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「ツナジャムVol.2」の衝撃 -りょ〜が部長に訊いたno Filterの事などー(前編)


はじめに

2024年4月6日、LIVE ROXY SHIZUOKAにて、ジャイコナイトシズオカ主催「ツナジャムVol.2」が開催された。

ツナジャムVol.2フライヤー(表)
ツナジャムVol.2フライヤー(裏)

結論から言うと、このイベントは大成功を収めた。そしてそれは、no Filterにとっても、静岡のアイドルシーンにとっても、ひとつの大きな可能性を感じさせるものだった。興奮冷めやらぬ翌7日、僕は早速ジャイコナイトシズオカのリーダー、りょ〜が部長に連絡を取って、その日のことなどをインタビューさせてもらうことになった。
りょ〜が部長との出会いは、このイベントの約半年前、10月22日の「The Twinkling street Vol.20」(ARTIEアートガーデン)に遡る。それまでもTwitter上では何度かやり取りがあったように記憶してるが、直接お会いしたのはこの日が初めてであった。「自分はジャイコナイトシズオカというグループのリーダーをやっていて、こういうことをやっている。いつかこういうことをやりたい。そのためにホワイトフィルターの皆さんとも親交を深めたいのでぜひ紹介してほしい」そんな出会いだった。会って話した瞬間からその熱意はものすごく感じたし、インタビューの中でも触れるが、とにかく何かやってくれそうな予感はとてもあった。好印象だった。
以降、DMで話をさせてもらったり、現場でお会いすれば立ち話をさせてもらったり、noteを楽しみにしてくれていたり(笑)、わざわざボウリングをしに来てくれたりと、事あるごとに親しくしてもらってきた。
そして今回のツナジャムである。オタクとしてではなく、演者としてのりょ〜が部長を観た時、僕がかつて感じた「何かやってくれそうな予感」は、予感ではなく確信に変わった。
今回の記事も、かなり前から「今回のツナジャムのことは必ずnoteに書くので。文章にすると細かいニュアンスが伝わらない気がするのでインタビュー形式で書きますよ」とお願いしてあった。ライブが終わった翌日、早速DMで「いつインタビューしましょう?なんなら今日でも(笑)」と冗談半分で振ると、「むしろこの余韻の状態のままでインタビューを受けた方がより濃いものになります」として快諾を頂き、すぐさま実現に至った。
以下に記すのは、その余韻冷めやらぬ状態で行った2時間超にも及ぶ熱いインタビューの全貌である。

いろ: いろはしゅ!   りょ: りょ〜が部長)

1. no Filterにオファーした経緯について

いろ: まずはno Filterにオファーを出したキッカケというか、経緯についてお聞かせ下さい。

りょ: そもそも知ったきっかけから言うと、名前知ったのは、2023年の7月にno Filterが@JAMに出れますってなったのを知って、たまたまうちのメンバーが夏にららぽーと沼津でイベント(8.23 「サプリメントボイスVol.1」)があった時に観に行って、「めっちゃ良かったよ、三組ともよかったよ」って言ってて、「多分りょ〜が君、no Filter好きだよ、なんかももクロっぽいよ」って言われて、そこで興味を持ちました。で、9月の3日かな?アルティエでフリーイベントがあった時に、店長さん(LIVE ROXY SHIZUOKA店長 Ramurinさん)と時間合わせて観に行かせてもらって、なんかいいなと感じて、「これはちょっと1回ワンマン行かなきゃいけないな」と思ったんです。ちょうどすぐに2周年ワンマン(9.23「フィルター越しの未来」静岡公演 @SOUND SHOWER ark)があったから、定期イベントの時に店長さんづてに事務所の方にご挨拶させてもらって、でワンマン行かせて頂きました。ワンマンだからめちゃくちゃ曲やって、ライブが個人的にめちゃめちゃ良くて。楽しいし、遊べるし、たまーに笑いなんかもあって、メンバーもめちゃくちゃ煽ってくるし、あとファンの雰囲気とかもなんか尖り過ぎず、目立ってるんだけど悪目立ちじゃなくて、ちゃんと応援してるっていう目立ち方をしてて、そういうのをすごい感じて「あ、なんか(ウチのイベントに)呼びたいなってな」となりました。
店長さんがその日ハコにいたんで、「次(no Filterを)呼びたいんですけどどうですかね?」って訊いたら、「いいんじゃない?りょ〜が君が呼びたいと思うなら間違いないと思うよ?」って言ってくれて。
その日のうちに事務所の方に話しに行ったら、僕がオファーする前っすよ?わざわざメンバーを呼んできてくれて、「いまジャイコナイトシズオカっていうイベンターがいるんだけど」って紹介してくださって。
メンバーみんなが多分あまりウチの存在を知らない、いや知ってる子もいたんだけど、こういうイベントやってるんですって動画を見せたら、「出たいです!」って向こうから言われて(笑)
もうそのまま店長さんに空いてる日を訊いて、すぐマネージャーさんに「この日お願いします」ってオファー出して。それが周年ライブの終演から特典会の間、もうホント20分ぐらいの出来事でした。
でもその時はまだ、いいな!って思ってただけ。個人的には好きな感じなんだけど、その時はジャイシズのイベントに呼んだら面白そうだなって思ってただけ。明確な理由はなくて、ただビビッときたってだけです。その時は。

