を樹立する。翌年、国民政府軍を委ねられた?介石が北伐に乗り出す。各地の軍閥を打倒し、北京に攻め上って全国統一を目指した。順調に北上を続け、北伐軍は1927年3月に南京・上海を制圧する。
翌4月、?介石は北伐途上で影響力を拡大してきた共産党員と支持勢力を上海で粛正した。この「四・一二事件」が発生した同じ4月、「中國人の國家觀念」が発表される。不思議な巡り合わせだ。
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5月1日発売
宮崎正弘『「コロナ以後」中国は世界最終戦争を仕掛けて自滅する』(徳間書店)
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 歴史修正主義の逆襲。臨場感を持って本質に迫る
学者やエセ外交官のディレッタンティズムなど、何の役にも立たない。
宮崎正弘 v 渡辺惣樹『激動の日本近現代史 1852--
1941』(ビジネス社)
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評 奥山篤信
二週間前、宮崎先生のメルマガに書評として投稿したのは、シリーズ第二部の『戦後支配の正体』(ビジネス社。 渡辺惣樹氏との共著)だった。
とても新鮮なお二人の議論で感銘したものだったが、第一部を読まねばならないと、即アマゾンに発注した。時間がかかり到着したのは昨日だった。
このシリーズの第一弾は、2017年9月初版。僕は完全に見過ごしていたが、伊豆の「AO生」と言う知的な宮崎ファンの、僕の書評に対して第一部のほうが引用されており、僕がまだ読んでいないと言う事実も分かったのだが、俄然、ファイトを燃やして注文したのだった。
僕はまさに戦後の自虐史観と平和人権教育の「優等生」(出身中高は私立で何も日教組の教え子でもないのだが)として半生を生きてきた。商社マンの終わり近くに目覚めて、保守主義に接する機会があったのが僕の人生の転換期であることは前回書評に書いた。
ここで同じ話を繰り返さないつもりだが、この本を読んで、この渡辺惣樹氏の揺るぎのない自信(確信犯などと言わないが良い意味でそうかもしれない)。
それは実際に彼が徹底的調査して、自分の結論に100%自信を持っていることからの(満を持して)、読者を安心させる説得力があることを前回以上に感じた。
宮崎先生が時々渡辺氏の言うことをダメ押し確認するかのように述べられる会話が数カ所あったが、それほど自信にみちた渡辺氏に僕はエールを送りたい。世にありがちというより<エセ保守界に多く見られる欺瞞と錯誤とプロパガンダ。それに空威張りの愛国主義>とは全く異なる、客観的分析に基く、自己への確信だと嬉しくなるのだ。
そんな渡辺氏、それに宮崎氏の対談は言っ放しではない、その場の勢いではない、それどころか普通の論文以上に深みのある歴史分析を行っており、僕の浅学を恥じる場面も多々あった。
疎かにできないのは宮崎氏の、前代未聞の<あとがき>の筆致だ。宮崎氏の情熱が迸る文章であり、まさにここに凝縮された氏の確信は今更ながら僕を陶酔させた。
このように近代歴史をじっくり分析しないと、現代の武漢ウイルス問題も半島とのわが国との確執問題も支那とのあるべき姿、さらに日米関係など理解するどころか、戦略など出てこないと思うことしきり。
どこかの一流大学の教授や偉そうに語るエセ外交官のディレッタンティズムなど、何の役にも立たない。
二人の議論が、臨場感を持って本質に迫る議論から最高の勉強になると思う。この書物を是非にと推薦する次第だ。
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)4月27日朝の貴信の「FAGAに地殻変動」の記事中にある「ワシントン・ポストのオーナーでもあり、世界の諜報機関が狙うのは予想されたはずなのに無防備だった」とあるのは、前文記述に、FacebookのZuckerbergのことに言及されてますが、ワシントン・ポストのオーナーはアマゾンのベゾスです。
因みに、日頃トランプ大統領はFake Newsとして唾棄しているワシントン・ポストのオーナー、ベゾスをやり玉に挙げています。
(MK生)
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(読者の声2)例年ですと、本日(4月28日)は主権回復記念日ですが、コロナのため、今年度は中止のやむなきに至りました。
(主権回復国民大会実行委員会)
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(読者の声3)トランプとシナは裏で朝鮮半島を全部<支那に割譲>の秘密取引あるのかしら、あるいはプーチンとの絡みが面白いところですね。半島をめぐってロシアと支那がどんぱち始めるのが一番面白いのですが。。。
アメリカはそんな密約があるから一切黙り出したのか? 怪怪です。
下記は相当怪しい画像だが、既に鴨緑江に集結しているのは間違い無いだろう。
N38 や米軍の衛星写真が出ないのが何か臭う。CNNも Foxも一切報道やめた。
(AO生、世田谷)
(宮崎正弘のコメント)小生も丹東から瀋陽へ向かう列車に乗ったときに、対抗車線の無蓋車に戦車、機関砲、装甲車が多く積載されていました。
軍人の移動、軍車両の移動はルーティンのようですし、御紹介のフィルムは日時が特定できないですね。
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(読者の声4)「検察、司法、報道」の3権合体の腐敗。
武漢菌のために延期になったのは東京五輪だけでは無い。5年に一度の司法の五輪に当たる「第14回国連犯罪防止刑事司法会議「京都コングレス」も消えた。
毎回、世界140カ国から司法大臣、検事総長など4000人が参加する、国連最大の会議である。日産のゴーン氏の「人質司法」問題が世界に広く露見したが、法務省はこの問題提議を許可しない判断をした。この不当な「判断」が日本の司法問題の深さを良く現している。
例えば、イスラム諸国では教典に従い、合法的に女性、異教徒、自国民に対して、我々の目には非情、残酷な判決を執行する。
同様に世界は冷たい目で、日本の司法を見ている。
しかし日本人は裁判所、検察、警察、を非常に高く信頼している。以下の動画を見て頂くとそれは司法を担当する報道機関によって捏造・洗脳されていた虚像だ、と認識されるだろう。
「慰安婦問題、日本と世界の「真実」認識の乖離」の真逆になっている。
会議は本年4月20日から27日までの昼間に京都で行われる予定であったので、「不許可」になった発言者たちは、「裏会議」を計画された。
我が国の刑事司法のあり方、特に恣意的勾留と弁護士が同席しない尋問、そうした場で作られた検事の調書が証拠として最優先(検面調書の特信状況)され、起訴・有罪率が 99%を超える等の、いわゆる「人質司法」が国際世論の場で強く批判されている。
検察は「記者クラブ制」を利用して世論を操作しているので、国民は「検察は常に正しく、正義の味方」と信じている。
特捜部によって虐められた多くの無実の才能ある貴重な人材が破壊されている。公平、正義、法を護るはずの司法が、何故、自己の不正・腐敗を容認し続けるのか。それは、狭い組織という共同体の中では、独自の倫理・価値観・損得が全てに優先し、自己の地位・雇用・天下りの為なら、無実の国民を躊躇せずに破壊する。
これは遺憾ながら、日本全ての官民の組織に共通した性格であり、その構成員の「和、協調性、忠誠、従順性、利己保存、愛国心の欠如、他人への憐憫の欠如、短期性」などが強すぎるために、国家の大きな長い目的、その存続と繁栄に反する行動をとる。
