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(令和三年・2021/08/21〜08/30) 📚📚📚「宮崎正弘の国際情勢解題」 & etc., 💕🐧

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月31日(火曜日)   通巻第7033号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~アフガン空軍機、46機がウズベキスタンへ逃亡
  家族を含め数百人。空軍パイロットはタリバンが憎む敵だった
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 カブール政権崩壊の翌日だったらしい。
 アフガニスタン空軍のヘリコプター46機が家族や友人、同僚を乗せてウズベキスタンへ逃亡、そのうちの一機は撃墜された(ロシアの報道)。

 アフガニスタン空軍はタリバンがもっとも懼れ、また敵視してきたため、パイロットと分かれば殺される恐怖感があった。

タリバンは空軍を保有せず、ろかくした航空機も飛ばせない。イランでホメイニ革命が起きたとき、イラン空軍がほこった最新鋭ジェット戦闘機、およそ100機(F15が主力だった)が、そのまま飛行場に曝され、廃棄された。

 ウズベキスタン政府は8月30日、アフガン空軍のヘリコプターが飛来し、数百の逃亡者がいることを初めて認めた。そのうえで、米国に善処を要請したことが分かった。
ウズベキスタンは世俗イスラムでタリバンのイスラム原理主義を警戒しているが、カブールに舞い戻ったドスタム将軍が率いる軍閥がアフガン北部に拠点をもつように、アフガニスタンのおける少数民族でもある。

 ウズベキスタンはイスラム・カリモフ大統領が1991年の独立後、強権政治を敷いたが2016年に急逝、このときはプーチン大統領が弔問にタシュケントを訪問した。人口3200万、ひとりあたりのGDPが7000ドルと、アフガニスタンに比べれば豊かな国である。
ただし二重内陸国であるため周辺国とは諍いを避ける全方位外交、日本人にはヴィザ免除の観光大国でもある。現在はカリモフ路線をミルズィヤエフ大統領が引き継いでいる。
  
 カブール市内の一部は落ち着きを取り戻し、バザールの営業を再開されている場所もある。だが銀行は閉鎖されたまま。繁華街はシャッター通りと化している。
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~韓国の近代化、漢江の奇跡は日本の支援で成り立った
  朴正煕ら、韓国が糾弾して止まない「親日分子」こそ救国の英雄である

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金文学『祖国の英雄を売国奴と断罪する哀れな韓国人』(ビジネス社)
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 近代史の見方がひっくり返る。
 奉天(瀋陽)生まれで在中韓国人だった著者の金文学氏(日本に帰化)は勇気を持って、近代史の真実を語ってくれる。韓国の一方的な歴史観の裏返し、韓国の反日プロパガンダへの挑戦状でもある。
 しかしこのような、貴重な歴史証言を綴った重要な本が、すっかり左傾化した日本でどれだけ受け入れられるか。或いは韓国で翻訳がなされることはあるのだろうか。
 朴正煕は、韓国を救った英雄である。ほかにも本書が取り上げるのは、金容九ら、韓国左翼が『売国奴』として批判する人々である。かれらこそ愛国者で、韓国の英雄であると金文学氏は歴史的な資料、証拠とともに真実を語り「正論」を述べる。
 韓国へ行くと安重根というテロリストを気味悪いほど高く英雄に祭り上げている。
安は貴族階級の知識人で、両斑を廃止した伊藤博文を逆恨みして哈爾浜駅頭で伊藤を撃った。1909年の事件だが、哈爾浜駅のプラットフォームにあった「伊藤公、遭遇の地」という石碑は撤去されている。
じつは安重根の放った弾丸は標的から逸れた。致命傷となったのは背後からの銃撃(いまだに真犯人は不明)だった。はからずも韓国近代化の途中で落命した伊藤ほど、韓国のために尽くした政治家も珍しいが、恩を仇でかえすのも、この半島の人々に染みこんだDNAのなせる業なのか。
日本が掲げたのは「五族協和」、「世界平和」だった。近代日本の保守のテーゼでもある。

さてソウルの安重根義士記念館は南山公園をのぼった突き当たりにあって、「義士」と書かれ、暗殺は「殉国」と表記されている。広場には安重根の遺墨の石碑が十数本並び、同公園内には他のテロリストを韓国の義士として石像が何本か建っている。
 この歴史観の倒錯はなにが原因なのか?
 ともかく本書を通読しながら評者(宮崎)が類想していたのは日本の明治維新がどれほどの思想的影響力を近隣諸国に与えたかという世界史的展望なのである。
 トルコ近代化の父ケマル・アタチェルクは、正面から明治維新の近代化を手本として近代国家トルコを建国した。
 日本の和歌山沖で遭難したエルトールル号の義援金を持参してトルコを訪問し、国王に拝謁した山田寅次郎は、国王からしばし残ってトルコの若者に明治維新と近代化を教えて欲しいと頼まれた。その教え子のひとりがアタチェルクだった。
 中国に与えた明治維新の激震度は孫文、黄興、宋教仁、秋謹、魯迅らに辛亥革命の導火線を引かせた。
1895年の日清戦争以後、日本にはシナ人留学生が溢れ、夥しい知識人の青年が日本の思想、そして日本語に翻訳された書籍を媒介に外国の思想を学んだ。
 日本の保守の源流的な思想がこれほどの熱意を持って近隣諸国の青年らに影響を与えたことは稀有なことである。
陳独秀も日本にやってきて『新青年』を創刊した。陳はいうまでもないが、中国共産党の創始者であり、かれの描いた理想は、途中から党の主導権を奪った毛沢東がねじ曲げたのだ。
 蒋介石も周恩来も郭末若も日本にやって来た。辛亥革命は日本の影響で、日本で計画が策定され、資金が集められた。辛亥革命の立役者に祭り上げられている孫文はペテン師敵側面があって金集めが巧みだった。宮崎滔天、頭山満らが資金援助をした。内田良平は孫文の欺瞞を見抜き、距離を置いた。
 実際の革命戦争は黄興が指導し、また国民党の実務を担ったのは宋教仁であり、和服に日本刀の麗人、秋謹は美ぼうにも恵まれていたが、帰国後に弾圧に仆れた。この女傑の記念館は浙江省寧波にあるが、やや小ぶり。しかし日本に留学し近代思想に目ざめた足跡を展示している。中国共産党が認めるのは、その反逆精神が革命に繋がったという部分だけで、しかし政治利用しているのである。秋謹が処刑されると聞いて、生き血を貰おうと茶碗ともって民衆が駆けつけたことを魯迅は作品に描いた。
 インドネシアの革命も、フィリピンの民主化も、そして日本型の民主化に国家を改造し、議会政治の定着に成功したのは台湾であり、日本の武士道精神で徳政を行った李登輝は、「台湾のモーゼ」という評価ばかりか、アジアの指導者として尊敬されている。
 問題は韓国である。
 「反日ゴロツキ国家」に堕落した韓国では、本当の革命の志士を「売国奴」、「親日分子」として糾弾されるという歴史評価の倒錯があり、真実とは百八十度逆の視野狭窄な評価がなされている。
 しかし韓国に「漢江の奇跡」をもたらし、教育水準を上げ、産業の近代化の礎を築いたのは、どう客観的にみても、日本であり、日韓合邦とは日本の持ち出しという犠牲のうえに成り立った。
 こうした真実を金文学氏は14名の韓国の愛国者列伝というかたちでまとめた。つまり「近代韓国史とは親日史だった」のが副次的テーマである。
 「日本への憎悪と蔑視という韓民族の伝統、狂信的民族主義(反日種族主義)、そして、なかんづくは植民地時代に関する無知、知的欺瞞の洗脳にある」(中略)「日本による強制ではなく、じつは自ら進んで日本の近代化を取り入れ、真似たのである」。
 ところが現代の韓国は「日本の植民地時代に近代文明を学び、漸進的な改革を進めてきた穏健的なナショナリストに対しても罵声を浴びせかけている。現に『親日派人名辞典』に載っている人物は4776名」。
 救いようがない。
 日本をモデルに朝鮮半島の近代化を目指したのは金玉鈞である。かれが日本にやってきて師と仰いだのは『脱亜論』の福沢諭吉だった。
そして福沢の紹介で、金玉鈞は後藤象二郎、大鳥圭介、頭山満、井上馨、大隈重信、渋沢栄一、大蔵喜八郎、副島種臣、内田良平、榎本武揚という明治の錚々たる日本の指導者の知遇を得た。福沢の自存自立、そしてサムライの精神、痩せ我慢の心構えを体得し、韓国の独立と近代化を目ざす近代革命の実現に奔走した。
 福沢の『脱亜論』の真意は韓国では歪曲されているが、「福沢は、日本の独立自尊、文明開化を唱えたように、朝鮮の『独立自尊』をもうひとつの大きな使命としていた」(46p)
 李完用は外交官だったが、伊藤博文の推薦で韓国総理に就任した。李は福沢を「生涯の師」と仰いで孫を日本の学習院に留学させた。
 伊藤博文が理想としたのは韓国をして、立派に独立した国民国家として育てることにあった。
「伊藤の思想の根底にあったのは『文明』であり、彼は自分自身が日本国民を文明国の一員となるよう啓蒙、指導し、その結果、日本を国民国家に作り上げることができたと自負していた。そして同じことを韓国でも目指した」。
伊藤の認識した文明とは、民本主義、法治、緩やかな改革主義の三要素、李完用は、その理想に感動し、伊藤に連帯したのだ。
 
 李容九は民間人ながら、明治維新に感銘を受け、日本の思想に触れて奮い立ち、日韓合邦の立役者のひとりとなった。黒龍会の内田良平と親しく、アジア連帯という日本の掲げた理想を理解した。日本政府は、李に勲一等瑞宝章を叙勲した。
本書はほかに『朝鮮の渋沢栄一』と言われる韓相龍、近代化の祖先といわれる李光朱、朝鮮のマタハリで伊藤博文の愛人でもあった田山貞子(ヘ・ジョンジャ)らを取り上げ、最後を飾るのはいうまでのなく朴正煕である。
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)電気自動車問題についてきわめてまともな意見を連載中の 池田直渡「週刊モータージャーナル」7月12日掲載の記事「EVの行く手に待ち受ける試練(前編)」ではバッテリーの問題を指摘
・オールEV化に向かうに当たっての問題はキリなくある
・特に厳しいのはバッテリーの供給が相当に多難であり
・さらにそのもう一段先には原材料となるレアメタル開発の問題がある
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2107/12/news016.html
 8月9日掲載の連載2回目の記事 「レアメタル戦争の背景 EVの行く手に待ち受ける試練(中編)」ではさらに問題点を掘り下げている。ぜひとも全文を読んでいただきたい。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2108/09/news007.html
 結論からいうとどんなにバッテリー生産を頑張ってもまったく足りないということ。
「内燃機関を全部止めたって、バッテリー供給が制約になって、それ以上にEVを作ることはできないのだ。その現実に目をつぶって内燃機関の禁止を法制化することなど、むしろ百害あって一利なしだ」
 日本製のEVではありえない、近年多発する韓国製バッテリーによる発火事故。このまま品質改善ができなければエアバッグのタカタの二の舞となることだろう。
2020.10.05 火災事故12回の現代電気自動車「コナ」…国科捜「バッテリー熱暴走と推定」
https://japanese.joins.com/JArticle/270826?servcode=300&sectcode=320
 2020.10.18 現代自動車「コナEV」が充電中にまた火災…2年間で14回目
https://japanese.joins.com/JArticle/271284?servcode=400&sectcode=400
 2021.08.09 GM、ボルトEV火災で4-6月期のリコール費用引当金8億ドル…LGも1兆ウォン超える可能性
https://japanese.joins.com/JArticle/281677?servcode=300&sectcode=320
 2021.08.23 GMの電気自動車ボルトEV7万台またリコール…LGに飛び火
https://japanese.joins.com/JArticle/282149
2021.08.23 VW電気自動車ID.3が火災で全焼…LGがバッテリー供給?
https://japanese.joins.com/JArticle/282175?servcode=300&sectcode=300
 テスラによる発火事故
2019年4月23日 テスラが自然発火し火災に 電池システムに不具合か
https://www.afpbb.com/articles/-/3222173
 2021年7月3日 テスラ新型が炎上、発火か 米運輸当局が調査
https://www.afpbb.com/articles/-/3354850
 2021年8月02日 テスラの大型バッテリーシステム「メガパック」がオーストラリアの蓄電施設で発火事故
https://onl.tw/JCwaRi9
 おまけでお笑い画像をいくつか紹介、道路を駐車場代わりにしている欧州の都市住民には純EVなどとうてい無理だとわかる。
欧州で発電機を牽引し充電しながら走るテスラ
https://twitter.com/cemt13/status/1323152880040202241
欧州の駐車場 EVのために大型発電機を設置(本末転倒です)
https://i.imgur.com/kDtVggWl.jpg
https://i.imgur.com/xkb6Hxll.jpg
https://i.imgur.com/fDo5Egul.jpg

 かつてインド・ミャンマー・スリランカなど停電はあたりまえ。夕方になると発電機の音がうるさかった。カンボジアやミャンマーの田舎では道端でポリ容器やペットボトルでガソリンを売っていた。ガソリンならどんなに田舎でも運べますが電気は運べない。欧州で無理やり純EV化するなら路地裏まで発電機の騒音に悩まされることになるのかもしれない。
  (PB生、千葉)

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(読者の声2)「アフガン(カブール)よりの邦人脱出救助」について、自衛隊大型輸送機が3機、カブールに派遣されましたが、初回に脱出救助出来たのは、女性一人だけの様子。 
しかし、目立たない報道によると、8月17日に大使館員12名は、全員UAE(ドバイ)に脱出完了しているとのこと。
現在、アフガニスタンには救出を待つ法人が数百人おられ、孤立無援に近い状態とも聞きます。このように大使館員が邦人をほったらかして、全員が先に「脱出する」なんということが、日本国では許されるのでしょうか!
この「国のかたち」に絶望です。 
(KI生、尼崎市)

(宮崎正弘のコメント)外務省が駐アフガニスタン大使館に退避を命令したのであり、責任は外務大臣にあることになります。ただし、残っている人たちは、日本大使館職員、運転手、通訳などのアフガニスタン人です。日本は人道的立場から、この人たちの『亡命』を受け入れようとしているのですね。

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(読者の声)傀儡政権(カイライ)について。 少し古いが著者ジョン・パーキンス氏の『エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ」 の原題は「告白の書」。氏は表向きは金融会社のコンサルタントとして中南米の後進国で融資をしていたが、実は最近流行の「超限戦」を仕掛け、あらゆる汚い手段を使って指導者を支配し、事実上後進国の政府を秘密裏に運営していたが、自責の念から、その罪を「告白」した。翻訳は2007年、原本は2004年。氏が現地で活躍していたのは197-
80年代だが、今だに政治運動・言論をされている。
  石油などの資源を持つ途上国の指導者に対して、世界銀行の融資を受けて国家を近代化すれば飛躍的な経済成長を達成できる、と巨額の債務を負わせる。融資された金は巨大なインフラ建設を受注する米企業と、現地の利権を握っている一部の富裕なエリート層の懐へと流れる。庶民の暮らしは良くならない。債務は返済できず、天然資源や国連の議決権を奪われたり、米軍基地の設置を強いられたりする。これには無論、米国政府機関なども陰で協力する。
  ヒットマンとは、暴力団の家来「殺し屋」で、金や女が有効でない場合には、政府の高官であっても、死んでもらう。日本の場合、亡くなった方が少ないのは、おとなしく邪魔をしないからだろう。「告白」する日本人も、「真実を報道」するテレビも新聞もない。この内部事情の告白、「治験済み」の効果的な方法、などはシナやロシアの政府にとってありがたい教科書になった。いや、米国が彼らを研究し、輸入した、のかもしれない。
現在支那による日本の完璧な支配状況をみると、全ての指導者の弱み、好み、過去の貸借、などが細かく記録され、広く活用されている、に相違ない。
  日本の場合、戦後7年間に渡ってGHQが、公然と明らかな傀儡政権、傀儡報道機関、傀儡教育・文化構造を構築し、支配者が去った後も、その後遺症は治療されていない。今だに国民の多くには、傀儡政権によって占領下において「カイライ日本国憲法」が公布された、という事実も知らされていない。過去30年余りには、この如何わしい構造にシナ独裁共産党が密かに介入し、「米中・共同統治」が仲良く利益を分け合い、行われていたが、突然のトランプ氏によって今、両者の「内輪揉め」が始まっている。
傀儡売電政権の任務は、現状維持、虎さん封鎖、武漢菌援助、など。当然日本、台湾の料理も含まれている。
  パーキンス氏が活躍した中南米では、剛を煮やした多くの勇気ある庶民、警察、検察、役人、報道陣が立ち上がるが、弾圧され職を奪われ拷問され殺される。そして社会も国も崩壊する。NHKの本部には今だに中共の放送局が同居しているが、これが追い出され、CNN、ABCなどに交代する日が来れば、日本の未来が少しだけ明るくなる。
(在米のKM生)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月30日(月曜日)   通巻第7032号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~濃霧のなかから顔を現してきたタリバンの最高指導者
  ハイバトゥラ・アクンザダ師(法学者)は何者か?
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 オマル師が死んだあと、二代目も不在となり、2016年からタリバンの最高指導者として秘かに指令を発しているのが法学者のハイバトゥラ・アクンザダ師といわれる。表舞台で発言しているバラダルは、ナンバー2だろう。
 バラダルは2010年にパキスタンで拘束され、18年に釈放、いつの間にかカンダハルに移動していた。