いろ: その時の事務所の方というのはどなたでしたか?

りょ: そのときは、船山さん。

いろ: 船山さんはジャイシズのことをご存知でした?

りょ: 知ってました。

いろ: あ、そうなんですか。

りょ: ウチがジャイコナイトシズオカ立ち上げた時に、店長がメンバーにいるってこともあって、そこのつながりがあるからおそらく知ってて、それこそ近藤さんも船山さんも定期イベントの時にご挨拶したら、知ってたんですよ。静岡に新しいグループができて、店長さんがいて、っていうのは知ってくれてました。ただ、実際どういうことをやってるかってのはあんまり知らなくて、そこで動画を見せてどういう真意でやってるかというのも伝えました。ありがたいことに知ってくれてましたね。

いろ: あと先ほど、メンバーにも知ってる子がいたとおっしゃってましたけど、それは誰ですか?

りょ: えっと、りんちゃんが知ってたかな。ただ、それも名前だけ知ってたのか、活動内容まで知ってたのかはちょっとわかんないけど、「ジャイコナイトシズオカです」って言ったら「あ、知ってます!」って言われて。他のメンバーは動画見せたら、それこそゆなはちゃんとかは「めっちゃ出たいです!」ってすぐ言ってくれて(笑)
仮にその発言が建前だったとしても、なんかライブ後のすごい大変な時間帯で、このあと特典会もあるというのにこんなにしっかり受け答えして「出たいです」って言ってくれるのは、逆にこんなチャンスはないなと思って。
それこそ、そのあとメンバーがフラスタの方に写真撮りに行った時に、船山さんにすぐオファーしたんですよ。でメンバーが戻ってきて、ほんの3分ぐらいですよね、船山さんがメンバーに「もうオファーもらったよ」って言ったら、メンバーが僕に向かって「めっちゃしごでき!」って言ってきて。ああ、そう来る?みたいな(笑)なんかそういうラフな受け答えもできるんだって。『ありがとうございます』とかじゃなくて、いい意味でラフだったんですよね、その時のメンバーの受け答えが。で、そのリアクションが逆にいいって思ったんですよね。その温度感というか。メンバーの会話してるテンションとかがいいって思って。

いろ: その時になんとなくno Filterとは合うなってイメージがより強くなったと。

りょ: そう。ステージ以外の部分、人間性的な部分も、これは合う、ジャイシズと合うというか、自分と合う、自分のやりたいことと合うなって、ホント直感的に思ったですね。でもその時はオファーしただけ。変な話、イベントやる側として見てただけですね。その時はまだ曲は3曲ぐらいしか知らない。でも、3曲しか知らないけれど、ワンマンに行こうって思わせるだけのものは感じていて。

いろ: なんか知らないけど強く引き寄せられるものがあったわけですね。

りょ: そう。なんか感じました。

2. 2周年ワンマンでのno Filterの印象

オファーする決断をした2周年ワンマン
2周年ワンマンの景色

いろ: 2周年ワンマンを観てくれた上でオファーの決断をしてくれたということですが、折角なのでワンマンライブを観ての感想なんかありましたらお聞かせください。

りょ: 冒頭でも触れましたけど、僕はもともとももクロが好きで、(ジャイシズの)メンバーから最初に「りょ〜が君が好きそうだよ」って言われてたから、そう思って見ちゃってるっていうのもあるんですけど、ももクロって今でこそ王道になってるけど、こう、飛び道具みたいな部分があって、(no Filterにもそういう要素を感じて)刺さったのかなっていう風には思いますね。あと、曲知らないのに「シアワセニナルタメニ」を聴いて泣きました。めっちゃいいと思って。

