異郷から来た女史
私は異郷から来た。自称、女史である。 クソ田舎から東京へ幼少期、女史は日本のクソ田舎で育ち、大学入学を機に上京した。 最初に入学した大学がつまらな過ぎて、仮面浪人を経て日本国内トップの某私立大学に入学した。 経営学と哲学在学中は、専攻である経営学の勉強に明け暮れ、しまいには哲学にまで手を出し、独学で学問に励むという蛮行に及ぶ。好きな哲学者はルソー、サルトル、アーレント、ポパー、イリイチ、マルクス、フロムだ。女史の好きな順に並べてみた。そう、異郷から来た女史は、過激な哲学
本作はネタバレを含みます! はじめに:地域格差、ジェンダー格差、ヤングケアラー問題本作は本屋大賞を受賞した、超人気作である。Kindleで次に読む本を物色していた私は何気なく購入ボタンをクリックした。あらすじによると、なんとも切ない恋愛小説のようである。 しかし、その本質は、地域、ジェンダーそして生まれ落ちた家庭を巡る差別や苦悩の縮図であった。 異郷から来た女史が何者か知りたい人はこれを読んでくれ。 そして、女史のnoteをどう読むか、こちらを参考にしてくれ。 出逢い
はじめに:普通が異常で異常が普通村田さんは、社会によって創り上げられた「人間は、大人は、子供は、男性は、女性は、こうあることが最も理想的である」という桃源郷を、完膚なきまでに叩き壊す。 本書もその例に漏れず、我々が”普通”と考える家族のカタチを”異常”であるとして木っ端みじんに破壊する。 本小説では、読者が”異常”と分類する社会を受け入れる主人公を描くことで、日々社会から刷り込まれた”常識”、”普通”、”理想”の概念を熱い抱擁で迎える、まるで家畜のような我々人間をグロテス
はじめに:初学者達へ今回は女史の専攻でもある経営学の入門書について記事を書きたい。経営学に対して皆様はどのようなイメージをお持ちだろうか。企業の経営の在り方について述べていたり、利益の上げ方、コスト削減の仕方、はたまたリーダーシップなんかも思い浮かべる方がいるだろう。 確かにその通りである。しかし、経営学とは、書店に立ち並ぶ”なんちゃって経学本”が述べているような小手先の学問では決してない。経営学は、由緒正しき学問であり、その正体は大量の定量分析及び定性分析によって積み上げ
はじめに:皮肉屋なオースティン女史はこう見えても(?)大学時代にイギリス文学に熱中しており、実はオースティンの大ファンであった。もちろん今も大好きであるが。 オースティンは、一般庶民のイギリスの少女を中心とした名作を数々生み出している。それらの特徴は、イギリスの片田舎の庶民の生活を生き生きと描いていることである。さらに、オースティン特有の、ウィットにとんだ皮肉が飛び交う。オースティン作品の醍醐味である。 今回はそんなオースティンの代表作品の一つ、エマを紹介する。 異郷か
はじめに:メタフィクションの鉄板今回紹介する本は、メタフィクションの鉄板作品である。 作中で、いじめられっ子の少年がある本に出会う。読み進める中で、少年は小説の世界に入り込んでしまう。 大人でも子供でも楽しめる小説であり、現実世界に疲れたときに読んでみると、非常に癒される作品である。 異郷から来た女史が何者か知りたい人はこれを読んでくれ。 そして、女史のnoteをどう読むか、こちらを参考にしてくれ。 少年ととある本:空想の世界へ少年バスチアンは、いじめられっ子の少年
はじめに:ミソジニーテスは、英文学をかじった人ならば誰でも知っているであろう作品である。今回は、この文学作品のミソジニー的な側面に焦点を当てて議論をしていきたい。 異郷から来た女史が何者か知りたい人はこれを読んでくれ。 そして、女史のnoteをどう読むか、こちらを参考にしてくれ。 テスと2人の男:波乱万丈の展開テスは、田舎で育てられた純粋な少女だ。とある事故をきっかけに、テスは貧窮に陥った家庭のために奉公に出ることになる。そこからテスの悲劇が始まる。奉公先で、とんでもな
はじめに:自己実現のその先へ今回はフロムの『よりよく生きるということ』を紹介したい。これはフロムの晩年に書かれた作品であり、非常に読みやすい作品になっている。フロム哲学に慣れ親しんでいない人でも気軽に読めるため、非常におすすめである。 本書のメインテーマは、Well-Beingである。どうすれば人間は豊に生きることができるかを議論する。 本記事では、人間がWell-Beingを実現する際の障害、及び、行うべきこと、そしてさらにWell-Beingを追求するための手法をそれ