 アクンザダ師はカンダハルに潜み、初代オマル師に付き添った側近だった。イスラムの法解釈で世界を俯瞰するからアメリカは敵となる。アルカイーダのザワヒリは、嘗て「アクンザダ師は『忠誠の首長』だ」と比喩したことがある。
 パキスタン情報では、アクンザダ師の消息は不明で、死亡説、コロナ罹患説も跳びだしている。それほど動静が分からない謎の指導者というイメージは、初代オマル師と似ている。

 さて、タリバンの分派、反主流派は、地方軍閥と民族集団が基軸だから、次に政権を構築するとなると、軍閥各派の連立となる。だから旧政権のアブドラ(副大統領)やカルザイ初代大統領が出現し、タリバンと話し合いを続けるという奇妙な風景がカブールで展開されている。軍はオマル師の息子ヤグブが飾りとしてトップにいる。

 遅れてはならじ、と逃亡先から、かのドスタム将軍が帰国した。ドスタムはウズベク人のマイノリティ集団を率いる軍閥のボス。この列に加えてハリド・ノール(元バルー県知事の息子)も還ってきた。
これで「昔の名前」で出てきたボスやら新顔やらで、連立工作はややこしくなる。ヘラートで拘束されたイスマイリ・カーンのその後の動静は不明だ。

 タリバンはアフガニスタン政府軍からろかくした軍用車両およそ2000両と航空機40機の戦力を誇るが肝心のパイロットが不在である。
タリバンはもともと「力しか信じない」集団で、海外でテロ活動を行意、自爆テロを各地で指令するハカニ集団はタリバンと距離を置いている。しかしながらハカニはIS─Kのようにタリバン主流派と正面から対立はしていない。

カブールの市民生活はインフレ、銀行閉鎖、職場閉鎖など、IMFが融資中断、ウェスタンユニオンなどが海外からの送金中断などで、経済的機能も痲痺しており、暗い影が拡がっている。
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~アメリカは保守派と進歩派の内戦状態
  もはや日本を守る気はなく、中国との戦争では日本を前面に立たせるだろう

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島田洋一『アメリカ解体』(ビジネス社)
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 「リベラル」という言葉はアメリカでは死語に近く、「無責任な綺麗ごとをいう左翼まがいと侮蔑的ニュアンス」があるという。
 そこで左翼連中は自らを「進歩派」と呼び変えた。日本にもチンポテキ文化人が夥しくいたが、面妖な、国家破壊を好む連中が、しかし困ったことに主要メディアを支配しているのだ。これは日米共通である。
 「アメリカの朝日新聞」と言われるほどに低級に堕落したニューヨークタイムズに関しては、日本のインテリも気付き始めた。問題はワシントンポストである。このイエローペーパーを買収したのはベゾスだ。
 ペゾスは「従業員を搾取する悪徳資本家が進歩的仮面をかぶるための偽装的装置に過ぎないとして、しばしば極左の攻撃対象となってきた」(22p)という。
 ペゾスにはたしかにそうした側面があるし、自己顕示欲で反トランプを熱演するハリウッドスターたちのおつむの程度と同じだろう。
 ま、全共闘が暴力沙汰に熱中したときに左翼暴力団のような学生を擁護した朝日も、左翼からは「ブル新」(ブルジョアの新聞)と痛罵されていた。いまやワシントンポスト紙は「バイデンのプラウダ」と揶揄される。
 なぜこうした偏向が生まれるのか、そうした二重基準の「背景には構造的な理由がある」とする著者は「進歩派的な政策の実現を目的としてジャーナリズムの世界に入ってくる者が多い」ことを挙げる。
 自由に憧れてやってきた中国人留学生は「多くの授業は、学生が自らの頭で考える力を奪い、いかに白人男性が差別主義者で人類の敵かを押しつけ、ひたすら左翼イデオロギーを注入しようとする非文明的なものだった」(36p)。
 なぁんだか、アメリカの大学も日本の大学とかわらないんだ。
 本書を読むと、いまのワシントンの空気がじわりと伝わってくる鮮度がある。
 すでに1980年代からアメリカの左翼偏向は顕著になりつつあったが、LGBT論争はまだなく、フェミニズム、南アのアパルトヘイト反対。黒人など少数民族へのアファーマチィブアクションをめぐる議論が主だった。そうこうする内にアメリカの教育現場で、歴史教育がおかしくなり、白人原罪論が登場する。
 その端境期に評者(宮崎)も、よくアメリカに取材に行っていたが、あるとき、忽然とアメリカへの興味を無くした。もはやアメリから学ぶことはない、というのが評者の出した結論だった。だからトランプ熱狂が起こるまで十数年、アメリカから遠ざかり他の国々を取材してきた。
 アメリカの解体を延命させたのはレーガンだった。偉大なるコミュニケーターとして、歴史に残る大統領となって、左派も1980年選挙のときにレーガンに被せた「戦争屋」のレッテルを忘れてしまった。
 現況を見れば、まさにアメリカは解体に向かっている。
そしてこの流れは止まるどころか、無能なバイデンによって、さらに加速化している。評者は、『バイデン大統領が世界を破滅させる』(徳間書店)という本を政権発足前に早々と世に問うたが、いよいよアフガニスタンのおける無様な能力を目撃したアメリカ人の多くも、なんで、こんなんに投票したのかと後悔したことだろう。
まして無能大統領のまわりを囲むのがバイデンに輪をかけて無能な、しかも極左思想の持ち主のそろい踏み。著者はとくにスーザン・ライスとシャーマン国務副長官の言動に注意が必要とする。
 アメリカが正気に戻る日はきっと来ない。日本はいよいよ自立の道を歩む決断をしなければならないだろう。
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)カリフォルニア州の現在が、未来の米国の予測になる、と言われる。
「ほぼ贅沢」という範疇ではテスラの3型が37%、2位のBMW3シリが11%、3位レキサスES10%、ベンツ9%、レキサスIS5%。「贅沢小型SUV」では、テスラのYが39%、レキサスNX10%、Audi10%、ベンツ9%、BMW8%。今年3 -
6月の統計。いずれのテスラも供給・生産が追いつけず、納品は数ヶ月先の状態で、しかも高価でも、この様な圧倒的な人気がある。他社がたとえ値引きをしても、客は見向きもしない。テスラは創業以来、如何なる広告も使わない。
 世界中に巨大な工場を建て、来年辺りには現在の数倍の数の車を製造する。既存の自動車メーカーは、過去にも倒産の経験があるにもかかわらず、既に大きな負債を抱えており、売れ行きが少し落ちれば、再び倒産になる。そして政府が再び税金で救済する。そんな未来が見えてきたので、
 政府機関は「テスラ虐め」を始めた。
安全性に問題がある、という。つまり既存の既得権益メーカー、そして雇用の保全、という大義のもとに、「100%米国製の会社」を潰しにかかった。GMやFORDの巨大な宣伝費に依存するテレビなどは、喜んで政府の味方になる。支那はおそらく陰で議員を焚きつけているのだろう。
 EV対ICEの戦いでは、テスラが世界の全ての他社の5ー10年ほど先を走っている。対等に対抗できるのは米国の敵、支那のみ。
 またしても日本は米国か支那につくか、トヨタはテスラに付くか、支那か、という厳しい選択を迫られる。
ロールスルイスやフェラーリは、手作りの工芸品的な生き残り方がしばらくは可能であろうが、近い将来にほとんどの車会社は、テスラの「基盤(スケート・ボード)」を分けてもらい、それに屋根、窓、ドア、素敵な家具、などを着ける特化した下請け的作業をする事になる、らしい。
色々なコンピューターが作られたが、中身はいつもINTELの独占というような関係が生まれる。
(在米のKM生)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月29日(日曜日)   通巻第7031号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~パキスタン外相が周辺四カ国を訪問。世俗イスラム国家群のタリバン観
  平和と安寧が周辺イスラム国家を裨益させる(クエレ外相)
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 クエレ・パキスタン外相が周辺四カ国(タジキスタン、カザフスタン、ウズベキスタン、イラン)を歴訪し、タリバン以後を協議していた。クエレ自身がパキスタンの有力紙「ドーン」とのインタビューで答えた。
 四ケ国のうち、イランを除き、いずれもが世俗イスラム国家であり、原理主義過激派の台頭を好ましい現象とはみていない。中国の上海協力機構のメンバーとして過去にも、アフガニスタンからの過激派の動向を監視していた。

 クエレ外相は「とはいえ、アフガニスタンを孤立化されることは有害(Detrimental)だ」と述べた。パキスタンは舞台裏でタリバンと繋がっていることは、国際政治では常識である。

 イランにとってタリバン政権の復活は悦ばしいことかと言えば、複雑である。
 第一にタリバンはスンニ派であり、イランのシーア派のドグマには反対の立場だ。
 第二に米軍の撤退によって生じる力の真空は、中国とロシア同様に、イランにとっても新しい緊張を運ぶことになる。
 第三にイランを敵視するイスラエルとサウジアラビアは、つぎにタリバンを政治的利用しかねない。
 第四にイラン国内にはすでに300万人のアフガン難民がおり、この人々を以後、如何に扱うのかという難題が残されている。

 同時期に米中高級対話の一環として米中軍事高級対話がオンラインで開催された。
 中国人民解放軍は黄雪平・准将が、米国からはミカエルチャズが対話し田。会談の内容は明らかにされていない。
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~いったい誰々が元凶で、なぜ日韓はこうまで歪んだのか
  従軍慰安婦、戦時労働者、強制労働など、誰がでっち上げたのだ

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西岡力『日韓「歴史認識問題」の40年』(草思社)
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 基本的な歴史の法則から言えば、隣国関係ほど難しいものはない。独仏関係は、その典型。アジアにおいてはインドとパキスタン、あるいは日本と中国。その亜流が日韓関係だろう。
 日韓両国の意見は殆どが合致しない。尤も主権国家同士が外交、安全保障、教育などで同じ意見ということは古今東西あり得ないが、北東アジアの安全保障ならびに政治環境から言えば、共産主義、全体主義のリスクがあるのに、仲が悪いという事態は面妖な現象とも言える。
 政治環境が暗礁に乗り上げ、日本が滅茶苦茶に悪く言われると、どこの国が裨益するのか?
 思想的な溝はあるが、それならば日韓両国はナショナリズムが衝突しあっているのか。
 ナショナリズムは、韓国では政治的キャンペーンの手段だからポピュリズム政治に陥ると政治家が利用する。しかし一過性のもので、ナショナリズム(国権主義)は、日本人にとっても扱いにくい、苦手の要素である。
むしろパトリオティズム(愛国主義)とみた場合、日本が韓国に対して怒りをぶつけるのは精神性を踏みにじられたときである。
 韓国は平然と何回も、日本人の矜持と名誉を傷つけてきた。
 経済的にみれば「漢江の奇跡」なるものは、日本の援助で成立した『奇跡』であり、そのうえ朴正煕のときに、日本にとって天文学的な貴重な外貨を韓国に供与したことで経済的な離陸に成功したのである。しかし韓国はこの事実を国民に教えないから、未だに「日帝36年は搾取だ」と事実無根を言い張る。製鉄も造船も、近年の半導体も、日本企業の惜しみない協力による。しかし韓国は、そう考えてはいないから、恩を仇で返すことは平気の平左、このモラルの愚劣さが、日本の保守主義者を怒らせるのである。
 著者の西岡氏は大学時代に韓国に語学留学し、在韓大使館に勤めた。
 『世界』に連載された「TK生」の言説を信じていたと正直に西岡氏は告白している。ところがTK生は在日の韓国人だったこと。内容の殆どが出鱈目であったことが、その後明らかになった。だが今日までTK生こと池明観と、世界編集部は謝罪もしていない。
 そういう貴重な経験から、日韓両国の溝、つまり「歴史認識」の誤謬の研究を続けてきたわけで、だからこそ元凶は在日の反日組織、和田春樹、大江健三郎などの反日言論人、そして岩波の雑誌『世界』にあると西岡氏は断定するのである。

 日韓関係がこれほど歪になった原因は四つだと西岡教授はいう。
 第一が日本国内の「反日マスコミ、学者、運動家による事実に反する日本非難キャンペーン」である。第二に、日本非難宣伝を韓国と中国政府が「正式な」外交問題として、内政干渉してきたこと。第三に日本の外交当局が反論しなかったために事態が悪化したのであって日本外務省の責任が大きいのである。
 第四は反日活動家の存在であり、しかもかれが「事実無根の日本非難を国際社会で拡散した。結果、わが国と我が先祖の名誉が著しく傷つけられ続けている」。

 ちょっと半世紀前を思い返してみよう。
 日本の保守陣営は、むしろ親韓派だったのだ。岸信介、大野伴睦、中川一郎。。。言論界でも木内信胤、藤島泰輔、小谷豪治郎ら名前を列挙するだけでも数ページを要するほど、親韓派が犇めいていた。大手メディアは意図的にこの実態を報じなかった。
 すくなくとも韓国の政治に理解があったし、交流も深く、朴政権は日本との交流を一等大切にした。評者自身、『浪漫』の取材で韓国に一週間以上滞在して、政治家、言論陣、ジャーナリスト、学者らと意見を交換したが、まるで「反日」を感じることはなかった。日本の左翼系は「韓国」と呼ばずに、必ず「朝鮮半島の南」とか、「米国の傀儡政権」とが呼んでいたが、そうした政治宣伝的な言辞は、韓国ではまともに相手にされていなかった。外国人記者クラブだけはリベラルの巣窟で、朴正煕はファッシストと言い合っていた。
 おかしくなり出したのは朴正煕が凶弾に斃れ、軍人政権が二期連続したときからで、急に韓国がよそよそしくなった印象をもった。それでも全斗煥も盧泰愚も、日本語が流暢だったし、学生運動に北の代理人が紛れ込んではいたが、顕著なほどでもなく、理性的な雑誌もひとつ、ふたつ出ていた。
 この頃も取材に行った。丁度、88年ソウル五輪をひかえていた所為か、日本を悪し様にいう言論は目立たず、学生運動だけが先鋭的だった。ところがヘルメットを脱ぐと中年の小父さんさんたちで、北の代理人らの組織的動員だった。「ほんものの」学生たちは、近くの雀荘にいた。
 反日を利用して政治声明をつなぎ止めようとした金泳三、金大中から反日姿勢は露骨となり、盧武鉉で日韓関係は最悪。辛抱強かった日本の世論も切れた。
悪韓論、嫌韓論、脱韓論、呆韓論が花盛りとなり、歴史教科書問題に火が付いて、韓国で反日が強くなればなるほどに日本のナショナリズムの爆発が見られるようになった。
 日本人は福沢諭吉の『脱亜論』を思い出した。「悪友とは付き合うな」と。
 そのうえで、日本の保守陣営はナショナリズムの原点に立ち帰り、真相の究明に奔走するようになる。
 結果、「侵略」を「進出」と書き換えた歴史教科書は一冊もないこと、韓国合邦時代に、日本は搾取どころか、大盤振る舞いなほど韓国のインフレ建設に犠牲的精神で投資していたこと。帝国主義的な教育を行っておらず、創氏改名の強要事実は無く、真実は韓国人が列を作って日本人の名前をつけて貰おうと、役所の廻りには「姓名判断」の店舗まで並んでいたことなどが分かった。
 従軍慰安婦も強制連行も反日組織の謀略的なプロパガンダだった。それを仕掛けた組織があり、彼らは機動的に動いた。
 本書は、これらの経過を詳細に振り返る労作であり、今後の討論の基礎資料にもなりうる。
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@    【知道中国 2268回】     
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港150)

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 なにを唱い、なにをしゃべり、どのような台詞がやりとりされているのか。そんなことが分かるわけはない。韻を踏んだ、京劇独特な発音や言い回しで交わされる台詞は、日常会話をなんとかこなせる程度の中国語の力は到底理解できない。だが、あの埃立った舞台が一瞬にして輝きだし、見栄えのしなかったしょぼくれた童伶に命が吹き込まれ、立ち所に鮮やかな動きを見せはじめる。

 和辻哲郎は『日本芸術史』(第1巻)で芝居を「舞台上に作り出される世界、即ち想像力によって作り上げられた世界」と見立て、そこに「超地上的な輝かしさ」を認めているが、まさに第六劇場の粗末極まりない舞台に、和辻の説く「超地上的な輝かしさ」を感じてしまった。いや正直に告白するなら、舞台の上で童伶が演ずる他愛のない芝居──「京劇のまがいもの」と言うのは、やや酷か──に「超地上的な輝かしさ」を見出してしまった自分に驚くばかりだった。