いろ: あれ、年に何回も歌わないから余計いいですよね。

りょ: その時って、りえちゃんがのど壊しちゃってて歌えなくて。それをMCで言ってるのを聞いて、余計グッときちゃって。で、りえちゃんものど悪いのに自分の声で頑張って手紙読むって言って。 その姿見て、うん、なんかシンプルに、いい子たちだなって思いました。

MCでりえが読んだ、りえの手紙


3. ツナジャムとの相性のよさ

りょ: 元々うちのイベントは絶対アイドルが欲しいんですよ。ダイノジさんが作ったコンテンツのアイドルとの相性が半端ない。ダイノジさんの時も、全国クラスでいうとそれこそアップアップガールズさんとか一緒に出てたりする。バンドが出てくる方が珍しいし、絶対アイドルが似合うっていうのがわかってるから、アイドルって枠を1つ呼びたい。まあそれこそ1回目のツナジャムの時はマーブル(Marble-Maple)さんをお呼びしました。

いろ: 同じ芸人で言うと、やついいちろうさんが毎年渋谷でやってるじゃないですか。あれなんかもやついさんがDJをやったりとかして、バンドも呼ぶし、 アイドルも呼ぶし、芸人も呼ぶしっていうフェス(やついフェスティバル)があって、ダイノジさんとは違うタイプのDJ、イベントなんだけど、やはりアイドルとは相性がよい。

りょ: はいはい。

いろ: こういう形で違うジャンルのお客さんにも見てもらう機会っていうのは、やっぱno Filterももっと作っていってほしいなって思いましたね。昨日のイベントなんかとても反応が頗る良かった。その、変な話アイドルオタクに見てもらうよりも反応がすごいよかったから(笑)

りょ: ウチに付いてるお客さんって、どっちかというとライブキッズが多いんですよ。まあマグロックのあれでやってるから、それこそ普段は他のアイドル現場にいるけど、ロックも好きみたいな子たちが多いんで。
で、特にno Filterさんって楽曲的にそっちの方が刺さる。絶対。めっちゃアイドル好きって人よりかは、本来ロック人間なんだけど、ちょっとアイドル聞いてみようかなって人には特にぶっ刺さるのかなと。だからアイドル界隈から他のお客さんを獲得するよりも、ロックとかバンドの対バンやった方がファンは増えるのかな?ってのはありますね。やはり自分の中でももクロと被っちゃうんですけど、ももクロって結局売れたのってアイドル以外のお客さんを巻き込んだからってところがあって。そんなことを個人的に思いました。

いろ: 今もう本当、地下アイドルってオタクの奪い合いというか、もう少ないパイを奪い合ってる状況で、どこのグループも大変なんですよね。だから、どうやってオタクをもっと増やしていけばいいかって考えた時に、そういう違うジャンルの人たちに観てもらう機会をもっと増やすっていうのを、最近こう、いろんなグループがやり始めてるなっていうのはすごい感じてて。ヤマモトショウさんなんかも曽我部恵一なんかと今度やったりとか、 ああいうのってすごい面白いなって思うんですよね。

りょ: その一つのきっかけがツナジャムだったら嬉しいなっていうのは実際あるし、手応えとしてめちゃくちゃあるし。

いろ: 実は僕も元々アイドルが好きなわけじゃなくて、 さっき出てきた曽我部さんとか、そういう音楽を結構聴いていた側なんです。だけど、千葉のフェス、小っちゃなフェスですよ、町がやってるようなちっちゃなフェスに、ちょうどそのバンドが出て、で、その中にね、Negiccoが出たんですよ。海岸にステージ作って、そこでお酒飲みながら見るようなイベントだったんですけど、そこで初めてNegiccoっていうものを見て、 今までアイドルなんてって偏見を持ってた人間が、ガラッと変わっちゃったんですよね。でもうその日のうちに直近のチケット買ってて(笑)

りょ: うんうん。

いろ: で、ステージも素晴らしいと思ったんだけど、それ以上にファンの人たちの雰囲気がすごい楽しそうだなって。それがすごい大きかったですね。決め手になったというか。

