100年続く産業を。『城陽ワイナリーへの軌跡』その4
2015年11月〜2016年
「手伝って欲しい」
僕は打ち明けました。
「しゃーないな。給料は渡せよ」
父はそう言ったあと。「まずは農具小屋やな」
と呟きます。
誰かの手助けが必要でした。
それも出来るだけ近い人の手助けが。
専門家のご指導も必要でした。
近畿大学の名誉教授に来て頂く時もあったし。
超有名なワイン屋さんに石ころを拾ってもらう事もありました。
父と僕と誰か。
そんな光景が当たり前になって来た季節。
葡萄は葡萄らしく
畑は少しずつ畑らしくなりました。
やっと。。やっと。。やっと。。
今年は収穫出来そうだ。
ようやく初めて結実した小さな房。
希望が現実に少しだけ近づいた時期。
そんな安堵感と同時にやってきたもの。
父の病
ステージ4の大腸がん。
余命1年の宣告でした。
続きます。