【笑顔のギフト化を学ぶ】佐藤勝紀さん【ILA’S インタビューvol.1】
■ILA’S インタビューとは?
ILA’S インタビューでは、
3月6日に開催される迎春イベント「ILA’S CA-NIVAL」に際し、
出演予定の4組の皆さんの”いま”に繋がるストーリーを知り、
学んだことをコラムに綴っていきます。
初めての試みですので、暖かな目で見ていただけたら幸いです。
■まえおき
第一回目は、73歳を迎えた現在も生き生きと元気に活動されている
佐藤勝紀(さとう かつのり)さんにインタビューです。
佐藤さんが芸を披露すると場の雰囲気が和み、観ている人は笑顔になります。お話を伺うのがとても楽しみです。
■インタビュー
――拙いとは思いますが、どうぞよろしくお願いします!!
よろしくお願いします。
―――現在おいくつですか?
73.5歳です。
ーー大道芸始めたのは何歳のときでしょうか。
65才のときです。
ーー定年までは何のお仕事をされていましたか?
警備員です。
その前はレタリングで看板を手描きするお仕事。最初は修行しました。
ーーー文字の書き方から練習されたのですね。なぜ看板を描く職を選んだのですか?
元々絵とかスケッチに興味があって。でも自分では絵を職にするまでには及ばなかったので、文字を書く仕事を選びました。
・中学生にして大病を患い、不登校になった過去
ーーー学生の時はどんな学校生活をしていましたか?
実は中学3年生のときに大病をして。1年間で半年くらいしか学校に行っていませんでした。大病というのは十二指腸潰瘍とかいうやつで、見かけによらず神経質なところがあったみたいです(苦笑)
そこから引きこもりみたいになっちゃって。閉じこもりのニートというんですかね。そういうのも経験しました。
高校には20歳くらいから4年間通いながら、看板屋の修行をしていました。
・定年退職後からの歩み方(大道芸との出会い)
ーーー大道芸をはじめたきっかけは?
大道芸研究会というものがあって。玉すだれをやっている人の追っかけで演技を観ているうちに招待をされて。それが65才くらいのときかな。
そこでも、「めくり」を作ったりしていました。寄席文字というんですけどね。あればお客さんが見て解りやすいんじゃないかと思って書かせてもらっていました。
寄席文字はね、6年くらい前に本職の橘流の方から教えてもらいました。半年くらいかな。
元々やっていた仕事はレタリングですから、角ゴシックとか明朝体とかは見なくても書けたんですけどね。それ以外に、大道芸のパフォーマンスだと、そのパフォーマンスに相応しい文字があるんだなと思って。
ーーー縦の幕は製作にどれくらいの時間かかるんですか?
まあ、1日くらいですかね。元々ヒトと会うのが億劫な性格だからね、四畳半の部屋で、裸電球でね黙々とやってるの。
ーー(驚)
地方からくる方がいるときはね、「日付」「どこでやったか」書くとこれを撮って喜んでくれるんだ。配列とか色とか、最初はなかったんだけど、段々凝ってきちゃってね。やっていて勉強になりますよ。
ーーー月にどのくらいの枚数書いているんですか?
しょっちゅう書いていますよ。月に10枚とか。
ーーー(驚)では次に南京玉すだれについて教えてください!
南京玉すだれは流派が色々あってやり方を覚えたんだけど、一人で披露する場合は見栄えがしないから「からくり」を創作しました。
↑イラで開催した大道芸体験イベントの様子
ーー自分で編み出したんですね。
そうそう。春になれば枝垂れ桜。子どもたちがいればメリーゴーランド。それから夏は花火。お寺さんだったら満堂。
ーー七変化ですね!
最初は一段だけだったんだけどね、なにもつけないで。そのうちに1年ごとに2段なって3段なって、一番上がくす玉になって。
ーーそれ以上増やすと持ち運びが大変そうですね。笑
持ち運びは大丈夫ですよ。いつも25~30kgの道具を芸人さんが使ってるようなキャリーで持ち運んでいます。
ーーー披露している場所はどこが多いですか?
一番多いのは老人ホーム、次がデイサービス。
幼稚園や小学校もいきましたよ。
その時はオリンピックの前だったので、小さな輪の玉すだれを5色にして五輪マークをつくるわけね。6人いるんで、ひとりは聖火ランナー。ちゃんとたすきに「2020年東京オリンピック・パララリンピック」って手書きで書いて。笑
で、聖火は玉すだれのさきっちょに炎のマークを書いて。
ーーーそれすらも!!
さいごは聖火ランナーに宣誓を読んでもらうの。「宣誓、わたしたちは皆さまが喜んでいただけるように頑張るとここに誓います!よかったら大きな拍手をお願いします!」って読み上げるの。ひらがなで書いて。
ーー1から構成されたんですか!?
そうそう。
ーーーすごいです!!
私は芸をやるのより見るのが好きでね。本職の芸人さんのパフォーマンスをよく観にいきますね。桜木町のグランモール広場とか、東急スクエアとか毎日のようにやっているので。
昔は月に2回3回毎週見てたよ。この芸人さんはどういうお客さんに対してどのような構成・パフォーマンスしていて、どのような意気込みを持っているのか観察しています。それをいかに玉すだれや相撲アラカルトで活かせるか考えています。
・日々の活動に対しての想い
ーーー日々進化しておられますね。佐藤さんの芸を観て、どう受け取ってもらえたらうれしいな、という想いはありますか?
もし子供たちで引きこもりの子たちがいたら、「心配するほどでもないよ。」と勇気づけたい。こういう変わった者がいるんだから。
観てよろこんでもらえたら嬉しいです。
ーーー3月6日当日のイメージはありますか?
陽気も良くなるころだし、馬鹿なことやってるなぁと和んでいただけたらいいなと思っています。あとは”一緒に”楽しみたいです。自分が楽しむこともね。自分だけが楽しんじゃうのは見てるほうも楽しくないじゃないですか。
ーーー今後の活動について目標はありますか?
やっと大道芸が面白くなってきたんで、続けていけたらいいなと思います。京雀さん(佐藤さんの大道芸の師匠)の年(現在78歳)までがんばりたいです。
ーー京雀さん更新し続けていますよ!笑
そうだね、後を追っかけるしかないけど中々追い付かないね笑
永遠においつかない。。。笑
ー(笑)今日はありがとうございました!インタビューが拙くてすみません。
いえいえ、こちらこそありがとうございました。
当日はうぐいす笛を皆さんの分お土産にくださるそうです!
■佐藤さんから学んだ”笑顔のギフト化”
インタビューを通して笑顔のギフト化をする方法学びました。
↑昨年イラで開催した大道芸体験
笑顔のギフト化とは、
自分が心から楽しめる(心が喜ぶ)コトを主軸におき、
相手のニーズをつかんだ上で届けることだと感じました。
佐藤さんは「南京玉すだれ」でも「めくり作り」でも観てくれる相手に応じて、構成を組んでおられました。
そして楽しんでほしいという気持ちから派生した、伝統を重んじながらも型にはまらない”創意工夫”が笑顔のギフト化に繋がっているようでした。
・相手のことを想う気持ち
・与えたいという先行した想い
佐藤さんが相手のニーズをつかむときに根底にあるのは上記2点で、これは表現を変えると”ギフトの精神”なのではないかな、と感じました。
佐藤さんは無意識の領域から”照らしたら照らされる”循環を
自ら生み出しておられるのだと思います。
佐藤さんに照らしていただいた私も、近くの誰かを照らしたいと思いながらこのインタビューを結びたいと思います。