【楽器も人も一期一会】凛さん・綾子さん【ILA’S インタビューvol.3】
■ILA’Sインタビューとは?
ILA’S インタビューでは、
3月6日に開催される迎春イベント【ILA’S CA-NIVAL】に際し、
出演予定の4組の皆さんの”いま”に繋がるストーリーを知り、
学んだことをコラムに綴っていきます。
初めての試みですので、暖かな目で見ていただけたら幸いです。
【今までのシリーズはこちらから】
▷【笑顔のギフト化を学ぶ】佐藤勝紀さん【ILA’S インタビューvol.1】
▷【青少年の本格忍者演武チーム】KOTENGU【ILA’S インタビューvol.2】
■まえおき
今回は、篠笛奏者 凛さん、琴(筝)奏者 綾子さんにインタビューしました。
綾子さんは数年来、凛さんは間接的にかねてより親交のあるお二方。
親交はありつつも奏者としてのお姿を見る機会がなかったため、とても新鮮な気持ちです!!
楽器との付き合いが長いお二方なので、そこから深いお話に繋がるかも♪
と胸を躍らせながらインタビュースタートです^^
■インタビュー
ーーー凛さん、綾子さん、それではよろしくお願いします!
■篠笛 奏者 凛さんの今まで
凛さんは今何をメインに活動していますか?
凛)篠笛を吹いています。吹く場所はないのですが、篠笛を愛好しています。以前は教えてもいましたが、病気になってやめちゃいました。
病気になってから自分に甘くなってしまって。
ーーー自分を大切にするって一番大事なことですよね。
綾)それで甘いと言ったらどうなっちゃうんですか!1日2万歩とか歩いているのに笑
凛)たまにね!車がない生活なので。教師という仕事をしていたときは三万歩以上歩いていました。
ーーー!!学校は中学校ですか?
凛)中学校と特別支援学校にいったことがありますね。
ーーー笛にはいつ頃出逢ったんですか?
凛)笛はね、もともとNHKの大河ドラマが好きで。その中で笛を吹くシーンとか鼓をうつシーンとか、琵琶の音とか出てくるじゃないですか。そういうのが好きな子どもだったんですよね笑
実際に篠笛と出逢ったのは教師をやめてからなんですけれど、ずーっと憧れていました。それでいて出逢えなかった。
退職して時間ができて、親の看護とか子育てでバタバタしながらも「人生でやり残したことなんだろう」と思ったときに、親の意向で始めたピアノじゃない楽器をやろうと思って。
ーーー普段どのように過ごしていますか?
凛)そうね、手術したのが三年半前で、2年間くらいは療養生活をしていました。元気になりだしたときにコロナで自粛が始まって動きがとれず、思うようにリハビリできず。でもようやく最近体力が戻ってきたので、この度のお話を。久しぶりに笛を吹く機会をいただけたので初めの一歩です♪
新しい一歩を踏み出す元気をもらいました。
ーーー感無量です!!ありがとうございます。
■琴(筝)奏者 綾子さんの今まで
ーーー綾子さんはだいぶ前からお琴を?
綾)うん、ちょうど10年くらい経つかな。…実はお琴を弾くことにトラウマがあったんです。
ーーーどういったトラウマですか?
