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【レポ】中野区~豊島区|歴史~民俗横断

約3,600字、写真約65枚。お時間あるときにでもご覧いただければ。

#本稿諸元


たとえ隣町でも、日常行動圏を外れていると、実はソコのコトを驚くほど知らない。むしろ思いっきり遠い海外、例えばハワイとかグアムとかの方が、メディアによる情報が溢れ「よく知って」いたりする。情報メディアと交通機関が発展した現代の皮肉な気がする。


行ったことがない国に行く。もちろん面白い。異文化に目が醒めるおもいをする。しかし足を踏み入れたことのないミュージアムを覗く、歩いたことのない隣町をぶらつく、ただそれだけでも、世界はけっこう楽しい。行ったことがないとこだから、一度行ってみる。それだけで立派な目的(目的という言葉が息苦しければ、「知的行為」とでも)であり、そこに距離の遠近は実のところ関係ない。ただ、「おおきな段差」と「ちいさな段差」という面白さの種類がちがうだけである。


今回、「『メディア』が伝えたこと」展という展覧会のチラシを見て、中野区立歴史民俗資料館(長いので以降「歴民館」と略す)を観覧してきた。動機を言語化するというなら、関心高いテーマの展覧会だったことと、まだ行ったことのないミュージアムだったため。もしどちらか一方だけだったら、他を優先しここを訪れることはなかっただろう。

事前のHP確認。必要最低限を軽く。フロアマップを見たところ、どうやらここは小面積/小振りな施設の模様。なら、周辺のミュージアムと抱き合わせという算段になる。Google Mapを突っつき、結構歩くことになるが、東に2Kmほどにトキワ荘ミュージアムがあった。ということで、歴民館のあとはそこを目指すことにする。以上で行動計画完了。特記事項は、今回の歴民館は無料。地域の公立博物館の場合、安くても100円200円程度はとられる(お城などは500円以上だったりする)ものだというのが今までの経験則なので、無料なのは珍しい気がした。

※付記
トキワ荘ミュージアムが意識に引っかかったのは、つい最近以下本を読んだ影響は間違いなく大きい。水野英子のトキワ荘時代の部屋と思い出など、そのものズバリだし。



***以降、時系列に写真とコメントで記述***


最寄りの西武新宿線沼袋駅から歴民館に向かう道中
横地に目を向けると、鳥居
昔から人が住み続けているエリアであると実感


歴民館に到着
今の若い人たちにどこまでイメージとして通じるかわからないが、
一瞥して「庄屋屋敷風」


ここの撮影ルール


「『メディア』が伝えたこと」展
あらかじめ規模感は確認していたので
問うのは中身


右の木製の立て看、しぶい

展覧会ごとにこのミニチュアキーホルダーを造りお手頃価格で販売するなら、
記念品として買ってく人は結構いるかも。
そしてそれを揃えるために、展覧会の都度観に来る新たな人種も誕生するかも。
個人的には、買う。500円以下でお願いしたい。


展示スタート


錦絵。よくみると、中高日本史教科書レベルの有名な図版だったりする


メディアとしての「絵葉書」
これ、まさにMy興味


今、体験から、語り継ぐ移行段階にある、
120~70年前のメディア
近現代史は、博物館なくして成り立たない


NHK朝ドラや大河ドラマといった「国民的番組」も
「歴史事象」として振り返られるべき頃合い


「おしん」ほか台本
全巻きれいに揃っているかは、不明

***
まじめな研究であれば(たとえそれが中高生の自由研究ぐらいでも)
手に取って閲覧させてもらえるのだろうか。
博物館は、そうあって欲しい。



1階の休息スペース
緑茶を啜りたくなる


窓からの落ち着く風景
あとでここにも足を運ぶ


2階に常設展示
宣伝「古い写真を集めています」
協力できる方は、ぜひ


常設展示のはじまり
建造物の移築展示やミニチュア展示
博物館的みわくの体験
名主・庄屋の家

***
100年後にはこんな感じでタワマンが歴史展示されるか


「御囲(おかこい)」
5代綱吉の設立した「お犬さま」のお住まい!


!!犬籠!!


