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駐在妻のリアル:先進国と発展途上国との違い
コーチングプレイスの仲間で現在カナダに住んでいるえいこさんが、公式noteで「海外に住んでいる人こそコーチングが必要」というテーマで記事を連載しています。
その一環で、えいこさんがインドネシア駐在経験のある私と、インド駐在経験のあるあきさんにインタビューをしてくれました。
3人で話をしていると、「駐在妻」と一言で言っても、住む地域によって生活環境や大変さの種類が全く違うことに驚かされました。
もちろん個人の性格やキャリアによって感じ方は変わりますが、ざっくり分けると 「欧米」と「アジア」 ではかなり違う印象を受けました。
メイド・ドライバー文化
私はインドネシアで、平日は毎日4時間メイドさんに来てもらい、食事の後片付けや夕食の準備、洗濯、掃除などの家事をお願いしていました。
住み込みのメイドさんを雇う人もいれば、すべて自分でやる人もいますが、私の周りでは1日数時間でも家事を任せている人が多かったです。
特に小さいお子さんがいる家庭では、子どもの世話や送迎を手伝ってもらうことが一般的でした。
また、インドネシアでは ほとんどの駐在家庭がドライバーさんを雇っています。
インドネシアの道路事情はかなり独特で、バイクが道路を埋め尽くし、家族4人が1台のバイクに乗る光景も普通です。
初めてジャカルタの空港に降り立ち、市街に向かう車の中からそれを見て、ここで2年間暮らしていくのか…とカルチャーショックを受けました。
また道路ではクラクションが鳴り響き、信号も少なく、日本とは交通ルールがまったく違います。
そのため、日本で運転していた人でも、インドネシアでは 現地のドライバーさんを雇うのが一般的です。
えいこさんや、シンガポール駐在の友人によると、 欧米や先進国ではメイドやドライバーを雇うことは一般的ではない とのこと。
物価や人件費が高く、駐在手当があったとしても、メイドを雇う余裕はない家庭が多いようです。
そのため、欧米駐在妻は日本にいるのとほぼ同じ感覚で家事・育児をこなす必要があるという大きな違いがあります。
インドネシアのように発展途上国では、メイドやドライバーを雇うことで家事負担が軽減されるのに対し、欧米ではすべて自分でやるのが基本です。
自分で運転して子どもを学校に送り迎えをすることも多いようです。
言語の壁
インドネシアでは、ローカルの小さな店ではインドネシア語が必要ですが、大きなスーパーやレストランでは英語も通じることが多いです。
英語がネイティブでない者同士なので、インドネシア人はこちらの英語を聞き取ろうと努力してくれます。
そのため英語が流暢でなくても何とかなる環境でした。
しかし、欧米ではそうはいかないようです。
英語ができないと明らかに冷たい態度を取られることもあるとの話を聞き、言葉の壁の大きさを感じました。
駐在妻の人間関係
駐在妻といえば 「人間関係が大変」 というイメージがあるかもしれません。
私も最初は、現地でどう人間関係を築くかに頭を悩ませました。
特に私の世代は 昭和の部活のような上下関係に慣れていたので、 「目立たず、無難に過ごす」 ことに意識を向けていたと思います。
しかし、コーチングを学んだ今振り返ると、もっと 「自分が何をしたいのか」「どう過ごしたいのか」 をしっかり考えて、必要な境界線を引けていれば、もっと楽に過ごせたのではないかと思います。
スクールバスの見送り文化
インドネシアの日本人学校は郊外にあるため、スクールバス通学が基本です。
そして、 「スクールバスの見送り文化」 がありました。
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私が住んでいたアパートでは、スクールバスが来る朝6時と午後3時くらいになると大勢の保護者が集まり、一斉に見送りや出迎えをしていました。
その前後はその場で井戸端会議も日常茶飯事。
えいこさんはこの話に驚いていましたが、駐在妻同士の横のつながりを大切にする文化が表れている部分かもしれません。
私が、就学前だった下の子を日本人学校ではなくインターナショナルスクールに通わせたのは、そんな文化からちょっと距離を置いてみたいという気持ちがあったからかもしれません。
また、日本人学校のあるエリアに住むことが一般的なので、同じアパートに日本人が多く住んでいました。
私たちが選んだアパートも、日本のお店が多数入っているショッピングモールに隣接した大型の日本人向け物件で、買い物や交流がしやすい環境でした。
まとめ
同じ「駐在妻」でも、住む地域によって環境は大きく異なります。
インドネシア(発展途上国)
• メイド・ドライバーを雇うのが一般的
• 交通事情が独特で、日本人はほぼ運転しない
• 英語は通じるが、ローカルではインドネシア語が必要
• 日本人学校のスクールバス文化がある
欧米(先進国)
• メイド・ドライバーを雇うのは難しい
• 交通ルールがしっかりしているので、自分で運転可能
• 英語ができないと厳しい態度を取られることも
どこに住むかで、生活の負担や人間関係の築き方は大きく変わります。
これから駐在する人にとって、少しでも参考になれば嬉しいです!