『英語は何歳から?』<2>:ある卒業生の英語歴から思うこと。
こんにちは、いろなです。
英語講師をしています。
先日、いつから英語を習わせるか、という記事を書きました。私の結論は、「答えは一つではない」です。なんか、当然ですよね・・・すみません。
続きを書こうと思っていたのですが、ちょっと目移りしておりました。てへ。
先月末、私が勤務する英語学校に、卒業生が遊びに来てくれました。
Aさん。今は社会人です。
近々、国際会議があるので、スピーキングを頑張っているとのこと。
なんだかすっかりオトナになっちゃって・・・。
ランドセルを背負ってたあの子が、国際会議か~!
さて、
いい機会だと思うので、Aさんのことをお話しながら、
『英語は何歳から?』の続編とさせていただこうとおもいます。
もちろん、AさんはOKしてくれています★ ありがとう!
<Aさん>
現在社会人2年目。TOEIC900。Linguaskill BusinessでB1-B2。留学経験なし。英語で大きな苦労はしていない。大学の専攻は経済学。
Aさんの英語学習歴はこんな感じです。
・3歳から英語スクールでレッスンをスタート。週1回。
→「幼いころのことは覚えていないけど、小学生くらいから、だいたい毎日やっていたと思う。英語スクールの宿題としてCDを聞いたり、フォニックスをやったり、本を読んだり。両親が比較的熱心で宿題をみてくれた」
・小5で英検3級合格。
→英検の対策はしなかったが、リスニングのスコアがほとんど満点。
・中学で英語は簡単だと感じて、勉強しなくなった。
→ これ、あるあるだと思いますー。
ある程度書けるくらいになっているところに、中学校で
アルファベットとHelloから始まるので、
なーんだこんなもんか、勉強しなくていいや、
ってなっちゃうんですよね~。w
・中学で英語スクールもやめた。
→ これもあるある。
部活動もあるし、テストも忙しいし。習い事はやめちゃうんですねー。
でも、中学くらいになってこそ、
社会問題などにも興味や意見が持てるようになってくるので、
ここからが本当は英語の楽しさが実感できると思うんですが・・・。
・高校進学し、英語が苦手になった。文法、長文が苦手。わからない。
→ リスニングはできる。
なんだかわからないけど、英語はできている。
でも、テストの点数は安定しない。
こういう状態だと、普通の日本の高校生は(海外経験がある、とか特別なケースでない限り)その先、大学受験が厳しくなります。
文法・英文解釈はできなくてもいいという意見があるようですが、
学生ならやっておくべき。できていたほうが断然有利です。
・大学入試のために必死で勉強。
→ 5文型から必死でやったそうです。無事に志望校合格。
・大学在学中は「CNN Express(朝日広告社)」などを使って独学。国際交流団体や海外とやりとりのあるNPO団体でボランティア・インターンをしてきた。日本語が第一言語ではない友達もいる。
→ 留学には興味があったが、勉強よりも、実践してみたかったとのこと。英語は「ほとんど毎日、何かはやっていたと思う。自然に接していた感じ」とのこと。英語でボランティアをしたりすること、英語を使うこと自体には全く抵抗はなかった。
・英検準1級を大学在学中に合格。リスニングは簡単だった。
→ あまり勉強はしなかった。過去問題をちょっとやったくらい。
・現在、社会人2年目、TOEIC900。LinguaSkill BusinessでB1~B2。
→ ご本人曰く「子供の頃からやっていたからだと思うが、リスニングは困ったことがない」そうです。
・国際会議に参加するので、オンラインの英会話でスピーキングを特訓中。
Aさん、シェアさせてくれてありがとう★★★★★
強調しておきたいのですが、3歳から始めればこうなる、というわけではありません。
英語だけに限らず、何でも個人差がありますからね!
ここで、Aさんのケースから私が思うことをいくつか。
・Aさんはリスニングが得意と感じています。こどものころから英語に親しんだことによるもの、と考えてよさそうです。リスニング力が身につきやすいことや発音の良さは、早期英語教育の大きな利点です。でも、やっぱりこれは個人差があります。上手になる子も、そうでない子もいます。スイミングなんかと同じ。
・こどもは、まずリスニング。音に慣れ親しむことが大きな武器になるわけです。でも、リスニングだけでは、こころもとないのが事実。音の理解→文字の理解→ルールの理解へと「無理なく」進めていけるのがベスト。
・Aさんの場合は、「ルールの理解」が本格化する中学で、英語学習をちょっと手をゆるめたわけです。なので、「なんとなく」「感覚で」しかわかっていなかった。
もちろん、これで十分な場合もあります。
でも、日本で高度な英語力を身につけようとする場合は、
「ルールの理解」は必須だと思います。
(海外経験があるとか、家庭の事情で、英語が第一言語に近い、という場合はもちろん別です。)
・「英語は小さいころからいつも自然に、身近にあった。」
これって英語上達のための有利な点だと思います!
Aさん、以前から興味のあった国際的な職場で働いていて、
まぶしいくらい☆キラキラ☆していました。
これからも頑張って~!
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