りょ: 結構自分が思うに、アイドルもバンドも音楽の現場ってどんだけモノが良くても、ファンの民度が悪いと、ライブ行ってもその人たちがいるから行かないということはよくある。でも昨日のフロアの雰囲気って最高でしたから。昨日のイベントのあの盛り上がり。やっぱりあれは、no Filterさんだからあそこまでみんな褒めてくれたっていうのはあるんです。実際、自分を見に来てくれた友達が、「no Filterめっちゃよかった」「めっちゃ盛り上がってたね」「オタクが楽しそうだった」って言ってくれて。

いろ: つまり、そのオタクたちの盛り上がりもすごい重要な要素だったと。

りょ: どっちかというと、そっちの方が大事かなっていう。

いろ: 昨日は、no Filterのオタク、ホワイトフィルターの人たちはもちろんいたけれども、それだけじゃなかったんですよね。他の界隈の、fishbowlのオタクもいたし、Nine chocolatesのオタクもいたし。Marble-Mapleのオタクもいたし。そういうのってなんかすごいいいですよね。

りょ: no Filterさん以外のアイドルのお客さんはみんなジャイシズで入ってくれてると思うんですけど、ジャイシズ目的であったとしても、no Filterさんの時にあれだけ盛り上がれるってことは、主催として本当に嬉しい限りです。

いろ: いま静岡にアイドルグループがたくさんあるけれども、それぞれのオタクたちのエネルギーをなんかこう、1か所に集めるものが今まであまりなかったというか。それを、ジャイシズがやってくれたっていうのはありがたいなって。

りょ: で今回で言うと、例えばアイドルこそno Filterしか見てないけど、お客さんはもう各界隈みんな混じってるわけだから、あとはそれぞれのアイドルを呼ぶだけだみたいな。そんな感じですよね。

4. no Filterの適応力

いろ: メンバーは上手いですか?歌唱やパフォーマンス的な部分はもちろんすごい良いと思うんだけど、こう、乗ってくるじゃないですか。 その場の状況、空気に乗っかってきて適応できるっていうか。

りょ: なんか、ライブアイドルって感じですよね。うん、ほんとに。例えばそこでお客さんがめちゃくちゃ沸いてたら、もっと沸かせるようにするだろうし、ちょっと盛り上がってなかったら、ある程度盛り上げるようなやり方ができるだろうし。

いろ: 昨日の、ゆなはにしてもりんちゃんにしても、すごいですよね。あれはビックリしましたね。初めて出たとは思えないような(笑)

りょ: いや、僕、ホントにMCで言った通りで「引いた」んですよ、正直。アイドルの曲とかだけバッて出てきて一緒に踊るって感じをイメージしてたんですけど、出てきてしょっぱなハム太郎でフロアに行って、『あ、事務所からGOサイン出てたとしてもそんなに早く行く?普通?』って(笑)そういうことを本来にしたいっていうか、そっちの方が今やったら盛り上がるだろうなっていうのを判断して、多分行ってるんだろうなと思って。
あと何がすごいって、うちのステージで盛り上がってるなって時に僕がno Filterのメンバーにマイク渡したことがあって。そしたらマイク渡したのに歌わないで煽ったんですよ、お客さんを(笑)僕的には、楽しそうにしてるからマイク渡して歌いながら踊ってくれればオタクも湧くかなって思ってたんですよ。なのに煽った(笑)でもそれって自分が求めてることすぎて。その時に「引いた」んですよね(笑)

いろ: まあ、no Filter現場ではそんなに珍しくない光景ではある(笑)要は慣れてるんですよ。

りょ: 最後MCでゆなはちゃんも言ってたんですけど、オファーした時から楽しみにしてたってのは実際そうで。 ジャイシズが他のイベントに出たポストに対して、よくいいねくれるんです。あ、じゃあ見てくれてるんだって。で、会った時に、「あれやりたいです!」「走るのやりたいです!」「あの曲やりたいです!」って言ってくれて、本当にそういうことやりたいんだなって。うちのステージを完全に乗っ取られましたね(笑)ありがたいことですけど。ちょっと驚きました。

いろ: だから昨日僕呟いたんですけど、こうno Filterを良い意味でぶっ壊してくれて、普段のここまでっていう限界を突破させてくれたなって、あれ観てすごい感じて。今日はすごいno Filterが見れたなって。