 その翌日、今度は一人で第六劇場に出掛けた。切符を買って、暗い座席に座り埃立つ舞台でドタバタと繰り広げられる稽古を眺め、ジャンジャンジャンジャンと騒々しいとしか言いようのない「開場鑼(「触れ太鼓」ならぬ「触れ囃子」)を聞きながら時を待つ。やがて舞台が暗転。しばらくする小屋全体に明かりが点され、光が舞台にパッと集まる。「アーハー」の一声。すると忽ち舞台に「超地上的な輝かしさ」が浮き上がってくるような。

 次の日も、また次の日も、またまた次の日も。こうなると、もう止まらない。そこでなんとか台詞なり理解できないか、と考えた。もちろん当時は文革であり、中国系書店に古典京劇関連の本が置かれているわけがない。そこで例の数学教授に相談すると、台湾系の集成図書公司の老板(マネージャー)を紹介してくれた。

 集成図書公司は旺角の一角。九広鉄道の旺角駅の改札を出て左に坂を下り、亜皆老街に突き当たる右手の辺りにあり、客はまばらだが売り場面積は中国系書店のどこよりも広かった。おそらく当時の香港では最大規模の書店だったと思う。中国系書店が毛沢東の胸から上の写真を麗々しく掲げていたように、ここでは縦が1.5mで横が1mばかりの中山服姿の孫文の、これまた胸から上の写真が客を見下ろしていた。朧気な記憶だが、孫文の隣に同じ大きさの蒋介石の、これまた中山服の胸から上の写真が並んでいたような。

 店内で見つけた『名家平劇秘本 戯考大全』(宏業書局 民国59=1960年)と『修訂平劇選』(国立編訳館修訂 正中書局印行 民国48=1959年)を持って老板を探すと、「教授から連絡がありました」と。ところでなぜ「平劇」なのか。中華民国が首都を南京に定めたことから、北京は「京」ではないとの建前で「北平」と呼ばれていた。そこで京劇は時に平劇と呼ばれていたのである。

 『名家平劇秘本 戯考大全』は厚さが10cm前後。『修訂平劇選』は12巻本。再び「教授から連絡がありました」とダメ押しされたら、清水の舞台から飛び降りるしかない。双方を買うことした。それなりに値引きしてくれたが、些か痛い出費だった。

 その後も、時々、集成図書公司に顔を出すと、「こんなのがありますよ」。老板の『甘言』に誘われ『斉如山全集(全8巻)』(斉如山 北平国劇学会 民国24=1935年)、『平劇戯』(李白水 文化図書公司 民国59=1970年)、『国劇大成(全14巻)』(張伯謹 国防部総政治作戦部振興国劇研究発展委員会 民国63=1974年)などを買ってしまったが、京劇研究には得難い資料であるだけに、今となっては貴重な買い物だったと感謝するしかない。

 『名家平劇秘本 戯考大全』と『修訂平劇選』を下宿に持ち帰り開いてみる。台詞、唱詞、ト書きなどを記した京劇の劇本(脚本)である。
そこで台詞の一部なりを頭に叩き込み、軽い方の『修訂平劇選』を手にしての第六劇場通いが始まったのであった。
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(宮崎正弘のコメント)病膏肓に入る、の段ですね。
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)アフガン情勢が急迫しています。以下ご参考まで。
アフガン問題は、自由アフガン人を国内にとどめ、難民化させないための方法が必要です。それには国土の南北または東西の分割方式などが考えられます。
ただしイスラム教徒は、契約はアッラーとしかしないので、どうしても武力が必要であり、米軍の支援は不可欠です。
バイデンの対応は、米国依存の限界を示しました。1945年には、トルーマンは米国のシナ派遣軍総司令官のウェデマイヤー将軍の提言にもかかわらず、おそらく劣勢になっていた大統領選挙対策のために中国大陸から米軍を全面撤兵させました。
このため翌年から国共内戦が本格化し、?介石は敗退し台湾に逃げることになりました。この時のマーシャルの言い訳も、国民党軍が腐敗してやる気がなかったからだ、というものでした。
なおG・ケナンは、米国外交を批判して、自分の都合で勝手に撤退するが、残された人がどうなるかを考えないと、述べています。
今回と同じです。
 日本の自衛が急がれます。それは憲法改正ではなく再軍備です。特例法で自衛隊に軍法を付加すればすぐに軍事抑止力が生まれます。自衛は占領憲法も認めているので、憲法改正は不要です。また自衛隊は、軍法がないといくら占領憲法に付加しても軍隊ではないので対外抑止力は生まれません。また外国は日本の憲法を認めません。国家(国防)なくして憲法なしです。国防は憲法に優先します。
    (落合道夫)

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(読者の声2)アフガンについて You Tubeで調べていたらアフガンの歴史を14分で解説したものがあった(英語)。
https://www.youtube.com/watch?v=T6usr-C3lcQ

 高校時代の世界史の記憶はかなり怪しくなり、あらためて古代史からやり直し。アケメネス朝ペルシャからアレキサンダー大王の遠征は有名ですが、その他
もろもろの諸王朝となるとお手上げ。動画の2分過ぎにでてくるバクトリアはアフガン北部からサマルカンド北方のフェルガナ盆地に至る地域を支配。バクトリアの女王ロクサーナとの結婚、アレキサンダーの名にちなんだアレキサンドリアの建設と続く。Alexandria of Arachosia は現在のカンダハール、アレキサンダーがイスカンダルに転訛しさらにカンダハールになった。中東戦争のころニュースでイスカンダル蔵相という名前がよく出てきましたが中東では一般的な名前。
 アニメの宇宙戦艦ヤマトに登場する惑星イスカンダルはSF設定の豊田有恒がインド語から名付けたと語っている。豊田はTVアニメの黎明期からエイトマン・鉄腕アトムなど脚本で活躍。後にはSF作家として人気を博し、韓国に理解があるとされた1978年には「韓国の挑戦」を書いた。
ところが90年代に入り韓国が増長すると1994年には『いい加減にしろ 韓国』を書いている。作家の時代を見る眼というのはたいしたものです。
 脱線しました。
アフガンのアレキサンドリアにはもう一つ Alexandria in the Caucasus があり、こちらは現在のバグラム米軍基地のあった場所。さらにかつてバクトリアだった地にもあり、Alexandria Eschate はフェルガナ盆地南西端(タジキスタン)にある。ここから東に400kmでタリム盆地、カシュガルまであと一歩。地球は意外に狭いものです。
   (PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)ロシアのミサイル防衛システム「イスカンダル」の語源がアレキサンダーということは知ってましたが、それが転訛してカンダハールになったとは!
 北朝鮮のミサイルは、このロシア製のコピィと言われています。

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(読者の声3)金曜日(27日)の未来ネット局(旧「林原チャンネル」の「宮崎正弘の生インタビュー」を昂奮しながら拝見しました。まさに楊海英先生との一時間の生番組は目から鱗が落ちる連続でした。
兼ねてから考えてきたのですが、先生の番組のこれまでのゲストは高山正之、乾正人(産経論説委員長)、渡邉惣樹(近現代史家)、近藤大介(チャイナウォッチャー)、許世偕(前台湾大使)、加瀬英明、廣瀬陽子(慶応大学教授)、中村彰彦(直木賞作家)、門田隆将、三浦小太郎、楊逸(芥川賞作家)の各氏。錚々たるメンバーでした。
 これを一冊にまとめて活字で残すと良いと思いますが、そういう計画はありますか。
    (SS子、仙台)

(宮崎正弘のコメント)いずれも話題にした中味の時局評論が半分なので、活字にのこすのはそれほどの意味があるとは思われません。
同じ構想を薦める人がいるのですが、無理でしょうとお答えしております。次回は9月15日、ゲストはコリアン・ウォッチャーの室谷克実氏の予定です。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月28日(土曜日)   通巻第7030号  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜カブール,ISIS─Kの自爆テロで130名が死亡。米国激怒
  タリバン、「彼らは米国と共通の敵。米大使館員は残って欲しい」
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 8月27日にカブールの空港で起きた自爆テロは多くの死傷者をだして、この余波で自衛隊の邦人脱出計画は白紙に戻った。C130機は邦人一人を乗せてイスタンブールへ戻り待機している。

そもそも駐カブール日本大使館には外務省職員が不在。すでに中東に移動している。このためJICAを中心とする邦人救出と言っても、リストもない。優先順位もないという大混乱。外務省の責任は極めて大きいと言える。

 退避開始から12日間で、およそ10万5000人がアフガニスタンを離れたが、残りの外国人がどれほど居るのか、誰も掌握していない。ホワイトハウスならびにペンタゴンは27日の爆発は一回だけだったと訂正した。そのうえで、「最悪の状況が数日内におこる」と警告を発し、またカブール空港は当面閉鎖された。

 タリバンは意外な声明を出した。
「米国大使館員は残って欲しい」と言い出したと言う。今後の交渉を行うにせよ、誰と話し合えば良いのか。カタール以外の連絡チャンネルが必要とした。

 この自爆テロによって、戦局は大きく変更した、あるいは変更に向かう。
 第一にバイデンは報復を示唆したが、犯行はタリバンの統制が及ばないISIS−K(イスラム国)が引き起こしたとほぼ断定された。
 第二にISは、「タリバンと米国の共通の敵」という位置づけになった。
 第三に米国への嫌がらせのための「自作自演」説が消えた。
 新しい状況のもと、次に何が起きるか?
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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  スティーブ・ジョブズは革命児だったのか、夢想家だったか。
   アップルの創業者がコンピュータで世界を変えた?

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片山恭一・文。小平尚典・写真『あの日、ジョブズは』(ワック)
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 アフガニスタン戦争が開始された直後、評者(宮崎)はキリギスの首都ドシャンベに飛んだことがある。
 米国はキリギス政府と交渉し、法外な賃貸料を支払うことを条件に兵站確保のためにアメリカ兵およそ二千名が駐屯した。ドシャンベ国際空港の名前はマナス空港。
 撮影を終えて、市内のホテルへもどるタクシーの運転手が言った。「日本にも米軍が駐屯しているって? 日本って独立国家じゃないのかね?」。
 本質を衝かれた筆者は、話をズラして(なぜ安保条約があるかを説明するのに一時間は必要だから)、逆に「マナス空港」の由来を聞いた。ドシャンベ市内にも大きなマナスの石像がある。
民族の英雄マナスを讃える叙事詩はイリアスやラーマーヤナよりも長い。
この叙事詩(マナス)は、いまも謳われ続けていると運転手が答えた(かなりのインテリで英語は堪能、このような知識人もキルギスでは雇用がないのだ)。
なるほど、マナスは「キリギスのヤマトタケル」だ。
 日本の古事記、日本書紀は戦争英雄の物語に見えるが、随所に和歌が挿入され、神話的要素が強いため叙事詩のカテゴリーからは遠い。文学史的な精密な区分けを無視していえば、叙情詩である。
 本書の場合、ジョブズをジーザスと並ぶ英雄としてみれば、間違いなく叙事詩であり、ITの語彙を駆使しての現代的な作品という文脈でいえば、叙情詩に近いかも知れない。ともかく不出生のカリスマを、写真家とのコラボで描いた奇抜な作品である。
 「21世紀の最初の10年間にジョブズと彼の会社が生みだした製品は、そのたびに『夢』の実現として熱狂的に迎え入れられてきた。ジョブズもアップルも多くの人にとって夢をかなえてくれる存在だった。たしかに夢は一部かなえられた。そして瞬く間に失われた」(212p)。
 「イエスは神を内面化したと言ってもいい。これは人間の歴史を覆すくらいショッキングなことだった。イエスの2000年後に現れたジョブズは、神を手のひらサイズにしてポケット化してしまった。これもまたイエスに勝るとも劣らず衝撃的なことだと言える」(62p)。
 なるほど神と比肩しちゃうのだ。
 「ジョブズが面白いのは、こうしたスピリチュアルな感覚と、ときに楽観的とも見える技術信奉が無理なく結びついていることである。アメリカ西海岸のシリコンバレーという環境が育んだものだったのかもしれない。コンピュータという最新の技術によって、彼は解脱や涅槃に至ろうとしたのだろうか」(42p)。
 この現代の英雄とされる人物は周囲を不幸にさせる才能にもめぐまれていた。最初のパートナーとの間にうまれた子を認知せずに、DNA鑑定がでても、みとめず養育費も拒否し、裁判を続けた。
 最初のビジネスパートナーにはIPOで得た巨額から一銭も分けあたえなかったエゴシスト。他人の言うことに耳を貸さず、周囲にはイエスマンしか居ない孤独。 
 まるで中国人的な性格の持ち主だった。天才にありがちな個性といえばそれだけだが、それにしてもスティーブ・ジョブズが現代の英雄だったとは!
 読後感は複雑です。
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)アフガン撤退に関して「戦意のない国を米国が守るつもりはない」といった趣旨を口にしたバイデン大統領を見て「米国は日米安保に則って日本をちゃんと守ってくれるか?」といった意見が新聞に出ていた。
でもちょっと待てよ?と思いました。
「日本は軍事力を以って戦ってはいかん」と憲法で「命じた」のはだれ? それなら通常兵器はもちろんのこと、核攻撃を受けたら日本はどう戦えというの?竹やりで戦えというの?
つまり戦意がなくても日本をアメリカは防衛する義務があるはずジャーない?となりましょう。・・・・
 さすれば「自ら国を守る意思のない国をアメリカは守らない」と言うならアメリカはまず アメリカが「(バイデンが明言したごとく)日本国憲法は米国製であり、戦勝国が制定した法律は国際法上無効である」との大統領声明でも今から発してはどうかと言ってみたくなりました。
さすれば日本には憲法が存在しない状態になってしまい、至急自前の憲法を制定しなくてはなりませんから。
(SSA生)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月27日(金曜日)   通巻第7029号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~カブール空港で爆弾。米海兵隊四名など60名以上が死亡
  ISが犯行声明。トルコ軍は空港警備から突然撤退を開始
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 大混乱が続く。トルコ軍が空港警備を中断し、撤退を開始した。
 NATOの一員であるトルコは、過去二十年、空港警備に協力し、500名を駐屯させてきた。「責任を持って完全撤退まで空港警備の任務に就く」とエルドアン大統領は約束していた。

 トルコにはウイグルからの亡命者が集中しているが、中国がアンカラ政府にワクチン外交を展開し、取引条件はイスタンブールに幾つかあるETIM(「東トルキスタン独立運動」)の取り締まり強化と情報提供だった。
 またトルコはイラン経由がトルコ侵入を試みるアフガニスタン難民に、国境を閉ざして応じた。エルドアン大統領は欧米からの批判に「わが国には既に(シリアからの)難民が五百万人もいる。これ以上は引き受けられない」とした。

 8月26日、カブール空港が襲撃を受け、爆弾が二度爆発し、米海兵隊四人が犠牲となった。ほかに60名以上の死者がでており、ISが犯行声明をだした。やはりタリバンが存在を否定していたISがアフガニスタン国内に潜伏していたのだ。

 また米紙は、タリバンとは別組織の「ハカニ・グループ」がアルカイーダと緊密な関係にあることが判明したと伝えている。

 ロシア外相が指摘したように「タリバンは一枚磐ではない」。末端は組織命令も行き届かず、軍閥のボスの命令しか聞かない武装グループのなかには山賊行為を働く。今後、タリバンは組織の整合をどうするか(不可能だろうが)、難題が表面化した。
 ☆▽□☆◎み☆◎□☆や□▽◎☆ざ▽◎□☆き◎☆◎▽
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~男系男子でも、非嫡出子を皇位後継者として認めないのは外国の圧力
  現代日本人は氏、姓、名字の三つの区別が出来ないという歴史意識の欠落

