母の推活
子供の体調不良のせいでもなく、保護者会でもない。そんな日に、休みを十数年ぶりに取った。
市内の運動場を使うには、中学生迄は保護者の付き添いが必要となっている。
テニスに夢中である息子達に付き添うため、
そんな理由で休みを取ったのだ。
中学生になってからテニスを始めた彼らは、当初はボールをラケットで打つのが精一杯。
初めての試合では緊張のあまりに泣き出した子もいた。
今では、観ているこちらがドキドキするような白熱した試合をみせてくれるようになった。
とはいっても、初めて2年弱であり、学校で規定された少ない練習時間…一生懸命練習していても、まだまだ荒削りなところも多く、ミスを積み上げて負けてしまうこともある。
先日の市内の大会でも、優勢で進めていた決勝で、逆転され、ファイナルセットの末、息子達は負けてしまった。
最後の挨拶の時、顔を歪め、なんとか泣かないように頑張る息子がいた。
2位が一番悔しいのだと…初めて知った。
息子のチームメイト達も、誰一人納得した表情をしている者はいなかった。
ある子は「僕のミスで負けてしまった…」と肩を落とし、コートを眺めていた。
彼らの部活引退まで、あと半年だろうか。
参加できる大会は数えるほどしかない…
でも親である私が出来るのは、運動場での付き添いくらい…
彼らの『練習したい、上手くなりたい熱』は、より一層高まっている。
最初から、ずっと観ているとチームも誰しもが驚くほど成長している。
顔つきも変わってきた。
そんな彼らが、今1番の「推し」だ。