全く同じ理由で、70年前日本は崩壊し、過去30年間、失い続けている。この組織の腐敗・疲弊・荒廃、内部崩壊を解決しない限り日本の再興は無理だろう。
司法制度の被害者でもある元公認会計士の細野祐二氏が企画された。数少ない貴重なサムライの一人である。
https://www.youtube.com/watch?v=opjGepwrKu0「裏コングレス Day1」の第1日。
https://www.youtube.com/watch?reload=9&v=MZ59NPUbyLo(二日)
https://www.youtube.com/watch?v=p0hvWDkNxBA(第3日)
https://www.youtube.com/watch?v=DDOP9DipVYE(第4日 )
https://www.youtube.com/watch?v=Chb22ejkrlM(第5日 )
(KM生)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和2年(2020)4月28日(火曜日)弐
通巻6473号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~失業率からみると、すでに世界は「大恐慌」に突入している
米国、五週間で2650万人が申請、中国は二億人の失業者数が推定されている。
*************************************いわゆる世界大恐慌は1929年から1934年の五年間とされるが、実際の回復には十年を要している。米国の1929年のGDPは1044億ドルだった。この一千億ドル台の回復は1940年までかかっている。
ちなみにその十一年間のGDPと失業率を一覧してみよう(菊池英博『金融大恐慌と金融システム』を参照)
年度 GDP(億ドル) 失業率
~~~~ ~~~~~~~~ ~~~~
1929 1044億ドル 3・2%
1930 911 8・7
1931 763 15・9
1932 583 23・6
(ここからFDR時代)
1933 560億ドル 24・9%
1934 650 21・7
1935 725 20・1
1936 827 16・9
37 908 14・3
38 852 19・0
39 911 17・2
1940 1066 14・6
従来、経済史家たちはFDRの「ニューディール」とかで、失業率は劇的に減少し、景気は回復したとされた。これは左翼用語のエセ史観だった。
実態はまったく逆さまであり、FDRの第1期にはGDPはどん底、失業率は25%に達していた。
景気が回復したのは、戦争だった。冷酷だが、其れが真実である。
コロナ災禍以後、米国の4月の失業率は20%になり、1935年レベルである。この数字は、かの「リーマンショック」直後の2009年に記録した米国の失業保険申請の二倍である。
中国の失業率は公式発表をよこに置いて、中国人の経済学者が二億人と見積もっている。就労人口が8億人とすれば、失業率はすでに25%、大恐慌のレベルである。中国は、戦争に踏み切る可能性が日々高くなってきたのではないか。
戦雲がみえてきた。最悪に備える覚悟はあるのか。
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宮崎正弘『「コロナ以後」中国は世界最終戦争を仕掛けて自滅する』(徳間書店)
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(予約受付中。定価1650円。アマゾンから予約の方は後日、最新情報にアクセスできる特典があります)。
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)本日(28日)産経新聞に「不正検定」への怒りの意見広告が掲載されました! 4面に出ています。
デザインの大枠は、四囲をロの字状に意見広告参加者1392名の方々のお名前が取り囲んでいます。これを左翼・リベラル派の人なら、「人間の鎖」と言うのでしょうが、私は「人垣」と言いたい。
「人垣」と言ってみると、武田信玄の「人は城、人は石垣」に通じますね。ここにお名前の出ている方々は一口1万円をご寄付頂いてこの意見広告を支えて下さった人たちなのです。人垣の一つ内側には、5つの証拠(事例)と1つの論証(証明)が配置されています。そして、中核には6つの小さなパートにわかれた簡潔な説明文があり、最後は「主張」で締めくくられています。
そして、中心には、3つの柱があり、中核の「意見」が次のように掲げられています。
【「つくる会」の歴史教科書を「一発不合格」にした
文科省」教科書検定に異議あり!
教科書調査官は国民への説明責任を果たして下さい!】
説明と意見の下には、6人の意見広告発起人のお名前が並び、さらにその下には、広告主催者の名前と所在地、連絡先などが記載されています。
(藤岡信勝)
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(読者の声2)貴誌通巻6467号(読者の声3)に掲載された愚文で、「さらに(ラグビーの)イングランド代表チームを応援していたアンドリュー王子が決勝での敗戦後に南アフリカ代表チームのロッカールームを訪問」という部分は、(評判の悪いアンドリューでなく)ヘンリー王子で、誤りでした。
母国チームの敗戦に関わらず優勝者の南ア選手や関係者を称える気高い精神の青年王族に対し、イングランド代表選手の中には(英国的陰険さを象徴するかに)準優勝メダル受賞を拒否する輩も表れた。英国の光と影でしょうか。
影の部分で言うと、中華新冠病毒で自宅待機などが打ち出されて以降ストレスからかDV容疑で4000人以上がロンドン警視庁に逮捕された。
英国首都で最も多い新生児の名前がムハンマドであり、市長がパキスタン系のサディク・カーンである事が示す様に、元々暴力の多いイスラム教徒など膨れ上がった移民の貧困層が暴力の温床になのかもしれない。
さて、同号書評欄での百田尚樹と江崎道朗両氏の著書紹介の主題は、旧ソビエト諜報機関KGBの工作と「デュープス〔DUPUS〕=カモネギ」な日本人協力者に付いてでした。
まず第一にソビエト=ロシア流のディスインフォメーション〔偽情報、逆情報〕工作の特徴は「自分達が行った悪事・惨事を逆に他者や被害者の所為に擦り付ける」事。これは現在まで全く変わらない。
元衆議院議員の西村慎吾氏が良く指摘されるが、典型的が「カティンの森」事件。1939年に独ソでポーランド分割後にそれぞれ併合した後で、ベリヤ率いる( KGB前身の)ソビエト内務人民委員部NKVD管轄の強制収容所に、在英亡命政府指導下に有ったポーランド将兵や警官・官僚・聖職者を一旦収容後に「解放」。
1940年にグニェズドヴォ近郊の森など複数地点で二万数千人を銃殺(他二十万人が行方不明)して遺体を埋めた凄惨な事件。
1941年に不可侵条約を破りソビエト支配地域に侵攻したドイツ軍が、1943年に大量の遺体を発見。同年ラジオ放送で世界に向けソビエト=ロシアの悪事を発表。
すると盗人猛々しいロシア人は「逆にドイツの所為にして」、遺体は1941年にドイツ軍によりスモレンスク近郊で作業に従事したポーランド人が殺害されたと主張。同年4月ポーランド赤十字社は赤十字国際委員会に調査を依頼すると、ロシア人は在英ポーランド亡命政府を批判し厚顔無恥にも同政府に、カティン虐殺事件は「ドイツの謀略だと声明するよう」要求。