新しめの博物館にはよくある、タッチスクリーン解説パネル
試しに、「丸谷才一」を見つけたので、表示してみた。
9年ほど中野区に住んでいたので、「中野区ゆかりの文化人」として取り上げられている。

***
どのくらいの期間住んだ人物をその地域の文化人とみなすかは、なかなか難しい気がする。
たとえば数ヶ月「逗留」しただけでは、通常は該当しないだろう。
「この地で、彼の作品が、生まれた」的な取り上げ方はできるかもしれないが。


チラシ・センターとしてイケてる


「好きなように/生きていれば、/たいがいのことは/気にならない。(by 中野区)」

中野大好きナカノさんプロジェクト
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/218400/d028614.html

#参考URL


休息室から見えた屋外敷地
「ヒゲじい」ではない


次回展は6月6日から。「Yes!農!」。



歴民館を出て、新青梅街道を一直線に

***
しかし、トキワ荘ミュージアムが近づいてもその案内板(サイン)がほとんど見当たらず、
わずかにあったものも旗切れ程度で要領を得ず、結局大幅に行き過ぎ時間と体力をロスした。

はるばる新青梅街道を西からやってくるような来訪者は、
あまりケースとして想定されていないのだろう。。。
最寄りの椎名町駅からの場合は、↓↓のように、比較的熱心に案内が設置されているようなので。
https://www.toshima-mirai.jp/tokiwaso/access/index.html

せめて大通りから「トキワ荘通り」への誘導標識ぐらいは、
大々的に複数ポイントで設置して欲しかった。



トキワ荘公園
第二の目的地、トキワ荘ミュージアムはこの一角にある
なお、通りの名前もトキワ荘通り


映スポット


トキワ荘の中へ
漫画家たちの部屋割

***
漫画家たちは2階に住んでいた。
1階は普通の住民だったとのこと。


「トキワ荘」が、定義されている。


赤塚不二夫の部屋
戦後四畳半ライフ


小道具の充実した部屋
山内ジョージ


1階は企画展フロア
この日は「デビルマンxマジンガーZ50周年」展
永井豪の画業顕彰
このエリアの撮影可能はここまで


会場出口の案内板
この前は「まんが道」展をやってたらしい
そういえば、次はなにをやるのだろう


観覧を終わり、玄関を出たところ


来て知ったこと。このエリア全体がツーリズムスポットを構成していた。
なので、「ここだけで半日費やす」覚悟で訪れたほうがいい。


トキワ荘ミュージアムの前に通りがかったが、寄るならあとにしようと思った施設
外観から、ほんの少し近寄りがたさを感じてしまい。。。

しかし中は、非常に良かった。
無料なのに、有料のトキワ荘ミュージアムより、こっちの方が自分にはウケた。


1階の展示室には2テーマ
その一つが「ハコヅメ」
個人的にこの作品すごく好き


撮影・投稿ルール


「※労働基準法は警察官に「一部」適用外です。」


ハコヅメ展示ゾーンの光景
分かりやすくて面白い
漫画カットを素材としてうまく再活用している


1階同室のもう一つの展示テーマ
「これも学習マンガだ!~世界発見プロジェクト~」

***
ネット上でもリッチにコンテンツ展開しているので、ご覧になってはいかがだろう。
https://gakushumanga.jp/


学習マンガの実物紹介と「分類」。分類そのものが、興味深い。

***
紹介タイトルの実物がそのまま見本として自由に手に取れる。

すべてが電子化/電子立ち読みできるわけではないし
紙の方もたかだか10年ぐらい前のものでももう本屋の棚にはなかったり
昨今の本屋のコミック単行本はビニィルがデフォルトだったりと
「モノ」が確認できない、あるいは異様に効率が悪い。

こういった実物を自由に手に取れる集合展示は、これ自体で独立した価値がある。

実際、ずっと気になっていた幾つかのタイトルの実物にここで思いがけず
出会うことができ、手に取って確かめられ、非常に嬉しかった。


正直ここまでですでに腹いっぱいなのだが、来たからには行かないわけにはいかない。。


2階の撮影・投稿ルール


「タイムトリップ 豊島区の90年」

うっかりしていが、この建物は
「豊島区立昭和歴史文化記念館」
マンガ・センターではないのです。


内容は、こんな感じ


しかしこの展示の目玉は、昭和の街角風景のミニチュア(ジオラマ)
その作者


ほかにも、このような地元作家のギャラリー展示も


1階には漫画喫茶エリア(有料)も併設


周辺の他の施設
ここではトキワ荘作家のマンガ読める。しかも無料。
しかし今回は時間がなく、外から拝むだけ。


このエリアの案内所兼売店。そしてこの中にも、トキワ荘作家の部屋の再現展示がある



***むすびに代えて***

今回トキワ荘通りで見たもの、知ったこと、収穫の
まとめ写真を作ってみた。


マンガ好きな方、マンガと関わってる方、マンガから何かヒントを得たい方、昭和の光景に浸りたい方、近所だけとじつはまだ行ったことの無い方は、一度行かれることをオススメする。


1人ブラタモリ、面白いけど、面白ければ面白いほど、記事にするのは大変。。企画・監修・構成・撮影・文章・編集ワンオペなので。。。

#つぶやき



以 上


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