子どものとき近所にお琴教室があって6歳で始めたけど、練習をさぼり気味ですごく怒られて。社会人になってもたまに怒られている夢を見るくらいトラウマです笑
伊賀から引っ越してきたときはこちらに知り合いがいなくて。
息子が学校からもらってくる”新治里山だより”というプリントに琴の活動が載っていたのを見つけました。”どうぞどなたでも”って書いてあって、いいなって思っていました。
今度は楽しく弾けたらなっていうので、やっと奥津邸(新治町)での練習を見に行くことができました。
その時先生に「ちょっと簡単な曲を一緒にやりませんか?」って声をかけてもらったのが始まりかな。
気になっていることって結局つながっていくことが多いんです。
引越の多い人生だったけど、琴だけは弾かないのにずっと持っていて、こっちにきて綺麗にして生まれ変わりました。
ーーー小学校の頃から使っていたお琴だったんですね。
綾)そうそう。こっちのこの綺麗なほう。
で、先生から譲り受けたお琴はこっちので、すごく使い込んでいて色に深みがある。
【上:先生から譲り受けたお琴】
もう一台あったら便利だなって先生に相談したら、先生が終活の一環でお琴も弾いてくれる方にお譲りされていて。
「何本かあるうち好きなの選んでね」って言っていただきました。
「そこにたっているお琴は、ほんとにボロボロだからこれはお譲りできないわ。」て言われたお琴があって。結局ボロボロのやつを選びました。
弾いてみたらすごく良い音が出たんです。
ーーー運命の出逢いですね^^
■楽器も人も”一期一会”
凛)この人のところに行きたいって楽器が思っているんじゃないかなって、自分の楽器で感じるときもあるし、人の話を聞いたときにこの楽器はこの人のところに行きたかったんだなって感じることもあるし。
あと楽器に性格を感じることもありますね。この子はこういう性格っていうの。人との出逢いとおんなじ。
綾)曲によってこのお琴使おうとか。音を調整したのに弾くときに微妙に変わっていたりして。琴によって調節も変わってくる。一台一台ちがうし。
先生からいただいたお琴は使いこなすのに時間がかかりそうです笑
凛)ご本人も新しい環境で様子を見ているんじゃないですか。
綾)あー!そうかも。最近やっとちょっとずつ弾けるようになってきて。
自分の気が乗らないときはお琴に触れることができないの。きっと向こう(お琴)もそう思ってる。お互いに気が合ったときに弾くって感じです。
凛)私は体調で向かないときはありますね。自分では毎日と変わらないつもりでも、笛は息を使うので、音だしをしていて自分の体調に気づくっていうときはありますね。
毎日さわることで自分の体調チェックにもなるかな。面白いです。
ーーー楽器と向き合いながら自分とも向き合っているんですね。
凛)そうそう、そんな感じ。
綾)うん。自分の気分がわかる笑
凛)それからピアノを弾いていた時期は、イライラしているときに弦を切ってしまったことが何回かあります。高校生のときにフラストレーションをぶつけるみたいにガーッて弾いたら切れてしまって。そこまでやっちゃうと、ごめん!!って気分になることがありました。
そういえば、今までずっといろんな楽器と今まで付き合ってきているけれど、楽器ごとに自分にとっての関係性があって。
ピアノに関しては私も子どもだったから、随分甘えを受け止めてもらったかな、って。
今の笛たちは友だちっぽかったり、先輩っぽかったり、子どもぽかったり、色々な関係性があってそれぞれ遊んでもらっています。
ーーー付き合っていく中で楽器との関係性が深まっていくのですね。そういう感覚は小さいころからあったのですか?