拒否するとソ連は在英亡命政府と断交。話は逸れるが、当時、日本陸軍や杉原千畝など外務省の目利きも(ユダヤ系など)ポーランド元諜報部員から機微な欧州情報を得た。命のビザの話は言わばその代償だった。
当時の日本人はデュープスでは無かった様である。
同年10月NKVDはモスクワに調査委員会設置し再調査開始 。委員会はブルデンコ委員長をはじめ全員がソビエト=ロシア人で、「最初からドイツの犯行を立証する工作」だった。英米はソ連と共同戦線を張る為に対独戦争中この問題に触れなかった。
大戦後、ロシア人はニュルンベルク裁判でドイツを裁くため調査報告書を作成。ソ連検察官は、最も重要な戦争犯罪の1つがドイツのファシストによるポーランド人捕虜の大量殺害であると述べたが、証拠不十分で裁判から除外。
連合国も流石に欧州人であるドイツには東京裁判での「南京虐殺事件」の様に全く存在しなかった出鱈目で裁けなかった。
この辺が白人と有色人種の対応の違いだろう。
さらに言えば、白人のドイツには国際法違反を犯して憲法を押し付ける事は出来なかった。「非・日本国憲法」の起源には明らかに人種差別がある。この事に気が付かない事自体が、悲しいかなデュープスのデュープスたる所以である。
冷戦時代に(NKVD後継組織の)KGB議長シェレーピンはソ連指導者フルシチョフにポーランド人捕虜処刑に関する文書破棄を提案。東側陣営に組み込まれたポーランド政府はソ連の説明を公式見解としたが、一方、亡命ポーランド人は研究を続け地下出版で国内に伝えた。
ようやくゴルバチョフ登場後のグラスノスチ(情報公開)後の1990年にタス通信がカティンの森事件に対するNKVDの関与を公表し、ソ連政府は深い遺憾の意を示すことを表明した。
1991年末ソ連が崩壊して本来なら調査が進む筈が、2000年元KGBスパイのプーチンがロシアを再び強権的国家に戻すと時代は逆行。2004年にロシア検察当局は「被疑者死亡」「ロシアの機密に関係する」などの理由で捜査終結。さらにロシア連邦最高軍事検察庁は資料公開を打ち切り、2005年に「カティンの森事件はジェノサイドに相当しない」と居直り声明。
要はプーチンはエリツィンの様に共産主義国家ソビエト連邦を抑圧者として否定的認識するのを止め、ロシアそのものとして名誉を守る。
第二にそれに気付いてるのか、「新生ロシアはソビエトと違う」とか「プーチンは柔道を通し親日家」だとかデュープスは死なねば直らない。既に冷戦期を上回り活動を活発化したロシア諜報機関に日本の外務省や内閣情報調査室も侵食されているが、客観的な批判は一切せず、何かとロシアに都合の良い事だけを並べる宇野正美の孫弟子筋などは本当に大丈夫なのだろうか。
話は戻るが、「自分達が行った悪事・惨事を逆に他者や被害者の所為に擦り付ける」というロシア流のディスインフォメーションの定石は「優秀な教え子」である旧ソ連の衛星国にも顕著である。
代表例が1950年北朝鮮の南侵で始まった朝鮮戦争を、韓国が先制攻撃したとの主張である。
日本国内の朝鮮総連隷下の朝鮮学校でも、「朝鮮戦争は韓国が(朝鮮民主主義人民)共和国に侵略して始まった」と定石どおりのトンデモ史観を教えている。
九百人に及ぶ日本人拉致問題でも北朝鮮はなかなか事実を認めず、2000年強迫神経症の男による新潟少女監禁事件が明るみに出ると、これも「日本人拉致事件を全て日本国内の変質者の所為にするよう宣伝」
定石どおりに擦り付けた。
さらに2010年に金英哲率いる北朝鮮人民軍偵察総局所属潜水艦による韓国軍哨戒艦天安爆沈事件も北朝鮮が、「韓国の自作自演」説を流すと韓国国内のメディアやネットのみならず、当時日本でも二万人居ると言われる北朝鮮の工作員がロシア流ディスインフォメーションの定石で「韓国に擦り付ける」ネット書き込み工作を始めた様である。
最近(ソ連そのもの亡霊と化した)強権的国家ロシアが強弁する、日本は第二次大戦の結果を認めろというのも、「日ソ中立条約を破ったソ連の行為を棚上げして日本に罪を擦り付けるもの」で定石通りなのである。
それを見れば、最近中華新冠病毒を「米軍が武漢へ持ち込んだ」とかとかいうのも、「自分達が行った悪事・惨事を逆に他者や被害者の所為に擦り付ける」というロシア流ディスインフォメーションの定石であると分かる。
最後に「デュープス(=カモ)」に付いての連想だが、国際ジャーナリストの落合信彦によると、イスラエル人は他者(他国民)に舐められる事に異常に反応するという。
彼らの概念を見るとユダヤ人にはイーディッシュ語スラングの「freier(フライエル、早く読むとフライヤーと聞こえる)」という言葉があったが、元々はポーランド語の「独身者」を意味した。転じて「売春宿の顧客」、現在では「騙されやすいお人好し」とデュープス同様の意味になる。
ユダヤ人、特に負けず嫌いなイスラエル人は他者に絶対に「freier」と思われたくない。例えその相手が住居の大家でも、ぼったくりのタクシー運転手でも、あるいはイランの様な敵対国でも。
もし読者諸氏の中でユダヤ人と話す機会があるなら、「おい、おれは「freier」じゃ無いぞ」と最初にかませば舐められないかも(笑)。
(道楽Q)
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(読者の声3)SDRとトランプ、菌と金。
SDRとは国連のIMFが発行する世界共通の「通貨」である。世界の中央銀行、例えば、日銀、FRBなどが困った時に、助けに来る、銀行の銀行の総親玉にあたる。かつては、後進国が破綻した時などにIMFが、色々と難癖つけて渋々SDRを与えるのである。今、世界中が破産しているので最後の救済者のIMFが登場する時期が近い。
今回、当然バラマキが期待されるが、トランプ氏はこれを拒否した。
通常、SDRはIMFの参加者全員に、出資率に応じて分配せよ、という規定がある為、その恩恵が、必要な後進国ばかりか、世界の敵である支那やイランにも与えられるから反対しているらしい(これに反して、日本は過去の再度の間違えを反省せず、例によって率先して円スワップなどして可哀想な支那を援助するのだろう。)
SDRが誕生した時には、その価値定義として、1SDR=純金0.89g という金本位制による本格的・古典的な通貨であった。
が、身を持ち崩して、現在は五つの通貨によってSDR通貨をトートロジーで定義する。それも人民元が入っている。
ちなみにドル42%、ユーロ31%、ポンド8%、円8%、元11%という比率で、定義されている。
武漢菌により、これら全ての通貨の価値・信用が崩れ、去年までは政治的に不可能だったが、50年ぶりに本来の信頼できる金本位制通貨に戻れるのではないか。
というよりか、せざるを得ない。
とすれば、日銀は、「新円」を護るべく、屋上に武漢神社を建てて、毎朝行員はお詣りし、「菌さま、金よ永遠なれ」と、こうべを垂れる。米国には神社はないので、FRBの議長は神に宣誓する、「過ちは 繰返しませぬから」と。(KM生)
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(読者の声4)トランプ大統領がCNNのニュースについてフェイクだと血相を変え体を震わせ怒り顔を称えて記者会見で怒り狂ったのは先週だったか、とにかく半島情勢は目を離せない。
全半島それにシナ・ロシアの介入の動乱が楽しみだが、日本は日本海で断固難民の群れを拿捕し、そのまま同じ船で自力で祖国に帰るように断固追い出さなければならない。
コロナウイルスからの防衛が理由として役立つ。日本の刑務所に放り込む必要もない単に捕まえて<祖国へ戻れ売国奴>と怒鳴りつければ良い。抵抗するものは問答無用で射殺が当然だ!