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橋本琴絵『暴走するジェンダーフリー』(ワック)
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 副題が「異端を許さない時代」とあるが、逆ではないか。「異端しか許されない」のが、現況であり、「女の会議は長い」と正論を吐くと五輪委員長は辞任に追い込まれる。いったい、森嘉郎の発言に何か問題があるのだろうか?
日本はなんと愚かな国になりさがったものか。なんと愚かしい人々の跳梁を放置することになったのか。
 「シナ」というと日本の大学に浸透している中国人学生のスパイが当局に抗議するので、シナ、シナと言っていた大学教授は某大学をクビになった。シナは歴史的に正しい地名である。
 なにかと言えば差別。少数の特定の団体が裨益し、大多数が迷惑を蒙っている。
 LGBT、夫婦別姓、フェミニズム、慰安婦議論。みんなおかしい。当たり前の常識が世の中だった時代、こういう異端の極論は人の口に上ることさえなかった。
 何故こうなったのか。日本はアメリカと同様に、異常な議論が暴走する、極めつきにおかしな国に成り下がった原因は何にあるのだろう?
 著者は、このような「暴走するフェミスズムにストップをかけなければ日本の伝統も文化も破壊されてしまう」という危機感を抱き、政治活動、言論活動をはじめた。
 評者(宮崎)、不勉強につき、この本を手にするまで、橋本さんの名前も知らなかったが、やっぱり世の中がおかしいとまともなことを言う若き女性が出てくるのですね。
 さて、文化伝統を守るという保守主義の立場から言えば、橋本さんは本書で、二つの重要な議論をしている。
 ひとつは夫婦別姓問題。もう一つは万世一系にかかわる皇族のことである。
 まず夫婦別姓問題から俎上にあげよう。
 自民党内でさえ、事の本質をわきまえている議員が圧倒的に少ない事態には慄然とする。
 高市早苗議員は(夫婦別姓によって)「子供の氏<うじ>の安定性を欠き、夫婦間のトラブルの懸念がある」と発言したように、正確には「別姓」ではなく「別氏」である。
 著者は嘆く。
 「日本人の多くは『姓』と『氏』と『名字(苗字)』の区別がついていない(中略)。しかし、明治初期まで、この三つははっきり区別されていた」(48p)。
 区別できない理由? じつに単純明快である。学校教育の現場で、歴史が破壊されているからである。日本人の95%は、(もっと多いかも知れない)古事記、日本書紀を読んでいないからだ。
 著者の説明がある。
 「そもそも氏は祭祀や居住地によって結びついた男系の血縁集団を指し、それに公的地位・称号である『姓(戸)』を付け加えたものを『姓』と呼んだ。いずれも天皇から賜ったもので、たとえば藤原朝臣不比等なら、藤原が氏、朝臣が姓、不比等が実名である。
 物部氏、大伴氏、阿倍氏と神武天皇をささえた有力豪族は「氏」を名乗れた。たとえば大伴連家持(おおとも・むらじ・やかもち)だったように。阿倍臣比羅夫だったように。
 古事記に中臣鎌足がいまわの際に天智天皇が「藤原」のかばねをあたえ、感動する名場面があるが、上の背景を知らなければ、なぜこの場面で中臣鎌足が感動するのか、分からないだろう。
中大兄皇子(天智天皇)は中臣鎌足の強力な支援がなければ、乙巳の変で蘇我入鹿を倒すことはなかった。鎌足は戦前まで高額紙幣の肖像画にも用いられていたことを戦後の日本人はコロリと忘れてしまった。
藤原不比等は鎌足の子、そして藤原の栄華は藤原四兄弟が疫病で死に、藤原仲麻呂が汚名を着せられて反逆者として死ぬまで続いた。
 足利尊氏は源朝臣尊氏、大久保利通は「藤原朝臣利通」だった。徳川家康は「源朝臣?川二郎三郎家康」となる。

 天智天皇の御代までは、「臣」「連」が高官だった。いま手元の『日本書紀』を紐解いてみると、弟君の大海人王子(天武天皇)の御代、世の中がやや落ち着くと、詔が発せられている。

 「凡そ諸の考 選はむ者は、能く其の族姓およびこころばせを検へて、方に後に考めむ。若ひこころばせ行能灼然しと雖も、其族姓定まらずは考選はむ色には在らじ」(日本書紀 巻二十九)。
 つまり氏、姓を基軸に秩序を重視せよと言っているのである。氏素性のはっきりしない者は高位につけないという宣言でもある。

 そして天武天皇十二年、倭直、矢田部造、藤原部造、物部首、葛城直、石上部造ら三十八氏に姓(かばね)をあたえて「連」(むらじ)とした。追加で草壁吉士、伯耆造ら十四氏に姓をあたえ「連」とした。

 天武十三年、詔して曰く。 

 「諸氏の族姓を改めて、八色の姓を作りて天下万(よろづの)姓(かばね)を混(まろか)す」として、真人、朝臣、宿弥(すくね)、忌寸(いみき)、導師、臣、連、稲置としった。トップの真人は皇族である。
つぎに「朝臣」には、大三輪君、阿部臣、巨勢臣、膳臣、物部連、平群臣、山背臣、柿本臣、高向臣、星川臣ら五十二氏に賜った。さらに大伴連、佐伯連、安曇連、尾張連、土師連、額田部連ら五十氏に「宿弥」(すくね)の姓を与えている(日本書紀 巻二十九)。
 天武天皇がお隠れになると皇后は称制のあと、女性天皇(持統天皇)となられ、これまでの皇位継承の曖昧さから起きた宮廷の内紛、氏の対立を治めるため長子相続を制度化する。
 このような歴史があるにもかかわらず、法務省のHPは意図的にか、嘘の説明がされていて「夫婦別氏を国民全てに適用することにした」とあるという。
これは国民を騙す、特定の政治思想を実現しようとしているのだと著者の橋本琴絵さんは言う。つまり「近隣諸国の異文化を利用して日本文化を否定すること」が特定の政治勢力の目論見である(54p)。
夫婦別姓を認めるなどは、由々しき文化破壊である。保守陣営はこの点で基本的な勉強が必要だろう。
  
 皇位継承問題が暴走している。
我が国の国体は万世一系であり、古代より先祖の英知によって守られてきた。それがいまでは女系天皇論の主張が大手メディアで大きく唱えられ、あろうことか、悠仁親王殿下の皇位継承権を剥奪して愛子内親王殿下を天皇陛下にするべきというトンデモナイ議論が拡大するに到った。
本居宣長のいう「からごころ」、つまり中華思想の具現化でないのか。
 皇位継承権のパターンを外国に学ぶというのが何故か、流行なのである。
 日本の皇室は神武天皇の肇国のときから男系子孫に限られ、第二十六代継体天皇から天皇五世以内の男孫にまで継承権が拡大し、推古天皇の御代からは男子男系が未成年などの事情があれば、称制(臨時代行)として女性天皇が認められた。
明治なってから男系女子の皇位継承権が欠格し、さらには天皇五世以内かつ法律婚から出生した男系男子の嫡出子に限定され、天皇の皇子であっても婚外子の皇位継承権が欠格した。
この最後の規定は、外国軍の占領と強圧的命令による皇室制度の改悪によって、オランダの「サリカ法」が皇室典範に取り入れられ、これをもって邪な伝統破壊主義勢力が「女系天皇」を画策するという時代になったのである。
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樋泉克夫のコラム 
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 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港149)

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 春と秋、幕間にはタバコが飛び交う。仲間全員に1本ずつタバコを振る舞うのだ。タバコを吸わない身ではあるものの、やはり戯迷としての「礼儀」を失してはいけない。そこで時にタバコを買って、最前列の仲間に振る舞ったのである。

 以上は後日の話。そこで第六劇場を初めて体験したあの日を・・・
 客席は舞台寄りから前・中・後の三段階と区別されていたが、もちろん舞台寄りが最も高かった。高いと言ったところで5香港ドル(当時、1香港ドルは60円前後で、1万円が160香港ドル。1米ドルが360円)ではなかったか。その日、4人が座ったのは、舞台から4、5列目だったような。

 座席左右の板壁は暗い色調。加えて客席の照明は落とされている。客席の暗さに反比例してヤケに明るい舞台では化粧前の役者が立ち回りの稽古をしたり、
「あ~、あ~」などと?子(ノド)の調子を整えたり。舞台右袖では場面(おはやし)が楽器の調子を合わせている。「テケテケテケテケテケテケ」「テイテイテイ、テイ、タ、テイ」「クワーン、テイ、クワーン、テイ、クワーン、テイ、クワーン、テイ」「ラーリーラリー、タラリララリラー」など、生まれてこの方聞いたことのないような奇妙な音が薄暗い客席全体に響き渡る。さて、どんな楽器だろうか。興味は募る。

 舞台の上に敷かれた分厚い古ぼけた絨毯の上では、立ち回りの稽古をしていた。年代物である上に、激しい立ち回りでボロボロ。役者が飛び跳ねる度に、絨毯から舞い上がる埃が照明に照らされ、キラキラと怪しげに輝く。
これが憧れ続けた京劇かと、些かゲンナリ。

 場面が奏でる騒々しいだけの音を耳に、埃立つ舞台の稽古を眺めていると、いつしか場面の「騒音」はピタリと止んだ。稽古も終わったのだろう。
役者は楽屋に引き下がると、舞い上がっていた埃も舞台の上から消えていた。とはいえ、絨毯に戻っただけだろう。

 辺りを見回すと、気づかないままに明かりが点っていた客席は、舞台に近い方からそこそこは埋まっていた。

 しばしの静寂が小屋全体を包む。誰も声を上げない。すると突然、単皮鼓が叩かれ「テケテケテケテケテケテケテケテケ・・・」と甲高い音が客席を貫く。これに続いて舞台左奥で「アーハ-」と一声上がり、顔の真ん中を白く塗った丑(どうけ)が舞台への入り口で「九龍口」とも呼ぶ「上場門」から登場し、舞台中央に向かって歩き出す。
すると三分の一も埋まっていない客席だが、小屋全体を揺るがす万雷の拍手が巻き起こる。

 なにを言っているのか。どこが面白いのか。サッパリと分からないが、客席がこれだけ沸いているのだから、なにか面白いことを言って客をクスグッているに違いない。それ程度は分かる。
 最初の演目が終わると、次が始まる。京劇では舞台に幕があるわけではないし、大道具も使わないから場面展開がじつに早い。
 こんどは九龍口の奥から「オオッホーン」と声が上がる。老生(たちやく)の登場だ。さて最初に見た演目は「捉放曹」であったか、「打鼓罵曹」であったか。はっきりはしないが、ともかくも曹操が主役だったと思うのだが。

 単皮鼓の音に合わせ役者が舞台端の中央まで進むと、その時を待っていたかのように京胡(京劇専用の二胡)が纏綿と響き、役者が唱い出す。すると客席のアチコチから「好(ハオ)!」の掛け声が連続する。

 一節唱って役者が一息入れている合間にも、奏者は弓をゆっくりと長く、時に速く短く動かす。
すると京胡は高く低く、長く短く、ゆっくり速く、これまで耳にしたことのない音を奏でる。その音が心にグサリと突き刺さった。病膏肓に入った瞬間である。
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)本日午後四時からの生番組「宮崎正弘の生インタビュー」(ゲスト=楊海英・静岡大学教授)ですが、コロナ禍で県境を跨ぐ出張が不可となったため、ズーム出演。オンライン番組となります。予めご承知下さい。
 予約画面は下記です。  8月27日(金曜)。午後四時から一時間。
    (未来ネット、旧「林原チャンネル」

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月26日(木曜日)   通巻第7028号  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ハバナ症候群がハリス副大統領アジア歴訪中に発生
  異常音はマイクロ波エネルギーか、パルス状高周波エネルギーか
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 最初に確認されたのは2016年、キューバの首都ハバナの米国大使館だった。
 異常な音に悩まされ、頭痛、めまい、記憶喪失などを訴える館員が続出し、「これはキューバの嫌がらせであり、背後にロシアの特殊部隊がある」などと言われた。
 ジャーナリズムは『ハバナ・シンドローム』と命名した。

『TIME』が大きく特集したので、甲高い異様な音楽音、神経を逆なでするような高音はキューバのアメリカ人への嫌がらせかと云々された。キューバは革命家チェ・ゲバラの肖像があちこちに掲げられているが、辻辻では楽団が演奏してチップで食べているという陽気な国でもある。

 カマラ・ハリス副大統領一行は、8月24日、リー・シェンロン(シンガポール)首相との会談をこなし、ベトナムへ向かう予定だった。フライトは数時間遅れた。随行員がハバナ症候群を訴えて、特別機の出発を遅らせたからだ。ブリンケン国務長官はワシントンで記者団に『原因は全く分からない』と述べた。

 それにしてもカマラ・ハリス副大統領は、アフガン政府陥落という、この微妙な時期に、なぜシンガポール、ベトナムを歴訪しているのか。

 南シナ海のおける中国軍の脅威を目のあたりにして、シンガポール、ベトナムはより一層アメリカを頼りにするはずと、中国包囲網の形成を強化する外交目的があった。
 ハリスの演説の常套句は「アメリカの永続的関与」だった。しかし、このアメリカの姿勢はどれほど真剣に受け止められたのか。

 シンガポールでハリス副大統領は「南シナ海における中国海軍の展開は明らかな脅威」とかたり、またベトナムではグエン・スアン・フック国家主席、アイン・スアン副主席(女性)と会談し「中国に国連海洋条約(UNCLOS)を遵守するよう求める」などと発言した。

 アフガニスタンにおける米軍の無様な撤退を日々目撃しているときだけに各国首脳の反応には米国への信頼感の表明はなかった。
 カマラ・ハリス副大統領のアジア歴訪はバイデン名代の趣があるが、現地紙の反応を見る限り、外交的意義の薄い、単なる挨拶回りていどにしか受け取られていないようだ。

 ところで、ハリスの米国内における人気度だが、バイデンとどっこいどっこいで、30%台から左翼系でカリフォルニアの世論調査機関でも48%程度。次期大統領候補としては絶望的なほどに低いとされる。

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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ★アンディ・チャンのアメリカ通信  ★アンディ・チャンのアメリカ通信 
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アフガンの次は台湾か
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 世界の歴史に残るアフガンの撤退に大失敗をやらかしたバイデンは、その後の記者会見でも続けて自己弁護と嘘の陳述を繰り返したが、今では彼の信用度は限りなくゼロである。アフガンの次は台湾じゃないかと誰もが言い出している。
 中国は米国は頼りにならぬ、米国は台湾を捨てる、台湾は自力防衛ができないと宣伝している。米国国務省はバイデンが大失敗を犯した後、米国が台湾を放棄することは絶対にないと言明した。台湾は自力で防衛できる。攻撃されたら中国に壊滅的な攻撃、例えば三峡ダムを破壊すると言う。これほどの国辱を犯したにも拘らず、バイデンとサヨク政治家はアフガンに取り残された外国人の安否と脱出について一言も言及していない。諸国は米国を信用できなくなったのである。
 アフガンの次は台湾だと言われている。バイデンの無責任な態度で台湾の安否が心配になる。多くの人が台湾の将来についてさまざまな予想を述べている。将来のことは誰もわからないが、私なりに台湾の将来について米中台の三方面から分析してみよう。
 米国:バイデンは「アフガンの為に我々の血を流すことはしない」と言ったから台湾の為に血を流すことも拒否するかもしれない。バイデンの戦略顧問、Jake Sullivanは嘗てヒラリーの選挙参謀をしていた2016年に中国が保有している1.14兆ドルの米国債と引き換えに台湾を放棄しようと提案してヒラリーが良い意見だと言ったことがあった。
ヒラリーが当選しなかったので台湾、東南アジアは救われたのかもしれない。でもアメリカの政治はそれほどクリントン、オバマやバイデンに左右されるはずがない。
 米国では反戦気分が民間にみなぎっているが、サリバンのようなサヨクの意見(陰謀)は別として米国が台湾を放棄することはまず絶対にない。
中国が台湾を併呑すれば米国は太平洋防衛線をグアムとハワイまで引き下げ、アジア諸国との同盟関係を失い、日本、韓国も中国の脅威に晒される。中東は中国の一帯一路が欧州まで伸びて中国覇権が完成する。
つまり台湾を放棄することはアメリカが世界のリーダーから転落し、パックスアメリカーナが崩壊することだ。台湾の地位はそれほど重要なのだ。


 ▼米議会とペンタゴンは台湾重視に傾斜しているが。。

 中国:台湾は中国の派遣進出にとって非常に重要だから中国はどうしても台湾を併呑したい。だがバイデンのアフガン失策で台湾が危なくなったのではなく、国会とペンタゴンはこれまで以上に台湾を重視するようになった。
中共が下手に台湾を攻撃したら大きな戦争になるかもしれず、小さな紛争を起こしても台湾と米国の手痛い反撃をうけるだろう。中国は台湾を併呑するためさまざまな戦略を考慮しているはずだが、ひとまず先に台湾海峡で小さな紛争を起こして米国の出方を見ると思われる。
 武力で台湾を攻略して台湾の経済基礎を破壊するようなことはせず、メディアの宣伝と台湾にいる親中派の籠絡などが主要戦略となるだろう。
武力で台湾を攻撃すれば大きな戦争となって米国、日本の他に英国、オーストラリアなども参戦する。中国が大戦争で勝てる見込みはない。
武力よりも宣伝の方が効果がある。アメリカは頼りにならない、台湾の為にアメリカ人の血を流すことはない、台湾は地力防衛ができないと宣伝して台湾人を恫喝する。その上で台湾内部の親中派を籠絡し買収する。
台湾を籠絡するだけでなく諸外国に働きかけて台湾を孤立させる。これならあまり金がかからないし米国も干渉できない。軍艦を使って海上封鎖や大量の漁船を台湾海峡の中間線まで接近させるなども戦略の一つだろう。台湾の漁船を拿捕してアメリカの反応を見るのも一つの方法だ。

 台湾:台湾は中国の領土ではない。台湾人の90%は反中国である。
中国の武力侵略が成功しても民衆の反抗が続くから兵隊が上陸し占領しても補給が続かないし米国も黙っているはずがない。
そこまでやれば日本や英国も援軍を送るだろう。武力で台湾に侵入しても台湾人の反抗はどこまでも続く。それよりメディア宣伝で台湾民衆の反中国意識と戦意を削ぐ方が安上がりだ。
台湾を武力で併呑するのは難しいが台湾には親中派がいる。外省人、国民党上層部、軍の上層部の他に中華統一促進党と呼ぶ台湾最大の黒社会グループがいる。中共が武力攻撃すれば内応するゲリラが内応する可能性が高い。
つまり台湾内部の親中派はアフガン国内のタリバンみたいなものだ。いつ内乱を起こすかわからない。

 国民党上層部には馬英九、朱立倫などの親中派がいる。彼らは今でも「92共識」と呼ぶ台湾と中国は同宗同族だと言って中共と媾和条約を結ぶことを主張している。媾和論とは「香港方式の台湾併呑」であるから台湾人は大反対だが、中国の宣伝と恫喝に内応して媾和論を唱える親中派が出てくるだろう。
 蔡英文総統は台湾は米軍に頼らず自衛するべきだと言ったが、台湾が「中華民国」の国名を維持し続ける限り中国の圧力が絶えない。
中国は台湾が独立すれば直ちに攻撃すると恫喝している。台湾独立を主張する民意が不十分である上に政党の民進党が反対する。これが現状である。
台湾が独立するには米国をはじめ世界各国が台湾を独立国と認めてからようやく現実となる。

▼台湾の軍隊は戦えるか?

