シアトル発のソーシャルビジネス5選★その5:貧困問題に立ち向かう就業支援レストラン
路上生活者や、前科がある人など、様々な事情により就業が困難な人を支援するため、職業訓練を提供しているレストランがシアトルのダウンタウンにあります。
FareStart(フェアスタート)というNPO法人が展開するレストランです。
(写真:店の入り口前にて)
ここで提供しているAdult Culinary Programは18歳以上の低所得者が対象で、16週間の調理訓練に加え、履歴書作成・面接練習のサポートや、メンタルカウンセリング、ドラッグ・アルコールについてのカウンセリング、交通費支給、住居サポート、就業サポートなどが全て無料で受けられます。
(写真:スポンサーや寄付者の名前が入ったプレートが飾られています)
プログラム研修生は16週間で調理を学びながら、ホームレスシェルターや、シニアセンターなどに食事を提供し、地元コミュニティに貢献するという体験をします。これは自分は助けられる立場ではなく、誰かを助けることもできるという自己肯定感の向上に繋がるそうです。
また、地元のシェフとコラボレーションして働く機会も設けられ、それをきっかけに雇用先が見つかったりということもあるそうです。
FareStartでは他にも、若者向けのバリスタ養成プログラムや、調理訓練プログラム、既に飲食業経験がある人向けのフードサービスプログラムなどがあります。(詳しくはこちら)
iLEAPのプログラムでも毎回サイトビジットで訪れますが、店内はお洒落で、料理もとても美味しく、ミッションやプログラムを知らなくても利用したいと思えるお店です。
(写真:ランチメニューはハンバーガーやサラダ、ラップなど!)
ビジネスとしてはレストランサービスだけでなく、ケータリングやビジネスコンサルティングもやっています。
コロナウイルスによる影響で、レストラン営業が停止している現在(2020年6月)ですが、FareStartは地元コミュニティへの食事提供を継続しています。
FareStartのようなビジネスが、今後国内外に広がっていくといいなと思います。
文:スタッフはるか
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
シアトルのソーシャルビジネス5選
1.Samaritan:モバイルアプリでホームレス支援
2.Tiny Trees:教室のない幼稚園
3.Street Beans Coffee Roasters:コーヒーで若者就業支援
4.Theo Chocolate:オーガニック&フェアトレード
5.Fare Start:就業支援レストラン
iLEAPウェブサイト:http://ileap.org/ja/