藁人形とクリスマスを
藁人形とクリスマスを
適当にでっち上げたオカルトグッズをフリマサイトで売って小遣いを稼いでいる。月々の煙草代くらいにはなっている。
扱う商品は中華系激安サイトで仕入れた幸運グッズ、フリー素材と家庭用プリンターで作った御札、そして主力商品は藁人形である。
園芸用の藁とダイソーの麻紐と輪ゴムで作ったモノが売れるのだから不思議なものだ。
それが一昨日売れた。ちょうど在庫が切れていたのでせっせと10分ほどで作った。作りながらクリスマスに藁人形を買うというのはどんな状況なのかと妙な気持ちになった。そしてクリスマスに藁人形を作っている自分も相当に奇妙だなとも思った。
出来上がった藁人形を箱に詰めて、オマケとして御札を入れて煙草を買うついでにコンビニへ向かう。街は誰もいなく空気は凛と刺さるようだった。私はネコポスの箱を小脇に抱えて歩いた。今、職務質問されたら説明が面倒だと思った。
コンビニで発送すると購入者へ発送完了の通知を送る。そこで日付が変わっていたことに気が付く。クリスマスイブだ。
これを書いているのは25日だ。藁人形はもう届いたようだ。メリイクリスマス。あなたの呪いが晴れることを祈る。その藁人形は効かないよ。だって私が鼻くそをほじりながら作った紛い物だ。でもあなたの心が少しでも楽になるならメリイクリスマス。あまり素手で触らないほうがいい。藁の繊維が肌に刺さって痒くなるから。メリイクリスマス。どこの誰だか知らないけど藁に愛を込めて。メリイクリスマス、メリイクリスマス。
ALL I WANT FOR CHRISTMAS is 健康
私がクリスマスに望むものは健康である。コロナでセルフ隔離中だ。一昨年のクリスマスもコロナに感染しホテル隔離されていた。
幸いなことに家族の支えあって悲壮感や不自由はなく引きこもり体験といったところ。外に出れないしひたすら勉強している。しかし薬の作用か呼吸不全で酸素が足りないのかいまいち頭が冴えない。
それにしても驚いたことは医療スタッフのタフネスだ。近所の病院に朝晩と2回行ったが同じスタッフが走り回るように来院者の対応をしていた。サイボーグなんじゃないかというくらいの働きぶり。
コロナ禍を経て尚も医療職を続けている人はいわば精鋭揃いなんだなと驚く。
世間はクリスマスだがそういうことと無縁に働き続ける人達のおかげで世間は回っている。だから部屋でセルフ隔離くらいなんだ。
人類の勝利
ゾコーバは素晴らしく効いた。飲み始めた翌日には熱が下がり翌々日には抗原検査で陰性となった。
数年前には社会をぼこぼこに破壊した感染症も今となっては薬飲めばほぼ治るようになった。
医学や薬学の底力を見た。きっと人類を滅亡させるものはパンデミック以外のものになるだろうと確信。