台湾は徴兵制から募兵制になったので90%の兵隊が台湾人の兵士になった。彼らの訓練の程度や士気、戦闘能力と祖国防衛の決心がどれほどかは未知数である。
軍の最上層部は今でも外省人だし海軍には青幇の分子が多く、台湾の青幇は中国の青幇と繋がっている。民間にも竹聯幇、統一促進党などがいる。
 台湾の軍隊は戦えるかという疑問の他に、米国はどこまで台湾の軍隊を信用しているかという問題もある。
米国はこの数年の間に台湾に最新式武器を提供してきた。だが米国は台湾に提供した戦闘機を操縦して中共に寝返った事件や、最新情報を中共に売った上級将校がいたことも忘れていない
つまり米国は台湾に最新軍備を提供しても米軍兵士の血を流すことはしないと思う。第7艦隊が台湾を防衛するに違いはないが陸軍は派遣しないはずだ。
 以上が米中台の三方面から見た現状分析だが単なる私論として諸氏の参考にしたい。
               (アンディ・チャン氏は在米評論家)
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)ワクチンですが、この全世界的な壮大な実験、素晴らしい人間の英知だと思います。失敗に終わるかもしれませんが、それでもいいと思います。
 私たちのDNAは、内在性ウイルス様配列など、いろんなものの寄せ集めで、今も、どんどん変わって行っている!遺伝子を組み替えようとする勢力はいくらでもあって、逆転写酵素を持ったレトロウイルス、染色体上を動き回って、あっちこっちにくっつくトランスポゾンなどなど。
細胞に入り込んで、影響を与えようとするプラスミド。ミトコンドリアや葉緑体も、その仲間ですよね。
だから、今回のちっぽけなRNAなど、取るに足りないと思うんですが。私たち人間の遺伝子が、未来永劫今のままでいられるわけがない! だから、遺伝子組み換えなど、どんどん研究しておかないと、いざというときに間に合わない。
危険だと言って止めてしまっても、どこかの国がどんどんやってしまう。
ニュートリノで日本に先を越されたアメリカは、国の威信をかけて重力波検出装置を、莫大な予算をかけて作りました。30キロの構造物を2本って!宇宙から飛んでくる、ブラックホール通しの衝突だったか、超新星爆発だったか?
重力子「グラビトン」が見つかって、それが操作できるようになれば、すごいことになりますよね。
素粒子の研究が進めば、今は知られていない、目に見えない力などもわかってくるかもしれません。
私には眼球がありませんので、あっちこっちを見て歩くことがしにくいですから、宮崎先生のご著書は、本当に楽しいです。写真や地図が見えたらもっと楽しいだろうと思いますが。死んだら、自由になって、未来の発展を見て回れるんじゃないかと楽しみにしているのですが、甘いかな?
生前の行いが悪いので、地獄に長期間留め置かれて、晴れて自由になれることがあったとしても、すでに人間が滅びていたりしますかね。
  (TT生)

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(読者の声2)25日のフロントジャパン(有識者会議と継体天皇の謎)は見応えがありました。ホスト役の葛城奈海さんの「回天」の話も非常に哀切で、涙がでました。
 左翼学者が正統性を議論する継体天皇のことですが、宮崎さんは現地に実際に行かれた経験から繰り出す継体天皇の知られざる戦略は、初めて聞く話ばかりで、目から鱗の連続でした。歴史学者のありきたりな解説を一気に粉砕するような快論でした。
こんな重要な解説を、ミニテレビだけでなさるのは勿体ないと思いました。また古志国の続きをなさると予告されておられましたが、それは何時でしょうか? 楽しみです。
   (TY生、茨城)


(宮崎正弘のコメント)継体天皇の謎に関しての拙論は、9月1日発売の『正論』です。単行本「古志国の謎」は11月刊行予定です。
また古志を従えた大和朝廷が東北蝦夷を討つ話で、各地に残る城柵紀行ですが、9月22日のフロントジャパン番組の予定です。

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(読者の声3)貴誌によれば、お住まいの文京区、新宿でガス供給がとまったとか。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210824/k10013220871000.html
 都市ガスはプロパンと違って、その場で交換できないですから、地域全体が痲痺します。非常食を配布したり、銭湯は無料開放、コンロ貸し出しとか、災害並みの報道がでていますが、恢復されたのでしょうか?
   (DF生、茨城)


(宮崎正弘のコメント)土曜の夕方から昨晩(25日)まで拙宅もガス不通でした。ようやく新宿区の半分と文京区の四分の三ほどが恢復しておりますが、まだ工事中の地区があります。附近の飲食店は殆どが強制的な休業となりました。都市ガスの脆弱性が露呈したわけです。
 東京ガスは本隊、下請け、孫請けに警備会社を総動員、あたり全域はいまも24時間、徹夜の作業が続き、工事車両と点滅看板。その機動力の迅速さには感心したりしています。災害時の救援活動も日本ではたしかに機動力があり、後方支援は確保されているようですが、防衛前衛の中枢(つまり永田町と霞ヶ関)は、脳幹痲痺というところですかね。
 洪水や豪雨、台風のような映像にはなりませんが、炊飯出来ず、お茶も沸かせず、弁当を買ってきて、ペットボトルのお茶という生活が五日もつづけばウンザリでした。この上にコロナ禍が重なり、なるほど「災害は忘れたころにやってくる」。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月25日(水曜日)弐   通巻第7027号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~CIA長官、極秘にカブール入り。タリバン最高幹部と会談か
   『ワシントン・ポスト』が速報。CIAは沈黙
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 8月23日に、CIAのウィリアム・バーンズ長官が極秘にカブールへ入り、タリバン最高幹部のバラダルと面談したと『ワシントン・ポスト』((8月24日)が伝えた。
 CIAは否定も肯定もしておらず、確認は取れていないが、世界のメディアは大騒ぎをしている。

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樋泉克夫のコラム 
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 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港148)

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 周囲は普段は見たこともない老若男女が大騒ぎ。しかも、それがワンサカといるわけだから、2人が緊張しないわけはない。その緊張ぶりが繋いだ手から伝わってくるようだった。人混みをかき分けながら第六劇場へ。

 劇場とは言うものの、芝居小屋と呼ぶに相応しい侘しげな佇まい。入り口にドアがあるわけではなく、外から中は丸見え。だから立ち見を我慢しさえすれば、無料で芝居を見ることが出来る。スルッと中に入って最後列の椅子に座ってしまえば、タダで舞台が楽しめる。誰といって咎め立てする者はいない。なんとも鷹揚で長閑な時代だった
もっとも、入場客の大部分が京劇なんぞに興味があろうはずもないから、入り口に立ち止まってもヒヤカシ程度で立ち去る。カネまで払って第六劇場に入れあげるような「戯迷(しばいくるい)」は、当時の香港でも、やはり余ほどのモノズキであったに違いない。

 程なく、晴れて戯迷の仲間入り、いや見習い扱いを受け、観劇三昧の日々を送ることなったわけだ。事実、京劇にはまり、夜の?園通いが日常化するようになると、第一日文の学生などを含め、周囲の誰からも奇異の目を向けら、誰の顔からも「モノズキにも程がある」といった雰囲気が伝わってくるようだった。だが、この道だけは止められない。

  第六劇場に戻る。
入り口の右手に置かれた縦横1.5mで高さが2mほどの小屋が切符売り場だった。その中にオッサンが座席表を客の方に向けて座っている。客が望みの座席を指さすと、手にしたチビた赤鉛筆で座席表に印をした後、切符に座席番号を書き込み渡してくれる。ここで忘れてならないのは、演目の予定と役者名が記された「戯単」を受け取ること。それというのも戯単は芝居を楽しむ上での最良の手引きだからだ。いずれ細かく論じてみたい。

かくて切符と戯単を手に入場するが、場内案内などいるわけがないから自分で座席を探す。 
 もっとも足繁く通うようになると、最前列の舞台に向かった右から3番目(2番目?)の席が定席となった。そこでオッサンはこちらの顔を認めると即座に座席表に印し、黙って切符を渡してくれるようになった。1年ほど通う頃には「自己人(なかま)」と認められたのか、晴れて顔パス待遇に昇格していた。

 第六劇場の構造を簡単に記すと、土間はコンクリートの打ちっぱなしで、客席は舞台に向かって緩い下り勾配だった。中央の通路を挟んで両側に、坐る部分が折りたためる木製の安っぽい椅子が片側6、7席ほど。小屋全体では満席で300人ほどになろうか。

 じつは京劇を含む中国の伝統芝居は、基本的には大道具は使わない。椅子に机に小道具、それに役者の五体の動きと場面(おはやし)の音だけで、ありとあらゆる情景を舞台の上に描き出してしまう。
取り立てて大きな舞台は必要ない。だから第六劇場のような小ぶりの舞台であっても、無限の空間を描き出せる。第六劇場では役者の息づかいが客席最前列の客には皮膚感覚で堪能出来た。芝居をライブで楽しむには手ごろな規模の小屋だった。

 とはいうものの、板を打ち付けただけの壁で、なんの装飾もない。夏は暖房で冬は冷房だから、とてもじゃないが快適とは程遠い。天井に大型扇風機が設置されているが、これが役に立たない。そんな時は戯迷仲間の誰かが冷えたビールを持ち込んで、銘々に紙コップを渡し、幕間にグビーツと喉を潤す。

冬は寒い。建て付けの悪い老朽化した木造建築だけに、方々の隙間から冷たい風が吹き込、み、うちっ放しのコンクリートの床からの冷気が靴底に伝わり、やがて体全体を冷やしてしまう。
だが舞台に集中するから首から上は熱い。すると頃合いを見計らって、戯迷仲間の誰かが第六劇場隣の客家料理レストランに行って、熱燗の紹興酒を持ち帰って仲間に振る舞ってくれる。
最前列で京劇を楽しみながらの紹興酒。至福中の至福の時だ。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)随分前でしたが、貴誌がフィリピンの次期大統領選挙をめぐって、パッキオ(ボクシング世界チャンピオン)も出馬するし、ドゥテルテ大統領は長女(ダバオ市長)を立候補させ、自分は副大統領で、事実上の院政をひく可能性が高いと予測されていました。
昨日(24日)、ドゥテルテ大統領は、正式に「次は『副大統領』に立候補する」と表明しています。プーチンが大統領から首相となり、また大統領となり、憲法改正で先の先まで居座るように、ドゥテルテ大統領も同じ手口でのぞむというわけですね。
   (DS生、さいたま市)

(宮崎正弘のコメント)ただし、フィリピンの選挙制度では大統領、副大統領のチケットで臨むというアメリカ式ではなく、大統領と副大統領は別々の選挙(投票日は同じ)です。
 政治の世界は一寸先が闇、長女は健康問題を抱えており、大統領はパッキオ、副がドゥテルテという、アンバランス政権となる可能性も0・5%ほどあります。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月25日(水曜日)通巻第7026号  <前日発行>

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~アリババ金融子会社「アント」上場延期の裏に隠れていた汚職
   杭州市書記の周江勇が落馬。累は25000名に及びそう
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 浙江省党委常務委員、杭州市党委書記(つまり杭州市のボス)周江勇は、「重大な紀律法律違反」容疑があり、中央紀律検査委員会と国家監察委員会の紀律審査と監察調査を受けている、と報じられた(8月22日)。
芋づる式に広州市高官や大手企業、杭州市前に周の赴任地だった党委員会の後輩たち、合計25000名が捜査対象になる。

 周江勇は、杭州市が本丸の「アリババの後見人」。馬雲(ジャック・マー)と「刎頸(ふんけい)の友」を自他共に認める。周江勇は、馬雲に「功勲杭州人」の称号を贈った。伝奇的な人生と業績が杭州で改めて顕彰されたのだった。

周江勇は顕彰理由を、「馬雲同志は杭州で生まれ育ち、学び創業した。西湖のほとりで英語を鍛え、杭州師範学院に入り、海博翻訳会社をつくり、中国イエローページからアリババを創業。その伝奇物語は津々浦々に広まっている」と称賛した。

 容疑はアント株をめぐっての捜査から浮き彫りになった。
アリババの金融子会社「アント」は昨秋、上場直前になって延期とされ、すでに一年近くも延期のまま、というよりたぶん上場はなくなって、アント株購入を予約した投資家にはお金が返金されたという。

 なぜ延期になったかと言えば、アリババの馬雲発言が習近平にとってお気に召さなかったからだけではなかった。馬雲は「中国の金融市場のシステム改革というが、中国にシステムはない」とうっかり本当のことを発言したため、目を付けられていた。

アリババ傘下の金融会社「アント」(蟻蟻集団)は、中国政府の薦めるデジタル人民元の普及の最大の障害物となる。上場を延期させた裏の意図は、アント株購入予約者の大半が、習近平の敵視する江沢民派の面々であり、しかもアント最大の株主は江沢民の孫である。どんな手を使ってでも、殴殺してしまえ、というのが習近平の降した結論だったと考えられる。

 周江勇は家族名義で、このアント上場株の事前申し込み5億2000万人民元を支払っていたという。日本円に換算して80億円近い巨額を、いったいどうやって調達したのか。いや杭州市のボスって、それくらいの収賄は常識的なのか。

 周江勇は浙江省寧波生まれの54歳。教員をしていたが、入党後めきめきと頭角を現し、寧波市象山県書記、舟山市書記、温州市書記ととんとん拍子、2018年から杭州市書記となった。観光名所西湖をかかえる同市は人口およそ1000万。アリババ本社がある。

 これまでに大都市の党委員会書記の失脚は過去七年に三人がいる。
 2014年に広州市書記だった万慶良が1・1億元の収賄で無期懲役。財産没収。
同年、済南師書記の王敏が1805万元の収賄で12年の徒刑。
 2015年、南京市書記の楊衛澤が1643万元の収賄で12年。
 科挙制度時代から中国人の汚職体質はかわらないなぁ。
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~殿軍は昔から難しい軍事作戦だった
  史上最悪の信じられない殿軍を世界に曝したバイデンの無能
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 アフガニスタンからの撤退作戦を進める米軍は新たに5800名の米兵を投入し、空港へたどりつけない米国人のために数カ所のヘリポートを作るとした。
 空港警備はトルコ兵が担っており、パスポートとヴィザをもつアフガニスタン人を空港内に収容している(8月23日現在)。

 英国がトルコに対して「亡命センター」を設置するように働きかけ、トルコが拒否したというニュースが流れた。イラン経由でトルコへ向かったアフガニスタン難民は、トルコから追い返されているとNYタイムズが伝えた(8月24日)。
 トルコ外務省は「英国の要請はないし、フェイクニュースであり、どこからも亡命者センターの設置など要請されていない」と声明をだした。

 トランプ前大統領は集会で「なんというみっともない、恥辱にみちた撤退か。史上かってない、最悪の作戦であり、信じがたい無能ぶりを世界に曝した」とバイデンをこき下ろした。そのうえで、「五つの米軍基地は爆破してから撤退すべきだった」と批判した。

 アフガニスタン国内にあった米軍最大のバグラム基地から七月に唐突に米兵が居なくなり電源を落として去った。置き去りの食物は腐っているという。この基地はもともとソ連がアフガニ侵攻時に建設し、ソ連撤退後は「北部同盟」とタリバンが争奪戦を演じた。

 2001年に米軍がやってきて、2本の滑走路に100機以上が駐機できる拡張工事を行い、最大時には一万人が駐屯していた。ブッシュ・ジュニア、トランプのアフガン電撃訪問は、このバグラム基地である。

 2007年にチェイニー副大統領がバグラム基地を訪問したときは、自爆テロで23名が犠牲になった。チェイニー副大統領は命拾いをした。

 古今東西、殿軍は軍事作戦のなかでも至難の行動で、有名な金ヶ崎城撤退は秀吉の手柄話に改竄されているが、実際の殊勲者は明智光秀である。
敦賀の現場へ行けば分かる。金ヶ崎城への入り口から山麓にかけて明智光秀の見事な殿軍作戦をたたえる幟が立っている。光秀は鉄砲隊を幾つかの斑にわけて巧妙に作戦を展開して敵軍を寄せ付けず、際立った撤退作戦は語り草になっている。
秀吉は、この時点では中隊長クラス、殿軍を務めたというのは信長も光秀も死んでからの「創作」である。
 