ロスの友人より:
「韓国政府の金正恩重病否定説で「なあーんだCNNのfake newsか」と思った人は多いと思う。それを追いかける様に日本のインテリリベラルと言われる人物から「単なるコロナ疎開を国民に弱者と思われない為のカモフラージュ」と言い出したのを聞いて、これはおかしいなと思った。日本の一部リベラル層は「半島統一が平和の道」という平和ボケの夢物語を主張しているからだ。どういう理由があれ、太陽節(4/15)と人民革命軍創設日(4/25)に金正恩が姿を見せない事が異常事態。
要は米国の政府筋が漏らした情報を信じるか、それとも祖国統一を掲げる韓国政府の(大統領でも閣僚でもない人物のFoxとのインタビューの)情報を信じるか、という事になる。
まず、トランプ氏の立ち位置。
1. 終始北との融和に前のめり。ニッキーヘイリー前国連大使は著書でトランプ政権当初の 朝鮮半島への空母派遣は演技だったと暴露。ヘイリー大使は一見トランプ忖度派だが、 対北朝鮮問題では微妙で、おそらく国連大使辞任理由ではないか。もともと2016年の 共和党大統領候補選では強硬派のマルコ・ルビオを支持。
2. 北朝鮮の核武装解除後の制裁解除(リビア方式)を主張する強硬派のボルトン補佐官を 露骨に無視し、解任。
3. 対イランの強硬姿勢に比べ、朝鮮半島問題には終始冷淡。娘婿のクシュナー氏の 親イスラエル政策が色濃く反映し、対イランをより重視。
これがトランプ氏流のプラグマティズムだろう。
今回のCNNへの政権内からの情報リークはボルトン氏と同じ強硬派からではないだろうか。
つまり対北朝鮮への姿勢で親中派及びトランプ忖度派は金正恩重態情報を出来うる限り隠匿し、穏便のうちに中国の介入を容認しつつ北の政権移行が完了するのを待つ。一方、強硬派は重態説を拡散させとにかく事前に中国の動きを牽制する。この違い。 (AOL生)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和2年(2020)4月28日(火曜日)
号外
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●5月1日発売予定 ●予約受付中です
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宮崎正弘『「コロナ以後」中国は世界最終戦争を仕掛けて自滅する』(徳間書店)
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「中国を放棄せよ」というのが本書の基調です
嘗て石橋湛山は『満州放棄論』を訴え、世間から総スカンだった。
当時の日本は満州、朝鮮、そして台湾に莫大な投資をなし、開拓団から満鉄、既存の秩序、利権、人員配置などにとらわれすぎて、撤退どころか、泥沼に嵌り込んでいた。
ソ連が攻め込み、大虐殺のはてに、日本の投資はすべて放棄されられた。
似ていないか?
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★大型書店の休業が続いており、取り次ぎに新刊本が滞貨しています。「アマゾン」か「楽天」か、或いは「代引き」で。
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宮崎正弘『新型肺炎、経済崩壊、軍事クーデターで、さよなら習近平』(ビジネス社)
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「イカロスの翼」は、太陽に近付いたため翼が焼けてバラバラになり、墜落した。
──習近平ひきいる中国経済は「イカロスの翼」だ。
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渡邊哲也 v 宮崎正弘『コロナ大恐慌中国を世界が排除する』(ビジネス社)
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グローバリズムとは世界経済の「中国依存」だったのではないか。
コロナ危機で露呈したのは世界が、中国を排除したくても簡単にはできない。
中国と共倒れになるのはどこか、あの企業は逃げ切れることができるのか。
日本にとっても企業にとっても正念場を迎えた。
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渡邊惣樹 vs 宮崎正弘 『戦後支配の正体 1945-2020
──戦後史観の闇を歴史修正主義が暴く』(ビジネス社)
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──世界史、とりわけ戦後史はいまだ解明されないミステリーに包まれている。
ヤルタ密約、ポツダム密約はルーズベルトの不覚、チャーチルの阻害
そしてスターリンの高笑い。誰がソ連帝国の膨張を許し、誰が中共を作ったのか?
このシリーズの第1作は、
宮崎正弘 v 渡邊惣樹『激動の日本近現代史 1852-1941』(ビジネス社)
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宮崎正弘 v 田村秀男『中国発の金融恐慌に備えよ!』(徳間書店))
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高山正之 v 宮崎正弘『世界を震撼させた歴史の国 日本』(徳間書店)
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(残部僅少。海外読者にはキンドル版があります)
──縦横無尽に「白村江」から「大東亜戦争」までの日本史の裏側を討論!
