見出し画像

孤高の意義

1対100だったら、皆さんはどちらを選ぶでしょうか?
個と集団だったら、どちらを選ぶでしょうか?
マイノリティとマジョリティ(少数と多数)どちらが幸せでしょうか?
今日はそんな問いを皆さんに投げかけていきたいと思います。

僕は"孤"と言う言葉の美しさを再定義し、その是非について日々深く考えています。

"孤"と言う言葉は、
・孤独
・孤立
・孤影
など、得てしてネガティブな意味を含んでいるイメージがあると思います。

集団における人間の生存欲求を段階的に示す、「マズローの欲求5段解説」の多くを占めるのも、"孤"ではなく集団に属することが人間として、もはや生物としてDNAレベルで安心している状態という、集団社会において生存していく上で欠かせない要素です。

では、"孤"は悪でしょうか?
結論から言えば、"孤"こそが創造性や人間的な優しさ、暖かさ、美しさの原点になる要素であるというのが、僕の考えです。

僕自身今は、多くの人と関わり、共創の機会をもたらしていく、コミュニケーションが重要視される世界で仕事をしていて、日々前向きに人と関わり、価値を生み出していく、そんな仕事をしています。
一方で、常に常識を疑い、集団心理に惑わされず常に"孤"に対峙し、物事に取り組んでいる面もあります。

僕は、この特殊な性格もあってか、人生で二度ほどいじめられた経験があります。
大人になってから長く引きこもった経験もあります。
今でも、多くの人に自分の思想や信念が理解されず、(一時的に)苦しむことが少なくありません。

一方で、それらの経験によって、孤独と対峙し、自分と向き合うことの重要性もしっかりと腹落ちしている面もあります。
孤独は楽しいものではありません。
むしろ苦しいものです。

ただし、苦しいのはおおよその場合一次的なものであり、やがて自身が"孤"
と対峙して物事に取り組んだ先に、巡り巡って良い結果をもたらしたと言うことが往々にしてあります。

日々の仕事や生活の中で、
・なんとなく違うと思うんだけど、荒波立てて責任取りたくないから多数派に乗じておこう。
・今のチームのあり方が良くないと思うんだけど、仲間はずれにされたくないから多数派に入っておこう。
そんな心理になることは少なくないと思います。

だけど、少しの勇気を持ってそこに一石を投じることで、世の中や組織体、やがては最終的に自分自身の人間的成長に影響を及ぼすことになります。
そんな少しの勇気を行動にうつしてみませんか?

皆さんはセミの幼虫を見たことがあるでしょうか?
土の中で3〜4年過ごし、成虫として開花して1週間で死んでしまう。
ミの幼虫は醜い姿をしていて、一生のほとんどを誰にも見向きもされない暗い土の中でただその時を待ち、いざ華やかな地上の世界に放たれてたった1週間で散っていきます。
夏のあのセミの鳴き声という風物詩は、そんな彼らの一生のフィナーレを飾る大合唱なのかもしれません。

良い"孤"と悪い”孤”

では、ただ無作為に"孤"であればいいかといえばそうではありません。
"孤"にも良いものと悪いものがあると思います。

良い"孤"とはつまり、「全体の幸せを考えて、戦略的に”孤”を引き受けること」だと思います。
世の中や組織の全体の現状を俯瞰した上で、自らが"孤"としての立ち回りを意図的に引き受けることが、やがて全体に良い影響をもたらし、自分自身の人生の経験値を高いものにしていく。
そういうことだと僕は思います。

一方でよくない"孤"もあります。
・ただ自分の我儘を通せなくて腐っている"孤"。
・単に孤高であることがカッコいいという勘違いで一匹狼スタイルを貫こうとするナルシスト。
・努力しない"孤"や攻撃的な"孤"
自分本位の"孤"は、誰も幸せにならないネガティブな個です。

"孤"そのものにもネガティブなものとポジティブなものがあり、それらをしっかり理解した上で自らの"孤"としてのあり方を戦略的に考えて行動していくこともまた大切なことです。

"孤"は人間にしかできない、DNAを超えた潜在的能力

人間は誰しもたったひとりでこの世に生まれてきます。
誰もが皆、自分にしかできない使命を与えられた人生を生きています。
集団に属して心理的安全性を担保していくことは、果たして本質的に幸福なことなのでしょうか?

集団に適応する能力はDNAレベルで組み込まれたもの。
しかし、そのDNAレベルのシステムを超えたところに、人間の潜在的な能力を発揮する可能性があるのではないか?と僕は思います。

"孤"と対峙し、「常識」というちっぽけな概念を超えて、世の中にあるあらゆる物事のさらなる発展・改善の可能性に挑んでいく。
そこにこそ、人間を人間たらしめる美しさがあるのではないでしょうか?

お読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?