凛)ピアノは親の希望でやっていて、色々と受け止めてももらって友だちみたいに慰めてもらったこともあったけど、
ピアノのことを労わってあげたことがないかもしれない。私が子どもだったから。
篠笛は何本ももっていてそれぞれ性格があったので、名前をつけた時期がありましたね。
話もするしね。
「今日のご機嫌はいかが?」とか「今日はどうしたの?」とか、「いつも冷静でいてくれてありがとうね」とか。
ほっといても変わらずそこにいてくれる子もいるし、
しばらく出してあげなかったりするとへそ曲げている気難しい子もいて、
いろいろです。
綾)私はね、発表会のとき「頼む!お願い!」ってパートナーとして話かけてたかな。演奏でソロパートのとき無理かなって思ったけど練習して、そんなときは琴に話しかけていた。
凛)うんうん。「一緒にがんばろうね!」とかそんな感じだよね。
綾)普段気にも留めてあげれていないのに、神社の神様みたいに大事なときだけお願いするっていう笑
凛)うんうん。私は病気で吹けなかった時期があって、吹く元気もないし、笛を出す元気もないし。半年くらい放置していて変わらずっと待っていてくれた人もいれば、ひびが入っちゃった人もいて。
随分一時期私のことを育ててくれたけど、「もういいね、あとは違う人と学んでいってね」って去っていったかなって思うような笛もあるし。
それぞれ意味があって私の手元にやってきて何かしら役目を果たして、終えたなって思ったらいなくなる。
ずっとやっていこうねっていう笛は残っている。
人との付き合いもそういうところあるじゃないですか。
この人と出逢ったことで色々な影響をうけたり学びがあったりするけど、けんかをしていないのに終わっちゃう人もいれば、ずっと一緒にいる人もいて、みたいな。笛も似たようなところがありますね。
そういうときに楽器に意志があるのかもって思うの。
■楽器は自分の鏡のような存在
綾)そうそう。鏡みたいに自分の状況がすごくわかる。楽器の前に座れるときって状態が落ち着いているときとか、どっぷり時間がとれたときしか座れなくて。気持ちを簡単にもっていけないというか。
凛)綾子さんはまだ育児中でもあるしね。まだまだお母さんとしての役割があるもの。そういう時間も大事だから^^
■ILA'S CA-NIVALへの想い・チャレンジのススメ
ーーーカーニバルでは「春の海」と「草原の風」を練習いただいているみたいですね!
凛)春の海はね名曲なんですよ、宮城道雄のね。
どっちのパートも結構手ごたえのある曲で、綾子さん泣かせの曲になっています笑
綾)琴の先生からも「あれやるの!?」と言われて笑
凛)本当は上級者がやるような曲ですね。
ーーー当日に向けてどのような想いがありますか?
凛)綾子さんと初セッションなんですよ笑やろうねって言っていたけど、コロナで2年間止まっちゃって。
綾)皆さんに対してこの場を設けていただいて、ありがとうっていう想いです。
2年前は人前で弾ける自信は育っていなかったけど、今回気持ちが整ったので、チャレンジかな。
ずっとお琴を弾くことがトラウマになっていたけど、楽しく弾ける仲間たちと出逢って。ほんとに長い年月経ったけど、やろうとおもったら年関係ないし、だめって思わずに一歩踏み出すのも楽しいよって皆さんに伝わったらいいかなって。
「チャレンジさせていただいてありがとう。第一歩です」っていう感じかな。第一歩なのに春の海っていう。笑
凛)私は長らくお休みをしたので、再スタートという感じですね。
春でファームだから、爽やかで嬉しい風が吹くようにっていう想いで選びました。自分も再出発っていうところで。
コロナ前までは外に遠く仲間をつくっていくという感じがあったけど、今は遠くに行けなくても近くにいっぱい仲間がいることに気付いて、そういうのを大事にしながらみなさんと一緒に育てていきたいって想っています。
ーーーありがとうございます!実りのある機会になれたらうれしいです!!
■インタビューから学んだこと
お二人の豊かな感性や、真心をもって楽器と向き合う姿勢から、
想像以上に深いお話を伺うことができました。
楽器にもそれぞれ個性があり、役割がある。
そして出会いも別れも”一期一会”で意味があるもの。
楽器は自分を映し出す鏡のような存在であること。
それはきっと楽器もヒトも同じ。
美しい音色を奏でながら深い内観の世界を観ることができる。
新しいチャレンジをする姿勢は、
お年を重ねるごとに若々しくも深みのある凛とした女性に
昇華していくのだなと、
自分もお二人のように在りたいと思いながら今回の取材を結びたいと思います。
さいごに、コラムを読んで
凛さん綾子さんやイラの活動を応援したいなと思っていただけた方は
「スキ」をしていただけると今後の励みになります^^
感想も頂けたらとてもうれしいです!
最後まで目を通していただきありがとうございました!
🌎ila community farm
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