その7 待ち合わせ前の時間が好き
突然ですが、
私の父は集合時刻に遅れるのが、
大嫌いな人です。
親戚が集う会には、
基本1時間前には到着し、
父親参観日には、
見学できる授業(5時間目)よりずっと前の
給食の時間に来たりする人です。
(まだ食べてますけど!)
そんな父のもと育った僕ですから、
待ち合わせ時刻より前に
現地につくこともしばしば。
(安心してください。さすがに1時間も前に行ったり、ランチを覗いたりしないですから!)
そんな、
しばしばの時間(待ち合わせ時刻までの時間)って、
皆さんどうしますか?
僕は...
ぷらっとします。
その辺りをぷらっと。
そうすると、
普段気づかなかったお店とか、
目に入ってくるんですよね。
不思議と。
地下街のこだわりの靴屋、
商店街の純喫茶、
え?花屋さん?まで。
その中でも、
一番ぷらっとに向いているのは
「本屋さん」。
3分あれば
立ち寄れますよね、
本屋さん。
いつだったか、
ぷらっとしていた時に見つけたのも
本屋さん。
この外見、気になりませんか?
ちょっと昭和モダンな看板もどこかお洒落。
「待ち合わせまで17分あるな。よーし、入ってみよう」
しかし、入ってみてビックリ!
ずらーっと並んでいた本たちは、
医学系の専門書の数々。
「外科系」
「内科系」
「皮膚」
「漢方」
「脳のしくみ」などなど。
でも、
背表紙を見ているだけで、
ちょっとワクワクするんですよね、
不思議と。
10cmくらいある辞典、
グラフィック化された人体図。
医学系の雑誌も、
毎月こんなに刊行されてるの!
と、驚きもあったり。
ただし、問題も起こります!
このような、
異次元空間に迷い込んでしまうと、
人って
普段の自分とは違った行動を
取りますよね。
「今日の記念に!何か1冊買って帰りたい!」
という衝動。
...これは?...違う
...これは?...もっと違う
というか
ペラペラめくって見ても、
到底内容がさっぱりな本ばかり。
(そりゃ、医学系専門の本屋さんだからね!)
でも、
そこであきらめないのが
僕なんです!
最終的に選んだ本が
つっこみどころ満載なのは、
自分が一番わかっています。
生き辛いの?
OLじゃないよね?
肯定されたいんだね...
いいえ、いいんです。
これも一期一会。
レジに持っていきましたよ。
(なんだかドキドキしてましたけどね)
店員さんの反応は...
笑顔で「ありがとうございます」。
その神対応(そりゃ、お客さまですからね)に、
心ほぐされ...つい調子乗って
「ここでどれくらい営業されているんですか?」
って聞いちゃいました。
「え?」
さすがの神対応店員さんも
びっくりしますよね!
しかーし、真の神対応はここから!
「えーっと、数年前に創業百年だったので...」
そ、そ、創業100年?!
(僕のこころの声)
「ちょっと、待ってくださいね...。」
(奥に行って、誰かを呼んできているらしい)
そして登場、その本屋さんの主(らしき女性)!
「100...今年106年だね、そうそう。」
お話を伺うと...
・近くにある大学病院が建った時に、こちらで創業された本屋さん
・医学生の参考書から教授の専門書まで、医学系の本を扱っている本屋さん
だということです。
歴史を伺った上に最後には、
「こんな本屋に興味を持ってもらって...」
と
革製のしおり、いただいちゃいました!
「いやぁ、いい出会いがあったなぁ...」
とお店を出て、スマホを見る。
と、
待ち合わせの時間まで、あと2分。
走れ~~~。
(幸せな1冊分の重みを感じながら)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?