はじめに:ダイナミックケイパビリティ入門今回はダイナミックケイパビリティ(以後DC)についての本を紹介したい。この本は、DC理論の巨匠ティースによって書かれた論文をいくつか和訳して本にしたものである。 DC理論は、日本ではあまり研究が盛んではないが、欧米では非常に熱い議論が巻き起こっている分野でもある。 今回は、DCの概要を分かりやすく説明する。今後もDC関連の本の紹介を行っていく予定だ。 異郷から来た女史が何者か知りたい人はこれを読んでくれ。 そして、女史のnote
はじめに:妖艶な女性をめぐる騒動本作は、一人の美しい女性光子と、光子に淡い恋心のようなものを抱く主人公園子の物語である。主人公には夫がいるが、光子に惹かれる心をとどめることができない。 本作は、ドロドロとした心理戦が続く小説で、非常に読みごたえがある。 異郷から来た女史が何者か知りたい人はこれを読んでくれ。 そして、女史のnoteをどう読むか、こちらを参考にしてくれ。 光子:男女共に虜にする主人公園子は、同じ芸術学校に通う光子と出会う。二人は次第に惹かれあっていき、関
はじめに:屈指のスパイ小説本書はソ連崩壊後のロシアを描いたスパイ小説である。 実際にスパイ活動等の経験を持つ著者によって書かれたという点も非常に面白い。それが所以か、読む手が止まらなくなるほどさくさくと読めてしまう。 土日のお供にいかがであろうか。 異郷から来た女史が何者か知りたい人はこれを読んでくれ。 そして、女史のnoteをどう読むか、こちらを参考にしてくれ。 東西闘争:ソ連復古と資本主義本書は、ソ連の復古を狙う大統領候補者と、それを阻止しようとするスパイの闘争
はじめに:正しい作文本作品は、女史の作文に対する意識改革を大きく手助けした。女史の母国語は日本語であるが、いまだに正しい作文とはなんであるか、よく分からない。 自分の書いた文章を読み返してみて、推敲してみるものの、推敲したからと言って正しい文章であるかは知れない。 本作は、我々日本人が普段何気なく書く文章に対して喝を入れてくれる。この本を読めば、それ以降の文章に対する意識が大きく変わるはずである。 異郷から来た女史が何者か知りたい人はこれを読んでくれ。 句読点:基本に
はじめに:平和のための条項本論文は平和の実現に向けたカントの構想が述べられている。世界平和をいかにして実現するか、偉大なる哲学者としてのカントの言葉をここに伝えたい。 異郷から来た女史が何者か知りたい人はこれを読んでくれ。 そして、女史のnoteをどう読むか、こちらを参考にしてくれ。 国家間に永遠の平和をもたらすための6項目の予備条項1.将来の戦争の原因を含む平和条約は、そもそも平和条約とみなしてはならない 2.独立して存続している国は、その代償を問わず、継承、交換、
はじめに:特許戦略経営学を学んだことがある人もない人も、特許の重要性は重々承知されていることであると思う。 今回は、パテントトロールなる企業(組織)についての小説を紹介したい。パテントトロールとは、他社の特許を買い集めて、特許収入で富を成す企業または組織のことである。 異郷から来た女史が何者か知りたい人はこれを読んでくれ。 そして、女史のnoteをどう読むか、こちらを参考にしてくれ。 パテントトロール:現代のビジネスモデル本小説では、アルダス電機がとある倒産企業を買収
はじめに:不可抗力に動じない今回は東洋哲学の偉大なる巨人、老子についての記事を書きたい。 女史は、連日のコロナ問題の影響や女史の本職での出来事等を顧みて、不可抗力に逐一動じない心の必要性を改めて感じている。 女史は、老子の教えを顧みることで、マインドセットを少しでも自分自身の糧になる方向に変えていきたい。 異郷から来た女史が何者か知りたい人はこれを読んでくれ。 そして、女史のnoteをどう読むか、こちらを参考にしてくれ。 道:無為自然道とは、あらゆるものを超越した真
はじめに:自然の与えし素質カントは、本論文にて、人の意志の自由の働きは、規則的に発展していると述べた。そして、その発展法則は、自然の定めた9つの命題に従っていると主張する。発展の最終地点は、人類の完全なる市民的連合の設立である。 異郷から来た女史が何者か知りたい人はこれを読んでくれ。 そして、女史のnoteをどう読むか、こちらを参考にしてくれ。 9つの命題:自然の計画以下、カントが示した自然における人間の命題9つについて示す。 1.被造物(臓器、器官等の身体に元から備