「あそび」だからこそできる、新しい防災のかたち
こんにちは!お鶴です。
今日、1月17日で阪神・淡路大震災から27年が経ちました。
日本は数多くの災害を経験する中で、防災を推進してきました。ですが、普段の生活から防災を実践できている人は、まだ多いとは言えません。
今回は、IKUSAが「防災」に対して考えていることについてご紹介します。
自助・共助の大切さと課題
日本では、いつどこで災害が起こるかわかりません。災害が起こった時、スマホも電気もないかもしれません。自分の身を守るために確実に持っていられるものは、知識や経験です。
知識と経験が、災害時に自分や大切な人の身を守る行動に繋がります。
「自助・共助」という考え方があります。阪神・淡路大震災や東日本大震災のような大規模広域災害下において、公的機関による救助には限界があることが明らかになってきました。
阪神淡路大震災で助かった方の中では、救助隊に助けられた人は1.7%であったのに対し、自力で助かった人やそばにいる人に助けられた人は97.5%と言われています。
(図:(社)日本火災学会(1996)「1995年兵庫県南部地震における火災に関する調査報告書」参照)
「自助・共助」の経験値を増やす場として現状機能しているのは、防災訓練や避難訓練です。ところが、それらの訓練は「興味がある人しか来ない」「強制的だから楽しくない」といった多くの課題を抱えています。
私たちは、2019年、「あそび」の力でこの課題を解決する「あそび防災プロジェクト」を立ち上げました。「自分で助かる、他人を助ける人をゼロから1へ」というビジョンを掲げ、防災に興味がない、興味があるけど動き出せない人に、防災に触れるきっかけをつくるためのプロジェクトです。
「あそび」の力
株式会社IKUSAは「遊び」をビジネスのソリューションとして広めている会社です。防災ではなくビジネスソリューションの分野から入ってきたいわゆる「部外者」ですが、でもだからこそ、専門領域を生かして防災の課題を解決できるかもしれない。それがこのプロジェクトの出発点でした。
得意としているのは、オンライン謎解き脱出ゲーム「リモ謎」や歴史をテーマにした戦国合戦ゲーム「チャンバラ合戦」、宝箱を隠して観光客に地域周遊を促す「宝探し」など、老若男女が一緒にチームビルディングできる体験型コンテンツ。「遊び」とは、「楽しさ×体験」ともいえます。人は体験をすることで学ぶ意欲が向上すると言われており、インバウンドやエンターテインメント領域で体験の価値が向上しているのも同様の理由です。
1960年代から提唱されている学習ピラミッドでは、「体験する」ことの価値の高さが示されています。小学生の90%、高校生の60%以上が、体験した後、その事柄に興味をもち学びたくなるとされています。
私たちはこれまで年間160件、24000人以上の人に、遊びやアクティビティを提供してきました。2020年度は470件を超えるイベントを実施、年200%以上の成長を見せています。
これまでの経験で培ってきた「遊び」のノウハウを、防災という分野にも活用できないか。そう考えた私たちは、1年以上の時間をかけ、最新の防災のスタンスや知識を一般社団法人防災ガールをはじめとする各分野の専門家に学び、あそび防災プロジェクトを発足させました。
「あそび防災プロジェクト」は、防災に触れるきっかけを生み出し、防災を「やらないと」から「やってみたい」と思える人をひとりでも増やすことを目的としています。
ただのイベント会社である私たちが「日本の防災」に挑戦しようと思った理由
株式会社IKUSAは、一般社団法人防災ガール主催の日本初の防災アクセラレータプログラム「IMPACTFUL ACCELERATE PROGRAM FOR DRR 有機的解散と発展的伝承」に参加しました。参加の経緯やプログラムを通して日本の防災に対する「使命感」を持つに至った感想をブログ記事にまとめています。こちらも合わせてお読みください。
https://asobi-bosai.com/blog/20191002260/
さて、実際「あそび防災プロジェクト」ではどのような活動をしているのでしょうか? 2つのコンテンツをご紹介します。
楽しみながら知識を習得、防災運動会
防災運動会は運動会に防災知識を取り入れた新しい運動会です。
リレーの中で応急処置や瓦礫に見立てた床を歩く体験がある障害物競走や、「倒れてきた棚にぶつかり腕を骨折してしまった」ような「お題」を元に、用意された歯ブラシやビニール紐などの物品を使って最善策を打つ借り物競争など、体を動かす運動会としての楽しさを残しながらも、防災に関する知識や知恵を身につけ、自分で助かる・他人を助けることの大切さを学べるようになっています。
詳しくはこちらのページをご覧ください!
▼イベントの様子はこちら
https://ikusa.jp/201909136047/
「おうち」中心の新しい生活に対応、おうち防災運動会
2020年、長引くコロナウィルスにより各企業がリモートワークなどに始まる「新しい生活様式」に切り替える必要がありました。 生活様式が変われば、必要な防災のあり方も変わってきます。 「おうち防災運動会」は、 直接会いにくいからこそ「どこからでも参加しやすく」「楽しく」「おうちにいるからこそ学べる」今の時代に合った新しい形のオンライン防災イベントです。
例えば、おうちにある非常食を探して賞味期限の合計で競ったり、ラップなど身近にあるものの「もしもの時」の使い道を発案した数で競ったり……。
おうちにいる家族みんなで楽しめる運動会になっています。
詳しくはこちらのページをご覧ください!
▼イベントの様子はこちら
https://ikusa.jp/2021122423977/
2020年、グッドデザイン賞を受賞
「あそび防災プロジェクト」は、2020年度のグッドデザイン賞を受賞しています。以下、審査委員の方からの評価コメントを引用します。
悲しい事に、災害はいつ起こるかその予測は難しく、そしてそれは毎年の様に起こり続けている。もちろんこれまでにも防災訓練は地域や企業内で行われてきたが、この取り組みは体験しながら学ぶ、やってみたいと思える防災へ変えた方法論のデザインが評価された。同様の取り組みがある中、ある意味正攻法のアプローチで安価に実施できそうな点も好ましい。
「防災予算がない」という企業の課題を「あそび」で解決する
上記の画像は、1年間(2018年)の国内イベントの消費規模を表しています。
防災の必要性は認識しているけど、防災予算がない。
私たちは、多くの企業や自治体からそんな声を聞きました。
防災に向けた予算はそもそも少ない上に、国や地域の防災の予算を使うとどうしてもスピードが遅くなります。
そこで運動会のような「あそび」に防災を組み込むことで、イベント予算を活用して防災を推進できます。「あそび」の会社であるIKUSAだからこそできる解決方法です。
防災予算に頼ることなく、より多くの企業に防災事業を進めてほしい。「あそび防災プロジェクト」はそう願っています。
災害はどのようなタイミングで起こるかわかりません。
だからこそIKUSAは、日頃から考えるきっかけやみんなで話し合う機会を作れればと考えています。
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IKUSA広報「お鶴」のTwitterはこちら!
https://twitter.com/otsuru_pr
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