「古来から日本はすごい外交力の国だった」(高山正之)
「無法国家に取り囲まれたいまこそ断固たる国家意思を示せ」(宮崎正弘)
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<<宮崎正弘・歴史評論シリーズ>>
『神武天皇以前──縄文中期に天皇制の原型が誕生した』(育鵬社、1650円)
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『明智光秀 五百年の孤独』(徳間書店 定価1650円)
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『吉田松陰が復活する』(並木書房、1620円)
『西郷隆盛 ──日本人はなぜこの英雄が好きなのか』(海竜社、1650円)
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<< 宮崎正弘のロングセラーズ >>
『CHINAZI(チャイナチ) 崩れゆく独裁国家・中国』(徳間書店、1540円)
『世界から追い出され壊れ始めた中国』(徳間書店、1430円)
『地図にない国を行く』(海竜社。1760円)
『「火薬庫」が連鎖爆発する断末魔の中国』(ビジネス社、1540円)
『日本が危ない! 一帯一路の罠』(ハート出版。定価1650円)
『AI管理社会・中国の恐怖』(PHP新書。967円)
<< 宮崎正弘の対談シリーズ >>
宮崎正弘 v 渡邊哲也『2019年 大分断する世界』(ビジネス社)
宮崎正弘 v 河添恵子『中国、中国人の品性』(ワック)
宮崎正弘 v 石 平『こんなに借金大国・中国 習近平は自滅へ!』(ワック)
宮崎正弘 v 宮脇淳子『本当は異民族がつくった虚構国家 中国の真実』(ビジネス社)
宮崎正弘 v 西部 邁『アクティブ・ニヒリズムを超えて』(文藝社文庫)
宮崎正弘 v 渡邊惣樹『激動の日本近現代史 1852-1941』(ビジネス社)
宮崎正弘 v 藤井厳喜『米日露協調で、韓国消滅!中国没落!』(海竜社)
宮崎正弘 v 室谷克実『米朝急転で始まる中国・韓国の悪夢』(徳間書店)
宮崎正弘 v 福島香織『世界の中国化をくい止めろ』(ビジネス社)
宮崎正弘 v 馬渕睦夫『世界戦争をしかける市場の正体』(ビジネス社)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和2年(2020)4月29日(水曜日)
通巻第6474号 <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~戦後の「神話」を捨てる秋(とき)がきた
国連、ヘイワケンポウ、五輪、人権、悪しき平等、生命尊重、民主主義
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「国連幻想」に戦後日本人はしばし酔った。
巨額の拠金をむしられたが、それほどの美酒でもなかった。
恒久的平和という理想は、そもそも幻想なのである。日本人は軍事力を放棄し、諸国の正義と公正に信頼を寄せるというヘイワケンポウを押しつけられたが、占領軍が非占領国の基本法に干渉すること自体が国際法違反である。憲法は改正ではなく廃棄するべきものである。
地球市民というキレイゴトが世の中にウィルスのようにばらまかれて、この神話も長らく延命してきた。難民問題が浮上するとEUはシェンゲン協定を瞬時に忘れて国境を閉じた。コロナ騒ぎでは、もっと厳重に国境を締め、航空機も乗り入れが出来なくなった。地球市民より地域エゴという本質が露骨に復活した。理想はこれほどに脆弱なのだ。
民主主義社会が人類の理想というのも根本的におかしい。誰もが発言し、言論の自由が保障され、結社、宗教の自由が保障されている国は、地球上に半分もない。完全な民意の反映をメカニズムで確立しているのは日本だけだろう。
米国の選挙は登録制度があり、欧州議会選挙は5%ルール(台湾も同じ、トルコは10%)。つまり5%に満たない得票の政党は議会に参加する資格がないのである。
しかし縄文の時代から少数派、弱者を尊重してきた日本では、僅か1%前後の得票でも、当選できる。だから少数乱立となる。そのうえ民主主義の基本ルールは最大多数の最大幸福だから49%の意見を切り捨てても良いが、日本は野党の意見をあまりにも尊重するために、議会が円滑化しないという欠点を持つ。
民主制度に錯覚して惰眠をむさぼった挙げ句、首都や大阪府にはコメディアンが知事となり、長野ではペログロ作家、宮崎ではそのまんまが、参議院でも瞬間風速を背にして、面妖なタレントが当選する。政治はおちゃらけ、喜劇の劇場となったが、世の中はこんなものと受け止めている。
▼思想も哲学も外国の亜流、日本の芯を見失った
戦後の思想は西洋かぶれ、アメリカの亜流がはびこった。
戦前から日本の哲学はカント、ヘーゲルに学び、ヤスパース、ヘルダーリンなど、いまだにサルトルとか、近年の文明史ではトインビーは顧みられず、ジョセフ・ナイ、ハンチントン、フランシス・フクシマなどの所論に飛びつく人が目立った。「サル化」した日本を象徴する。
経済論壇においてもサミュエルソンからサマーズ。ドラッカーやミルトン・フリードマンやハイエクを別にしても、最近はピケティとか、日本本来の資本主義思想は顧みられず、歴史哲学にしてもニアール・ファーガソンとか。はては日本のことをまるで知らないジム・ロジャーズ等の予言師的相場師に群がるのは情けない話ではないのか。
石田梅岩などが足下にいるのに、多くが軽視してきた。
ようやく渋沢栄一、二宮尊徳、福沢諭吉が見直されたが、まだ少数派であり、思想界をみても、日本の源流に迫った藤田東湖、林小平、伊藤仁齋、大塩平八郎らが本格的に顧みられていない。山鹿素行も北畠親房も慈円も、ほとんど忘れ去られた。
政治思想でも、西?隆盛、吉田松陰ら基本の哲学を論ぜす、永田町は些末な政策論争に明け暮れている。筆者は国会中継をみないし、したがって朝日新聞は読まず、テレビも見ないので、逸材がいるのかも知れないが、政治家に大局観が失われるのも当然である。
総じて欧米の思想、理論をありがたがって亜流の議論に熱中しているうちに、日本の芯を見失ったのだ。
五輪信仰も幻想の類だろう。世界の常識は五輪もスポーツ大会の一齣に過ぎず、キリスト教的価値観から出発している。高い価値を置くべきではない。五輪ルールに日本の伝統的なスポーツのルールも適応させたのは誤謬だった。五輪への過剰な期待は慎むべきである。そうだ、コロナ災禍を機に、戦後の「神話」を捨てるべきときがきた
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アマゾン、ベストセラー第一位
宮崎正弘『「コロナ以後」中国は世界最終戦争を仕掛けて自滅する』(徳間書店)
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「中国を放棄せよ」というのが本書の基調です
嘗て石橋湛山は『満州放棄論』を訴え、世間から総スカンだった。
当時の日本は満州、朝鮮、そして台湾に莫大な投資をなし、開拓団から満鉄、既存の秩序、利権、人員配置などにとらわれすぎて、撤退どころか、泥沼に嵌り込んでいた。
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似ていないか?