 大東亜戦争の敗戦後、シナからの邦人引き揚げでも、民間人の安全収容を見届けるまで根本中将は武装解除に応じなかった。
他方、満州では、ソ連軍を信じた日本軍が武装解除に応じたため、70万人近い日本兵はむざむざとシベリア抑留となった。民間の犠牲者は数十万人に達した。関東軍参謀本部の責任は重い。

 バイデン政権においてペンタゴンは無能な高官に囲まれてしまったのか。
 次期駐日大使は、この無能大統領に近い元シカゴ市長だというから、日米外交に齟齬が生まれるのは時間の問題かも知れない。
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)宮崎さんの最新刊『日本人が知らない 本当の路地裏中国──乗って歩いた! 全33省旅遊記』(啓文社書房)を拝読しての感想です。
中国の誰も行かないような奥地まで、それもガイドブックには載っていない裏道など、興味津々。ハードボイルド的な文体もスピード感があって、臨場感がありました。それにしてもあの日本の26倍の面積のある中国全33省ですから、時間と費用もたいへんだったでしょうが、基本は好奇心のエネルギー。たぶん宮崎先生は後期高齢層ですから、自ら『暴走老人』と言われるように、健脚なのでしょうね。
この本に限らず、旧ソ連圏30ケ国すべてを廻っての見聞記(『日本が全体主義に陥る日』、ビジネス社)はカラー写真満載でしたし、中国の一帯一路のアジア各国篇(『地図のない国をゆく』、海竜社)なども、何も知らなかった東チモールだとか、ブルネイとかミャンマーの奥地のチャウッピューだとか、大いに参考となります。
コロナ禍で、外国に行けなくなると、宮崎さん、今度は俄然、国内取材なのですね。
 『真説・歴史紀行 日本のパワー・スポットを往く』(海竜社)、『神武天皇以前(縄文中期に天皇制の原型が誕生した)』(育鵬社)などは日本各地の古代遺跡を写真と一緒に紹介されていて、内外への好奇心の強さに感服しております。
 国内なら老生も行けそうですので、まずは貴著『日本のパワー・スポットを往く』を片手に、近いところから廻ってみようかと考えているところです。
   (DF生、行田市)


(宮崎正弘のコメント)お住まいの行田市といえば、雄略天皇(ワカタケル)から、ご当地の当時の有力豪族に贈られた刀(稲荷山古墳出土鉄剣=国宝)を展示する博物館と古墳がありますね。
 この「埼玉県立さきたま史蹟博物館」は見応えがあります。埴輪の試作教室もあります。
https://sakitama-muse.spec.ed.jp/%E5%9F%BC%E7%8E%89%E5%8F%A4%E5%A2%B3%E7%BE%A4%E7%B4%B9%E4%BB%8B/%E7%A8%B2%E8%8D%B7%E5%B1%B1%E5%8F%A4%E5%A2%B3
 拙著国内版の次の予定は『現場をあるいて解けた「古事記」の謎』(仮題)です。十月頃には出版に漕ぎ着ける筈です。

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(読者の声2)菅首相は地元で赤恥の選挙戦敗北。門田隆将氏もさじを投げた様子です。
 門田隆将さんはTwitterを使っています 「菅首相で自民は敗北の連続。3月の千葉県知事選は百万票差の惨敗、4月の衆参3選挙も全敗。7月都議選は過去2番目に悪い結果で横浜市長選はお膝元での敗北。9月17日告示、29日投開票有力の総裁選。それでも派閥の締めつけで高市早苗氏の推薦人削りに躍起の自民党。もはや末期的。
https://t.co/WOma1rbWrc」 / Twitter
菅首相はぐずぐずしてないで、石垣市が求めている、尖閣の標柱を建てにいく許可を与えれば、総裁選挙も衆議院選挙も大勝利になるに違いないでしょうにね。
   (HT生、大田区)


(宮崎正弘のコメント)ガースでは自民大敗は必至です。管降ろしは静かに始まっており、パラ五輪が終われば政局は一気呵成に総選挙態勢になります。新しい貌で勝負に出るか、管で惨敗するか。
 しかし、政局は流動しますが、大本は、私たちが何を守るかでしょう。
 三島由紀夫の『反革命宣言』から次を引用します。

 「われわれは自民党を守るために闘うのでもなければ、民主主義社会を守るために闘うのでもない。もちろん、われわれの考える文化的天皇制の政治的基礎としては、複数政党制による民主主義の政治形態が最適であると信ずるから、形としてはこのような民主主義政体を守るために行動するという形をとるだろうが、終局目標は天皇の護持であり、その天皇を終局的に否定するような勢力を、粉砕し、撃破し去ることでなければならない」。

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(読者の声3)コロナ危機に対して世界中でマスク着用が強要されています。極微のコロナ菌にはマスクは感染菌対策としては全く不適です。感染症の医者もインターネットで宣言しています。
現に中国、アメリカ、日本等では異様なマスク社会です。然しながら感染者は急拡大しています。自分の頭で考えない衆愚な大衆のマスク集団は異様な雰囲気です。マスク着用の日本でもコロナ感染者が急増しており、異常事態宣言の東京でも10万人ほどが自宅治療です。英国では政府がコロナ対策を放棄して、全てが個人責任に移行しました。
私はコロナ等の細菌の殺菌のため太極拳の螺旋棒を利用しています。
この棒は陰陽合一の原理から身体に強力な電気エネルギーを流します。このエネルギーが体内の細菌を瞬時に殺菌します。また免疫力を高めて細胞を活性化します。この陰陽合一の原理を応用した製品に乾電池類があります。雷も低気圧と高気圧の陰陽合一から生まれます。妊娠も男女関係の陰陽合一の原理です。太極拳の螺旋棒から生まれるエネルギーは、陽の人間と陰の木(気)との陰陽合一から信じられない程のエネルギーを発生します。連日から木(気)に接している「きこり」に「樵夫に病なし」の具体例です。
東洋文明の成果である螺旋棒はコロナ危機に対する決定的な方法です。この方法を考えた14世紀の中国人は137歳まで長寿しました。このエネルギーは強力であり、鏡を利用して反射エネルギーを鼻あたりに放射すると、すぐに鼻血が出ます。この様に本質的な健康対策のためマスクの着用は不用です。なお中国人の「リン チェ」という女性が書いた、螺旋棒を利用した「元気すぎてゴメンナサイ!」(文芸社)の書籍や多数の陰陽合一の例がインターネットに記載されています。
異常な衆愚の大衆のマスクの着用は廃止する。この螺旋棒で全てが解決します。世界的に問題が発生しているワクチンの注射は不用です。マスク着用の中国ではコロナ感染が大異常環境となり、国境封鎖に入っています。ビザの発給が停止される模様です。
マスク着用のアメリカでもコロナ被害が急増しています。バイデン大統領はアフガニスタンとコロナ危機の急拡大で周章狼狽です。コロナ危機の決定的な対策は極微の感染菌が単に通過するだけのマスクではなく、太極拳の陰陽合一を利用して宇宙を活用する偉大な螺旋棒の殺菌しかありません。
  (HK生) 
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月24日(火曜日)   通巻第7025号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~アフガニスタン国内に複数の外人テロ部隊
  AQ、ISばかりではなかった。TTPにIMUに、ETIM。。。。。
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 AQはアルカイーダ。ISはイスラム国。TPPは「環太平洋パートナーシップ協定」ではなく、「パキスタン・タリバン運動」である。
 タリバンがアフガニスタン全土(一部を除く)を制圧したことで、違う事実も浮かび上がってきた。

タリバンが重ねて否定してきた外人テロ部隊の存在である。
複数の外人テロ部隊が確実にアフガニスタンに残留しているのだ。タリバンは「外国人武装組織はアフガニスタン国内に存在しないし、他国への出撃基地にはさせない」と言明しているが、ロシア、中国ばかりか隣国のパキスタン、ウズベキスタン、タジキスタンは、タリバンの発言をまったく信じていない。

 中国がもっとも懼れるのはETIM(東トルキスタン独立運動)で、2020年11月にアメリカはETIMをテロリストのリストから削除した。
中国はアメリカの情報提供を受けられなくなり、独自でスパイ団をカブールに送り込み、偽装団体を名乗って、ウイグル人組織の洗い出しをはじめた。アフガニスタン公安部は、これをスパイ集団として、中国人十名を身柄拘束した。

 インドの情報機関筋として『ザ・タイムズ・オブ・インディア』(8月23日)が伝えるところでは、ETIMの主力部隊はまだシリアとトルコ国境に大部分が停留しているようである。

 パキスタンが警戒するのはTPP(パキスタン・タリバン運動)だ。1500名から2200名のテロ実行部隊があり、タリバンと密接な関係にあるという。
 一時は鳴りを潜めていたが、2020年に再結集が図られた。なにしろパキスタン政府打倒を唱えてテロを繰り返してきた。パキスタン国境に近いアフガニスタン南西部におよそ3000名の残留があるとパキスタン情報部は睨んでいる。

 IMUは「ウズベキスタン・イスラム運動」。アルカイーダと緊密な連携をとり、中央アジア諸国、とくにキルギスで外国施設などを標的にテロ、爆弾闘争を展開する。アフガニスタン北部を拠点としている。

 もっとも懼れられているのはアルカイーダとISで、両派あわせて、およそ8000名から一万の兵力があるといわれる。

 もう一つの謎の存在がハカニ集団である。
タリバンとも密接に繋がっているものの、実態は独立組織で、タリバンやAQに細胞をつくり、ハッキング、爆弾製造、ロケット弾修理などに長けている。しかも、このハカニ集団はパキスタン情報部と強いコネクションがあると言われている。

 タリバンの政権はまだかたちが見えないが、欧米は撤収を急いでおり、わが自衛隊も邦人救出のため輸送機c130が昨夜(23日)、入間基地を出発した。

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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)明日(8月25日)の桜チャンネル「フロント・ジャパン」は、宮崎正弘さん、葛城奈海さんのコンビでお送りします。
 8月25日午前1100-1200の生放送です。テーマはアフガン、横浜市長選、有識者会議などの予定です。
  (日本文化チャンネル桜)

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(読者の声2)「未来ネット」から「宮崎正弘の生インタビュー」番組の予告です。
8月27日(未来ネット)午後四時から一時間の生番組です。
ゲストは楊海英先生。テーマは「ウイグル、チベット、南モンゴルを忘れるな」(アフガニスタン大混乱の影に隠れたが)です。
 下記に予約画面があります。
https://www.youtube.com/post/Ugx3LUNF6nH2pfOC0jd4AaABCQ

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(読者の声3)アフガニスタンの米軍救出作戦ですが、クウェートやドバイといった湾岸地域から米軍のC-17輸送機がバンバン飛んでいる。
https://www.radarbox.com/@30.95826,63.46673,z5
 アフガン国境を越えカンダハル手前辺りで信号は消えますがカブール空港行き間違いなし。一機あたりすし詰めで800人とすれば10機で8000人ですが、アルジャジーラを見るとカタール到着便の映像ではアフガン人の避難民は大型のハンドキャリー1個+リュックなので500人くらいでしょうか。
 ロシアのスプートニクによるとドイツはアフガンに残したワイン340本とビール樽6万5000個を回収するため特別機を派遣だという。
 「アフガニスタンから回収したアルコール量は合わせて2万2500リットル。ビルド紙によれば、ドイツ政府が回収したアルコールはマザーリシャリーフ市にあるブンデスヴェル基地に残されていたもの」
https://jp.sputniknews.com/europe/202108218639695/
  (PB生、千葉)

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(読者の声4)新型コロナについて
 8月22日、ベトナムでは737名の犠牲者がでました。タイでも貧困層のデモが発生しています。アジア人の「弱い免疫」もデルタ株には効かないようです。一方、日本では感染爆発寸前ですが、犠牲者率は上昇していません。弱毒化しているようです。
また再生産(伝染)率もいまのところ上昇していません。
但し、日本政府発表はありませんが、ベトナム政府は既にデルタ株は「空気感染」と発表しています。イギリスのサッカー試合6万人観戦では約10%の約6000名が感染しました。接触感染では10%にはならないような気がします。
ワクチン接種したイギリス・イスラエルでは感染者増です。ワクチンはデルタ株には効かない可能性もあります。政府は「周りの人のためにワクチンを接種しよう」と宣伝していますが、ワクチン接種後、感染者になれば周りに未接種者と同様に回りにワクチンをまき散らすため、この宣伝はプロパガンダでしょう。
三人に一人が感染者ということは各家庭に一人の感染者ですから特に大都市圏はいきわたりました。観戦後は「最初の一週間」が勝負で、一週間を超えるとウイルスは狂暴化します。
対策は免疫力を強化すること。朝いちばんに心拍を上げる位の運動、ビタミンC,ビタミンD, 亜鉛他。
だるいと感じたら葛根湯で体温を上げること。初期の熱に対して解熱剤を使用してはいけません。詳しくは石黒先生のユーチューブをご覧ください。
【新型コロナ】川崎で新たに647人感染 70代男性死亡
https://news.yahoo.co.jp/articles/b73e607f7370c871a6ec3789fbfd5ba5c87b2889
石黒先生のYouTube
https://www.youtube.com/watch?v=q1ahJBZXIr0

(R生、逗子)

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(読者の声5)『中央日報』によれば(8月23日)、ブリンケン米国務長官は22日、アフガニスタンのガニ大統領が15日の首都カブール陥落前日まで戦うと言いながらその翌日に海外へ逃避した、と話した。ガニ大統領はタリバンがアフガニスタンの最後の砦である首都カブールまで包囲すると、15日に妻や参謀陣とともに国外に逃避し、カブールは当日にタリバンの手に落ちアフガニスタン政府は崩壊した。とあります。
 これは、ガニ大統領と言おうか、アフガンの民族性だろうが、アメリカの責任が最も大きいと思う。民間人より先に軍隊を撤退させるような国を、誰が信用しようか。アメリカは、国務相、国防相、CIAとの意志疎通がないことをさらした。さらに、ガニ大統領を突きはなしたのであろう。
 敵は、侵攻するのに三つの方法が考えられる。だが、敵は第五の方法で侵攻して来るものである。アメリカは撤退の順序を間違えたようだ。軍事専門家ではない私でさえ犯さない、初歩的作戦の誤りである。
 当然、米大統領以外の人は分かっている筈である。それを、あえて、強く進言しなかったのであろう。米大統領を引きずり降ろす、何者かの勢力が働いたとした思えない。
 最高司令官不在の国は、こうなることの見本であろう。海と山岳は根本的に違うとは思うが、台湾や尖閣は大丈夫であろうか。
 もはや、日本が主力となり、アメリカより、英独仏印豪台との連携を強めるしかない。
    (斎藤周吾)

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(読者の声6)ニュースで、新宿区と文京区でガス管に土砂が流れ込み、都市ガス供給が止まったとか。

このあたり、ひょっとして宮崎先生のところじゃありませんか。お見舞いを申し上げます。  (JJセブン)

(宮崎正弘のコメント)ご明察の通りで、映像に出てくるのは近所です。ガスが停まるのは滅多にないことですが、このあたり30年前までは神田川が氾濫し、拙宅も三回、床上浸水。懲りて二階以上に住んでおりますが、以後は暗渠ができて洪水はなくなりましたが、こんどはガスでした。災害は忘れた頃にやってくる、という格言を思い出します。

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(読者の声7)地方を見てきましたが、元気がありません。基本はワクチン接種を進めながら、実業活動を再開するするしかないでしょう。
コロナは一過性ではないと見て、政府は長期的な体制を作るべきです。そのために大量感染者用の大型収容施設を全国に作る。
また看護人を増やすための短期の教育制度を作ることが急務です。なお、居酒屋の前を通ったら2回ワクチンの人にビール一杯サービスと書いてありました。民間の必死の知恵です。ワクチン接種済みのグリーンカード提示制度を急ぐべきです。鳴くまで待とうホトトギスの時代ではありません。
アフガン問題は、サイゴン陥落に例える人が多いが、私はプノンペンの陥落に似ているのではないか、と思っています。それはタリバンがクメールルージュ同様人命を軽視し異様に残酷だからです。
マスード司令官の子息がタリバンに対抗するようなので、西側は反タリバン勢力を軍事支援すべきなのではないか。タリバンに国家全土を支配させるのは危険です。
今回の米国の大撤収の目的は、大統領選挙の再選狙いでしょう。これは1945年のトルーマンの支那全土からの米軍撤退に似ています。?介石の国民党軍は心理的に米国に依存していたので、国共内戦が始まると総崩れになりました。
米国への依存心があると軍の士気は下がります。日本も米軍が撤収すると自衛隊が解体する恐れがあります。早く特例法で軍法を付加し正規軍にすべきです。自衛は憲法が認めているので憲法改正は不要です。
(落合道夫)

