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文章で食べてきた人生、食べていく人生

☆ 橋口、それ、言語化するの?

私は、じいちゃんっ子だったことを以前もここで書いた。

ずいぶん前にもう亡くなってしまったが……。

と、書いて(そうだ亡くなったんだよなあ)と思うほど、今日も一緒に生きている。

実は、看取ってもいないし、お葬式も行っていない。

遠方だったし、仕事で行けなかったこともある。

そして何より、私は行かないことを選んだ。

認めるのが怖いとかそういうんじゃない。

(あ、行かなくて大丈夫だ)

と、勝手に思ったのだ。

あまりにもすとんとそう思った。

知らせを聞いた時、一瞬泣きはしたけれど、その後は、ぐずぐずしていることもなかった。

あまりにもあっさりしたもので、一緒に連載の仕事をしていた精神科医の名越先生に「ずっと不思議なんですけど、なんででしょうね」と質問すると……。

「生ききったからよ。じいちゃんと、一緒に生ききったからそうなる」

そう聞いて、ものすごく納得した。

共に生ききると言っても、小さい頃、親の仕事や私の学校がお休みの時とか盆暮れ正月に泊まりに行く程度。

夏休みはがっつり滞在する時期もあったが「生ききった」と言い切れるほどたくさんの時間は過ごしていないように思う。

でも、確かに生ききった感覚があるのだ。

その象徴となるようなエピソードで、今でも、毎日のように思い出すことがひとつある。

朝やお昼に、ひとりでお茶を飲む時、自動的に再生されるじいちゃんの言葉。

毎日っていうのが驚異的だとは思うけれど、それは、今思えば、私に人として、そして物書きとして

"言葉を信じる力"

をくれたものだと言いたい、が、こうして「信じる力」なんて言っちゃって、言語化してしまえば、なんだかチープなものになりそうでムズつく。

でも、今日は誠心誠意そこに挑戦し、シェアします。

☆ 永遠という不確かなものがマジで存在した

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