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深淵を覗く。「屍体好きペド、クラブきっず事件」
2006年、複数の遺族に対して匿名の者から「サイトの子供の写真が無断掲載されている」とURLが送られた。「遺族」というのは、事故や事件で自分の子供を亡くした家族たちであり、そのいずれもが思い出や追悼のために自分のサイトを立ち上げていた。
同年6月、それを確認したなかの名古屋市在住のある遺族が、自らが開設していたサイトの写真が無断転載されていると被害届を提出した。愛知県警は著作権法違反でサイトを運営していた男(33)を事情聴取するとともに、自宅や勤務先を家宅捜査した。
同年9月に男は書類送検され、同月30日付で職場を休職した。市や都の教育委員会からの呼び出しを無視し続け、岩手県へ雲隠れしていた。12月に上司が迎えに行くも戻ることを拒否、これを受けて自分の子供の写真が無断転載されていた複数の遺族は共同で著作権法違反、侮辱罪、児童ポルノ禁止法違反の容疑で警視庁に告訴状を提出、警視庁少年育成課はこれを受けて2007年2月に男を逮捕した。さらに、東京都教育委員会は同年3月付で男を懲戒免職処分とした。
そう、男は小学校教師であった。
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男は東京都教育委員会に小学校教諭として採用され、2000年に小学校へ赴任している。男はパソコンが得意で、情報科学を担当することもあった。この頃より児童の着替えを盗撮するようになったようだ。
男が立ち上げたサイトは「クラブきっず」と名付けられた。
このサイトには、体操服姿の児童の写真や、災害で命を失った子供の写真、交通事故や犯罪に巻き込まれて死亡した児童の写真を掲載していた。遺族が開設していたサイトから盗用した写真は17枚にのぼる。
この男、子どもの死体がよほど好きらしく、2004年12月26日のスマトラ島沖地震で津波が発生し、多数の死傷者が出た際には現地へ赴き、子供の死体を撮影してサイトに掲載していた。他にも、ベトナム、インドネシア、マレーシアへ行き子供の写真を撮影していた。さらに2006年に入り、2000年11月に岩手県二戸市で発生した、軽トラックが登校中の小学生の列に突っ込み、死傷者が出た事故の現場写真(地面に落ちたランドセルの写真や、道路に落ちた血痕の写真)が、岩手日報のニュースサイトから無断転載されていた。
なお、取り調べにより遺族に匿名でサイトの存在を知らせるメールを送り付けていたのは、この男であったことがわかっている。他にも2005年にサイトを通じて接触してきた2名の男性(兵庫県の16歳の男子高校生と神奈川県の40歳の男性会社員)に男が撮影した5〜12歳の男児の裸の写真を提供していたことも明らかになった。家宅捜索では銭湯の脱衣所で男児を盗撮した写真や学校内での着替えを盗撮した写真も見つかっている。
この男、子供の遺体の写真で性的興奮を感じる性格で、同じ性癖の人と接触するためにホームページを設置した。中学生の頃から自分の性癖を理解するようになり、「男児の下着姿に興奮するのは、自分の性癖」「認められていないという閉塞感があった」「生前の子どもに興奮を覚えなかった。子供の写真を見ると、自分の理想の子供を自分の中で作り上げ、性的感情が高まった」「自分と同じ性的関心を持つ人の存在を確認して孤独感を和らげたかった」などと語り、拗らせた性癖を爆発させている。挙げ句の果てには、他の掲示板に「三度の飯より子供の死体」というハンドルネームで自分のサイトのURLを貼り付けていた。
男はサイトを2000年ごろから開設し、閉鎖される2006年まで多い日で1日に200件ほどのアクセスがあった。さらに開設していた6年間で、20万件ものアクセスがあったことがわかっている。苦情や非難よりも、共感を覚えたという連絡が多く、それらが男の行動をエスカレートさせたようだ。
逮捕時に押収されたパソコン3台とハードディスク2台の中には、子供の裸や死体の写真が約80万枚保存されており、そのうち着替え中の男児の写真は数千枚保存されており、捜査員が1ヶ月以上解析してもその内容全ては確認できなかった。転載や掲載にあたり、性器が写った写真は犯罪になると考え、わざわざ掲載を避けていた。
実は遺族らは警察に相談し、プロバイダーに削除依頼を行い、何度か削除されたようだが、サイトは別のアドレスで復活を繰り返していた。
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「クラブきっず」の主なコンテンツは「JAL123便きっず」「交通事故きっず」「病気に負けるな 闘病きっず」「スマトラきっず」「慰霊碑8(生きている子と死んでいる子)」「津波犠牲児童の慰霊碑」「津波犠牲児童 追悼の旅」と銘打たれていた。
旧コンテンツには「旧クラブきっず」もあり、それには「体操着ちゃん」「水着ちゃん」「ふだん着ちゃん」「あじあちゃん」「男の子くん」と銘打たれている。これらには盗撮されたような児童の写真が掲載されており、ひとつひとつにおぞましいコメントを残している。