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(読者の声8)多様性vs単一性、安全vs危険、自然(神)vs人間の傲、などの問題が現在の武漢菌とその対策の根本にある。組織の運営の方針として、利益の最大化、費用の最小化、などは自明の事として受け入れられ、それに成功した組織は繁栄し、旧態然の複雑で非効率的な伝統、文化、仕組みを固辞するものは当然に淘汰される、されても構わない、当然な進歩である、という常識が認められて久しい。
しかし、この論理を進めると、極めて能率的であるが、「脆弱性の危険」も同時に高まる。うまく行っている間はいいが、想定外の事態になると、全てが瞬時に崩壊する。近年、金融市場では、統計学上「千年に一度の想定外」の事態が頻繁に訪れるが、専門家はこんなことは予想できないから、「事後に対処」するよりしょうがない、と言う。
 金の問題では、何とか工面して処理出来得るが、人類の生命に関しては、事後処理的な解決ができない問題になる。特に全人類が被害の対象になると、金利を下げたり財政出動、などの解決策が存在しない。
万知万能の創造主は、その回答として、「多様性」を組み込んだ。意図的に、わざと雑多な種類を、高価な非能率性を対価に、全ての生き物を設計し製造した。そのおかげで、長い間、あらゆる危機を乗り越えてきた。
 その設計者の図面、DNAの秘密の解読が始まり、かなりの成果が生まれたが、それはほんの僅かな知識・理解の上でのことで、実は不理解の部分が極めて多い。
わかっていない事、を知ることは不可能であるが、傲慢な専門家、DNAを単なるプログラムの問題として扱う研究者は、結果・成果・実用化出来る商品を作り、経営者はその膨大な利益を無視するわけにはいかない。仮に商品、新ワクチンが将来、変な結果を生み出す懸念があっても、売り出す、特に政府から巨額な前払い、免責、が与えられれば、拒否できない。
 自動車の安全性を保証するために、衝突事故の際に車体が崩壊する状況をコンピューターを使って架空の車で実験する。実物を作り、壊すより遥かに早く安上がりであり、色々な工夫をして試すことができ、広範に使われている。しかしこれは純粋に物理的な物の反応・動きについてであり、その正確さはかなり高い。同様なシミュレーションは人間社会、経済、社会、政治にも使われるが、余り信頼できないし、当たらない。
 苫米地英人(とまべち・ひでと)氏によると、今回のm RNA、武漢菌ワクチンの治験は、従来の動物、人体実験を飛ばして、試験管ではなく、全てコンピュー
ターの中での架空の操作・実験によって作られた、と言う。しかも、1。このワクチンなるものは、体内に「受益者」と言う烙印が保存され、その「しるし・標的」をめがけて「攻撃」される可能性もある、と言う。2。すべてが、コンピューターのアプリを扱うように運用されるために、製造過程などで、外部・敵から侵入され、改造される、つまり改竄・兵器化も容易である、3。武漢菌そのものは、次のワクチンを打たせる手段であって、その次の段階の準備として計画されている、かもしれない。故に、私は打ちません、と言っている。
 という5/27/2021の動画を見ましたが、生物学者・医師達の意見と同じであるが、解析の理由・立場が違う。氏の話は39分20秒あたり、から。
https://www.youtube.com/watch?v=YBaYitswqmg


 末筆になりましたが、政治家かつ農家でもある山田正彦氏も同様な「遺伝子組み替え」による危険性について長年、日本政府、世界企業と戦っておられる。
ここにも、日本の指導者が国民を平気で犠牲にする証拠が挙がっている。ちなみに、歴史学者としては珍しい保守派のヴィクター・ハンソン氏(victor d. hanson)も農家を兼業している。足が地についている。氏は日本では許されない戦争学が専門。
(在米のKM生)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和三年(2021)8月23日(月曜日)
通巻第7024号  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜「北部同盟」の残存部隊が反タリバンの狼煙。三箇所を制圧
   「パンジシールの獅子」の遺児が軍事的反撃を声明
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 アフガンがタリバンの手に落ち、アフガン・イスラム首長国(阿富汗伊斯蘭酋長国)を宣言した。ともかくタリバン(塔利斑)がカブール(喀布爾)を軍事的に抑え込んだのは事実である。『ザ・タイムズ・オブ・インディア』(8月21日)に拠れば、国際空港での犠牲は20名となり、労働者が逃げ出しため、施設が十全に機能していない。軍用機専用となったので、パキスタン空港はカブール便を中断した。

 しかし、国内で全体主義統治が始まるかと言えば逆で、すでにタリバンに軍事挑戦を始めた軍閥がある。パキスタンの有力紙「ドーン」に拠れば、パンジシール渓谷の周縁三箇所で反タリバン軍閥が、タリバンを押し出した。一方で統制がとれていない軍閥のなかには略奪行為を行っている。本質は山賊と変わらず、人を殺すことは知っていても組織的軍隊としての行動規範がない。

 かつてソ連と戦ったムジャヒディーンの「北部同盟」の司令官であり、国防相にもなったマスードは「パンジシールの獅子」と呼ばれたカリスマだった。
パンジシール渓谷の一帯だけはソ連軍もタリバンも手が出せなかったため、タリバンに教唆されたアルカィーダの偽装ジャーナリストによってマスードは暗殺された。2001年9月9日。NY貿易センタービル襲撃の二日前だった。

遺児のアフマド・マスードは8月19日に、「父の後を継ぐ準備がある」と宣言した。
マスード元国防相は反ソビエト・反タリバン連合を統率した英雄でもあり、その残存勢力はカブールの北東150キロのパンジシール渓谷に部隊を集結させた。およそ6000人の武装集団で、ヘリコプター数機、装甲車などを保有しているが、いずれも30年前のソ連製という(『ドーン』、8月22日)
 米国はただちにタリバンに経済制裁を課したため、ATMからの現金引き出しが殆ど出来なくなっている。ウエスタンユニオン、マネーグラムなどが送金作業を中断し、在米のアフガン資産95億ドルを凍結した。IMFは融資を中断している。
 

 ▼ロシアも中国もタリバンへの警戒を緩めてはいない

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、「タリバンはアフガニスタン全土を支配しているわけではない」と指摘する一方で、タリバンへの抵抗勢力がパンジシール渓谷に集結しているとの情報があると先の動きを裏付けた。

 ロシアはタリバンとの対話を重視し、モスクワにタリバン幹部を招いた(8月7日)が極度の不信はぬぐえなかったという。
 たしかにタリバンはロシアに敵対しないし、アフガニスタン領内からロシアへテロリストの出撃基地にすることはないと言明し、そのうえでアフガニスタン国内にアルカイーダもISも居ないとまで発言したが、そもそもタリバンに「そんな統率力はない」というのがロシア外務省の分析である。

 タリバン幹部が今後一切、敵対しないし、出撃基地にはしないと言明しているのはモスクワ、北京、テヘランに対する外交辞令のようなもので、国内にアルカイーダとISが潜伏していることは歴然としている。

 米軍はすでに5800名のアメリカ兵をカブール空港の警備に派遣しているが、空港までたどり着けないアメリカ人があり、市内は依然として混乱の極にある。米国内ではバイデン批判が高まり、トランプ前大統領は、この無様なバイデン政策を徹底的にこき下ろした。

 モリソン豪首相は「8月21日夜から22日未明にかけ、航空機でアフガニスタンの首都カブールから300人以上のオーストラリア国籍者を退避させたと明らかにした。豪州人のほか、アフガン人でビザ保有者や、ニュージーランド人、米英人も含まれた。

 ロシアの情報筋は「タリバンは一枚岩ではない。極端に言えば部族ことの軍閥の寄り合いであり、そのうえ地域軍閥意識が強く、各派がお互いに信じ合っていない」とする。
つまり、状況が変われば、いつでも殺戮、内訌に走る、いはば山賊集団が呉越同舟しているとみてよいのである。

 中国の王毅外相もタリバン幹部を天津に招いて会談したが、「アフガニスタンの政策決定はアフガニスタン自身が決めることであり、希望することは穏健に速やかに安定へむけてのあゆみだ。ただしアフガニスタン国内には不穏な要素が充満しており、予断を許さないだろう」とロシアとほぼ共通の認識であることがわかる。

 タジキスタンにおいてロシア軍とタジキスタン軍は合同演習を重ねているが、中国も特殊部隊を派遣しておりタジク軍との軍事演習。おもにカウンター・テロ戦争の演習を繰り返している。

 カブールでは、カルザイ元大統領、アブドラ元副大統領らが、カンダハールからカブール入りしたタリバンナンバー2のバグダールらと新政権構想の話し合いに入っている。現在はカブールの治安確保対策が主に話し合われているという。
     
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)遅ればせながら、御著書「日本人が知らない本当の路地裏中国」を拝読しました。
現実の、生きた中国の人々の素顔を伝える貴重なご著書と存じ、学ばせて貰います。
「中華民族」や「中国共産党」という概念で、これだけの他民族の様々な人々をまとめようとしても、いつか破綻しますね。最近のタリバンの報道を見て、改めて地図を確認するとアフガニスタンと中国が国境を接しているのに驚きましたが、これからどうなるのか、考えさせられます。
 私は武田泰淳の中国での足跡を辿りたいと考えています。
   (TI生、品川)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月22日(日曜日)  通巻第7023号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~また中国人エンジニアを狙ったテロ。 パキスタンで頻発
   中国はパキスタン政府の対応を非難。もっと効果的な方法を採れ
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 8月18日にパキスタンの南西部グアダルで自爆テロ。標的は中国人エンジニアへの自爆テロだったが、附近で遊んでいた子供ふたりが犠牲になった。中国人は重症を負った。中国政府は「取り締まりがなっていない。もっと適切で効果的な方法を採れ」と命令口調でパキスタン政府を非難した。「もっと効果的な方法」って? 血の弾圧しかあるまい。

 7月14日に中国の「一帯一路」プロジェクトの目玉=ダス・ダム現場附近で、中国人エンジニアを乗せたバスが自爆テロの標的となった。13名が死亡、このうちの9名が中国人。ほかに28名が重軽傷を負った。中国は李克強首相自らがイムラン・カーン首相に直接、電話を掛けて、特別調査隊の派遣を決めた。
 パキスタンのクレシ外相は、「このテロの背後にはインドとアフガニスタンの情報機関が絡んでいる」と証拠を挙げずに発表した。

 その直前にもカラチでモーターバイクに乗ったガンマンが、中国人を標的にして銃撃する事件がおきた。バロチスタン州の独立を訴える「BLF」(バロチスタン解放戦線)が犯行声明を出した。

 それまでにもクエッタの中国大使の宿泊ホテルが自爆テロに襲われ、五名が死亡した(大使は外出中で無事)。カラチの証券取引所が襲撃を受けたりもした。このため中国人労働者は次のテロを恐れ、現場へ向かうバスなどはパキスタン政府正規軍が護衛している有様となっている。
 なぜ、こういうテロ事件が頻発するか、なぜ中国が標的なのか。
 基本的にバロチスタン州はパキスタンに属していること自体が不満であり、独立するのがふさわしいと多くの住民が考えているからだ。

 ところがバロチスタン州の住民には一切の相談もなくグアダル港を中国に売り渡し、鉱物資源開発にも州政府の関与は制限され、利権は中央政府にゆくことへの不満が鬱積しているのである。

 バロチスタン藩国は17世紀に成立し、紆余曲折を経たものの独立した国家だった。英国に植民地化されたがパキスタン統治は分離状態だった。英国は1947年にカラード藩国(バロチスタン)としての独立を一旦認めた。ところが48年にパキスタンとの合邦を決めたためバロチスタン州の独立戦争が勃発、結局、パキスタンに降伏し、併合された。

 じつはバロチスタンはパキスタン総面積の42%を占める最大の面積(日本より広い)。人口は1300万人だが、おおかたが貧困に喘ぎ、識字率は30%しかない。
 重要なガス資源も開発に関与できず、あまつさえバロチスタンはパキスタンの地下核実験場に利用された。
まるで中国が新彊ウイグル自治区を植民地の如くに扱い住民をジェノサイドとしているようなものだ(実際にバロチスタン州民らは、パキスタンによるジェノサイドをやめさせろと国際社会に訴えるデモを行っている)。

 州都のクエッタはアフガニスタンのカンダハルと直通道路が繋がっており、アフガニスタンからのテロリスト、武器などが流れ込んでいるとされる。バロチスタンのスレイマ国王陛下は外国に亡命している。2017年に緊急に来日されたこともある。

国内では「バロチスタン独立」を叫ぶ武装組織が三つ存在する。
 BLA(バロチスタン解放軍)は、一時ロシアが支援していた。理由は彼らがパキスタンと軍と警察を標的とすれば、パキスタンの軍事的パワーを牽制できるからだ。
 
 BRA(「共和国軍」も往時は強い組織があった。2006年に結成され、公安部隊と警察を標的にした。

 BLF(バロチスタンン解放戦線)は現在、もっとも活動的な武装組織である。
結成も古く1964年、独立を目指し、イランの支援を受けてきた。1973年から77年の独立を目指す武装蜂起では、1・2万人が犠牲となった。爾来、活動は地下に潜った。
 こうした独立運動を封じ込めるためにパキスタン政府は血の弾圧を展開してきた。殺害されたジャーナリストだけでも40名。弾圧が強まれば、怨念は沈殿し、テロ活動は凶暴化する。そのうえ反中国感情が加わっている。
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@   【知道中国 2265回】  
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港147)

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 20世紀における中国古代史研究に新しい道を切り開いた顧頡剛は、20歳になった1913年(民国2年)に北京大学予科に入学している。そこで京劇に出くわし
戯迷になっていく様子を、「(自分が)南方にいた時、いつも北京の芝居のすばらしさを聞いていたし、文芸マニアの聖陶君が、またしじゅう私に芝居の効用を賛美していた。〔中略〕いまや私はこんな福分にありついて、芝居の本場である北京に住むことができたのである。見て見て見まくらずにどうして辛抱しておれよう。とうとう私は『芝居狂』になってしまった」(『ある歴史家の生い立ち』、岩波文庫)と綴っている。

 本当の本場である北京から見れば香港は遥かに南方に離れているだけではなく、粤語(広東語)文化圏でもある。
つまり異文化圏、いや極論するなら「化外の地」と見紛うばかりの僻遠の地であった。そのうえに演ずるのは童伶(こどもやくしゃ)であり、しょせん彼らの多くの母語は粤語だろう。ならば京劇の看板を掲げていようとも、マガイモノ同然に見なされても致し方あるまい。

 だが、そんなことは百も承知、二百もガッテンである。当時は文革の真っ盛り。やや大げさに言うならば、この地上で古典京劇の、しかもナマの舞台に接する機会などあろうはずもない。こう諦めかけていたところが、目の前に第六劇場が「忽然」と現れたわけだから、ここを「芝居の本場」と見定めて、「見て見て見まくらずにどうして辛抱しておれよう」。かくして「とうとう私は『芝居狂』になってしまった」のである。

では、「こんな福分」を与えてくれたのは誰か。それが家庭教師を務めた4人の子供の父親で、中文大学で数学を教えるアメリカ人教授だった。
 振り返れば香港の長期滞在が可能になっただけではなく、戯迷への道を突っ走る好機を与えてくれたのも、青虫の唐揚げの味を教えてくれたのも、尖沙咀の路地裏にあったサルの脳味噌料理の店に連れて行ってくれたのも、研究者としての生き方を身をもって示してくれたのも、新聞の読み方を教えてくれたのも、日本では知ることのなかった地政学という学問のイロハを教えてくれたのも・・・凡て、このアメリカ人教授だった。まさに人生の師。感謝以外の言葉はない。

 ある時、家族全員との昼飯を終えると、「あ~、今日は~、ムスメやセガレに教えるのを少し早く切り上げて~、イイデスカ。面白いところに行きましょう」と。こちらとしては異論があろうはずもない。そこで、いつもより早めに4時頃に切り上げた。しばらく待つと、長女と長男が着替えて出てきた。

 さて、4人で愛車のフォルクスワーゲンに。例のカブトムシの愛称を持つアレである。もちろん塗装は定番の深草色。
 慎重で厳格なお父さんである。2人の子供は安全ベルトでしっかりと椅子に固定された。
 小姐(おてつだいさん)が鉄の門を開けると、車が動き出す。

 未舗装の坂道をしばらく下ると大通りに出る。そこを左折すると、車は大帽山の山肌を縫うように走る道路を猛スピードで突っ走る。カーブでは英国軍の傭兵であるグルカ兵の運転する軍用車両をガンガン追い抜く。

 意外にも教授はスピード狂だったのだ。些か不安げなこちらの顔色を見て取ったのだろう。ハンドルを握りながら、「怖いですか~、あの~、空軍でジェット戦闘機を操縦していたから、問題ない」。それはそうかも知れないがムスメとセガレは戸惑い、ビビってますよ・・・。