メンバー2人卒業発表しちゃってすごい落ち込んでたんだけども、今のno Filter、ここまでできるんだったら、きっとメンバーが減っても新メンバー入って雰囲気が変わったとしても全然大丈夫じゃんって、すごい思ったんですよ。
だから、オリジナルメンバーが減るのはもちろん悲しいんだけど、 でもなんか楽しみになったっていうか、新しいno Filterがまたどんな景色を見せてくれるんだろうって。その可能性を感じさせてくれたのが昨日のシナジャムだったのかなって。

りょ: そのつぶやきをしてくれてて、いろはすさんも書いてくれてたし、結構みんな書いてくれたんだけど、卒業に対してみんな本当に悲しい気持ちだった。その状況下でツナジャムが最初のイベントで本当によかったって言ってくれてた人が結構いて。なんかイベント主催側としても、最後に一緒に踊ってたフロントマンとしても、めちゃくちゃ嬉しかったです。

メンバー2人の卒業は、ツナジャムの3日前ぐらいに発表されたんですよね。だから僕も正直悲しいし、ファンのみんなももっと悲しいだろうって思ってて。その時、これ、どっちかだなと思って。めっちゃ人が来なくなるか。逆に最後まで見てもらえるか。

いろ: いや、それは僕も本当に思った。すごいタイミングでそういう衝撃的な発表があって、これどうなんだろう、どうなっちゃうんだろうって。僕はすごい盛り上がるのを観に行きたかったけど、ファンの気持ち的にそのテンションでいけるのかなってすごい心配でした。自分もそうだし、自分はこの気持ちの状態でどうやって楽しもうってすごい思ったんだけど、でも、実際行ってみて、 全てを忘れて楽しませてくれたのは本当にありがたかったな。

りょ: 僕もその発表聞いた時に、ファンとしては悲しかったんだけど、自分がファンとメンバーにできることはそれ(全力で盛り上げること)なのかなって。悲しいことは消えないんだけど、楽しいことで蓋をして、この瞬間だけは楽しいっていうスイッチに切り替えてもらえればって。結果的にいい思い出に。今の5人を今は全力で応援して、新しいno Filterは新しいno Filterで応援しようっていう気持ちにさせるために、じゃあここはとにかく盛り上げようって。

いろ: なんだろう、卒業発表の直後にもしツナジャムがなかったら、 どうしても卒業か…あと◯日か…っていう感情でずっと見てしまってただろうし、メンバー自身はもちろん普段と変わらず気丈に振る舞うと思うんだけど、どこかでやはりそういう空気って出ちゃうと思うんですよね。

りょ: 今日が終わったらたらあと何本みたいな。

いろ: そう。だけど、全然そういう空気も出なかったし、何よりメンバー自身がすごい楽しんでて、うーちゃんにしてもなのちゃんにしても、ファンと一緒に思いっきり楽しんでた。 だから見てるこっちもホント忘れられた。いや、悲しいよ。悲しいけども、そういうのを一瞬忘れさせてくれたイベントだったなってのは、思いましたね。

りょ: もっというと、その悲しい気持ちがあったから、多分みんなあそこまで沸けたのかなって。今日はそういう日じゃないんだって。

いろ: そうそうそうそう。

りょ: だからあそこまで爆発力があった。多分メンバーもあんなになると思ってなかったんじゃないかな。
裏側の話をすると、 静岡祭りが終わって、no FilterさんがROXYに到着したので挨拶しに行ったんですよね。まあ自分と店長以外は直接挨拶したことがないから。こちらが主催側だから、先に「ジャイコナイトシズオカです。今日よろしくお願いします」って言ったら、no Filterのメンバーに「よろしくお願いします!今日ほんとに楽しみにしてました!」ってバカでかい声で挨拶されて(笑)うわ、なんか負けた…と思って、自分もハイになってたんで、『俺らも負けてらんない』ってやり返したんですよ。めっちゃでかい声で「よろしくお願いします!」って。そしたらno Filterさん、もう1回やり返してきました(笑)でかい声で。その瞬間に、もう今日ホント大丈夫だって。 その上で、佐々木さんに「今日はよろしくお願いします」って言ったら、「ほんっとにメンバー楽しみにしてるんで、今日ちょっとどうなるかわかんない。めちゃくちゃ楽しみにしてるんで期待してください」と言われて、「お、期待していいんだね」って。

いろ: マネージャーからしてその自信は相当ですね(笑)