──中国は武漢コロナによって世界から糾弾されているが、一切の謝罪がないばかりか、責任を他人になすりつけ、マスク外交を展開して開き直る。だが、怒り心頭のアメリカは中国を相手に賠償請求訴訟を始めた。
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(読者の声1)10万円はそっくり「文科省『不正検定』を正す会」に寄付します。
28日の産経新聞で「文科省『不正検定』を正す会」の意見広告を見て、宮崎さんのメルマガに賛同の意見を書き込もうと考えていたら、まさにこのメルマガに藤岡信勝氏がその紹介をしておられた。
歴史教科書問題に関しては初期から関心を持ち、応分の支援もしてきたが、関係者の皆さんの長い地道な活動にもかかわらず、今回の唖然とするような文科省の検定結果である。
中央官庁である文科省が、ここまで反日姿勢を鮮明にして、具体的な行動に出るというのは、国家の中枢に極めて悪質ながん細胞が巣食い、国を滅ぼそうとしているということである。
「つくる会」の歴史教科書は右翼的でも何でもない、ごく穏やかな、むしろ穏やか過ぎると感じるほど穏当な内容である。
簡単に言えば、既得権益的にシェアを押さえている他の教科書会社の本に比べ、反日的姿勢が微弱で、国の歴史に対するほのかな愛情がこもっているという程度の印象の本である。
武漢ウィルスによる緊急事態で、一人10万円のお金がもらえるようである。年金生活者だから、基本収入は変わりなく、したがって10万円はそっくり「文科省『不正検定』を正す会」に寄付することにする。
正す会は、賛同者に対しただちに具体的な運動方針を示し、文科省に対する直接的な行動を大衆運動として開始していただきたい。
出来得れば、ご賛同いただける読者諸氏にも、同様の行為をお願いしたい。
(虎穴居士、横浜市)
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(読者の声2)先週でしたか、貴誌で宮崎正弘さんの「三島由紀夫五十年」の連載が『夕刊フジ』にあると知りながら、在宅勤務のため駅のスタンドへ行けず、何処で読めるかとおもっていました。
貴誌HPをひらいて、あ、ここに再録されているのだと、一気に通読、これは画期的な三島由紀夫論だと思います。
とくに現在の三島の復活について、宮崎さんは次の三点をあげられていて、満腔の賛意です。
「第1に、平成から令和に御代が移っても、日本の自律性の回復がないこと、すなわち憲法改正が進まず、他国の干渉で靖国神社参拝がかなわず、教科書がまだ自虐的であることへのいらだちがある。
第2に、日本人の精神が退嬰的(たいえいてき=進んで新しいことに取り組もうとする意欲に欠ける)で、ガッツ喪失、ましてや武士道精神の行方不明状況への不安が拡大し、三島への郷愁が現れている。
第3に、経済のグローバル化より、文化の喪失への焦りが三島ブームの背景にある。三島は「断弦がある」と『文化防衛論』に書いたように万葉、古今和歌集から江戸時代の文化の高みに比べると、現代日本の文化に独自性も高尚も失われてしまったからである」。
http://miyazaki.xii.jp/misima/index.html
(SH生、江東区)
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(読者の声3)「戦時」には冷静かつ非情な判断が必要です。いまの「戦役」では、「病毒性」「医療崩壊」「経済毀損」の三点観察から、その均衡点で、施策を決めるべきです。
これは医学専門家でなく政治の役割。
・日本経済の戦争並みの毀損は日々に進行しています。
・医療崩壊には関係者のご尽力のもと、いたっていません。
・「病毒性」の観点がもっとも不確実で混沌としていますが、「日本人の」死亡率が風邪並みに低いというこれまでの実績は、その機序が不詳とはいえ、武漢ウイルスの変異した第二波が襲来しても変わっていない、
ということからもはや「事実上のエビデンス」と認定すべきではないでしょうか。
・すなわち非常事態を延長せず、長期戦に対応できるあらたな「行動変容」の指針とともに段階的にでも平常を取り戻すべきではないか。
(石川県、ボケ脳)
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(読者の声4)親・知日・外交学者グレンコ・アンドリー氏、国連改革について中露を常任理事国から外そう、と主張している。
「愛国心を持って日本国を守ろうとするのは、グレンコ・アンドリー/ 遠藤誉/ 佐々木類ら、たった数名しかいない。日本中から真正日本国民は、事実上、一人残らず完全に消えた。」と中川八洋氏が激賛されている。
グレンコ氏はウクライナ人で、散々ロシアに騙されて虐められて国を盗まれ、日本人に同じ轍を踏ませないために言論活動をされている。本職は本居宣長の研究らしい。
国連改革について、誠に正論を主張され、具体的な方法論まで展開されている。ただ批評するだけの論者とは違って犠牲者・受難者の切実感がある。一目惚れしてしまった。
安全、安心な日本にはあまりにも親中、親露、親韓、親国連、指導者が多い。
彼らは敵国に無関心・無知でもある。特に外務省は、国連の駐日出先機関として、反日的組織になった。
氏の最新の動画、
Https://www.youtube.com/watch?v=bslVpD1bLds&feature=em-uploademail
(KM生)
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(読者の声5)藤岡信勝先生が主導された「新らしい教科書をつくる会」の教科書検定不合格に「人垣」の産経新聞広告が出ていました。問題の教科書審査官にはチュチェ思想に影響された人物がいるようです。
左翼というのは本当にどこからでも侵入してきますね。
(HT生、大田区)
(宮崎正弘のコメント)1392名の有志が支えた意見広告ですが、寄付した人、全員の名前が羅列され、小生の知人、友人など、ためしに数えたのですが、66名が参加していました(全体の5%ですね)。クラウドファンディングは匿名か、非公開ですが、こんどの意見広告の人垣は異例中の異例でしょうね。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和2年(2020)4月29日(水曜日)弐
通巻第6475号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~闘鶏場のような喧噪から、突然、静謐な文字通信が主流となって
中国のネチズン、いまや9億人を突破。SNSの急伸
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中国のインターネット情報センター(CINIC)の統計速報によれば、2020年3月までのSNS状況で、中国のネチズンが9億400万人、このうちインターネットのユーザーは64・5%にのぼるという。2018年の統計では、中国のネチズンは7億5080万人だった。
『サウスチャイナ・モーニングポスト』(2020年4月28日)が報じるところでは、とくに農村部での普及が顕著となり、同時点での農村部におけるネチズンが2億5500万人。出稼ぎ労働者が故郷と携帯電話で交信している。かれらのスマホはファーウェイではなく、廉価のOPPOか小米(シャオメイ)である。
ただし中国ではツィター、フェイスブック、グーグルが禁止されており、チャットのウィボは四六時監視されている。共産党を批判したり、習近平の悪口を書いたりすれば、すぐに削除され、追求される。
上海で習近平のポスターに墨をかけた女傑はすぐに割り出されて拘束され、最近のネット情報に拠れば彼女は廃人同様という。
ならば中国のネチズンは、外国の報道ともアクセスがなくて、いかなるニュースを読んでいるのかと言えば、人民日報、新華社など、いずれも無料配信。洗脳された情報しか与えられていない。
香港は通信ビジネスの先駆的役割を担い、80年代初頭には自動車電話が普及していた。それほど電話の先進国だった。
携帯電話にまっさきに飛びついたのは香港市民で、このときは音声だけだから、バスの中は闘鶏場のような喧噪。街中で喋る。どなる。しかも大声だから、大変な騒ぎだったが、それが消えた。
文字通信が主流となり、電車の中は静かになった。これだけは日本化したのだ。
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アマゾン、ベストセラー第一位
宮崎正弘『「コロナ以後」中国は世界最終戦争を仕掛けて自滅する』(徳間書店)
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「中国を放棄せよ」というのが本書の基調です
嘗て石橋湛山は『満州放棄論』を訴え、世間から総スカンだった。
当時の日本は満州、朝鮮、そして台湾に莫大な投資をなし、開拓団から満鉄、既存の秩序、利権、人員配置などにとらわれすぎて、撤退どころか、泥沼に嵌り込んでいた。
ソ連が攻め込み、大虐殺のはてに、日本の投資はすべて放棄されられた。
似ていないか?
