ばあちゃんの孫が増えていく。旅人=孫。大勢の孫でつくるゲストハウス。
ばあちゃんの孫が増えていく。うちに旅人が泊まりに来るようになって約1ヶ月。うちに来る旅人がばあちゃんの孫に。交流が生まれはじめました。
寒いし普段はほとんど寝たきり。テレビをたぶん15時間くらいみているばあちゃん。膝が悪いからなかなか起きようにも起き上がれない。たまに起き上がるときは、トイレに行くか、ご飯を食べるか。特にこの季節寒いし、さらに起き上がる頻度が少なくなってきた。
でも最近、ばあちゃんが朝早くから起きるように...。なんでか、、、
旅人の出発がないかを偵察するようになったからです。「出発する旅人(=孫)がいないか?」ばあちゃんの最近の楽しみはうちに来る旅人と話すこと。旅人と話しているとき、本当に楽しそうなばあちゃん。起き上がるキッカケ、生きる目標ができて良かった...。
それと旅人が出発をするときにだいたいいう言葉がある。
「生きているうちにまた遊びにおいで」
たぶんだけど、じぶんが生きる目標をつくること。そして生きる目標を定めることでがんばろう!という決意の言葉なんだと思う。
87歳のばあちゃん。これまでずっとひとりでこの古民家で暮らしてきた。50歳のときに旦那さんを病気で亡くしてから37年。すごく長かったと思う。僕ならこの古民家で37年間も暮らせない。寂しいし。
でも3ヶ月前にぼくたちふたりが移住してきて37年ぶりに一緒に住みはじめた。そして1ヶ月前から旅人がこの古民家に来るようになった。ばあちゃんの生活が激変した、激動の3ヶ月。そして、これから。
旅人が集まると、地域に活気が出る。そして古民家にも一筋の光が差し込んできた、そんな感覚。
それに加えてばあちゃんに大きな変化が現れ始めた。旅人が来る前までは、どんな人が来るかが未知数でとても不安になっていた。けれども8人の旅人が来て、それぞれ手伝ってくれたり、素敵な笑顔を見せてあげることで、旅人の信頼感が増してきた。人を信用するようになった。
▷最近長期滞在してくれたふたり
いま来ている旅人は全員が孫のよう。ばあちゃんはいま、そんな感覚だと思う。出発するときには、「またおいでね。死ぬまでに絶対遊びにきてね♪」と本当にうれしそう。まるで新しい孫ができたかのような笑顔を見せてくれている。
旅人が古民家に来ること、いろんな人がこの家に遊びに来ること、未来、ゲストハウスを開業すること。それはばあちゃんにとってもとてもプラスになるんだ!不安だったことがばあちゃんのためにもなるんだ!という感覚とほっとした自分。
今までずっと1人で暮らしてきたばあちゃん。そのばあちゃん家にいま、若い僕たちふたりと旅人が集まってきている。古民家に来てくれてありがとう。古民家が昔のように活気づいていることが、ばあちゃんを元気にしているんじゃないかと思う。
築140年の合掌造り茅葺き屋根の古民家。僕の先祖の先祖の先祖の先祖の先祖の先祖の先祖から守ってきたこの地に、旅人という新しい風が。
ばあちゃんはこんな言葉を口にする。
「私が生きている間にまた来てね♪」
この言葉は体が思うようにいかなくなることも多分あるだろうけど、しっかり長生きするというおまじないのような言葉なんだと思う。
膝も悪いし、カートがないと歩けないくらい体が弱ってきた。でも頭はすごく冴えているし、目立ってすごく良い。これからその状態を維持していくためにも、旅人という新しい風とぼくたちふたりで支えていく。その思いがばあちゃんを元気にさせるんじゃないかと思う。
やっぱりなにが起こるかわからない。不安だったことが、いまではばあちゃんの生き甲斐になり、励みとなっている。家に来るすべての人々の笑顔が古民家とばあちゃんを元気に。ばあちゃんと古民家にすごくすごく大きなエネルギーを与えてくれている。
僕たちふたりだけでは生み出すことのできない大きなエネルギー。たくさんの人が家に遊びに来ること、ばあちゃんと接すること、それはこの地域にも、この家にも、そしてばあちゃんにとっても良いことだった。
移住してきて3ヶ月。ばあちゃんとたくさん喧嘩もしたし、衝突することもあった。でも1ヶ月前、旅人応援宿を始めて、たくさんの旅人が遊びに来てくれた。そして新しい風が、そして新しい孫が家に来るたびにばあちゃんがもっと元気になった。
ばあちゃんには長生きしてもらいたい!そのためにもたくさんの旅人と、地域の人々、仲間に囲まれなならこの古民家改修もやっていきたい。そして来年の6月には正式にゲストハウスを開業できるように。
僕たちふたり、そして仲間たち、ばあちゃんとともにこの古民家とこの吉峰集落を盛り上げていきたい。
まだまだ大変なことばかりだけど、たくさんの人が助けてくれるおかげで少しずつゲストハウス開業に向けて進んでいる。僕たちふたりで達成できないことも、たくさんの人と協力することができれば達成できると思う。
開業に向けて、そのプロセスこそが、人と地域とこの古民家を結ぶ太い絆になるんだと思う。これからもコツコツ頑張っていきたい。人が集まる空間へ。ぼくたちとばあちゃんと、そして旅人たちと。
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