「料理は好きだけど食べてくれる人がいない女の話」#ツイッター小説
女はいつものスーパーで食材を買っていた。豚肉の厚切りロース肉、キャベツ、卵、パン粉・・・きっととんかつの材料だろうと推測できた。金曜の夜6時半、仕事を終えて自宅のある駅に着きそこから夕飯の買い物をする。今日は特に土日の分も含めて多めに買う。
すれ違う客の中には夫が買い物を手伝っている姿を見ることもある。そう働く主婦の日常はそんなものだ、ごく普通にいる共働きの夫婦の週末。
ただ違うのは女はもう主婦ではないということ、つまり女の買い物は家族のためのものではなかった。家で帰りを