──中国は武漢コロナによって世界から糾弾されているが、一切の謝罪がないばかりか、責任を他人になすりつけ、マスク外交を展開して開き直る。だが、怒り心頭のアメリカは中国を相手に賠償請求訴訟を始めた。
こんなときに未だ中国投資を拡大している日本企業がある!
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(読者の声1)いつも貴重な情報を拝読させて頂きありがとうございます。政治は門外漢ですので勝手に師とさせていただいております。
経済は三橋氏です。師匠の最近のご著書数冊連休に読破予定です。さて読者欄の件のお方についてですが、数行よんでみてもしやと思い記名を確認すると時間を無駄にしなくていいですよ。見分けかたは誰かがかいておられました。
わたしの専門は医療です。
じつは昨年末から友人内科医師から、どうも変な肺炎が流行っていることを聞いていました。大阪南部の繁華街、シナ人観光客が押し寄せて彼ら目当ての合法違法民泊入り乱れる地域です。
通常の細菌性肺炎より難治性だったが、幸い死亡に至る症例は無かったと。あれがもしかしたら第一波だった?
変異前の弱毒だったことが幸いした? 今は第二波?
わたしも年末三週間くらい微熱と咳に悩まされました。
検査してませんからあくまで推論ですが。抗体検査すれば驚くような結果がでるかもしれません。シナについてですが、勝った勝ったと浮かれている場合じゃないですね。師匠の言われるとうり地獄の釜が開いたばかりですから。
個人的な意見ですが、自粛で助かる命より、経済で亡くなるかたのほうがはるかに多いのですから、連休明けには経済活動を再開するべきと考えます。
このウィルスは殲滅出来ない以上共存するしかない。所詮風邪ウィルス、いずれ旧型ウィルスになるわけですから。 (浪花の激おこオヤジ)
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(読者の声2)「日米・安保条約の神話」
治安の悪い国では、貴重品、金などを保管する銀行などには機関銃を持った護衛が玄関、そして内部に常住している。
もし彼らが消えたら、あるいは丸腰になったら、たちまちに行員は脅され、金庫を開放し富が分配される。
現在、米国では極めて危機的な、政治、経済、社会、健康・医療、精神、状態であり、1929年とは比べ物にならないほどの爆発的な内部崩壊も予想される。
トランプ氏が負ける可能性も高い。危急な国内問題だけで、とても世界の警察官の役割は無理で日本防衛に兵を送るなど今の世論が許さない。
江戸の終わりには、開国を迫られ、非武装の日本は「4杯で夜も眠れず」となったが、「南北戦争」という内乱の幸運で、日本は貴重な数年の時間を稼いだ。今回の内乱は日本にとって、恐ろしい未来を「早送り」して配達する事になる。
つまり習近平氏は、正しく事実上「日米・安保条約の神話」は消えた、そして日本の政治家、報道機関、論者などを完璧に制御していると判断し、長らく待っていた最適な機会がきた故に、最も摩擦の少ない方法で日本併合を始める。いやもう下準備は充分に出来ている。
それは西欧で既に数十年間行われ、容認されてきた、移民・難民による非武装的侵略である。
過大評価になるかも知れないが、日本の武漢菌被害が極めて少ない理由は、「戦利品を保護」していただけかも知れない。
もし併合後、「50年後に」、敗戦の理由・原因が考察されれば、最大の理由は日本「文化防衛」を怠ったという故三島氏の指摘が挙げられるだろう。
敵は常に国内にいて、シロアリや寄生虫の様に日本人の脳を食べていた。だから今、平気で、よく「夜を寝ている」 (KM生)
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(読者の声3)ロシアでは感染拡大が深刻です。4月28日はたった一日で6411名が感染し、都市封鎖は継続されるだろう、とプーチン大統領は発言していますが、ロシアの境遇は如何なのでしょうか? (JJセブン)
(宮崎正弘のコメント)モスクワ、サンクトペテルブルグなどの都市封鎖は5月12日までとされていますが、モスクワ市長がプーチン大統領に「深刻な状況」と報告して、延期が議論されています。
ガスプロムの労働者らは「我々は豚か」と抗議の労働争議に突入するとか。
4月28日時点でロシアの感染者は9万人を突破し、イラン、中国のそれより多くなった。
プーチンは2036年まで権力の座に居座る予定で、そのための国会に於ける改憲発議を予定していましたが、これも延期。或る世論調査に拠れば、プーチン支持率は28・3%しかないと言われています(モスクワニュース英文版、4月29日)。
ロシアも大変な苦境にたたされているようです。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和2年(2020)4月30日(木曜日)
通巻第6476号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~都市封鎖は解けても「こころの封鎖」は解けない
心の中に多くの人は鍵をかけてしまった。ウィルスのように見えない鍵を
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英国のコラムニスト、ラフェル・ベールが英紙『ガーディアン』(4月28日)に寄稿して、都市封鎖は解けても「こころの封鎖」は解けないだろうという。
たしかに米国の一部の都市で封鎖は解除されたが、ソーシャル・ディスタンシングは残った。人と人との間に距離を置けば、こころも離れる?
スーパーに買い物に行っても行列には距離をおく義務がある。ATMに並ぶにも、長い列が出来ている。日本でも郵便局はとつじょ午前十時から午後三時までに営業時間が短縮され、ATMコーオナーでは外にもならんでいる。
都市封鎖がとけても、レストランも隣の客とは座席をひとつか二つ空けなければいけないから当面、常連客以外は寄りつかず、どんちゃん騒ぎの飲み会は再現されない。
ハグも遠慮がちとなり、キスも出来ず、マスクを続ける人が多い。
一方で国境は閉じたまま、検疫の厳格さが継続され、ナショナリズムの呼号は鳴りやまず、自国ファーストのエゴイズムが当面は持続される。
「こうした状態がコロナ前に戻るにはたいそうな時間が必要だろう」とベールは予測する。そう、心の中に多くの人は鍵をかけてしまったのだ。ウィルスのように見えない鍵を!