 やがて車は市街へ。山の中の一軒家に住み、外界とは接触のない子供たちである。見るもの聞くものが珍しく、キョロキョロと好奇の目が輝いていた。やがて到着したのが茘園だった。
 些かセッカチな教授はズンズン進む。2人と手を繋いで人ごみの中を後を追う。普段は目にすることのない他人が、ワンサカといるわけだから、2人の緊張は激しい。

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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)今回のカブール敗走を見て、すぐTwitterに書いた文章があります。
「アフガン危機から見える、日本の選択」
 米国はベトナムと同じ失敗を繰り返す事になるが、20世紀のベトナム戦争敗戦より21世紀の今回の敗戦の方が遥かにダメージが大きい。しかも人道的な観点からも、ベトナム戦争以上の凄惨な地獄絵が今後展開される事が予想される。対中国共産党との戦いにも大きな影響を与えるだろう。
 つまり結論は日本はもう米国を頼りにしない戦略を速攻組み立て実行する必要に迫られている。日本の選択は、米中どちらに着くのかという事に当然あるのでなく、日本の自主防衛確立のスキーム構築と日米同盟と同時に米以外の英、豪、印との軍事同盟締結に絞られたということだ。
 日本列島に配備しなければいけない中距離弾道核ミサイルは、米のミサイルでなく日本のミサイルになるという事だ。1980年代に西ドイツの左派シュミット政権がソ連が東欧に配備した中距離弾道弾SS20に対し、米の中距離核ミサイル、パーシングを配備し、米ソの中距離弾道弾禁止条約に繋がった事を思い出せ。

また米ソの中距離ミサイル禁止条約から、ソ連の弱体化を促した歴史を思い出すべきだ。世界で最もそれを思い出さなければならないのは日本人だ。なぜなら、80年代の東西冷戦時代のソ連共産党より、現在の中国共産党の方が遥かに強大で、獰猛であるからだ。
香港の次が台湾、日本なのは世界の常識だ。

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(読者の声2)貴誌7022号を拝見し、何度も首肯いたしました。
 日本のメディアではタリバン執権後「女性の取り扱い=女性たちは事実上、囚人のような生活を強いられる」をメインに取り上げています。
 しかし、優先順位から言えば、宮崎先生のご指摘の通り、「米国への安全保障への信頼が稀釈」が懸念されることこそが、日本の存立上最も死活的な問題だと思います。
 自民党与党・野党をはじめ、メディアも国民もそのことについてほとんど語られず、日本の生き残りを賭けた国防に関して「超鈍感症」であるようです。
 そのことには、深刻な懸念を抱かざるを得ません。「アメリカ依存症」がここまで深化しているとは、本当に残念です。
  (福山生)

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(読者の声3)「どうやら次の総選挙では自民党が大負けするのではないか」との新聞報道が増えてきました。もし自民党がそれを避けたいと真に思うのであれば、それは首相交代などの「よくある方法など」のことではありません。
これから選挙までやるべきことはただ一つだと考えます。
 それは自民党が「医師会と決別すると『厳粛に』宣言し、戦争事態と同様に、国家の危機的状態においては、医師及び医療機関は国家の意向に従わねばならないことを法制化する」と徹底的な医療改革の断行決意を国民に「見せつけること」です。
 きっと「憲法の兼ね合い」などの意見が、野党や医師会などから出てくるでしょうが、それこそ「命と憲法のどちらが重要ですか」といったスローガンで、その決断を国民に求めるにはまたとないチャンスなのです。
そして憲法を盾にしていつまでもごね得を続ける連中を「この機に臨んで蹴散らかす姿勢」のみが、自民党敗北を防ぐことができるはずです。
昔、レーガン大統領が航空会社のパイロットとの政治衝突で、パイロットがストライキをやったら、大変なことになると大騒ぎになりましたが、結局はレーガンの決意があっけないほどの勝利で終わりました。
(SSA生)

(宮崎正弘のコメント)自民党が勝つ見込みは薄いでしょう。ガースが看板では。次の連立の組み合わせがどうなるかというあたりに焦点は絞り込まれてきたのでは?
 奇跡を期待するとしたら高市党首で臨む?

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(読者の声4)在米のKM生 様 ありがとうございます
 くわしく教えて頂いただけでなく、日本でのコロナへの対処の仕方まで お教え頂き、本当にありがとう御座います。臨床医師会FLCCCAの処方箋も 不慣れで仕様が難しかったですが何とか読めました、参考にします
テレビ、新聞 政官も腐敗はアメ国同様。
   ( SH生 北海道 )
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月21日(土曜日)   通巻第7022号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~アフガニスタンにタリバン政権成立へ。アジアの受けた衝撃とは
  米国への安全保障への信頼が稀釈され、自立防衛議論が熱気
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 1975年のベトナム・シンドローム。米軍がベトコンに敗退し、共産主義独裁勢力がアメリカの支援したサイゴンの南ベトナム政府を飲み込み、その勢いでラオス、カンボジアへのドミノ現象を伴った。
 最後の日々、多くの南ベトナム政府関係者はアメリカの空母に乗り込んだ。
そのうえ米軍に協力したモン族を17万人、移民として受け入れた。命がけで逃げ出す光景は目に焼き付いている。そして米軍への期待は大きく外れ、アジア各国はアメリカと中国との均衡を外交の選択肢に入れた。

 アフガニスタン政府を結果的に捨てて退却するアメリカの無様さを目撃して、心理的に重度の衝撃を受けたのは台湾である。韓国も一部、そういう心理がある。
過度にアメリカに依存することは国家安全保障上にリスクがあること。台湾の世論は自律的防衛力増強に傾斜している。
ましてアメリカは武器供与を約束した台湾関係法があるが、防衛義務を謳う条約を交してはいない。

 シンガポールの有力紙「ストレート・タイムズ」とて、こう書いた(8月20日)。シンガポールへはさきごろオースティン国防長官が訪問し、来週にはカラマ・ハリス副大統領が訪問するほどアメリカは拠点として力を入れている。
「サイゴン陥落がラオス、カンボジアの共産化を招いた。今度はアフガニスタンからの米軍撤退とタリバンの復活は、連鎖でアジア諸国にいかなる地政学変化をもたらすか。そしてアメリカが先頭をきって戦うテロリズムとの戦争の行方であり、シンガポールは自主防衛力を高める必要がある」。

 アフガニスタンからの撤退劇を目撃した私たち日本人も、本能的には狼狽える筈だが、世論は対岸の火事視である。
 日本の保守陣営が唱えてきた「日米同盟の深化」ほど、虚ろに響く言葉はないだろう。日本の防衛予算は、わずかに5兆4000億円しかない。

ICBMも核弾頭も原子力潜水艦も、空母も保有しない自衛隊に戦略的兵器はゼロだ。
戦域戦力は米軍を補完する程度の装備しかなく、戦場兵器は弾丸不足。そもそも専守防衛では敵の攻撃がなければ反撃を認めないという、最初から防衛とは言えない脆弱な国防態勢である。


 ▼日本は白村江の敗戦から、いかにして立ち上がり強度の防疫体制を築いたか。

 天智天皇の御代、日本ははからずも白村江で敗戦となった。
この敗戦ショックに打ちひしがれることはなく、むしろ日本は、防衛力を強化し、各地に防人を派遣して城を築き、防衛力を強化した。しかも守旧派から政治を刷新するために近江へ遷都した。
 壬申の乱に勝利した天武天皇は、さらに防衛力強化の政策を採った。
 
 以下は天武天皇の勅(天武十三年)である。
 「凡そまつりごとの要は軍事なり。是を以て、文武官の諸人も、務めて兵を用い、馬の乗ることをならへ。すなわち馬・兵、あはせて当身の装束の物、務めて具に備え足せ」(日本書紀 巻二十九)。
 
 (現代風に言えば、政治の中枢は軍であり、官も民も防衛を怠らず、兵器の手入れを怠らず、日々鍛練を忘れるな)

 さらに後日、天武天皇はもっと具体化された勅を発して曰く。
 「人ごとに鎧一丁、太刀一口、弓一張、箭一具。鞆一枚。鞍馬。勤冠より進冠に至までには、かくの如く予め備えよ」(日本書紀 巻三十)。

 かつて筆者が『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社)を世に問うたのは2015年のことだった。保守本流からはまるで相手にされない議論だった。
 いまも、それでよいのか?
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~〜読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)PAYPALという簡単に安くカネの送金する仕組みを七人の20代の男が作り、「ペイパル・マフィア」と渾名されているが、その一人がイロン・マスク氏、もう一人の成功者がペーター・シール氏(PETER THIEL)。
彼は技術者ではなく、法律・運営を担当していたらしい。現在はPALANTIRというデーターの管理を、主に米国政府を顧客としている巨大な会社、などを経営している。(両者ともに、IT起業家としては稀な、トランプ支持者であり、社会主義・全体主義者達の反対の立場をとっている。)
彼の会社は、負債がゼロ、という大変珍しい経営をし、最近「金の延棒」を買い込んだ、という報道があった。
同社の膨大な現金所有額に比べると微々たる額(50億円)ではあるが、彼の過去の投資の成功歴史を見ると、その異例な投資行動が注目され、他の投資家・投機家・投資機関などが、遅ればし、と雪崩れ現象が起きるかも。
仮に彼らが、投資額のほんの一部を金の購入に当てると、大変な需要が生まれることになる。金は貨幣と違って、簡単に刷ることはできない。
MMT教徒、安心して心配せずに大胆に、国は貨幣をじゃんじゃん国民に配るべし、という政治家、役人、論人、どもが「蒼くなる秋」が近づいている、のかも。 2020年以来米国債務額約500兆円を乗せて現在3000兆円に膨らんだ。日本はまだ1200兆円しかないから、大丈夫、という。
 ちなみに、氏はドイツ生まれ、米国人であるが、最近ニュージーランドに広大な土地を買い、永住・市民権をも得ている。個人のジェットでサッと逃げる用意、万端です。逃げられない国民はタダのワクチンを打ってもらって、みんな揃ってあの世への旅。超インフレの中で苦しむよりは、親切な計らいなのかも。
(在米のKM生)

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(読者の声2)「ゴルゴ13」もコロナには勝てず、でしたね。アクションスターの千葉眞一さんが亡くなりましたが、コロナ犠牲第一号の志村けんさんのときのセンセイショナルな報道に比べると地味で、むしろ海外で凄い。
千葉眞一は海外ではサニー・チバで通っていました。だからハリウッド本格進出を狙ってアメリカに移住した時期もあるのでしょう。合掌。
  (DD生、京都)

(宮崎正弘のコメント)ゴルゴ13の主演は高倉健じゃなかった? 千葉眞一もゴルゴ映画にでたのですね。

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(読者の声3)アフガン情勢で面白いニュースでもないかと調べたらアルジャジーラのライブがありました。
https://www.youtube.com/watch?v=-upyPouRrB8


 ライブですが12時間前から視聴可能、基本は同じニュースの繰り返し。特集でアフガン政府軍の密着取材があった。土壁に囲まれた村でしょうか、立てこもっての銃撃戦、誰もヘルメットをかぶらない。
負傷兵を迎えに来た兵員輸送車まで運ぶときだけは着帽。武器弾薬が豊富でもこんな低レベルの軍ではどうしようもない。銃撃戦のさなか畑では農民が休んでいる。兵員輸送車が走る横では自転車の子供が手をふる。ベトナムではアメリカ兵が地雷探知機で恐る恐る田んぼのあぜ道を進む横を女子供は平気で歩いていたことを思い出します。
 首都のカブール、英語ではカーブルが基本ですがキャスターによってカブール、カーブールとさまざま。どちらでもよいのでしょう。
アフガン関連のニュースでギリシャのアフガン難民によるデモ。女性を前面に出し、揃いのプラカードなどいかにもスポンサー付き。案の定ありました。アラブの春や日本の反政府デモでおなじみの拳を突き上げるマーク。
 今や国連はじめNGOなどの国際援助団体は左翼の隠れ蓑。援助資金を山分けしているだけではなく反政府組織を作りデモを煽る。
アフリカでは野生動物保護の国立公園内で密猟で資金を作り反政府ゲリラを訓練しているという話もある。プロパガンダ垂れ流しのマスコミとともに少しは規制したほうがいいのでしょうね。
  (PB生、千葉)

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(読者の声4)「虎が降りてくる」横断幕について
 オリンピックの時、南朝鮮選手団は選手村入りしてすぐ、あの国旗と勝手に文禄・慶長の役で朝鮮水軍を率いて日本軍を打ち破ったことにしている李舜臣の「尚有十二舜臣不死」をもじった「臣にはまだ五千万の国民の応援と支持が残っている」という横断幕を掲出し、物議を醸した。
 このふざけた横断幕は国際オリンピック委員会(IOC)から五輪憲章(政治的、宗教的、人種的な宣伝活動を禁じた五輪憲章50条)違反の指摘を受け、直ちに撤去する事態となったが、選手団は代わりに「虎が降りてくる」横断幕を掲出し、それは撤去されずに掲げられた。
虎の横断幕にはどのような意味があるのか調査されなくてはならない。
 それはボムが降りてくるという意味で、ボムはBomb(爆弾)のことであるという。つまり『日本に原子爆弾が落ちる』ということであり、虎の部分を広島型・長崎型原爆に置き換えたコラージュ画像まであるらしい。つまり、この連中はもっとふざけた横断幕を掲出したのだ。
 2013年5月に中央日報が日本への原爆投下を「(神の)懲罰だ」とする記事を掲載したこともあるが、それと同じである。
停戦協定を破って、卑怯にも撤退中の日本軍船に追い打ちをかけ、薩摩軍に返り討ちにあって落命した李舜臣なんかの言葉より不愉快かつ悪質である。日本政府は正式に断固として抗議し謝罪を要求すべきである。
さもないと広島・長崎の犠牲者の霊が浮かばれない。
  (匿名希望
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宮崎正弘の新刊   ◆宮崎正弘の新刊     ◆宮崎正弘の新刊案内  
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宮崎正弘『中国の静かなる日本虐殺 2025』(徳間書店、1760円)
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 ──中国共産党百年の式典で、独裁皇帝は言いはなった。「つぎの百年」だと。 
 日本をウイグルにと、ジェノサイドが始まっている。あの文化人もコメンティターも洗脳された。電波、新聞、そしてSNSの言論空間も中国のサイバー攻撃と操作で乗っ取られた!
 議論の前提を破壊する「認知戦争」とは中国オリジナルの「超限戦」のタクテック!
 中国軍は日夜、台湾と尖閣諸島侵略のための軍事演習を繰り返している。
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宮崎正弘『日本人が知らない 本当の路地裏中国──乗って歩いた! 全33省旅遊記』
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第一章 平気で嘘をつき、?を本当にする人々の大地へ
第二章 横行する「やりたい放題」 北京に迫る砂漠、だれも住まないマンション群……
第三章 辺境地、奥地を吹き荒らす中共の嵐
第四章 生命の否定──共産主義の病理を巡る
(啓文社書房。1760円 ↓ 残部僅少)
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宮崎正弘 v 石平(激辛対談シリーズ第12弾)
『中国が台湾を侵略する日─習近平は21世紀のヒトラーだ!』(ワック) 
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  ──習近平は「XITLER」だ!
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宮崎正弘最新刊『WORLD RESET 2021』(ビジネス社)
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『バイデン大統領が世界を破滅させる』(徳間書店)
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<歴史シリーズ>
『真説・歴史紀行 日本のパワー・スポットを往く』(海竜社)
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『こう読み直せ! 日本の歴史」(ワック)
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『一万年の平和、日本の代償』(育鵬社)
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『神武天皇以前(縄文中期に天皇制の原型が誕生した)』(育鵬社)
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『明智光秀 五百年の孤独』(徳間書店)
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宮崎正弘 v 渡邊惣樹 『戦後支配の正体 1945-2020』(ビジネス社)他一冊。
宮崎正弘 v 石 平  『中国が台湾を侵略する日』(ワック)他11冊。
宮崎正弘 v 西部 邁 『アクティブ・ニヒリズムを超えて』(文藝社文庫) 
宮崎正弘 v 佐藤 優 『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社) 
宮崎正弘 v 田村秀男 『中国発の金融恐慌に備えよ!』(徳間書店。韓国語版あり)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ、中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 高山正之 『世界を震撼させた歴史の国 日本』(徳間書店)他一冊。 
宮崎正弘 v 河添恵子 『中国、中国人の品性』(ワック)  
宮崎正弘 v 渡邊哲也 『迫り来るアメリカ 悪夢の選択』(ビジネス社)他四冊。 
宮崎正弘 v 宮脇淳子 『本当は異民族がつくった虚構国家 中国の真実』(ビジネス社) 
宮崎正弘 v 藤井厳喜 『米日露協調で、韓国消滅! 中国没落!』(海竜社)他一冊。
宮崎正弘 v 室谷克実 『米朝急転で始まる中国・韓国の悪夢』(徳間書店)他三冊。
宮崎正弘 v 福島香織 『世界の中国化をくい止めろ』(ビジネス社)他三冊。
宮崎正弘 v 馬渕睦夫 『世界戦争をしかける市場の正体』(ビジネス社)
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