りょ: やる曲とか見た時点でもうこれはイベントに対する捉え方をわかってるなと思ったし、変な話、ホームのイベントじゃないとやらないような、いわゆる身内乗り、同じ振り付けを繰り返すとか、振り付けあるのにオタク発信の振り付けやるとか、あれをジャイシズのステージでやるならまだわかる、まだわかるんですよ。それを自分らのステージにやって、今日はこういう日だぞっていうのを提示した。で、あれが全部、メンバー発信って聞いた時に『やられた…』と思って。 僕の理想はそこだったんですよ。もともと「スペ恋」のReady〜Ready〜ってとこを繰り返しでやることがあるのは知ってたから、やってほしいなと思ってたし、「やんちゃ」も2番でハイグリとかやってほしいって思ってたんです。でも、初めましての事務所と自分なんで、なかなかそんな要望はこちらから言えなかった。そしたらそれを向こうからやってきたんですよ。なんだろう。言葉にできない。本当になんかやられた。シンプルに負けたと思って。 MC1つ取っても、曲のやり方にしても、やられた。完全に。なんかオファーしたこっちが、ヤバイヤバイって思っちゃった。

いろ: いや、ほんと、イベントのことをよく理解してて、イベント仕様にちゃんと用意して、で、それをちゃんとやってくれてるっていうのは、no Filterのすごいところ。よく言われるけど、本番に強いというか。

りょ: ちょっと、ホントにやられましたね。 ステージ上では自分は逆にそれでハイになってるんだけど、心の中では本当にやられたと思って、完全に持ってかれたと思って。

いろ: 頭で思い描いていても、こうやろうってなってても、いざステージ上に出た時に普通はなかなか出来ない。

りょ: うん、滑るかもしれないから。

いろ: そうだし、お客さんの、その場の空気とかがあるから。絶対イメージ通りには行かないことの方が多いのに、ちゃんとああやって適応しちゃうのがすごいですよね。

りょ: ホントそう。

いろ: 自分はno Filterは1年半ぐらい見てますけど。あ、ここまで出来るようになったんだって。昨日ホントそれは感じましたよ。

りょ: そのライブがうちだったっていうのが個人的に嬉しくて。

いろ: だっていつもは、アイドル現場だから良くも悪くも似たような感じじゃないですか。昨日みたいな現場ってあんまりなかったし。で、そこでの適応力。かなり彼女たちのポテンシャルというか。これってno Filterの売りにできることだよな、このグループここまでできるんだよっていうのをもっとアピールしていってもいいと思いましたね。

りょ: ファンのみんながそう思ってくれたっていうのがめちゃくちゃ嬉しいすね。

いろ: これを次に繋げていきたいんですけども。で、僕はあくまでオタクの立場だから、僕からお願いするのも変な話ですけど、 ぜひ彼女たちを、今回の成功を踏まえてまた何らかの形で…

りょ: むしろ、自分ももう1ホワイトフィルターだと思ってますから、みんなからそう思われたらもうやるしかないです。

いろ: なんかもっと化学反応を見たいです(笑)

りょ: そう、昨日以上のものは絶対できる。いやでもホントに、ファンのみんなが自分に対してそう思ってくれてるのがすごい嬉しくて。メンバーじゃなくて、ホワイトフィルターのみんながね。りょ〜が君がno Filterのこと好きで、 色々面白いことやりそうだからみんなで応援しようみたいなムーブメント起こしてくれたのがすごい嬉しくて。

いろ: それはやっぱりこう、そちら側から歩み寄ってきてくれたのもあるし、 かなり熱い想いを語ってくれたじゃないですか(笑)だからすごい面白いなって思った。人間性というかカリスマ性も含めて。なかなかそういう熱い気持ちを語ってくれる人ってそんなにいないんですよね。で、自分の推してるグループに興味を持ってくれたっていうのも何より嬉しかったし、なんかこう、今のno Filterがいまいち売れてかないもどかしい閉塞感がある中で、1つの起爆剤というかキッカケになるんじゃないかって、すごい期待があったんですよ。少なくとも僕の中では。
で、no Filterだけじゃないですよ、fishbowlさんとか、マーブルさんとか、いろんなところ行かれてるじゃないですか。それがすごい嬉しいというか。アイドルを含めた静岡のエンターテイメントを何とかしてやろうっていう、熱い想いにとても好感が持てたんです。だから、これはちょっと応援してあげたいな、応援しなくちゃいけないなって。

りょ: めっちゃ嬉しいです。

(👇後編に続く)


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