まさにウィルスは光学顕微鏡でもとらえることの出来ない微生物である。その小さな、小さなウィルスが地球の文明社会に挑み、社会を激変させつつある。
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アマゾン、ベストセラー第一位(中国部門)
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樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@ 【知道中国 2069回】
──「ポケット論語をストーブに焼べて・・・」(橘30)
橘樸「中國人の國家觀念」(昭和2年/『橘樸著作集 第一巻』勁草書房 昭和41年)
▽
「中國人の國家觀念」は、今に続く国民党対共産党の長い戦いの発端となった事件勃発の月に発表されている。偶然と言うには、余りにも平仄が合い過ぎるようにも思う。
橘は「新しい主義乃至思想を中國人が受容する條件」は、(1)それが物質的か精神的に「生活利益を増進する」。(2)それを受容し理解する事が「面子保持」に繋がる──であると指摘する。利益があって面子が保てれば、どのような主義・思想でも「案外容易に彼等の歡迎を受けるであらう」と言うのだが、その典型が?小平の説いた「白猫であれ黒猫であれ、ネズミを捕るのがいい猫だ」となろうか。
橘は「善かれ惡かれ後に發生する問題だから」として「面子保持」は後回しにして、先ずは「『國家』なる新しい主義乃至思想」と利益の関係から説き起こした。
「孫文の民族主義」こそ最初に「纏つた形を備へて中國に唱へられ始めた」「近代的國家思想」であると見做し、「民族主義とは即ち國族主義である」と主張する孫文の狙いを、「民族國家を打建て、斯の如き新國家の力で他の強盛なる民族國家と對抗協力しつゝ、自民族の繁栄を企圖し、同時に全人類の福祉を増進したいと云ふにある」と敷衍して見せる。だが、ここではっきりしないのが「國族主義」である。
孫文は「今日の中國には唯家族主義及び宗族主義あるのみで國族主義が無い」と言っているところから判断するなら、「國族主義」の意味するところは個々人をその一生と結びついている家族や宗族という小さな枠から解き放ち、中国人としての意識を持たせ、国家(=中国)と言う大枠に統合する、という考えとも思える。
これを要するに、橘が「纏つた形を備へて中國に唱へられ始めた」「近代的國家思想」である「孫文の民族主義」とは、「家族主義及び宗族主義」の打破・超越を目指すことになるが、孫文は宗族観念が強すぎて、「中國人の團結力は宗族の範圍に局限されて、未だ國家にまで擴張する事が出來ぬのである」と嘆く。
これに対し橘は、「(孫文が)如何に家族や宗族制の統制力が強すぎる事を呪っても、先ず民族乃至國家の統制力を強めた後でなければ、家族、宗族と云ふが如き血縁的部分社會の機能を弱める事は出來ないであらう」と“忠告”してみせる。
伝統的に中国には民間の相互扶助組織として、家族や宗族といった血縁で結ばれた宗親会の外に、地縁で結ばれた同郷会、同業に基づく同業会が存在する。宗親会が極めて限られた地域における結びつきであるのに対し、同郷会や同業会が広い範囲からの構成員によって維持されているだけではなく、時に全国を網羅することすらある。
このような全国規模の民間組織の存在が、橘の孫文への「忠告」に繋がったのだろう。だが橘は誤解している。往々にして宗親(血縁)=同郷(地縁)=同業(業縁)は重なっている。
つまり3つの「縁」はそれぞれが不可分に互いに干渉しないように存在しているわけではなく重なり合っている。それぞれが別個のものではなく、密接不可分である以上、同郷会や同業会をテコにしたところで、それが「國族主義」に繋がるわけはないだろう。
とどのつまり橘の表現を借りるなら、「民族主義」であれ「國族主義」であれ孫文式の「近代的國家思想」の方が、宗親(血縁)=同郷(地縁)=同業(業縁)の結びつきに基づいた民間の相互扶助組織より利益があることを如実に示すことが肝要ということになるはずだ。
単純明快に説くなら、アッチ(宗親、同郷、同業)よりコッチ(近代的国家)の方がトクであることを示すのが、この時期の中国における近代国家建設の重要な柱・・・ではなかろうか。厄介なことではあるが、「志士的な特異な学者」の話は実に回りくどい。
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(読者の声1)オンライン会議ソフトウェア開発企業のズーム(ZM)にはラインと同じくソフトウェアを通じて、北京に情報が漏洩しているという疑惑がかかっています。その一方で株価は堅調です。
ZMの株価
https://www.google.com/search?q=zn+google+finance&oq=zn+google+finance&aqs=chrome..69i57j35i39l2j0j69i60l3j69i65.4985j0j4&sourceid=chrome&ie=UTF-8
ベトナムは4月に独自のオンライン会議、チャット、テレワーク用のソフトウェアでセキュリティーを強度にしたソフトウェアを開発しました。政府機関、政府関係の組織・企業はこのテレワークツールを使用しています。
日本政府が独自オンライン会議ツールを使用しているのなら問題はないのですが、機密保持感覚が脆弱なような気がします。もう10年以上前ですが、プノンペンの焼き肉屋でパーティションで仕切られた隣で大使館員が「大声」で大使館内部のことを話していたのを聞いたことがあるので気になります。 (R性、ハノイ)
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(読者の声2)藤岡信勝先生の『教科書抹殺』を読みました。大分時間が経ちましたが、江藤淳さんが『閉ざされた言語空間』の中で「(前略)占領初期の昭和20年
から昭和23年にいたる段階では、ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムは、必ずしもCI&Eの期待通りの成果を上げるに至ってはいなかった。しかし、効果は、占領が終了し一世代以上を経過した近年になってから、顕著になりつつあるように思われる」と。私は、自著『日本人を狂わせた洗脳計画』の中で、「ウォー・ギルト・インフォメー・プログラムは、遅効性の毒薬だ」と書きました。
今、この毒薬が蘇ったのです。一時、反日的なフェイクの歴史記述が、教科書から消えていましたが、今回、突如復活しました。曰く「従軍慰安婦」あるいは「南京大虐殺」です。
これは、単に「つくる会」だけの問題ではありません。保守と反日との天王山の戦いです。もし自民党の政治家をはじめ保守人が、これは「つくる会」という1団体の問題だから、たいしたことはないなどと思っていると、いつの日か、自分の考えを自由に述べられない時代が来るかもしれません。
いまこそ、保守人は、このことを良く自覚し、この「不正検定」を追求・排除のために集結するべきです。 (関野通夫)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和2年(2020)4月30日(木曜日)
号外
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習近平ひきいる中国経済は「イカロスの翼」だ。
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ヤルタ密約、ポツダム密約はルーズベルトの不覚、チャーチルの阻害
そしてスターリンの高笑い。誰がソ連帝国の膨張を許し、誰が中共を作ったのか?
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<<宮崎正弘・歴史評論シリーズ>>
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『西郷隆盛 ──日本人はなぜこの英雄が好きなのか』(海竜社、1650円)
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<< 宮崎正弘のロングセラーズ >>
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