例えば「体操着ちゃん」では体操着姿の女児の胸や下半身の写真を載せ、「4年生、つやつやな足」「おしりの形が見えるかな?」「長くてきれいな足」などと一言コメントを必ず残している。他にも「水着ちゃん」では「体の凹凸がよくわかる水着」「小学4年生になるとお尻はもっと大きくなります」「キティちゃんの水着がお尻にくい込んじゃいました」などとコメントし、「ふだん着ちゃん」では「遠い世界へ旅立っちゃって、もう会えない子の貴重な笑顔」「涼しげなワンピース」「2人仲良くたらいのお風呂」などと、もう確実に秀逸に気持ちの悪いコメントをいちいち書いている。
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「子供たちの慰霊碑入口」には「幼くして尊い命を失い、天国へと旅立っていった子どもたちの、大切な思い出です」とあり、そこから慰霊碑1(生前)、慰霊碑2(安らか)、慰霊碑3(悲惨)、慰霊碑4(連続殺人)、慰霊碑5(紛争)、慰霊碑6(廣島)、慰霊碑7(中東)、慰霊碑8(生と死)、慰霊碑9(準備中)とコンテンツが分かれている。どれも戦争や紛争、誘拐事件、殺人事件で亡くなった子どもの死体写真と生前の写真が延々とアップされている。
さらに昭和30年に起こった海岸で36名が溺れた橋北中学校集団溺死事件の写真もアップし、「この事故で、36個のおへそ・72本の足・約250mの腸・720枚の爪、約1000本の歯・のべ2000年以上の未来が全て海の藻屑に・・・もったいない・・・」と、これまた清々しいほど気持ちの悪いコメントを残している。他にも「津波犠牲児童 追悼の旅」と称しながら幼児の遺体の写真を載せ、さらにはなぜか漂着した衣類や下着を一つ一つアップしコメントしており、もう性癖が拗れすぎている。
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こいつ、拗らせているというか、歪んでいるというか、いちいち写真ごとに変態的なコメントを詩人かのように載せてくる。
「太平洋戦争中、日本軍に射殺されたフィリピン人少女。死に顔は比較的安らかですが、下半身は裸で、女の子の恥ずかしい所を丸出しのまま、ぬかるんだ泥の上に倒れて絶命していました」「ゲリラに襲われて殺されたコロンビアの少女、オリビアちゃん。褐色の肌とすらりと長い足が、いかにも南米の健康な少女らしく、スタイルは抜群です。小さなポシェットもオシャレ。寝ているようにも見えますが、頭を割られていて、血がドクドクと流れています」「暗い死体安置所には、大勢の子どもたちの死体が、折り重なるように無造作に安置されています。左上の写真の男の子のように、半ズボンの前チャックが開いて白いパンツが見えちゃっても、誰も直してくれません」「全身がぺっちゃんこのかわいそうな姿になってしまいました」「2キロも引きずられたら、きっとお洋服も全部部げちゃったのでしょうね」
安いビニ本のテロップのような文章を眺めていると、反吐が出る。ちなみにこの男は現実世界でも変態的だったようで、取り調べによりわかったことは「女子トイレに勝手に侵入」「カメラを常に持ち歩き、生徒を勝手に撮影」「屋上に女児を連れ出し太ももを触る(抵抗すると太ももをビンタ)」「オシッコなど子供の排泄物に異常な執着心」「離島赴任時撮影した水着姿の児童の写真を無断でサイトに掲載」ペドフィリアがこうまで自由に生活していいのだろうかというレベルだ。
さて、東京地方裁判所は男に対し著作権法違反、児童ポルノ禁止法違反で懲役2年6ヶ月、執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。男は控訴せず、執行猶予中に大型二種免許を取得してトラック運転手に転職したはずだった。
しかし2008年6月に世田谷区の小学校グラウンド内へデジタルカメラを持って侵入し、児童を盗撮していたところを、保護者が付けるリボンを身に付けていないことを不審に思った職員に発見され、建造物侵入容疑で現行犯逮捕された。執行猶予期間中にもかかわらず、これ以外にも2度に渡り小学校へ侵入し盗撮を繰り返していたことも発覚した。同年12月、東京地方裁判所は執行猶予中の犯行であることを重く見て、懲役10ヶ月の実刑判決を言い渡した。
これこそが真のペドフィリアであると私は感じる。自身の性癖を見事に職業に生かし、隠れながら欲望を満たしている。教師であれば、逮捕さえされなければ自分の好きな年齢層と永遠に触れ続けることができる。どうもこいつは男女関係ないペドのようだ。さらに、幼児の死体写真、何なら死後と生前の写真で萌えるらしい。私の考えだが、性癖も妄想も自由だ、他者に危害を加えず一人で完結できるなら如何様にでもしていただいて構わない、誰にも危害を加えないなら、だ。
そういえば、途上国で幼児をレイプしたペドフィリアは、被害者の親族に土に首から下を埋められ死ぬまで投石されたり、消しても消してもジッポオイルをかけられ、死ぬまで陰部を焼かれていた。どうだろうか、小児への犯罪のみ仇討ちを許してみては。